肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
50 巻, 4 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
原著
  • 山崎 修, 岡 博子, 真鍋 隆夫, 木岡 清英, 倉井 修, 村田 佳津子, 堀井 勝彦, 塚本 忠治, 井上 健, 川崎 靖子, 金沢 ...
    原稿種別: 原著
    2009 年50 巻4 号 p. 173-184
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    Child-Pugh Aかつ腫瘍径5 cm以下の単発肝癌399例に対して系統的肝切除110例(28%),非系統的肝切除88例(22%),熱凝固療法(PMCTまたはRFA)97例(24%),PEIT 104例(26%)が初回治療として施行され,5年生存率/5年無再発生存率は系統的肝切除72%/41%,非系統的肝切除51%/27%,熱凝固療法68%/23%,PEIT 62%/11%であった.生存期間を延長する独立因子は1)肝障害度A, 2)腫瘍径≤2 cm, 3)高分化型肝癌,4)系統的肝切除であり,無再発生存期間を延長する独立因子は1)肝障害度A,2)高分化型肝癌,3)系統的肝切除であった.腫瘍径≤2 cmでは肝障害度にかかわらず治療法別に予後の差はなく,局所療法も選択可能であるが,PEITの局所制御能は熱凝固療法に較べて不良であった.肝切除群では術式による再発率や再発様式の差がないため縮小手術が妥当と思われた.腫瘍径>2 cmでは肝予備能の許容範囲内で系統的肝切除を積極的に行なうべきで,とくに肝障害度Aにおける系統的肝切除の5年生存率/5年無再発生存率75%/52%は非系統的肝切除46%/27%,熱凝固療法48%/0%, PEIT 51%/9%に較べて有意に良好であった.
症例報告
  • 玉置 信行, 田浦 康二朗, 波多野 悦朗, 猪飼 伊和夫, 上本 伸二
    原稿種別: 症例報告
    2009 年50 巻4 号 p. 185-191
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    肝動脈注入化学療法(以下肝動注療法と略)は,門脈腫瘍塞栓を伴う切除不能肝細胞癌に対する治療として有望である.しかし併存する肝硬変と脾機能亢進による汎血球減少のために,肝動注療法が継続困難であることがしばしば経験される.我々は脾摘術によって肝動注療法を継続することができ,奏功した一例を経験したので報告する.症例は56歳男性,門脈腫瘍塞栓を伴う肝細胞癌であった.脾腫による血小板減少(3.5×104/mm3)を認めたため,肝動注療法に先立ち部分的脾動脈塞栓術を行ったが血小板数が十分に上昇せず,肝動注療法の継続が困難となった.脾摘術により血小板数は上昇し(15.4×104/mm3),動注療法を完遂することができた.腫瘍は著明に縮小し,血清PIVKA IIは1190 mAU/mlから107 mAU/mlへ低下した.脾摘術は脾機能亢進を伴う切除不能肝細胞癌に対する集学的治療の一環として考慮すべきと思われた.
  • 岡 博子, 山崎 修, 堀井 勝彦, 真鍋 隆夫, 木岡 清英, 川崎 靖子, 中井 隆志, 金沢 景繁, 清水 貞利, 村田 佳津子, 甲 ...
    原稿種別: 症例報告
    2009 年50 巻4 号 p. 192-200
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    症例は34歳,慢性B型肝炎患者.25歳時に左葉の径12 cmの巨大肝癌に対して,拡大左葉切除が施行されたが,1年後に再発し,翌年生体肝移植が施行された.移植後44カ月目にグラフト内に肝癌が再発し,経皮的治療が繰り返し施行されたが,制御不能となり,移植肝の後区域切除および前区域部分切除が施行された.術後に再発病変が出現し,経皮的治療および肝動脈内薬剤注入療法が繰り返し施行されたが,次第に制御困難となり,急速に腫瘍が増大し,生体肝移植後から94カ月,移植後の再発からは50カ月目に死亡した.これまで肝癌に対する生体肝移植後3年以上を経過しての再発や,グラフト再発に対する肝切除の報告はなく,大変貴重な症例と考えられた.
  • 春野 政虎, 道免 和文, 小山 みな子, 深浦 啓太, 久保 徳彦, 田中 博文, 東原 秀行, 岡崎 正敏, 下田 慎治
    原稿種別: 症例報告
    2009 年50 巻4 号 p. 201-207
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    症例は68歳の男性.画像所見,AFP・PIVKA IIの上昇より原発性肝癌ならびに多発肺転移と診断された.最大径8 cmの原発性肝癌に対し,連続した4回の肝動脈化学塞栓療法・肝動脈化学療法を施行した.治療後に原発性肝癌ならびに肺転移巣が消失し,同時にAFPとPIVKA IIの値も23,350 ng/ml, 45,700 mAU/mlがそれぞれ4 ng/ml, 21 mAU/mlへと正常化した.肺転移巣の消失機序の確定は困難であったが,原発性肝癌に対する腫瘍壊死変化を介した腫瘍免疫の賦活化,自然退縮などが推察された.
  • 森本 光昭, 調 憲, 梶山 潔, 播本 憲史, 本村 健太, 増本 陽秀, 長家 尚
    原稿種別: 症例報告
    2009 年50 巻4 号 p. 208-212
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    手術的に短絡路閉鎖を行い,門脈大循環短絡症による猪瀬型肝性脳症の改善を認めた症例を経験したので報告する.
    患者1, 71歳男性,明らかな肝障害の既往はない.絞扼性イレウス,汎発性腹膜炎を発症し手術を施行したが,術後より繰り返す肝性脳症が出現した.CTにて巨大な脾腎短絡路を認めたため,開胸,開腹下に脾腎短絡路閉鎖術を行った.
    患者2, 79歳男性,C型肝炎の既往がある.CTにて上腸間膜静脈と下大静脈間に巨大な短絡路を認め,短絡路閉鎖,摘出術を行った.術後に門脈血栓,上腸間膜静脈血栓症を発症したが,抗凝固療法により血栓は完全に消失した.
    患者は二名とも術後肝性脳症の発症はなかった.猪瀬型肝性脳症の治療に短絡路閉鎖術は有効な治療法であるが門脈血栓に対しては注意を要する.
feedback
Top