肝臓
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50 巻 , 5 号
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Editorial
症例報告
  • 小塚 立蔵, 岩井 秀司, 遠山 まどか, 藤井 英樹, 安田 隆弘, 小林 佐和子, 黒岡 浩子, 中山 祐史, 榎本 大, 森川 浩安, ...
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 50 巻 5 号 p. 223-228
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/06/03
    ジャーナル フリー
    症例は27歳,女性.鼻閉感で近医受診時に血液検査で高γグロブリン血症,高IgG血症を認め,経過観察されていたが,血清トランスアミナーゼの異常高値を示し,当科へ紹介入院となった.血液検査,肝生検から自己免疫性肝炎と診断され,プレドニゾロン30 mg/日で治療を開始した.しかしながら,ステロイド抵抗性を認めたため,アザチオプリン50 mg/日を併用し,一旦は軽快傾向に向かった.無顆粒球症を合併したため,シクロスポリンに変更したところ,肝障害は再増悪した.治療中突然の意識レベルの低下およびカリニ性肺炎が疑われる急性呼吸不全に至り,死亡した.今回我々は,各種治療を行ったが,奏効せず,治療抵抗性を示し,死亡した1例を経験したので報告する.
  • 北原 拓也, 久保 恭仁, 吉澤 海, 安部 宏, 会澤 亮一, 松岡 美佳, 相澤 良夫, 砂川 恵伸, 高山 忠利, 幕内 雅敏
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 50 巻 5 号 p. 229-237
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/06/03
    ジャーナル フリー
    Peliosis hepatis(肝紫斑病)は,類洞の拡張と肝内に多発する血液の貯留腔を認めるまれな疾患で,WHOの肝腫瘍の組織学的分類では腫瘍類似病変に分類されている.本邦では腫瘍との鑑別に苦慮した症例の報告が散見されるが,肝全域にわたってPeliosis hepatisが発生,進展し,致命的な転帰となった症例は,過去にわずか1例が報告されているのみである.今回我々は,特徴ある組織学的所見を呈し,経過観察中に突然病態が悪化し急速に致命的な経過をたどった,肝全域にわたる特発性Peliosis hepatisの極めてまれな1例を経験したので報告する.
  • 矢倉 道泰, 田中 晃久, 上司 裕史
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 50 巻 5 号 p. 238-243
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/06/03
    ジャーナル フリー
    C型慢性肝炎に対するインターフェロン投与で著効になったにもかかわらず13年後に発癌し,しかもその肝組織中のHCV RNAプラス鎖,マイナス鎖を調べた結果,いずれも検出されなかった1例を経験したので報告する.症例は75歳の男性で1994年よりC型慢性肝炎で当院に通院していた.肝生検ではF1A1であった.HCVはgenotypeIIa.IFNα2aを24週間投与し著効になった.
    以後半年に一回,採血と腹部超音波検査を行っていたところ2007年8月,S8に直径15 mmのhypoechoic tumorが見つかった.腹部血管造影で腫瘍膿染像を認めCT-APで同部は陰影欠損像となり,PIVKAII 103 mAU/mlと高値のため肝細胞癌と診断しラジオ波焼灼療法を施行した.PIVKAIIは2カ月後から現在まで正常化している.2008年2月1日に非癌部の肝生検を施行した結果,F1A0で肝組織中のHCV RNAプラス鎖,マイナス鎖を調べたが陰性,HCV抗体価は1993年100.0,2005年18.2,2007年16.2と低下,肝組織中のHBs抗原,HBc抗原を酵素抗体法で染色されず,肝組織液中のHBV DNAもreal time PCR法で陰性であった.著効後に発癌する例はこれまでにも報告されているがIFN投与から発癌までの期間は本例の13年が最長であり,発癌時の肝組織中のHCV RNAプラス鎖,マイナス鎖を調べた報告はない.以上より発癌の危険因子としてHBVの関与は完全に否定できないものの,HCVや進行した線維化,飲酒歴はなく男性で高齢という因子のみが関係したものと推測された.著効後の発癌の病因に関しては今後も検討すべき課題と思われる.
  • 神崎 章之, 日比野 壮貴, 西 鉄生, 川越 孝次, 伊藤 昭宏, 榊原 聡
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 50 巻 5 号 p. 244-249
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/06/03
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌が完全な自然壊死を来したと考えられるまれな症例を経験したので報告する.症例は72歳の男性で,50年前に胃潰瘍穿孔で胃切除,輸血を行っている.C型慢性肝炎,糖尿病で近医通院中,原因不明の急性腎不全の回復期と考えられる状況で当院入院となった.入院中のCTで肝S8に約2.5 cmの腫瘍を認めた.その後8カ月間経過観察を行い,増大傾向はなかったが,腹部血管造影検査で,腫瘍の辺縁に一致してリング状に淡い濃染像を認め,AFP 972 ng/ml, PIVKA II 1880 mAU/mlと高値を示し,肝細胞癌と考え,肝部分切除術を行った.切除した腫瘍は境界明瞭な被膜を有し内部は黄褐色の壊死様物質が認められ,病理組織学的検査所見では結節内の細胞は広範に壊死し,腫瘍細胞は認められず,術後,腫瘍マーカーも正常化していたことより肝細胞癌が完全に自然壊死に陥ったものと考えた.
  • 米田 傑, 城下 智, 一條 哲也, 上條 敦, 小松 通治, 梅村 武司, 松本 晶博, 吉澤 要, 田中 榮司
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 50 巻 5 号 p. 250-256
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/06/03
    ジャーナル フリー
    症例は68歳,女性.B型肝硬変にて治療中2004年に肝細胞癌(HCC)を初発し肝切除術を施行.その後再発に対して3回の肝動脈塞栓術(TAE)を施行した.2008年5月にCT上S4領域に径20 mmの再発病変を認めたが,肝動脈門脈シャントのためTAEができず,局所療法目的に当院紹介となった.CT, MRIではTAE後の結節と再発病変が混在していた.超音波(US)では,Bモードで多発する低エコー領域を認め質的診断は困難だったが,ソナゾイドTM造影USを追加したところ,一部に動脈相で濃染しKupffer相で低エコーを示すHCCに合致する病変を認め,局所療法が可能となった.3カ月後の造影USでは新たな再発を認めたが,やはり診断可能であり局所療法を行った.肝切除後の再発病変に複数回の再発治療を施行した症例であっても,造影USを施行することでBモードで評価困難な再発病変を診断でき,効果的な治療が可能であった.
速報
  • 浅川 真巳, 松田 政徳, 佐野 勝廣, 荒木 拓次, 藤井 秀樹
    原稿種別: 速報
    2009 年 50 巻 5 号 p. 257-259
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/06/03
    ジャーナル フリー
    Portal vein embolization (PVE) has been used in the preoperative treatment for major hepatectomy, and CT scan used as a useful tool for the evaluation of the hepatic volume change. In this report, we evaluated the efficacy of the Gd-EOB-DTPA MRI in 4 cases, by comparing with the results of conventional CT scan. All 4 cases underwent trans-ileocecal portal vein embolization (TIPE), and both Gd-EOB MRI and CT scan were performed after 2-4 weeks after PVE. In the hepatobiliary phase, the embolized lobe was shown as a low intensity area by CT scan; however, the Gd-EOB MRI demarcated the line between the embolized and non-embolized lobe more clearly. In addition, reduction of the excretion of contrast medium into the bile duct in the embolized lobe was remarkable, indicating that Gd-EOB-DTPA MRI could reflect no function of the embolized lobe. The present findings suggest that the Gd-EOB-DTPA MRI appears to be more useful in the evaluation of PVE than the conventional CT scan.
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