肝臓
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50 巻 , 8 号
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特集
原著
  • 金井 文彦, 建石 良介, 田中 康雄, 椎名 秀一朗, 吉田 晴彦, 小俣 政男
    原稿種別: 原著
    2009 年 50 巻 8 号 p. 427-436
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    C型慢性肝炎に対してペグインターフェロンとリバビリン併用療法時に貧血を呈した患者を対象とし,エリスロポエチンの貧血改善効果を探索的に検討した.投与基準は,ヘモグロビン(Hb)値が12 g/dl以下または前値より2 g/dl以上低下し,かつ貧血症状が発現した時点とした.エリスロポエチンは週1回皮下注射を12週間とし,1回投与量は,第1コホート3例が12,000 IU,第2コホート3例が24,000 IU,第3コホート3例が36,000 IUとした.主要評価項目はヘモグロビン濃度変化量,副次評価項目は,併用療法完遂率,QOL,薬物動態,ヘモグロビン濃度推移とした.エリスロポエチンにより9例全例Hb値は上昇,12週投与前後の平均Hb濃度上昇は12,000 IU群0.9 g/dL,24,000 IU群1.1 g/dL,36,000 IU群1.8 g/dLであった.エリスロポエチン投与中にリバビリンを減量せざるを得なかった症例は1例で,治療前後でQOLは改善した.エリスロポエチンは併用療法時の貧血に有効であり,日本人の至適投与量は週1回24,000 IUから36,000 IUと推定された.
症例報告
  • 杤尾 人司, 今井 幸弘, 白根 博文, 木本 直哉, 岡田 明彦, 河南 智晴, 猪熊 哲朗
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 50 巻 8 号 p. 437-444
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    我々は,超音波ドプラ法にて肝動脈血流が検出されず,逆に門脈血流速度が46.3 cm/sと異常な増加所見を呈しながら,入院後わずか9日間で不幸な転帰をたどられた54才男性のB型劇症肝炎の一例を経験した.Necropsyにより得られた肝組織の病理組織学的な所見では,肝実質ではほとんどの肝細胞が変性ないし壊死しており,肝実質,門脈域の両者に,リンパ球を主体とする炎症細胞の浸潤が瀰漫性に認められた.門脈域に認められた血管腔に血栓等の閉塞所見はなかった.門脈域(n=20)に認められた動脈血管本数は,1.6±0.9(0∼4)本であり,また,門脈血管径に対する動脈血管径の比率は,0.18±0.20(0.03∼0.72)であった.これらは,既報と比べると動脈血管数が少なく,内腔が狭小化していると考えられる所見であった.組織学的に確認された動脈血管数の減少,動脈血管径の狭小化という組織像は,ドプラ法で捉えられた動脈血流陰性・門脈血流増加という特異な血流動態を反映していると考えられた.
  • 佐々木 龍, 秋山 祖久, 竹下 茂之, 三馬 聡, 小澤 栄介, 宮明 寿光, 市川 辰樹, 中尾 一彦, 鳥山 寛, 江口 勝美
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 50 巻 8 号 p. 445-450
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    症例は41歳女性.1999年5月,胆道系酵素,抗ミトコンドリア抗体80倍と上昇を認め肝生検にて慢性非化膿性破壊性胆管炎像(CNSDC)を呈しており,自覚症状を欠いていた.Sheuer stage Iの無症候性原発性胆汁性肝硬変(asymptomatic PBC)と診断した.以降,外来でウルソデオキシコール酸(UDCA)600 mg/day投与により良好なコントロールを得ていた.2007年10月より食欲低下,全身倦怠感が出現し血液検査ではT. bil 2.3 mg/dl,AST 607 IU/l,ALT 572 IU/lであり同年12月3日当科入院となった.肝組織はinterface hepatitis,形質細胞浸潤を認め活動性の自己免疫性肝炎(AIH)組織像を呈していた.治療前のAIH国際診断基準では11点でprobable AIHであり,臨床経過と総合してPBC-AIH overlap症候群と診断した.ステロイド治療を開始し自覚症状,トランスアミナーゼ,血清ビリルビンの正常化を認めた.現在,ステロイド漸減中であるが増悪を認めず外来経過観察中である.PBCの経過観察中にAIHをoverlapする症例は稀であり,文献的考察を含め報告する.
  • 三浦 智史, 坪井 康紀, 山田 聡志, 三浦 努, 柳 雅彦, 薄田 浩幸, 江村 巌, 高橋 達
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 50 巻 8 号 p. 451-458
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    症例は68歳男性.貧血を主訴に入院した.造影剤アレルギーがあるため,造影CTおよびMRIを用いた質的診断が困難な肝腫瘍を認めた.腫瘍生検にて腫瘍細胞はCD31陽性であり,肝血管肉腫と確定診断した.病状の悪化により入院後約2カ月で死亡し,剖検を施行した.肝臓には腫瘍が広範囲に浸潤性に増殖し,多臓器に血栓形成を伴う腫瘍塞栓を認めた.肝血管肉腫は悪性度が高く,全身に腫瘍塞栓が生じると播種性血管内凝固症候群を来しやすいので,早期に診断する必要がある.その際には経皮的肝生検も選択肢の一つとなり得る.
  • 市川 剛, 竹村 茂一, 上西 崇弘, 小川 雅生, 山本 隆嗣, 川崎 誠康, 福長 洋介, 藤尾 長久, 亀山 雅男, 若狭 研一, 久 ...
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 50 巻 8 号 p. 459-466
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    80歳,女性.心窩部痛を主訴に近医受診.CT像上,肝左葉に9 cmの占拠性病変が認められた.白血球数とCRP,ALP,LDH値が上昇していたが,腫瘍マーカーは正常範囲内であった.血管造影像上,乏血管性の腫瘍として描出され,Gaシンチ像上,肝内病変にのみ異常集積像が認められた.肝内胆管癌の診断のもとに切除した.腫瘍は白色充実性の腫瘍であり,病理組織検査では異型細胞のびまん性増殖が認められ,酵素抗体法ではLCA,L-26陽性,UCHL-1,CD5,CD10陰性でありDiffuse large B cell type malignant lymphomaと診断された.非癌部肝組織所見は原発性硬化性胆管炎と診断された.術後,エトポシド25 mg/日の投与を継続し術後6カ月間を経過した時点で肝以外に病変はみられないため,最終的に肝原発悪性リンパ腫と診断した.術28カ月後の現在,再発兆候なく通院中である.
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