肝臓
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52 巻 , 10 号
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特集
原著
  • 角田 圭雄, 中村 武史, 小畑 達郎, 山東 剛裕, 鍋島 紀滋, 小山田 裕一, 新井 正弘, 川崎 俊彦, 勝島 慎二
    原稿種別: 原著
    2011 年 52 巻 10 号 p. 644-651
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/27
    ジャーナル フリー
    ペグインターフェロン(PEG-IFN)α2aまたはグリチルリチン製剤(強力ネオミノファーゲンC:SNMC)を投与開始し,24週以上継続可能であったC型慢性肝炎64例を対象とし,有効性・安全性をretrospectiveに比較検討した.平均観察期間(中央値,週)はPEG群154,SNMC群145,ALT値(中央値,IU/L)は投与前,24週,48週時点において,PEG群64,34,30,SNMC群80,47,52,AFP値(中央値,ng/mL)は投与前,24週,48週時点において,PEG群12,9.2,7.2,SNMC群12,12.5,18であった.投与中の血小板,Hb,好中球数はSNMC群と比較しPEG群で有意に低値を示したが,減量により全例継続可能であった.PEG群で3例(8%),SNMC群で3例(11%)にHCCが発現した.肝発癌抑制を目的としたPEG-IFNα2a少量及びSNMC療法は,共に肝機能改善効果を認めたが,PEG群で有意にALT値,AFP値が改善した.
  • 宮坂 昭生, 坂本 十一, 福田 眞作, 後藤 隆, 大西 洋英, 上野 義之, 下瀬川 徹, 斉藤 貴史, 河田 純男, 大平 弘正, 小 ...
    原稿種別: 原著
    2011 年 52 巻 10 号 p. 652-661
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/27
    ジャーナル フリー
    セロタイプ1型(Serotype1)高ウイルス量のC型慢性肝炎256例を対象に48週間のペグインターフェロンα-2b(PEG-IFNα-2b)・リバビリン(Ribavirn)併用療法の治療効果,忍容性,安全性について検討した.副作用による中止率は17.8%で,53例に軽度から中等度の副作用が認められた.全例でのsustained viological response(SVR)率44.5%であった.56歳以上と比べて56歳未満の例ではSVR率が著明に高く,PEG-IFNα-2bもしくはRibavirnの減量または両剤減量例は非減量例と比べSVR率は低い傾向にあった.多変量解析では治療前BMI≥23.5,治療前ALT値≥62 IU/L,12週までのPEG-IFNα-2bのアドヒアランス(Adherence)≥80%,12週までのRibavirnのAdherence≥80%がSVRに寄与する有意な因子であった.以上より,serotype1で高ウイルス量のC型慢性肝炎に対する48週間のPEG-IFNα-2b・Ribavirn併用療法は安全で忍容性のある治療であると考えられた.
症例報告
  • 福田 健, 楢原 義之, 金沢 秀典, 糸川 典夫, 近藤 千紗, 張本 滉智, 松下 洋子, 城所 秀子, 小林 玲樹, 厚川 正則, 中 ...
    原稿種別: 症例報告
    2011 年 52 巻 10 号 p. 662-670
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/27
    ジャーナル フリー
    症例1:56歳男性,アルコール性肝硬変,難治性胸腹水.肝動脈造影で肝内全域に肝動脈門脈短絡(APシャント)による遠肝性門脈血流が描出された.難治性胸腹水に対して経頸静脈的肝内門脈大循環短絡術(transjugular intrahepatic portosystemic shunt:TIPS)を施行し胸腹水は消失した.症例2:70歳男性,アルコール性肝硬変,難治性腹水.肝動脈造影で肝内全域にAPシャントを認め,門脈血流は遠肝性に描出された.難治性腹水に対してTIPSを施行したところ,腹水は残存するものの減少した.2例とも術後大きな合併症は認めなかった.肝内びまん性APシャントによる難治性腹水に対しTIPSは有効な治療法と思われた.
  • 大野 芳敬, 落合 理乃, 忽那 茂, 佐々木 由子, 大久保 智恵, 武智 俊治, 横田 智行, 上甲 康二
    原稿種別: 症例報告
    2011 年 52 巻 10 号 p. 671-678
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/27
    ジャーナル フリー
    症例は69歳男性.2005年1月に肝細胞癌(HCC)初発し,ラジオ波焼灼術(RFA)を施行,以後HCC再発繰り返し肝動脈塞栓術(TACE),RFAを計2回施行した.2009年10月,肝S4のHCC再発,膵頭部のリンパ節転移が疑われたため血管造影を施行したところ肝S4と膵頭部領域に腫瘍濃染を認めた.膵頭部の腫瘍濃染は肝動脈造影下CT(CT during hepatic arteriography;CTHA)にて膵頭リンパ節と考えられた.時系列でみても明らかに増大傾向を認め,HCCのリンパ節転移と診断した.肝S4のHCCに対してはTACE,RFAを施行,転移リンパ節に対しては超音波内視鏡(EUS)下に経十二指腸的にエタノール注入療法を行った.治療後8カ月のCTでは転移リンパ節の著明な縮小効果を認めた.当施設ではHCCのリンパ節転移に対するエタノール注入療法を4例行っているが,いずれも良好な治療効果が得られている.HCCのリンパ節転移に対して,エタノール注入療法が治療法の一つになりえる可能性が示唆されたと共にEUSがエタノール注入療法の手段として有効と考えられた.
  • 石黒 晴哉, 木村 貴純, 二上 敏樹, 吉澤 海, 安部 宏, 須藤 訓, 相澤 良夫, 酒田 昭彦, 田尻 久雄
    原稿種別: 症例報告
    2011 年 52 巻 10 号 p. 679-686
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/27
    ジャーナル フリー
    症例は80歳,女性.2008年9月に肝障害で当科紹介となり,肝生検を含めた精査にて原発性胆汁性肝硬変(PBC)と診断した.その後,経過観察中の2009年9月まで徐々に汎血球減少が進行し,心嚢水貯留が出現した.抗核抗体が高値で,2本鎖抗DNA抗体が陽性であり,米国リウマチ学会の全身性エリテマトーデス(SLE)診断基準の11項目中4項目に合致し,SLEと診断した.さらに,2009年10月の腹部CTで肝S2に径22 mm大の肝細胞癌(HCC)を認めたため,SLEの加療として経口プレドニン20 mgを開始し汎血球減少症,心膜炎の改善を得た後,2010年1月に肝動脈塞栓術およびラジオ波焼灼療法を施行した.術後経過良好で現在経過観察中である.今回,我々はPBCの経過観察中にSLEを発症し,さらにHCCの発生も認めた,稀少かつ示唆に富む高齢のPBC症例を経験したので報告する.
  • 木田 直也, 高島 英隆, 西川 剛史, 冨樫 弘一, 田中 新司, 森川 淳一郎, 石本 武史, 宮澤 一博, 向所 賢一, 安居 幸一郎
    原稿種別: 症例報告
    2011 年 52 巻 10 号 p. 687-694
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/27
    ジャーナル フリー
    症例は69歳の男性.HBV既感染の正常肝を背景とし,肝両葉に多発肝細胞癌(hepatocellular carcinoma:HCC)を認めた症例に対して集学的治療を行った.本症例は過去の開腹手術時の操作により腹腔動脈が結紮されており上腸間膜動脈からのアプローチにて全肝肝動脈化学塞栓術を施行したが,治療の影響で右肝動脈本幹が血栓化した.その後肝右葉S8に少なくとも3カ所の再発を認め肝動脈化学療法が望ましい再発様式であったため,経皮経肝的に肝動脈を穿刺しての選択的肝動脈化学療法を試みた.超音波にてreal timeに観察しながらA8を穿刺しルートを確保,16時間の間隔をあけてlipiodolizationしたmiriplatinの動注を2回施行した.治療3日後の単純CTでは再発部位に良好なリピオドールの貯留を認めた.また本症例では動脈穿刺にともなう出血は認められなかった.
短報
  • 日下部 篤宣, 野尻 俊輔, 飯尾 悦子, 松浦 健太郎, 新海 登, 宮木 知克, 城 卓志
    原稿種別: 短報
    2011 年 52 巻 10 号 p. 695-698
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/27
    ジャーナル フリー
    To evaluate whether 4D US guidance (4D biopsy mode) in RFA therapy is effective, we conducted percutaneous RFA using a newly developed 4D-US probe for 5 subjects (5 HCC lesions) between January and May 2011. We used Aplio XG (Toshiba Medical Systems) as the US system and PVT-375MV (3.5MHz) as the newly developed 4D US probe. RFA needle was inserted into the target lesion under 4D US guidance (biopsy mode). Using 4D biopsy mode, we could simultaneously confirm whether the needle tip inserted at the center of the target from two different sections in all cases: therefore, adequate RFA efficiency could be achieved in all 5 subjects. Using a real-time 4D US device for RFA, more accurate insertion could be achieved and more effective therapy could be performed. Therefore, 4D US would be a more useful tool for RFA therapy.
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