肝臓
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54 巻 , 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著
  • 竹田 治彦, 大崎 往夫, 大原 芳章, 坂本 梓, 齋藤 澄夫, 西島 規浩, 那須 章洋, 西川 浩樹, 米門 秀行, 喜多 竜一, 木 ...
    2013 年 54 巻 3 号 p. 169-177
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/04
    ジャーナル フリー
    我が国で肝癌にsorafenibが承認され3年以上が経過したが,高い有害事象発症率や早期中止が問題となっており,実臨床における適切な投与量については議論が続いている.当院では肝腎機能,PS等を考慮して適宜一段階減量で開始し,耐用性が確認でき次第随時増量して十分量投与できるよう努めてきた.本検討では2012年9月までに当院でsorafenibを導入した肝癌患者120例を対象とし,開始量と治療経過につき解析した.400 mg開始群(88例)は800 mg開始群(32例)よりPSが悪い傾向にあったが,800 mg開始群は早期に減量,中止に至る例が多く,両者の総投与量,全生存期間に有意差を認めなかった.一方で投与期間と全生存期間は正の相関を認め,1カ月以上内服群は早期中止群に比べ予後良好であった.以上より,初期投与量よりも十分な投与期間を得ることの方が予後に寄与する可能性が示唆された.患者背景に応じた用量調節が望まれるが,初回減量を要する症例の選別にはさらなる検討が必要である.
症例報告
  • 松村 真生子, 小林 奈津子, 田代 興一, 太島 丈洋, 田中 忍, 小島 英吾
    2013 年 54 巻 3 号 p. 178-186
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/04
    ジャーナル フリー
    症例は54歳男性.1年前に失業してからアルコールを多飲し,不適切な食生活を続けていた.2010年11月某日に自宅で倒れているのを発見され搬送された.主たる病態について,アルコール性肝炎・肝不全との鑑別に悩んだが,入院時の臨床症状,各種データよりkwashiorkor型栄養障害と診断した.来院時は重篤な状態であったが,蛋白補給に配慮した栄養管理を行い,42日目に独歩で退院された.
    低栄養状態の重症型であるkwashiorkor型栄養障害は,エネルギーに比べ蛋白の摂取が著しく低下した病態を示す.皮膚病変,著明な浮腫,慢性下痢,低蛋白血症や貧血を来し,低脂血症にも関わらず脂肪肝がみられる.本例のようにアルコール多飲歴のある患者では,単なるアルコール性肝炎・肝不全としてしまいがちだが,その治療として蛋白負荷が必要であるため,病態の正確な把握に努めるべきである.
  • 熊手 絵璃, 古庄 憲浩, 光本 富士子, 小川 栄一, 豊田 一弘, 貝沼 茂三郎, 村田 昌之, 林 純
    2013 年 54 巻 3 号 p. 187-193
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/04
    ジャーナル フリー
    症例は61歳男性.主訴は両下腿痛.X-10年B型慢性肝炎に対しLamivudine(LMV)治療が開始され,X-7年LMV耐性のためAdefovir dipivoxil(ADV)が併用された.X-6年8月より腎障害,同年10月より血清尿酸値の低下,X-4年9月より血清ALP値の上昇が認められた.X年6月に両脛骨・腓骨の疲労骨折,X年10月にALP 1836 IU/lと高値となり,同年11月に当科入院となった.血清P 1.7 mg/dlと低値,下腿X線検査で両側下腿骨に偽骨折,代謝性アシドーシス,腎性糖尿,尿中Ca・P・尿酸排泄の亢進,汎アミノ酸尿が認められ,ADV併用開始とともに生じたFanconi症候群による骨軟化症と診断された.ADVの中止および骨粗鬆症治療薬により,腎機能および骨病変の改善が認められた.B型慢性肝炎に対するADVの長期投与により発症するFanconi症候群に注意が必要である.
  • 一箭 珠貴, 姜 貞憲, 松居 剛志, 辻 邦彦, 真口 宏介, 上林 実, 安藤 精章, 瀧山 晃弘, 篠原 敏也
    2013 年 54 巻 3 号 p. 194-202
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/04
    ジャーナル フリー
    症例は62歳女性.びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対して2006年8月からリツキシマブ併用化学療法を開始した.その後リツキシマブ単独維持療法へ移行し2008年11月最終投与し,経過観察としていた.2009年9月頃から肝機能異常を認め,11月に当センターへ入院となる.HBs抗原は化学療法前陰性,入院時陽性を示し,原疾患治療歴,HBV感染の濃厚な家族歴を有することからHBV再活性化による肝炎を疑い,エンテカビル(entecavir,以下ETV)を投与した.肝機能は改善傾向を示し全身状態も良好なため,入院第12病日に退院した.入院中,2002年6月献血時のHBc抗体陽性が判明し,HBV再活性化de novo肝炎と最終診断した.本例は,リツキシマブ併用化学療法最終日から肝障害発症までの期間が10カ月と比較的遅く発症し,またHBV感染指標の推移を観察することができた興味深い一例と考え報告した.
  • 大西 理乃, 佐々木 由子, 忽那 茂, 川村 智恵, 武智 俊治, 大野 芳敬, 横田 智行, 上甲 康二, 大城 由美
    2013 年 54 巻 3 号 p. 203-210
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/04
    ジャーナル フリー
    症例は59歳女性で,肝内に胆管拡張を伴う占拠性病変を指摘され精査目的にて当科紹介受診した.造影CT,MRIにて左葉外側区と肝門部に腫瘤性病変あり,腫瘤より末梢の胆管は拡張をきたしていた.肝門部,傍大動脈リンパ節の腫脹も認められ,肝門部胆管癌とそれによる肝転移及びリンパ節転移が疑われた.ERCP施行したところ,胆管造影にて肝門部に約2 cmにわたる狭窄を認めた.しかし狭窄部からの生検では類上皮肉芽腫を認め,前医の胸部CTを見直すと両側肺門部リンパ節腫脹(BHL)所見がある事からサルコイドーシスの肝病変の可能性を考え経皮腫瘍生検を追加した.いずれも悪性所見なく,ラングハンス巨細胞を伴う肉芽腫形成を認め,肝サルコイドーシスと診断した.本症例は肝サルコイドーシスにより肝門部胆管に狭窄を認めた稀な症例であり,肝門部胆管癌との鑑別が困難であった一例を経験したので報告する.
短報
  • 山敷 宣代, 菅原 寧彦, 田村 純人, 金子 順一, 冨樫 順一, 田中 智大, 國土 典宏
    2013 年 54 巻 3 号 p. 211-213
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/04
    ジャーナル フリー
    We conducted a questionnaire-based survey on referral indications for liver transplantation. Questionnaire was sent to each regional clinics/hospitals that has referred at least one liver transplant candidate to our institution in the past. Two hundred and fifty-two such clinics/hospitals were identified. Among them, 103 (40.8%) returned their responses. The majority were hepatologists (47%), followed by gastroenterologists (29%) and surgeons (18%). Responders mainly dealt with chronic liver diseases, with a median volume (IQR) of 960 (360-1920) outpatient clinic visits per year. However, as less as two patients per year who may be considered indicated for liver transplantation were encountered in average. Seventy-six percent felt that Child-Pugh-Turcotte score ≥10 was threshold for referral. This survey revealed that opportunity for primary physicians to experience patients eligible for liver transplantation may be very much limited. Continuing effort is necessary to disseminate practical clinical knowledge on liver transplantation to hepato-gastroenteorlogy specialists in Japan.
  • 齋藤 友季子, 青沼 宏深, 市橋 敏弘, 川本 ほづみ, 下山 武, 木村 章弘, 奥 公正, 川口 茂, 齋藤 真一, 齋藤 純一
    2013 年 54 巻 3 号 p. 214-216
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/04
    ジャーナル フリー
    IFN therapy for chronic hepatitis C is associated with significant neuropsychiatric side effects. In Japan, the patients with shizophrenia are less likely to receive IFN therapy, despite limited data regarding the influence of IFN therapy on their psychiatric symptoms. We present three patients with shizophrenia who had the treatment with IFN for chronic hepatitis C in cooperation with psychiatrists. They were able to tolerate IFN therapy, resulting in sustained viral response (SVR). The key components which enabled them to complete the coarse of treatment are the following: 1) initial stabilization of psychiatric symptoms prior to treatment; 2) close collaboration between the patient, the psychiatric team and the internal medicine team; and 3) close observation for changes in mental status with several psychiatric scoring systems.
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