肝臓
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55 巻 , 10 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
特集
総説
  • 鎌江 伊三夫, 熊田 博光, 小林 正宏, Ward Thomas, Webster Samantha, Yuan Yong, Kalsek ...
    2014 年 55 巻 10 号 p. 589-603
    発行日: 2014/10/20
    公開日: 2014/10/30
    ジャーナル フリー
    我が国において肝・肝内胆管癌を原因とする死亡は肺,胃,直腸および結腸に発生する悪性新生物による死亡原因についで第4位となっている.また,のちに肝癌への進行が予期されるC型肝炎のキャリアは150万~200万人といわれており,C型肝炎への対策は社会にとって重要な役割を担う.本稿では我が国におけるC型肝炎の疫学と治療ならびにC型肝炎ウイルス検診および治療に対する費用対効果の分析事例に関する情報(過去10年)を収集,整理した.その結果,我が国におけるC型肝炎の有病率は高齢者ほど上昇し,難治性のジェノタイプ1b型が大多数を占める傾向があるとの報告が複数あり,また,肝炎の進行速度も高齢者ほど速くなる傾向が認められた.早期発見を目的とした検診およびインターフェロン治療の実施に関する費用効果分析においては,いずれの場合においても費用対効果は良好もしくは費用削減的であるとの報告が複数あることを確認した.
症例報告
  • 小林 知樹, 河岡 友和, 高橋 祥一, 菅 宏美, 藤野 初江, 福原 崇之, 柾木 慶一, 大野 敦司, 苗代 典昭, 中原 隆志, 本 ...
    2014 年 55 巻 10 号 p. 604-611
    発行日: 2014/10/20
    公開日: 2014/10/30
    ジャーナル フリー
    症例は63歳,女性.2007年2月にC型肝炎の急性増悪に対して,生体肝移植術を施行した.術後,C型肝炎の再発を認め,同年5月からペグインターフェロン・リバビリン(Peg-IFN/RBV)併用療法を開始した.脾摘を併用し,2011年10月にウイルス学的著効(SVR)を達成した.しかし,IFN終了前から肝機能障害と血清IgG値と抗核抗体(ANA)の上昇を認め,IFN治療後のde novo自己免疫性肝炎(DAIH)が疑われた.精査の結果,ドナー由来のB型肝炎ウイルス(HBV)再活性化およびDAIHと診断され,エンテカビルとステロイドによる治療を行った.肝移植後,IFN治療中に肝機能障害が持続する症例では,DAIHの可能性も念頭に,血清IgG値やANA,肝生検による検索を行うことが重要と考えられた.
  • 湯浅 絵理奈, 長沼 篤, 星野 崇, 林 絵理, 小柏 剛, 上原 早苗, 宮前 直美, 工藤 智洋, 高木 均, 石原 弘, 小川 晃, ...
    2014 年 55 巻 10 号 p. 612-618
    発行日: 2014/10/20
    公開日: 2014/10/30
    ジャーナル フリー
    症例は35歳女性.平成22年より非B非C型肝硬変として近医に通院しており,平成23年8月CTにて下大静脈と右・中肝静脈の閉塞所見を指摘された.平成24年1月より発熱,嘔気,腹部膨満が出現し,前述のCT所見に加え左肝静脈内に新鮮な血栓による閉塞所見を認めた.ここで初めてBudd-Chiari症候群と診断され,加療目的に当院紹介入院となった.ダナパロイドナトリウム2500 U/dayによる治療が行われたが,血栓は改善せず,浮腫・腹水著明となった.肝不全,呼吸不全の進行により,同年2月永眠された.剖検では右及び中肝静脈領域は陳旧性血栓に伴う肝硬変の所見であったが,左肝静脈領域はうっ血性に腫大しており,新鮮な肝静脈血栓を認めた.この所見により,右中肝静脈閉塞が先行し,その後左肝静脈にも血栓が生じたことで,段階的かつ急速に肝不全が進行したことが確認された.Budd-Chiari症候群は希少疾患であるが,今回我々は剖検によって病態の進行過程を確認できた興味深い貴重な症例を経験した.また救命のためには迅速な肝移植が必要であったと思われた.
  • 岡井 研, 高橋 敦史, 阿部 和道, 菅野 有紀子, 林 学, 今泉 博道, 大平 弘正
    2014 年 55 巻 10 号 p. 619-625
    発行日: 2014/10/20
    公開日: 2014/10/30
    ジャーナル フリー
    症例は72歳,女性.検診で肝腫瘍を指摘され肝血管腫として経過観察されていたが,約1年後に発熱,腹痛を来たし入院した.肝予備能の低下のほか,腹部CTにて肝右葉を中心にびまん性に造影効果の乏しい腫瘍を認め,確定診断目的に肝生検を行った.病理所見は上皮様配列を示す大型の異型細胞が門脈や類洞を置換性に増殖しており,また免疫染色でCD31(+),CD34(+),Factor VIII(+)と間葉系,血管内皮マーカーが陽性を示した.これらより肝類上皮血管内皮腫と診断した.肝類上皮血管内皮腫の発育は一般に緩徐とされているが,本例のように急速に増大し不良な経過をたどる症例もあり,本疾患を否定し得ない場合には積極的な肝生検と慎重な経過観察が望ましいと思われた.
短報
  • 相川 達也, 杉山 弘明, 添田 敦子, 池澤 和人, 佐藤 力, 津田 文男, 上野 ちさと, 岡本 宏明
    2014 年 55 巻 10 号 p. 626-629
    発行日: 2014/10/20
    公開日: 2014/10/30
    ジャーナル フリー
    To examine recent trends of acute infection with hepatitis B virus (HBV) in Mito, located in a non-Metropolitan area of Japan, serum samples obtained from 17 patients with acute hepatitis B (AHB) and 243 patients with chronic HBV infection during 2001-2013 were subjected to HBV genotyping. HBV genotype A (GtA) was detected in 3 (1%), GtB in 64 (26%) and GtC in 174 (72%) of patients with chronic HBV infection, while GtA was most prevalent (47%) among the AHB patients. Of note, GtA was found significantly more frequently in AHB patients during 2008-2013 than in those during 2001-2007 (64%vs. 17%, p<0.0001). These increasing trends of GtA HBV infection via sexual transmission emphasize the necessity of preventive education and measures.
  • 大久保 雄介, 牧野 博之, 落 裕太, 小林 康次郎, 鈴木 雄太, 渕之上 和弘, 米田 将隆, 建持 岳史, 塩澤 一恵, 森 孝之, ...
    2014 年 55 巻 10 号 p. 630-633
    発行日: 2014/10/20
    公開日: 2014/10/30
    ジャーナル フリー
    We evaluated local control of hepatocellular carcinoma (HCC) treated with Cyberknife, stereotactic body radiation therapy (SBRT). CyberKnife, SBRT system with real-time tumor tracking has good efficacy and low toxicity.54 patients with 67 liver-confined HCC were treated with Cyberknife. Fiducials were implanted in the liver before treatment and were used as markers to track the lesion's movement. A total dose of 30 to 60 Gy in three fractions was prescribed to the 80%isodose line. Treatment response was evaluated by RECICL, CR: 82%, PR: 16%, PD: 2%. The local control rate was 92.3%at 1 year. Cyberknife was a safe, effective, noninvasive option for patients with HCC.
特別寄稿
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