肝臓
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55 巻 , 11 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
症例報告
  • 日下部 篤宣, 田中 靖人, 飯尾 悦子, 村上 周子, 松浦 健太郎, 新海 登, 宮木 知克, 藤原 圭, 野尻 俊輔, 折戸 悦朗, ...
    2014 年 55 巻 11 号 p. 653-660
    発行日: 2014/11/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル フリー
    症例は26歳,女性のモンゴル人.既往歴としてB型慢性肝炎を認める.今回,健診にて肝機能障害を指摘され,B型慢性肝炎急性増悪の診断で当科紹介となる.来院時採血で更に肝障害増悪を認めたが,HBV-DNA量は2.8 log copy/mLと低値だった.また他のウイルス感染やAIH,PBCも否定的だった.妊娠中と判明したため無治療で経過観察したところ,肝障害は徐々に自然軽快し,妊娠39週で出産した.出産後もHBV-DNA量上昇は認めず,肝障害は更に改善したが,出産から9カ月後に再度肝障害増悪を認めた.この段階でD型肝炎ウイルス(HDV)の重複感染を考え,保存血清を用いてHDV-RNAを検査したところ陽性と判明し,HBVキャリアに対するHDV重複感染と診断した.Peg-IFNα-2aの投与を開始したところ,肝障害は改善し,治療中のHDV-RNAも陰性化した.日本においてHDV感染は稀な疾患であるが,HBV-DNA量の増加を伴わないB型慢性肝炎急性増悪症例に遭遇した場合には,HDV重複感染を念頭に置くべきと思われた.
  • 橋口 正史, 重田 浩一朗, 宇都 浩文, 肱黒 薫, 長谷川 将, 風呂井 彰, 橋元 慎一, 井戸 章雄, 東 美智代, 藤崎 邦夫
    2014 年 55 巻 11 号 p. 661-669
    発行日: 2014/11/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル フリー
    症例は57歳女性.アルコール依存症の断酒治療のため前医に入院した際,スクリーニング目的の腹部超音波検査で,肝左葉に45 mmの囊胞性病変と左葉肝内胆管から総胆管にかけて拡張を認め,精査のため当院へ紹介された.CT,MRIでは,囊胞性病変は胆管と連続性があり,囊胞状に拡張した肝内胆管と考えられ,また内部には造影される乳頭状の結節を認めた.内視鏡的逆行性胆道造影では,胆管内に粘液を示唆する透亮像を認めた.直接経口胆道鏡では,囊胞状に拡張した胆管内にはイクラ状隆起が観察され,生検組織の病理診断は乳頭腺癌であった.肝左葉に限局するIPNBと診断し,肝左葉切除術を施行した.組織生検や上皮内進展度評価に際し,シングルバルーン小腸内視鏡用スライディングチューブと経鼻内視鏡を用いた直接経口胆道鏡が有用であった.
  • 野村 憲弘, 伊藤 敬義, 金田 祥明, 司馬 信一, 保母 貴宏, 林 隆広, 佐藤 雅, 佐久間 大, 江口 潤一, 三田村 圭太郎, ...
    2014 年 55 巻 11 号 p. 670-676
    発行日: 2014/11/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル フリー
    63歳男性.前立腺肥大症に対して選択的α1a遮断薬(Silodosin 8 mg)及び漢方薬(ツムラ八味地黄丸®7.5 g)を前医から処方され服用していた.服用開始14日後より褐色尿を自覚し,同27日後の血液検査にてT.Bil 10.6 mg/dl,AST 2,707 IU/L,ALT 3,035 IU/Lと肝障害を認め,当院へ紹介され入院となった.肝炎ウィルス,自己免疫疾患関連マーカーは陰性,過度の飲酒歴はなく,薬物性肝障害を疑った.入院後I度肝性脳症出現し,プロトロンビン時間は40%以下に低下,トランスアミナーゼも遷延・増悪したため,重症急性肝炎と診断し,プレドニゾロン40 mg/日を開始した.その後肝障害は軽快し,プレドニゾロンを漸減し中止した.薬物リンパ球刺激試験ではSilodosinが陽性,薬物性肝障害のスコアリングで肝細胞障害型の8点であり薬物性肝障害と診断した.Silodosinによる薬物性肝障害の稀な1例を報告した.
  • 柴田 大介, 新垣 伸吾, 前城 達次, 佐久川 廣, 青山 肇, 植田 玲, 外間 昭, 藤田 次郎
    2014 年 55 巻 11 号 p. 677-682
    発行日: 2014/11/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル フリー
    症例は23歳女性.成長ホルモン分泌不全症の既往がある.2010年8月から肝機能障害の悪化が認められ精査目的に当科に紹介となった.肥満は認められなかったがCTで著明な脂肪肝が認められ,成長ホルモン分泌の指標であるinsulin like growth factor-1(IGF-1)が25 ng/ml(基準値119-389 ng/ml)と低値であった.肝生検を行いAdult growth hormone deficiency(AGHD)によるnon-alcoholic steatohepatitis(NASH),Bruntの分類Grade 1,Stage 1と診断した.治療として成長ホルモンの補充療法を行い,肝機能の改善が認められた.AGHDのNASHでは通常の生活習慣病にともなうNASHと違い成長ホルモンの補充療法が重要な治療の選択肢の一つであると考えられた.
  • 道免 和文, 山本 麻太郎, 田中 博文, 春野 政虎, 下田 慎治, 鹿毛 政義
    2014 年 55 巻 11 号 p. 683-689
    発行日: 2014/11/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル フリー
    症例は55歳の女性.45歳時に血色素4.4 g/dlの貧血を呈し,骨髄・末梢血所見から赤芽球癆と診断された.シクロスポリンの投与にて状態は安定し,AST,ALT,ALP,血清アルブミン値は正常値が持続していたが,10年後の55歳時に腹満感が出現し,超音波検査,断層撮影検査では多量の腹水を伴った肝硬変像を示した.肝組織像は肝硬変の所見はなく,末梢門脈枝の潰れならびに門脈域から肝小葉へ伸展する拡張した薄壁性脈管の増生が観察された.脾腫,食道静脈瘤の所見と合わせ,特発性門脈圧亢進症と診断された.赤芽球癆,特発性門脈圧亢進症の両疾患は発症に自己免疫学的機序が推定されており,本疾患の臨床経過に興味が持たれた.
  • 木村 成宏, 石川 達, 廣瀬 奏恵, 窪田 智之, 堀米 亮子, 本田 博樹, 岩永 明人, 関 慶一, 本間 照, 吉田 俊明, 根本 ...
    2014 年 55 巻 11 号 p. 690-697
    発行日: 2014/11/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル フリー
    症例は57歳女性.検診で肝腫瘤を指摘された.腹部CT,MRIで血管腫と診断したが,増大傾向を認めたため入院した.肝胆道系酵素,腫瘍マーカーの上昇は認めず,肝炎ウイルスは陰性であった.腫瘤はUSで不均一な低輝度,単純CTで低吸収,造影CTにて辺縁優位に濃染,MRIではT1強調像で低信号,T2強調像で内部に不均一な低信号を伴う高信号,肝細胞相では低信号となった.Single-level dynamic CT Angiography(CTA)ではリング状濃染を認め,造影効果は持続した.腫瘍内部は早期から濃染され速やかに消褪し,後期相では低吸収となった.診断に難渋したため肝腫瘍生検を施行した.その結果,免疫組織化学的にNCAM,chromogranin A,synaptophysinは陽性であり神経内分泌腫瘍と診断した.上部,下部消化管内視鏡検査,PET-CTも施行したが肝以外に異常所見を認めず,肝原発神経内分泌腫瘍と診断し,外科的切除を施行した.肝原発の神経内分泌腫瘍は非常にまれな疾患であるが,詳細な画像検査を施行し,若干の文献的考察を加え報告する.
  • 川村 梨那子, 関 寿人, 井口 亮輔, 山口 隆志, 中橋 佳嗣, 池田 耕造, 岡崎 和一, 中島 収, 隈部 力
    2014 年 55 巻 11 号 p. 698-705
    発行日: 2014/11/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル フリー
    症例は38歳女性.混合性結合組織病(Mixed Connective Tissue Disease:MCTD)の経過観察中に,特発性門脈圧亢進症(Idiopathic portal hypertension:IPH)をきたし,肝内にGadolinium-ethoxybenzyl-diethylenetriamine pentaacetic acid:Gd-EOB-DTPA造影MRI(EOB-MRI)肝細胞相で高信号を呈する結節性再生性過形成(Nodular regenerative hyperplasia:NRH)様の多発結節を認めたので報告する.
  • 川口 俊弘, 宮島 一郎, 加治 亮平, 榊原 重成, 森 敦, 中根 智幸, 宮原 健輔, 前川 隆一郎, 矢野 洋一, 鳥村 拓司, 佐 ...
    2014 年 55 巻 11 号 p. 706-712
    発行日: 2014/11/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル フリー
    症例は61歳男性.2004年7月,B型肝硬変に対しラミブジン(LAM)の投与を開始した.2007年3月,LAM耐性株の出現を認め,アデホビル(ADV)の併用により,HBV DNA量は5.3 Log copies/mLから検出感度未満まで減少した.2007年6月から2008年8月まで,核酸アナログ製剤の内服治療を自己中断した.2008年8月,黄疸・倦怠感を主訴に当院を再受診となり,B型肝硬変の急性増悪に対しLAM・ADV併用療法を再開し,HBV DNA量は3.6 Log copies/mLから検出感度未満まで減少した.治療再開時,HBs抗原は陽性であったが,2012年7月,HBs抗原の陰性化を認めた.2013年3月,HBs抗原の持続陰性に加え,HBコア関連抗原3.0 Log U/mL未満であったため核酸アナログ製剤を中止したが,現在までにHBV DNAの陽性化は認めていない.また,核酸アナログ製剤の治療前に認めていた胃静脈瘤は治療後に消失しており,興味深い一例と考え報告する.
短報
速報
  • 田所 健一, 鈴木 文孝, 小林 万利子, 川村 祐介, 瀬崎 ひとみ, 保坂 哲也, 芥田 憲夫, 小林 正宏, 鈴木 義之, 斉藤 聡, ...
    2014 年 55 巻 11 号 p. 720-722
    発行日: 2014/11/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル フリー
    Amino acid (aa) substitution at position 93 of the HCV NS5A region predicts the effectiveness of combination therapy with the protease inhibitor and NS5A inhibitor. The qualitative analysis assay and the comparative quantitative analysis assay based on the PCR-Invader technology, were developed to detect drug-resistance substitution at aa93 with high levels of sensitivity. In the mixtures of plasmids containing wild-type and drug-resistance substitution, both assays were able to be distinguished up to a mixed population containing 1%drug-resistance substitution. Clinical samples at the baseline of HCV therapy were examined by the PCR-Invader assays and direct sequencing. The PCR-Invader assays found drug-resistance substitutions that were detected by direct sequencing. Furthermore, they illustrated the presence of drug-resistance substitution that direct sequencing couldn't discover. The PCR-Invader assays were useful in detecting drug-resistance substitution at aa93 of the HCV NS5A region.
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