肝臓
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55 巻 , 5 号
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症例報告
  • 吉田 はるか, 鵜飼 克明, 田邊 暢一, 真野 浩, 田所 慶一, 千田 信之, 佐藤 明弘, 鈴木 博義
    2014 年 55 巻 5 号 p. 245-253
    発行日: 2014/05/20
    公開日: 2014/05/30
    ジャーナル フリー
    症例は62歳男性.主訴は発熱,倦怠感,腹部膨満.20XX年6月下旬より主訴を認め近医を受診し,抗生剤や解熱剤の内服加療で軽快した.7月初旬に症状が再燃し,胆嚢炎を疑い前医にて保存的加療を行ったが改善しなかった.精査加療目的に8月中旬当院転院時著明な凝固異常と黄疸および肝胆道系酵素の高値を認めた.造影CTや血管造影検査では肝静脈末梢の閉塞が疑われ,経肝静脈肝生検にてhepatic veno-occulusive disease(HVOD)と診断した.治療に難渋し,肝不全の急速な進行,食道静脈瘤破裂のため9月下旬に永眠された.骨髄移植や化学療法等の病歴を認めないHVODはきわめてまれであるが,腹水,黄疸,疼痛を伴う肝腫大といった3徴を認めた際には,HVODを念頭に早期診断,治療を行うことが重要と考えられた.
  • 森 俊文, 松本 早代, 井本 佳孝, 四宮 寛彦, 和田 哲, 友成 哲, 谷口 達哉, 北村 晋志, 六車 直樹, 高山 哲治
    2014 年 55 巻 5 号 p. 254-258
    発行日: 2014/05/20
    公開日: 2014/05/30
    ジャーナル フリー
    症例は21歳,フィリピン人女性.18歳までフィリピンにて生育,以降日本に在住.呼吸困難の精査目的で撮影したCT検査で肝臓内に網目状模様を認め,日本住血吸虫症を疑い血清抗体価を測定したところ高値であった.プラジカンテル40 mg/kg/日を投与し,6カ月後に抗体価は低下した.本邦では,新たな日本住血吸虫症はみられなくなったが,輸入症例や陳旧症例の報告が散見される.非流行地域において特徴的な肝画像所見を呈したことにより発見された本症の1例を報告する.
  • 大掛 馨太, 飯田 洋也, 相原 司, 生田 真一, 脇 英彦, 山中 若樹
    2014 年 55 巻 5 号 p. 259-266
    発行日: 2014/05/20
    公開日: 2014/05/30
    ジャーナル フリー
    ラジオ波焼灼療法(以下,RFA;Radiofrequency ablation)中に,ラジオ波ニードルの絶縁被膜損傷によって体表面にIII度の熱傷を生じた症例を経験したので報告する.症例は50歳代,男性.肝細胞癌2結節(S7:14.8 mm, S8:15 mm)に対してRFAを行った.S7結節の焼灼時,焼灼開始から12分経過してもエコー上の焼灼変化および組織抵抗(以下,IMP;Impedance)の上昇が見られなかった.その後,穿刺部の患者体表面部にIII度の熱傷が発見された.使用したラジオ波ニードルを確認したところ,金属エコーガイドによって,絶縁被膜に擦れた痕跡と損傷している部分が見つかり,熱傷の原因と考えられた.この症例のIMP波形の経時的変化を解析すると,通常とは異なり,焼灼開始6分後に急低下し,その後プラトーとなる特殊波形となっていた.絶縁被膜損傷が起これば通常とは異なるIMPの経時的変化が起こるため,術中のIMPモニタリングは絶縁被膜損傷に起因する熱傷の早期発見,回避に有用となる.
  • 石井 元, 中根 邦夫, 津田 聡子, 吉田 達哉, 大野 秀雄, 辻 剛俊, 千葉 満郎, 小松 眞史
    2014 年 55 巻 5 号 p. 267-273
    発行日: 2014/05/20
    公開日: 2014/05/30
    ジャーナル フリー
    症例は71歳男性.2010年5月下旬,検診で肝機能障害を指摘され近医受診.B型急性肝炎の診断となり,近医入院加療となった.重症化も危惧されたことから,入院5病日目よりエンテカビル内服を開始した.肝炎は改善し7月中旬に退院となったが,難治性胸水のために入退院を繰り返していた.9月下旬に当院当科紹介入院.諸検査上,肝硬変,心不全,腎不全および癌性胸膜炎による胸水貯留は否定的であった.血中クォンティフェロン検査陽性,胸水培養検査および胸水polymerase chain reaction(PCR)検査にて結核菌陽性であり,結核性胸膜炎と診断した.その後抗結核薬の治療を開始し,胸水の改善がみられた.結核性胸膜炎発症の機序として,高齢化に伴う免疫能低下に伴う結核の内因性再燃が疑われ,またB型急性肝炎の関与の可能性も否定できないと考えられた.同様の報告はなく,若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 高川 友花, 川部 直人, 橋本 千樹, 原田 雅生, 村尾 道人, 新田 佳史, 中野 卓二, 嶋﨑 宏明, 水野 裕子, 菅 敏樹, 中 ...
    2014 年 55 巻 5 号 p. 274-283
    発行日: 2014/05/20
    公開日: 2014/05/30
    ジャーナル フリー
    症例は70歳女性,C型肝硬変にて近医通院中に肝腫瘍を認め,肝細胞癌(HCC)が疑われ当科紹介となった.US上,肝S8,S3,S7に境界不明瞭な低エコー結節を認め,ソナゾイド造影USでは同部位が早期に染影され後血管相でdefect像を示した.CTでは肝S8に約5 cm,S3に約3 cm,S6に約2.5 cm大の境界不明瞭な淡い低吸収域を認め,動脈相で淡く濃染され平衡相でやや低吸収域を示した.EOB-MRIではこれらの病変を含め,肝両葉に早期相で染影され肝細胞相で淡い低信号域を示す多発性の腫瘤性病変を認めた.S3の腫瘍内には門脈の腫瘍内貫通像を認めた.PET-CTでは,肝両葉に多数の異常集積を認めた.HCCとしては非典型的であり,IL-2Rの上昇もみられたため肝腫瘍生検を施行.病理所見にてMALTリンパ腫と診断され,化学療法が導入された.肝MALTリンパ腫は稀な疾患であり,C型肝硬変を背景とした肝内多発病変である点,治療前に組織診断を行い化学療法導入が可能になった点で貴重な症例と考え報告する.
短報
  • 大山 淳史, 狩山 和也, 能祖 一裕, 大西 理乃, 湧田 暁子, 西村 守, 東 俊宏
    2014 年 55 巻 5 号 p. 284-286
    発行日: 2014/05/20
    公開日: 2014/05/30
    ジャーナル フリー
    Many nonB-nonC HCCs were found at an advanced stage because of the difficulties of surveillance. We examined the correlation between the follow-up status of 67 nonB-nonC HCCs and their clinical features. HCCs were found earlier when the patients were followed up at outpatients of Board Certified Hepatologist than in cases without regular check up by doctors or in cases followed up by uncertified physicians. We speculated that regular surveillance of HCC was necessary when the patients had the risk of HCC (NASH, alcoholic liver diseases et al.) regardless of their main diseases to achieve the early detection and to improve the prognosis of the patients with nonB-nonC HCC.
  • 中沢 春幸, 嶋﨑 真実, 小林 広記, 内山 友里恵, 粕尾 しず子, 藤田 暁
    2014 年 55 巻 5 号 p. 287-289
    発行日: 2014/05/20
    公開日: 2014/05/30
    ジャーナル フリー
    To investigate the regional difference in hepatitis E virus (HEV) infection in Nagano Prefecture, we tested a total of 260 blood donors that were collected in 2006 and 2011 (Northern region: 56, Eastern region: 55, Central region: 52, Southern region: 97) for the presence of anti-HEV IgG. Anti-HEV IgG was detected at 16.2%in Nagano Prefecture, being significantly higher in males. In 2006 anti-HEV IgG was higher in Southern region (31.9%) than in the other three regions (Northern, Central and Eastern region). However, other than the northern region was positive rate at the same level in 2011. Since there is a possibility that the actual eating habits and infection status of the region has changed during five years, it is necessary to conduct monitoring in the future.
速報
  • 杉本 勝俊, 森安 史典, 安藤 真弓, 佐野 隆友, 宮田 祐樹, 平良 淳一, 小林 功幸, 今井 康晴, 中村 郁夫
    2014 年 55 巻 5 号 p. 290-292
    発行日: 2014/05/20
    公開日: 2014/05/30
    ジャーナル フリー
    We report a woman in her late 60s with hepatocellular carcinoma in whom the tumor was successfully treated by irreversible electroporation (IRE). Vascular-phase contrast-enhanced US (CEUS) with Sonazoid and dynamic CT at 1 day after treatment showed no tumor enhancement, but the safety margin of ablation appeared to be insufficient. On the other hand, in Kupffer-phase CEUS, the ablation zone showed a clear contrast defect with a sufficient ablation margin, indicating cell death of hepatocytes, cancer cells, and Kupffer cells in this area following IRE treatment. Very similar findings were observed in hepatobiliary-phase Gd-EOB-DTPA-enhanced MRI at 7 days after treatment. These results suggest that both Kupffer-phase CEUS and hepatobiliary-phase Gd-EOB-DTPA-enhanced MRI may be useful for assessing the ablation zone in patients who have undergone IRE.
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