肝臓
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55 巻, 7 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
症例報告
  • 近藤 力, 伊藤 清顕, 中出 幸臣, 山本 高也, 小林 佑次, 大橋 知彦, 石井 紀光, 佐藤 顕, 中尾 春壽, 福沢 嘉孝, 米田 ...
    2014 年55 巻7 号 p. 378-383
    発行日: 2014/07/20
    公開日: 2014/07/31
    ジャーナル フリー
    症例は41歳男性,40℃の発熱と黄疸を主訴に来院した.血液検査にて肝機能異常およびPT値の低下(35%)を認め,急性肝不全と診断した.受診時のHBs抗原は陰性であったが,IgM型HBc抗体強陽性,HBV DNA陽性より,急性肝不全の原因がB型肝炎ウイルス(HBV)の成人初感染であると診断した.診断時にHBs抗原が陰性であった原因を解析するため,HBVの塩基配列決定を試みた.ウイルス量低値によりHBVの全塩基配列を決定することはできなかったが,S遺伝子の配列を決定することが可能であった.エンベロープ蛋白の抗原決定基‘a’のアミノ酸配列を解析したが,HBs抗原の検出系に影響を与えるようなアミノ酸変異は認めなかった.以上の解析より,エンベロープ蛋白のアミノ酸変異が原因というよりは,急速な免疫反応により早期にウイルス排除が起こりHBs抗原が検出感度以下となったことが原因と考えられた.本症例は,HBs抗原陰性のB型急性肝炎において,HBVの塩基配列が決定できた貴重な症例である.HBVによる急性肝炎を疑った際にはHBs抗原が陰性であっても積極的にIgM-HBc抗体を測定する必要があると考えられた.
  • 中島 隆善, 塚本 忠司, 金沢 景繁, 清水 貞利, 栄 政之, 中井 隆志, 川崎 靖子, 木岡 清英, 甲田 洋一, 村田 佳津子, ...
    2014 年55 巻7 号 p. 384-391
    発行日: 2014/07/20
    公開日: 2014/07/31
    ジャーナル フリー
    症例は40歳,女性.2005年よりC型慢性肝炎に対してPEG-IFNα-2b・Ribavirin併用療法を施行.一旦はSVRとなったが2006年に再燃.その後に副作用の懸念などから肝庇護療法のみが行われていた.経過観察中の2010年に腹部dynamic CTにて肝S3辺縁に径2 cm大の単純で低濃度で,明らかな動脈性濃染を示さず,平衡相でも低濃度の病変を認めた.同病変はMRIではT1-FFE法によるT1強調像opposed phaseでin phaseより信号低下を認め,Gd-EOB-DTPA造影MRIで動脈性濃染を示さず肝細胞造影相で明瞭な低信号域を示し,脂肪を含有した乏血性の高分化型肝細胞癌が疑われた.同腫瘍に対し,腹腔鏡下肝S3部分切除術を施行.摘出標本では直径21 mm大の結節性病変を認めたが,病理組織学検査では結節内は周囲肝組織と同様の組織像を呈し大型再生結節と診断された.
  • 川村 智恵, 平岡 淳, 相引 利彦, 奥平 知成, 白石 明子, 山子 泰加, 畔元 信明, 二宮 朋之, 河崎 秀樹, 日浅 陽一, 道 ...
    2014 年55 巻7 号 p. 392-398
    発行日: 2014/07/20
    公開日: 2014/07/31
    ジャーナル フリー
    症例は33歳,中国人女性.2011年より1年間で15 kgの体重減少あり,腹部超音波検査で左葉に径10 cm超の巨大腫瘤を指摘され当科紹介受診した.血液検査にて腫瘍マーカーや肝炎ウイルスマーカーは異常なく,肝胆道系酵素にも異常を認めなかった.造影CTでは内部は不均一な早期濃染を示し,平衡相では周囲よりlow densityに描出される腫瘍を認めた.造影超音波ではearly vascular phaseにて壊死部を除く全体が徐々に濃染され,post-vascular phaseにてdefectとなる像が得られた.FDG PET/CTを施行したところFDGの集積亢進(SUVmax=6.1)がみられたため,診断的治療として肝左葉切除術を施行した.切除標本でangiomyolipoma(AML)と診断された.FDG PET/CTにてFDG集積亢進がみられた巨大肝AMLの1例を経験したので報告する.
  • 草永 真志, 日浦 政明, 南 創太, 宮川 恒一郎, 大江 晋司, 千手 倫夫, 鬼塚 良, 柴田 道彦, 阿部 慎太郎, 原田 大
    2014 年55 巻7 号 p. 399-404
    発行日: 2014/07/20
    公開日: 2014/07/31
    ジャーナル フリー
    症例は27歳の男性.生後2カ月でB型肝炎ウイルスの母子感染によってinfantile fulminant hepatitisを発症し,その際の治療でC型肝炎ウイルスに感染した.2歳時よりC型肝炎に対し間欠的にインターフェロン(IFN)治療と肝庇護療法を受けた.8歳時には肝細胞癌を発症し,肝部分切除術を施行された.以後も間欠的にIFN治療を受け,ウイルス学的著効は得られていないにもかかわらず,長期間のIFN治療により組織学的に肝線維化の改善を認め,肝癌術後から約19年間が経過した現在も再発も認めていない.C型慢性肝炎においては,慢性炎症による肝細胞壊死と再生が繰り返されることで肝臓の線維化が進展し,肝癌の発生率が増加する.そのため発癌予防には肝線維化の進展を防ぐことが重要であり,本症例のように長期的なIFN治療は肝線維化の改善及び肝癌再発抑制に対して有用と考えられる.
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