65歳男性,C型慢性肝炎(F3-4)にて2005年にペグインターフェロンα-2b,リバビリン療法を受けたがウイルスは消失しなかった.2010年S5, S6の肝細胞癌に対して当院にてラジオ波治療を行った.その後,近医にて肝細胞癌再発・肝硬変進行予防の目的でインターフェロンα-2b(300万単位/回)を週2回投与されていた.2012年7月に持続する黒色便,気分不良で当院に救急搬送された.来院時のHbは6.0 g/d
l,血小板が0.2万/μLであった.緊急上部消化管内視鏡では食道胃静脈瘤はみられたが,明らかな出血部位なかった.血小板関連IgGが99.3 ng/10
7 cellsと増加,骨髄穿刺にて巨核球数は正常範囲であり,特発性血小板減少症(ITP)と診断した.ステロイドパルス治療を行ったが血小板数の回復は得られず.トロンボポエチン受容体作動薬を投与して血小板は7万/μLに回復して,現在外来通院中である.稀であるがC型慢性肝疾患におけるインターフェロン投与中に発生するITPは重要な病態であると考え報告した.
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