肝臓
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56 巻 , 12 号
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総説
症例報告
  • 田澤 宏文, 福田 三郎, 藤崎 成至, 先本 秀人, 江藤 高陽, 守屋 尚, 久賀 祥男, 西田 俊博
    2015 年 56 巻 12 号 p. 645-654
    発行日: 2015/12/18
    公開日: 2016/01/08
    ジャーナル フリー
    症例は77歳,男性.労作時胸痛で当院受診となった.心臓CTで23 mm大の肺腫瘍および40 mm大の肝腫瘍を認めた.質的診断目的にPET-CTを施行し,肺腫瘍はSUV. Max 11.0で集積を認めたが,肝腫瘍には認めなかった.腫瘍マーカーであるPro-GRP, CYFRA, CEAは上昇していなかった.肺腫瘍に対して手術を行い,病理結果は大細胞神経内分泌癌:T1aN0M0 stageIAであった.術後,肝腫瘍に対して再評価を行い,約3カ月後のCT再検では,肝腫瘍に変化を認めなかった.さらにMRIでは,造影効果が乏しく肝細胞相でも低信号のままであった.18年前のCTでは肝腫瘍は存在せず,PIVKA-II, AFPも異常高値であった.HCV抗体陽性で,肝機能はChild-Pugh A, Liver damage A.以上より肝細胞癌の可能性を考慮し手術を行った.病理結果は肝細胞癌の完全壊死が考えられた.本症例は肺癌と同時性に認めた肝細胞癌の重複癌であり,さらにその肝細胞癌が自然完全壊死していた稀な症例である.文献的考察を交えて報告する.
  • 河野 匡志, 辻 直子, 尾崎 信人, 松本 望, 高場 雄久, 奥村 直己, 河崎 正憲, 冨田 崇文, 梅原 康湖, 谷池 聡子, 遠藤 ...
    2015 年 56 巻 12 号 p. 655-660
    発行日: 2015/12/18
    公開日: 2016/01/08
    ジャーナル フリー
    症例は51歳男性.30年来の尋常性乾癬に対し9カ月前よりインフリキシマブ投与を受けていたが,全身倦怠感と胆道系酵素優位の肝機能障害が出現した.HBs抗原・HCV抗体は陰性で抗ミトコンドリア抗体・抗M2抗体高力価,IgM高値であった.インフリキシマブ投与を中止したが遷延するためウルソデオキシコール酸およびベザフィブラートを投与し肝機能は正常化した.5カ月後の肝生検組織では原発性胆汁性肝硬変(PBC)を積極的に示唆する所見を認めなかった.英国ではPBCの13%に尋常性乾癬の合併が報告されているが我が国での頻度は不明である.またインフリキシマブの投与増加に伴い海外ではInfliximab-related hepatitisが報告されているが抗核抗体陽性の自己免疫性肝炎様症例が多い.本例はインフリキシマブ投与前の自己抗体は不明であるが興味深い症例と考え報告する.
  • 森居 真史, 土肥 容子, 槇田 智生, 武田 晋一郎, 齋藤 秀一, 岡部 真一郎
    2015 年 56 巻 12 号 p. 661-667
    発行日: 2015/12/18
    公開日: 2016/01/08
    ジャーナル フリー
    症例は52歳女性.2008年12月当院にて急性骨髄性白血病の診断.移植目的に他院紹介となり,2009年6月同種造血幹細胞移植が行われた.移植後,移植片対宿主病と一過性の肝胆道系酵素異常が認められたがその後は著変なく,同院にて半年ごとに経過観察されていた.2014年10月近医にて脂質異常症を指摘されロスバスタチンの内服治療が開始された.1.5カ月後の血液検査で肝機能障害が認められ当科へ紹介.来院時検査にてHBs抗原陽性,IgM-HBc抗体高力価であることから急性B型肝炎と診断し保存的に加療した.核酸アナログ製剤は使用することなく1カ月の経過で肝炎は沈静化し,2.5カ月後に血中HBV-DNAの消失を確認した.後日他院照会にて移植前検査においてHBs抗原陰性,かつHBc抗体およびHBs抗体陽性の既往感染者であったことが判明しde novo B型肝炎と最終診断した.
  • 渡邉 雄介, 石川 達, 阿部 聡司, 井上 良介, 菅野 智之, 岩永 明人, 関 慶一, 本間 照, 吉田 俊明, 根本 健夫, 武田 ...
    2015 年 56 巻 12 号 p. 668-674
    発行日: 2015/12/18
    公開日: 2016/01/08
    ジャーナル フリー
    85歳男性,非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を背景とした肝硬変と慢性腎不全加療中に肝性脳症の内服コントロールが不良となった.胸腹部CTで門脈から傍食道静脈を経由して大静脈へ流入する門脈-大循環短絡路(Shunt)を認め繰り返す肝性脳症の原因と考えられた.経皮経肝的門脈アプローチを選択し希釈した造影剤を用いてコイリングを施行した.術直後の門脈圧は上昇しなかったが第8病日に右胸水と呼吸苦を認めた.利尿剤を増量し右胸水は消失,一方で利尿剤増量による腎臓・アンモニア(NH3)への影響は無く,その後も腎機能悪化や肝性脳症再発を認めなかった.本例は慢性腎不全合併超高齢者に対して,造影剤や利尿剤による腎臓への障害を最小限にして経皮経肝的門脈側副血行路塞栓術(Percutaneous Transhepatic Obliteration;PTO)を行うことで肝性脳症をコントロールすることが可能であった.
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