肝臓
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56 巻, 8 号
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総説
原著
  • 關場 一磨, 赤松 雅俊, 岡本 真
    2015 年56 巻8 号 p. 414-421
    発行日: 2015/08/20
    公開日: 2015/08/28
    ジャーナル フリー
    C型慢性肝疾患患者におけるC型肝炎ウイルス(hepatitis C virus:HCV)自然陰性化の頻度や関与因子を明らかにするため,2006年4月から2014年2月までに当院消化器内科で抗ウイルス療法を行わずに経過観察をしたC型慢性肝疾患患者278例を対象に後ろ向き研究を行った.平均観察期間5.8年で,4例(1.44%)のHCV RNA自然陰性化を認めた.自然陰性化群は持続陽性群に比して,有意に血清HCV RNA,ALT,γGTP,総ビリルビン,AST to platelet ratio index(APRI)は低く,線維化軽度例(血小板数≧15×104/μL)が多かった.また,自然陰性化群全例のIL28B一塩基多型(rs8099917rs11881222rs8103142)はmajor alleleであった.さらにHCV自然消失は全てが入院加療(手術または薬剤性肝炎,大腸憩室出血)の後に観察されていた.
症例報告
  • 木村 治紀, 大川 和良, 榊原 充, 今中 和穗, 松永 隆, 宮﨑 昌典, 宮城 琢也, 巽 智秀, 平松 直樹, 竹原 徹郎, 片山 ...
    2015 年56 巻8 号 p. 422-427
    発行日: 2015/08/20
    公開日: 2015/08/28
    ジャーナル フリー
    B型肝炎ウイルス(HBV)とC型肝炎ウイルス(HCV)の重複感染は,それぞれの単独感染と比べて肝硬変および肝癌への進行が早いことが知られており積極的な治療が望まれる.しかしHBV,HCV重複感染に対するシメプレビル(SMV)3剤併用療法に関しての報告は少ない.本症例ではHBV,HCV重複感染に対してSMV 3剤併用療法を行い,短期間の投与にも関わらずHCVに対しては著効が得られたが,HBV DNA量の再上昇を認めた.これに対しては,エンテカビル投与を開始してHBV増殖の鎮静化が得られた.HBV,HCV重複感染に対する治療に際しては,両ウイルスの増殖状態に応じて適切な抗ウイルス薬を選択することが必要であり,さらには治療後もウイルス増殖の再燃に対する注意深い経過観察が必要である.
  • 菅野 由佳理, 平岡 淳, 相引 利彦, 奥平 知成, 川村 智恵, 山子 泰加, 中原 弘雅, 須賀 義文, 畔元 信明, 宮本 安尚, ...
    2015 年56 巻8 号 p. 428-434
    発行日: 2015/08/20
    公開日: 2015/08/28
    ジャーナル フリー
    症例は47歳女性.2012年6月,人間ドックで肝機能異常を指摘され前医を受診した.肝内に多発する腫瘍性病変を指摘され,同7月に当科を紹介受診した.肝炎ウイルスマーカーは陰性で,各腫瘍マーカーは正常範囲内であった.画像検査では確定診断に至らず,肝腫瘍生検を行った.多発肝血管肉腫と確定診断され,同8月よりパクリタキセルによる化学療法を開始した.初回投与後,好中球減少が見られたため,投与量の減量を行い投与間隔をあけながら,G-CSF製剤を併用して治療を継続した.化学療法開始後はSDで経過していたが,腫瘍の増大に加えてT-Bilの増加,全身倦怠感の増強があり2013年8月に化学療法を休止した.その後は在宅緩和ケアへ移行し,同12月に永眠された.肝血管肉腫の平均予後は診断から6カ月とされ,有効な治療法はほとんどない.少量のパクリタキセルで治療を行い比較的長期のコントロールができた肝血管肉腫の一例を経験したので報告する.
  • 世古口 悟, 木村 浩之, 中村 英樹, 中野 貴博, 川上 巧, 中津川 善和, 山田 真也, 鈴木 隆裕, 戸祭 直也, 佐藤 秀樹, ...
    2015 年56 巻8 号 p. 435-439
    発行日: 2015/08/20
    公開日: 2015/08/28
    ジャーナル フリー
    HIV感染者におけるHBV重複感染者についてHBVワクチンの有用性を含め検討を行った.HIV抗体陽性74例中HBs抗原陽性は8例あり,4例は自然経過でHBs抗原が陰性化したが4例は持続陽性化している.HBs抗原陰性66例のうち49例でHBs抗体およびHBc抗体の測定を行ったが,HBs抗体またはHBc抗体のいずれかが陽性の割合は63.3%で,HBV-DNAは測定を行った20例全例で検出感度以下であった.HBs抗体陰性例のうち8例にHBVワクチン(ビームゲン®)の3回接種を行い,6例でHBs抗体が陽転化した.HIV感染者において,HBV重複感染の予防目的に,HBVワクチン接種は積極的に推進していく必要があると考えられた.
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