肝臓
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58 巻 , 4 号
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総説
症例報告
  • 宗盛 倫子, 北本 幹也, 花田 麻衣子, 大谷 里奈, 友清 せらみ, 難波 知世, 佐伯 翔, 田村 彰久, 黒瀬 太一, 山田 博康, ...
    2017 年 58 巻 4 号 p. 228-232
    発行日: 2017/04/20
    公開日: 2017/04/28
    ジャーナル フリー

    本邦の高齢化は明らかであり,高齢者における肝細胞癌に対する治療機会は増加している.今回,我々は89歳で肝細胞癌を初発し,5回の治療反復により,10年間の経過観察し得た象徴的な症例を経験した.2007年(89歳時)に肝S4に対してラジオ波熱凝固(RFA)を施行した.2010年(93歳時)にS1を肝動脈化学塞栓術(TACE),2011年(94歳時)にS3をRFA,2014年(97歳時)にS6をTACE施行した.99歳の今回は,PIVKA-IIの再上昇を認め,造影CTでS3,S6にそれぞれ長径13,15 mm大の肝細胞癌を認めた.TACEを行い,過去の治療部の再発所見は認めなかった.今回も順調に退院できた.長期にわたって経過良好であった要因として,肝予備能が良好であったこと,根治治療を反復できたこと,99歳という高齢ながらもPS1と良好で治療意欲が高く認知機能も良好であったこと,などが考えられた.

  • 小林 聖幸, 谷 丈二, 大浦 杏子, 前田 瑛美子, 田所 智子, 藤田 浩二, 坂本 鉄平, 三好 久昭, 野村 貴子, 米山 弘人, ...
    2017 年 58 巻 4 号 p. 233-240
    発行日: 2017/04/20
    公開日: 2017/04/28
    ジャーナル フリー

    症例は72歳男性.胃部不快感を主訴とし,当院受診し,肝腫瘍を認めた.術前検査にて,肝炎ウイルスマーカーはいずれも陰性で,腹部CT検査にて肝S2に11 cmの腫瘍を認め,原発性肝腫瘍を疑うも確定診断が困難にて,外側区域切除術施行した.組織病理学的検査にて,紡錘形細胞増殖と多形性や巨核化を示す肉腫様形態像を示した.また,術後5カ月に認めた頭部皮膚結節は,高度の多形性を示し紡錘形細胞の増殖と核の大小不同や巨核化もみられた.原発巣・転移巣とも組織検査では,肉腫様肝癌に矛盾しなかった.前治療歴のない肉腫様肝癌の報告例は少なく,また,頭部皮膚に転移した稀な症例と考えられ,また,肉腫様肝癌は肝外転移の可能性を念頭においた厳重な経過観察が必要と思われたので報告する.

  • 高 昌良, 石川 達, 今井 径卓, 佐藤 裕樹, 野澤 優次郎, 佐野 知江, 岩永 明人, 関 慶一, 本間 照, 小川 洋, 坪野 俊 ...
    2017 年 58 巻 4 号 p. 241-247
    発行日: 2017/04/20
    公開日: 2017/04/28
    ジャーナル フリー

    症例は70歳代,男性.2013年横行結腸切除術,2015年3月に胆管癌に肝外胆管切除術施行,当院外科にて経過観察されていた.胆管癌術後5カ月の腹部造影CT検査で肝S5,S6に腫瘤性病変を認め,腹部MRI検査,腹部超音波検査でも肝右葉に複数の腫瘤性病変を認めた.転移性肝癌を疑い,原発巣確定目的に経皮的肝腫瘍生検施行した.病理所見で悪性像はなく,線維化が著明で一部に好中球浸潤を伴う慢性炎症細胞浸潤を認め,病変部周囲の背景肝における反復性の上行性の胆管炎によると考えられる線維化の所見とも合わせ炎症性偽腫瘍と診断した.

    本症例は胆管癌手術前のERCP後に膵炎,胆管炎を発症した経緯を持ち,胆管癌術後には縫合不全による腹腔内膿瘍形成を認めた.術後はCRP軽度陽性が継続し,胆道系酵素の上昇と炎症所見の軽快,増悪を繰り返している.慢性的な胆管炎による炎症性偽腫瘍は稀と考え,貴重な症例と考え報告する.

  • 岩本 剛幸, 井倉 技, 福田 和人, 澤井 良之, 小来田 幸世, 山口 典高, 松本 康史, 中原 征則, 岡部 純弥, 山縣 洋介, ...
    2017 年 58 巻 4 号 p. 248-254
    発行日: 2017/04/20
    公開日: 2017/04/28
    ジャーナル フリー

    症例は68歳,男性.初発の門脈本幹の腫瘍栓を伴う肝細胞癌(HCC)に対して動注リザーバーを留置しlow dose FP療法を3コース施行したが,腫瘍は増大傾向でありソラフェニブ内服を開始した.ソラフェニブ開始5カ月後に中央部に黄色痂皮の付着した腫瘤性病変が上口唇に出現し増大傾向を認め生検の結果,ケラトアカントーマ(KA)と診断した.ソラフェニブ中止後3カ月で病変は完全に消褪した.欧米ではソラフェニブ投与中にケラトアカントーマ/有棘細胞癌(KA/SCC)の合併が6~13.5%に報告されている.本邦においてはソラフェニブ投与中に生じた皮膚腫瘍は稀な副作用である.今回,HCCに対するソラフェニブ投与中にKA合併を認め,休薬後3カ月で消褪した1症例を経験したので報告する.

短報
  • 野ツ俣 和夫, 神野 正隆, 野村 能元, 田中 章浩, 上田 晃之, 真田 拓, 渡邊 弘之, 登谷 大修
    2017 年 58 巻 4 号 p. 255-258
    発行日: 2017/04/20
    公開日: 2017/04/28
    ジャーナル フリー

    We compared the change of real world effectiveness and LDL-cholesterol (LDL-C) value in 4 types of DAA treatment Daclatasvir+Asunaprevir (DCV/ASV), Ledipasvir+Sofosbuvir (LDV/SOF), Paritaprevir/ritonavir+Ombitasvir (PTVr/OBV), Sofosbuvir+Ribavirin (SOF/RBV) for 465 patients with chronic hepatitis C. There were no differences in HCV RNA negative rate and SVR rate of four treatments.

    However, a significant increase in LDL-C value was observed at the end of LDV/SOF treatment and it remained high. On the other hand, although there was no major change at the end of the other three treatments, it showed a significant increase after treatment and showed a process of maintaining a high value.

    The change of LDL-C values in SOF/LDV and the other three treatments was clearly different.

    Further studies are needed in order to reveal the mechanism of different change of LDL-C values and possibility of high LDL cholesterol treatment.

  • 池澤 和人, 相川 達也, 津田 文男, 大西 浩史, 岡本 宏明
    2017 年 58 巻 4 号 p. 259-261
    発行日: 2017/04/20
    公開日: 2017/04/28
    ジャーナル フリー

    We describe relapse of hepatitis C virus (HCV) in a 43-year-old Pakistani man with chronic hepatitis C at 4 weeks after the cessation of ledipasvir/sofosbuvir therapy. Although HCV in this patient had been typed as serogroup 1, sequence analyses of the 5'UTR-core and NS5B regions revealed that he was infected with genotype 3a HCV and had a mixture of S282T (ACT) and wild-type (AGT) in the NS5B region at relapse. Of note, however, S282T was no longer detectable at 7 weeks post-treatment. This study indicates that some of serogroup-1 hepatitis C patients are infected even with HCV of genotype 3a, and that HCV genotyping should be considered for foreign hepatitis C patients before treatment with direct-acting antiviral agents in Japan.

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