肝臓
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58 巻 , 7 号
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原著
症例報告
  • 福富 啓祐, 阪森 亮太郞, 古田 訓丸, 重川 稔, 山田 涼子, 小玉 尚宏, 疋田 隼人, 藥師神 崇行, 巽 智秀, 真田 徹, 鈴 ...
    2017 年 58 巻 7 号 p. 393-400
    発行日: 2017/07/20
    公開日: 2017/07/31
    ジャーナル フリー

    症例は67歳男性.吐血を主訴に救急搬送された.緊急上部消化管内視鏡検査(EGD)にて食道静脈瘤(Ls F3 Cb RC2)ならびに胃静脈瘤(Lg-cf F3 RC1)を認め,出血源と考えられた胃噴門部の静脈瘤に対して内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)を施行した.腹部造影CTで脾腫,腹水のほか,左肝動脈から門脈左枝に流入する肝内動脈門脈瘻を認め,肝生検では肝硬変の所見を認めなかった.血管造影検査にて左肝動脈から門脈左枝に連絡する肝内動脈門脈瘻を確認した.その後の経過観察中に腹水は改善し,EVL施行から9カ月後のEGDでは食道静脈瘤はF1形態で白色化し,胃静脈瘤はF0形態となりいずれも著明な改善を認めた.血管造影検査では,肝内動脈門脈瘻は閉鎖しており,これにより門脈圧が正常化することで食道胃静脈瘤が改善したと考えられた.門脈圧亢進症を呈する肝内動脈門脈瘻の自然閉鎖は極めて稀であると考え,報告する.

  • 北川 翔, 岡村 圭也, 奥 大樹
    2017 年 58 巻 7 号 p. 401-405
    発行日: 2017/07/20
    公開日: 2017/07/31
    ジャーナル フリー

    症例は70歳女性.食後の上腹部痛を主訴に受診し,入院精査を行い膵頭部癌と診断された.造影CTにて門脈左枝水平部は欠如し,肝左葉の門脈枝は中肝静脈の腹側をアーチ状に横走する肝内門脈枝を介して描出されており,門脈左右分岐部の欠如と診断した.内視鏡的胆管造影では左右肝管が長く,左肝管はB2+3および3本のB4がほぼ同じ位置で合流して形成されていた.左肝管に最も右側より合流するB4は肝右縁付近まで描出されており,一部の枝が中肝静脈の腹側をアーチ状に横走する肝内門脈枝と併走していた.肝内門脈枝は,門脈左枝水平部が形成されなかったことに対して,P8とP4の門脈枝の間で形成された肝内門脈吻合枝であると考えられた.門脈左右分岐部の欠如を有する症例では胆管の分岐異常を伴うことが考えられ,術前には詳細な胆管評価が必要である.

  • 恵荘 裕嗣, 三嶋 眞紗子, 荒澤 壮一, 中村 文保, 竹田 治彦, 高井 淳, 高橋 健, 上田 佳秀, 丸澤 宏之, 妹尾 浩
    2017 年 58 巻 7 号 p. 406-414
    発行日: 2017/07/20
    公開日: 2017/07/31
    ジャーナル フリー

    症例1は73歳男性.表在性膀胱癌に対し経尿道的切除術を半年前に受けられ,2週前までに7回のBCG膀胱内注入を受けた.血液検査で炎症反応および肝胆道系酵素上昇を認め,両肺下葉にすりガラス様陰影を認め播種性BCG症が疑われた.肝生検にて類上皮肉芽種を認め,播種性BCG症に随伴したgranulomatous hepatitisと確定診断.3剤併用での抗結核治療にて軽快した.症例2は66歳男性.2日前までに4回のBCG腎盂内注入を受けた.炎症反応および肝胆道系酵素の上昇を認め,当初は腎盂腎炎と診断され抗生剤加療が行われたが,肝胆道系酵素のさらなる上昇を認めたため肝生検が行われgranulomatous hepatitisと確定診断.3剤併用治療にて炎症反応,肝胆道系酵素ともに軽快した.BCG注入療法後に発熱を伴う肝障害を認めた際には,積極的な肝生検を行うことが早期診断,治療に繋がると考えられた.

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