肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
59 巻 , 6 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
特別寄稿
  • 田中 靖人, 乾 あやの, 森屋 恭爾, 江口 有一郎, 四柳 宏
    2018 年 59 巻 6 号 p. 259-263
    発行日: 2018/06/20
    公開日: 2018/06/28
    ジャーナル フリー

    B型肝炎(HB)ワクチンの在り方を検討するために,日本肝臓学会HBワクチンワーキンググループとして日本肝臓学会評議員などを対象にHBワクチンに関するアンケート調査を実施した.その結果,1)「HBワクチンの適切な接種時期(キャッチアップ)」に関しては,小学生高学年64%と最多であった.2)「ワクチン無効例に対する対策」としては,筋肉内注射や4回以上投与などが挙げられた.3)「HBs抗体価が低下した医療従事者に対するHBワクチンのブースターの必要性」について,「必要」が63%で最も多く,その施設の多くは職員に対するHBs抗体の定期検査を12カ月ごとに行い,HBs抗体価10 mIU/mL未満の時点でHBワクチンを追加接種していた.これらの結果を踏まえると,「追加のワクチン接種は必要ではない」とする日本環境感染学会ガイドラインについて再度議論する必要があるように思われた.

症例報告
  • 河野 達彦, 大畠 慶直, 中沼 伸一, 林 泰寛, 高村 博之, 岡崎 充善, 山口 貴久, 寺井 志郎, 岡本 浩一, 酒井 清祥, 木 ...
    2018 年 59 巻 6 号 p. 264-272
    発行日: 2018/06/20
    公開日: 2018/06/28
    ジャーナル フリー

    症例は50歳代男性.胃癌手術の際にB型肝炎ウイルス感染を指摘され,エンテカビルでの治療を施行していた.経過中に肝細胞癌を指摘され,肝S8亜区域切除術を施行した.術後13日目に合併症なく退院したが,退院後4週が経過したところ41度の発熱,嘔吐,下痢,せん妄が生じたため救急搬送された.来院時ショック,DICを合併していた.敗血症性ショックと考え,循環管理,抗生剤投与,γグロブリン投与,Bacterial translocation対策を行った.後日血液培養,便培養よりAeromonas hydrophilaが検出された.経過は良好であり入院14日目に退院した.本菌は免疫能低下患者に感染すると致死率が非常に高いことが報告されている.本症例は慢性肝炎,胃切除後という2つの危険因子を有していた.敗血症性ショック,DICとなったが救命することができた1例を経験したので,最近の本邦報告例の検討を含め報告する.

  • 北川 翔, 岡村 圭也, 奥 大樹
    2018 年 59 巻 6 号 p. 273-276
    発行日: 2018/06/20
    公開日: 2018/06/28
    ジャーナル フリー

    症例は37歳女性.造影CTにて門脈左枝水平部の欠如と診断した.過去の報告とは異なり肝内門脈枝は中肝静脈の背側を横走していた.この肝内門脈枝は門脈左枝水平部が形成されなかったことに対して,前区域枝と門脈臍部の間で形成された肝内門脈吻合枝であると考えられた.門脈左枝水平部の欠如例では本症例のような肝内門脈の走行を呈する症例も存在する.肝切除術,特に肝右葉切除術の際には致死的な合併症をきたす可能性があり,その存在に留意する必要があると考える.

  • 須藤 大輔, 村田 一素, 大竹 孝明, 一石 英一郎, 佐藤 貴一, 高橋 芳久, 岡田 真也, 福富 京, 高後 裕
    2018 年 59 巻 6 号 p. 277-283
    発行日: 2018/06/20
    公開日: 2018/06/28
    ジャーナル フリー

    症例は生来健康な48歳女性.倦怠感,嘔気を主訴に近医を受診し,血液検査にて肝障害を指摘されて紹介受診した.入院時血液検査では,AST 868 IU/L,ALT 1,205 IU/L,Alp 479 IU/L,γ-GTP 254 IU/Lと肝細胞障害型の肝胆道系酵素異常を認めた.飲酒歴・薬剤内服歴なく,かつ各種肝炎ウイルスマーカーは陰性であった.自己免疫性肝炎(AIH)の急性発症を疑い,肝生検を施行したところ,門脈域を中心としたIgG4陽性形質細胞の浸潤を認め,かつ血清IgG4値が669 mg/dLと高値を示した.明らかな胆管への細胞浸潤は認めなかった.以上より,IgG4関連AIH(IgG4-AIH)と診断し,プレドニゾロン30 mg/日を投与したところ,肝障害は速やかに改善した.IgG4-AIHの報告は少なく,その臨床病理学的特徴は解明されていない.今後の詳細な解析が期待される.

feedback
Top