肝臓
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62 巻, 2 号
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原著
症例報告
  • 薩田 洋輔, 奥瀬 千晃, 渡邊 綱正, 末谷 敬吾, 石郷岡 晋也, 松永 光太郎, 清川 博史, 森田 望, 中野 弘康, 安田 宏, ...
    2021 年 62 巻 2 号 p. 64-71
    発行日: 2021/02/01
    公開日: 2021/02/05
    ジャーナル フリー

    【症例1】30歳,男性.主訴は発熱.T.Bil 4.8 mg/dL,AST 3,130 IU/L,ALT 4,787 IU/L,IgM-HA抗体陽性,IgA-HE抗体陽性.HAVとHEVの重複感染を疑ったがHEV RNAは陰性であった.【症例2】37歳,女性.主訴は発熱.T.Bil 10.9 mg/dL,AST 168 IU/L,ALT 315 IU/L,EB VCA-IgM 20, EB VCA-IgG 160, EBNA<10, IgA-HE抗体陽性.ペア血清はEB VCA-IgM 80, EB VCA-IgG 320, EBNA<10. EBVとHEV重複感染を疑ったがHEV RNAは陰性であった.IgA-HE抗体が陽性の場合でも,肝障害に他の成因が考えられる病態では偽陽性の可能性を考慮し,HEV RNAの測定を行う必要がある.

  • 佐々木 玲奈, 神田 達郎, 本田 真之, 高橋 央, 金子 朋弘, 山名 陽一郎, 熊川 まり子, 石井 大雄, 水谷 卓, 増崎 亮太, ...
    2021 年 62 巻 2 号 p. 72-79
    発行日: 2021/02/01
    公開日: 2021/02/05
    ジャーナル フリー

    症例は61歳男性.常染色体優性多発性囊胞腎と診断され,トルバプタン60 mg/日を開始した.11週後の血液検査で肝機能障害を認め,2日後トルバプタンの内服を中止した.しかし投与中止4週後の血液検査でトランスアミナーゼは更に上昇したために当科紹介となった.血液検査,腹部超音波検査,腹部造影CT検査で慢性肝障害,肝硬変を示唆する所見を認めなかった.ウイルス性肝炎や自己免疫性肝炎を示唆する検査所見もみられなかった.ウルソデオキシコール酸を内服開始したが,肝機能障害は遷延化したため約2カ月後に肝生検を施行し,トルバプタンによる薬物性肝障害と診断した.定期的に血液検査を施行したところ,トルバプタン中止約4カ月後にトランスアミナーゼは正常範囲内への改善がみられた.トルバプタン投与例では肝機能障害出現に注意するとともに,トルバプタン中止後も肝機能障害が遷延化する可能性に留意する必要があると考えられた.

  • 大﨑 理英, 飯田 洋也, 野田 哲史, 藤本 剛英, 若杉 吉宣, 寺田 智祐, 谷 眞至, 安藤 朗
    2021 年 62 巻 2 号 p. 80-88
    発行日: 2021/02/01
    公開日: 2021/02/05
    ジャーナル フリー

    症例は慢性C型肝炎に罹患し飲酒習慣もある60歳代男性で,原発性肝細胞癌の一部に破裂予防の肝動脈塞栓術施行後,lenvatinib 8 mg/日を開始した.約1カ月で腫瘍に感染し,抗生剤治療不応かつ経皮的ドレナージ困難にて,lenvatinibを一週間休薬し,開腹下感染腫瘍切除術を施行した.術後創部治癒に問題なく,lenvatinibを4 mg/日で再開したが,肝障害,倦怠感,食思不振で35日間休薬した.dexamethasone併用して再開し,8 mg/日まで増量したが動脈血流減少せず,lenvatinib血中濃度が低値であった.12 mg/日に増量後,有害事象なしに血中濃度は上昇し,動脈血流も低下した.腫瘍感染の治療困難例は耐術能が許せば,lenvatinibの適切な休薬で外科的治療も選択でき,また,lenvatinib血中濃度による投与量の調整は有効な可能性がある.

短報
速報
  • 榎本 大, 日髙 勲, 井上 泰輔, 磯田 広史, 井出 達也, 荒生 祥尚, 内田 義人, 井上 貴子, 池上 正, 柿崎 暁, 瀬戸山 ...
    2021 年 62 巻 2 号 p. 96-98
    発行日: 2021/02/01
    公開日: 2021/02/05
    ジャーナル フリー

    In Japan, each prefecture in collaboration with regional core centers is required to train hepatitis medical care coordinators (HMCCs). In this study, we surveyed the present status of HMCCs in 17 of the 71 regional core centers. The findings indicated that the number of HMCCs varied from 8 to 77 per regional core center. The proportion of HMCCs who actively contributed to hepatitis patient care also varied from 7.9% to 100%. Among the HMCCs, 50% were nurses, 11% clinical laboratory technicians, 8.0% pharmacists, 8.0% registered dietitians, and 3.5% doctors. The results of the survey show that, in each regional core center, there is a substantial variety in the present status of HMCCs.

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