2021年に肝癌診療ガイドラインの改訂が行われた.肝細胞癌の診断にEOB-MRIが多く用いられるようになったため,サーベイランスアルゴリズムにおいて超音波で結節が検出された後にまずEOB-MRIを撮像するアルゴリズムが追加された.治療アルゴリズムにおいては,3 cm以内の単発肝細胞癌に対する治療推奨が切除と焼灼療法が同等に推奨されることになり,また,脈管侵襲陽性肝細胞癌に対しては,まず切除が推奨され,切除不能例に対して薬物療法,次いで肝動注化学療法ならびにTACEが推奨されることとなった.前回の改訂後に,肝細胞癌に対する薬物療法の選択肢が大幅に増えたため,従来の治療アルゴリズムを補完する形で,新たに薬物療法アルゴリズムが作成された.また,前版では弱く推奨されないとされていた薬物療法とTACEの併用療法が,今回の改訂で行うことを考慮しても良いとの弱い推奨に変更がなされた.
2009年1月から2018年12月までの間に倉敷中央病院で治療した肝細胞癌(HCC)患者756例のうち,非アルコール性脂肪性肝疾患の診断基準を満たした65例を解析した.年齢の中央値は76歳で,36例(55.4%)が男性であり,29例(44.6%)に肝硬変を認めた.サーベイランスを受けていたのは肝硬変患者の65.5%,非肝硬変患者の25%であり,サーベイランスなし群では,他疾患評価時の画像検査で偶発的に発見された例が最も多かった.HCC診断におけるAFP,PIVKA-II,超音波検査の感度はそれぞれ30.8%,72.3%,93.8%であった.多変量解析においてサーベイランスの実施は良好な全生存期間と有意に関連していた.まずは肝硬変患者に対するサーベイランスを徹底することが重要であるが,通常サーベイランスの対象にならない非肝硬変患者に生じるHCCをいかに早期発見するかが今後の課題である.
肝癌診療ガイドライン(2021年版)では,肝細胞癌の腹膜転移に対しては分子標的薬が推奨されている.結腸直腸癌の腹膜転移に関しては,腫瘍減量手術・術中腹腔内温熱化学療法はNCCNガイドラインでも考慮されており,肝細胞癌の腹膜播種に対してもその有効性が期待される.症例は70歳代男性で,肝細胞癌破裂に対して肝切除術を施行し,術後10カ月で腹膜転移再発と診断した.レンバチニブによる化学療法を開始したが有害事象が出現し,化学療法6カ月施行後も腫瘍進行を認めなかったことから結腸切除を含む部分腹膜切除術,術中腹腔内温熱化学療法を施行した.手術時,横隔膜下,モリソン窩,大網に結節性病変(腹膜播種係数=6)を認めた.手術は減量切除スコア=0を達成した.術後合併症も無く術後12日目に退院となった.術後補助化学療法は施行せず,食事摂取と筋肉量も改善した.術後24カ月経過した現在も無再発生存中である.
70歳男性,HBV既感染.単純USにて低/等/低エコー,単純CTにて低/等/低吸収(double-target-sign)を呈する3.8 cm大腫瘤精査で入院.動脈相では,造影CTとEOB MRIは造影効果が弱く,造影USでは多血性.造影US門脈相で早期washout,Kupffer相で欠損像を示した.更に,EOB MRI肝細胞相で腫瘤部は中心部よりは信号の高い低信号,echo planar imaging-free induction decay像で著明な低信号を示すなど,多彩な画像所見を呈した.画像上,炎症性偽腫瘍,非定型肝細胞癌,胆管細胞癌,細胆管細胞癌,転移性肝腫瘍が鑑別に挙がった.
US下肝生検で腫瘤部には組織学的に上皮成分はみられず,膠原線維と異型に乏しい線維芽細胞様細胞の増生,リンパ球,形質細胞,ヘモジデリンを貪食したマクロファージの浸潤を示し,炎症性偽腫瘍の診断を得た.
無治療で3週後に,腫瘤の縮小(2.6 cm)を認めた.
We conducted surveys to assess the hepatitis B (HB) vaccination status of dentists. From 2020 to 2022, 1,033 members of dental associations in Aichi and Hiroshima prefectures were questioned regarding their HB vaccination status. The respondents were determined to have been properly vaccinated if they had received three or more doses of vaccine or had been vaccinated but their hepatitis B surface antibody titers had not increased. Of the respondents, 20.6% (213/1,033) had undergone appropriate vaccination, 34.8% (360/1,033) were unvaccinated, and 42.8% (442/1,033) had received two doses. In dentistry, there are several opportunities for exposure to saliva and blood and needlestick accidents may occur. Dental professionals will be made aware of the HB immunization schedule using precise infection control procedures.