症例は71歳,男性.近医で日光過敏症と診断後,肝障害を伴い,抗核抗体陽性,IgG高値と肝生検により自己免疫性肝炎と診断された.プレドニゾロン(prednisolone:PSL)療法が無効で,免疫抑制剤であるアザチオプリン(azathioprine:AZA),シクロスポリン(cyclosporine:CYA)を併用したが,効果を認めず,第93病日に肝不全で死亡した.病理解剖を実施し,肝組織内にプロトポルフィリン沈着を認め,赤芽球性プロトポルフィリン症(Erythropoietic protoporphyria:EPP)と診断した.生前時は自己免疫性肝炎と診断されたが,剖検により高齢発症のEPPと診断された肝不全の1例を経験したので報告する.
60歳女性.肝細胞癌多発肺転移に対してアテゾリズマブ・ベバシズマブ併用療法を開始した14日後から四肢末梢の感覚障害と四肢の筋力低下が出現した.脳脊髄液検査では蛋白および細胞数の上昇を認め,血清中のGalNAc-GD1a IgG抗体とGal-C IgG抗体が陽性であった.神経伝導速度検査で脱髄型末梢神経障害を認め,アテゾリズマブ関連の薬物性ギラン・バレー症候群と診断した.大量免疫グロブリン療法にて筋力低下は軽快した.今回,肝細胞癌に対して使用した免疫チェックポイント阻害薬として免疫関連副作用でギラン・バレー症候群を呈し,早期治療介入により症状改善を得た症例を経験したため報告する.