肝臓
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66 巻, 11 号
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総説
  • 小無田 美菜, 原田 憲一
    2025 年66 巻11 号 p. 473-482
    発行日: 2025/11/04
    公開日: 2025/11/17
    ジャーナル フリー

    自己免疫性肝炎(autoimmune hepatitis:AIH)は,臨床像・病理像ともに多様な表現型を示す自己免疫性肝疾患である.病期の評価は治療方針の決定や予後予測において重要だが,自覚症状に乏しく,初診時に肝硬変を呈する例も少なくない.肝生検は,肝障害パターンや活動性の把握に有用であるが,病理像が多彩であるため,薬物性肝障害やウイルス性肝炎などの鑑別には,病理像と臨床所見を統合した評価が必要である.本稿では,AIHの代表的な病理像を概説し,主要な鑑別疾患や現行診断アルゴリズムの課題について検討する.臨床像と病理像を対比的に捉えることにより,AIHの病態理解と診断精度の向上が期待される.

症例報告
  • ⽵⽥ 光希, 守屋 昭男, ⻄村 晃彦, 岡上 昇太郎, 河井 裕介, 關 博之, 永原 照也, 神野 秀基, 岩﨑 良章, 安東 正晴
    2025 年66 巻11 号 p. 483-490
    発行日: 2025/11/04
    公開日: 2025/11/17
    ジャーナル フリー

    症例は60歳代の女性.X年に右側腹部の腫脹を自覚した.PIVKA-IIは20400 mAU/mLと高値,肝右葉に8 cm大の腫瘤が認められた.生検により肝細胞癌と診断し,肝動脈化学塞栓術と肝右葉切除術を実施した.X+2年からX+3年にかけて肝内再発があり,肝動脈化学塞栓術やラジオ波焼灼術で根治が得られた.その後しばらく再発はなく,PIVKA-IIも基準値内に低下していたが,X+14年に167.0 ng/mL(基準値28.4以下)と上昇し,胸腹部CTで前年には認められなかった両肺多発結節が出現していた.肝内病変は認められなかった.CTガイド下肺腫瘍生検では中分化肝細胞癌の像であり,肺転移と診断した.アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法を開始し,6コース実施後にCRが得られた.15コース実施後に有害事象で中止となったが,その1年10カ月後も無治療でCRを維持している.

  • 與那原 究, 座覇 修
    2025 年66 巻11 号 p. 491-500
    発行日: 2025/11/04
    公開日: 2025/11/17
    ジャーナル フリー

    80代男性,維持透析中.肝細胞がんに対し2度の手術歴あり.肝右葉とS3に再発を認め,アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法を開始した.投与数日後から発熱持続し投与後18日目に入院.投与後22日目に訴えはないがCPK・トロポニン上昇を認めた.投与後24日目に意識障害,25日目に上下肢けいれんが出現し,免疫関連有害事象による心筋炎・脳炎を疑いステロイドパルスを開始した.投与27日目に房室ブロックを合併しペースメーカー留置,直後に呼吸状態悪化したため挿管管理となった.投与33日目に抜管したが,投与41日目に再度けいれん重積状態となり再挿管,ステロイドパルス再開した.同日,抗amphiphysin抗体陽性が判明.投与44日目,敗血症性ショックとなり永眠.アテゾリズマブ投与が心筋炎だけではなく,傍腫瘍性神経症候群の発症に寄与した症例と考えられた.

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