肝臓
Online ISSN : 1881-3593
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66 巻, 7 号
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原著
  • 梅木 清孝, 島田 紀朋, 秋田 英理, 田村 周甫, 前嶋 恭平, 伊藤 峻, 石山 涼子, 佐藤 晋一郎
    2025 年66 巻7 号 p. 275-281
    発行日: 2025/07/01
    公開日: 2025/07/11
    ジャーナル フリー

    2010年から2023年に当院で出産したHBs抗原陽性妊婦41例とその出生児を対象に母子感染予防実施状況について評価した.調査項目はHBe抗原,ALT,HBV-DNA測定率,消化器内科への紹介率,HBIGおよびHBワクチン接種率,出生児のHBs抗原・抗体検査実施率とした.結果,HBe抗原,ALT,HBV-DNAの測定率はそれぞれ98%,88%,82%であったが,消化器内科紹介率は51%に留まっていた.HBIGおよびHBワクチン接種率はそれぞれ100%,94~100%と良好であったが,接種後のHBs抗原と抗体の測定率はそれぞれ75%と86%に留まり,一部で最終確認の不足が認められた.母子感染例を1例認め,産科と消化器内科の連携不足が影響したと考えられた.本研究は母子感染防止事業の有効性を支持する一方で,さらなる改善には関係各科の連携強化が必要であることが示唆された.

症例報告
  • 竹下 悠, 則武 秀尚, 玉腰 裕規, 井田 雄也, 松本 萌, 山下 真帆, 梅村 昌宏, 花岡 智彦, 太田 和義, 伊藤 潤, 千田 ...
    2025 年66 巻7 号 p. 282-289
    発行日: 2025/07/01
    公開日: 2025/07/11
    ジャーナル フリー

    ATP7B遺伝子変異による先天性銅代謝障害であるWilson病は,臨床像や病理組織像が多彩である.我々は自己免疫性肝炎と診断されステロイド治療が開始されたものの肝障害が改善せず,再検討からWilson病の診断に至った一例を経験した.健診で肝障害を指摘された10代の男性.血液検査および病理組織学的所見から自己免疫性肝炎に矛盾しないと判断し,ステロイド治療を行ったが肝障害が改善しなかった.治療反応性を考慮した改訂国際診断スコアの診断基準も満たさないことから改めて銅代謝および病理組織所見を再評価したところWilson病を疑う結果であった.同時期に溶血性貧血を発症し,ATP7B遺伝子変異が確認されたことからWilson病と診断し,亜鉛製剤による治療で軽快した.若年のステロイド治療に抵抗を示す非典型的自己免疫性肝炎を疑う症例ではWilson病も鑑別に挙げ慎重に診断する必要があると考えられた.

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