肝臓
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66 巻, 8 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
特集
  • 考藤 達哉
    2025 年66 巻8 号 p. 323
    発行日: 2025/08/01
    公開日: 2025/08/12
    ジャーナル フリー
  • 宗内 淳
    2025 年66 巻8 号 p. 324-329
    発行日: 2025/08/01
    公開日: 2025/08/12
    ジャーナル フリー

    機能的単心室患者に対して最終的姑息術として実施されるFontan術は,肺駆動心室欠如を背景に高中心静脈圧と低心拍出量を特徴とするため肝循環に多大な影響をもたらす.一般に「門脈」とは毛細血管相と毛細血管相に挟まれた循環を示し,肝門脈は腸管毛細血管相と肝毛細血管相に挟まれているが,Fontan術後には肝静脈から肺動脈にかけての静脈路も肝毛細血管相と肺毛細血管相に挟まれた新たな門脈となるため,肝循環は門脈と門脈に挟まれた「超門脈」循環となる.この非生理的循環がFontan術後に生じるFontan関連肝疾患(Fontan-associated liver disease:FALD)の病態に寄与していると考えられる.FALDには大きく2つの病態が混在し,一つは高中心静脈圧による肝類洞内圧上昇が引き起こす肝線維化で,これはFontan術後累積年数と共に進行する.もう一つは肝内の結節・腫瘍性病変の発生と癌化で,これは線維化の程度や術後年数によらず,若年期に生じてくるため非常に憂慮すべき病態と認識される.この病態には門脈血流量と固有肝動脈血流量の比率が影響するのではないかと推測されている.本稿はFALDの病態を肝循環からの視点で概説する.

  • 大内 秀雄
    2025 年66 巻8 号 p. 330-335
    発行日: 2025/08/01
    公開日: 2025/08/12
    ジャーナル フリー

    Fontan関連肝臓病(FALD)はFontan(F)術後の主要な合併症の一つだが,FALD関連指標とF病態との関連は明らかでない.我々はF術後465例の血液学的なFALD関連指標(肝の合成能,うっ血,細胞障害,線維化)と血行動態,総死亡との関連を後方視的に解析した.FALD関連指標では細胞障害を除き全てが中心静脈圧(p < 0.001)と,GGTと細胞障害を除き全てが心係数(p < 0.05-0.001)と,GGT,細胞障害を除き全てが動脈酸素飽和度と関連した(p < 0.001).FALD評価後3.1(1.8 - 4.8)年の経過観察でGGTとALTを除き全てのFALD関連指標が総死亡と関連した(p < 0.001).従って,血行動態は肝線維化と肝合成能に反映され,これら指標は総死亡と密接に関連する.一方,肝うっ血と肝細胞障害指標はF病態を反映しにくい.

  • 中塚 拓馬, 馬淵 敬祐, 松下 祐紀, 山田 友春, 奥新 和也, 南 達也, 佐藤 雅哉, 工藤 洋太郎, 建石 良介
    2025 年66 巻8 号 p. 336-341
    発行日: 2025/08/01
    公開日: 2025/08/12
    ジャーナル フリー

    FALDの評価において,超音波検査は非侵襲的かつ反復可能な画像検査として重要な役割を果たす.FALDでは肝実質エコーの不均一,肝表面の不整・結節状変化,高エコー結節などの特徴的所見が観察される.しかしこれら所見は必ずしも肝線維化の進展を意味せず,肝うっ血による影響も反映しているため,肝硬度測定や肝静脈波形の変化を補助的に使用して解釈すべきである.FALDではFNH-like lesionなどの肝腫瘤形成が高頻度に生じるが,肝細胞癌発症リスクもあるため注意深い鑑別が必要である.超音波検査はFALD診療において最初に選択される画像検査であり,他の検査と併せた総合的評価が求められる.今後,FALDの病態解明と適切な管理方法の確立が期待される.

  • 入江 理恵, 坂元 亨宇
    2025 年66 巻8 号 p. 342-345
    発行日: 2025/08/01
    公開日: 2025/08/12
    ジャーナル フリー

    先天性心疾患に対するFontan術後のうっ血肝に生じる肝線維化を主体とする肝障害はFontan-associated liver disease(FALD)と呼ばれる.凝固系異常,腹水貯留等を認めるFALDの患者に対し経皮的肝生検は若干敬遠される傾向にあるが,肝線維化進展の指標となる非侵襲的なbiomarkerとして有用なものが未だ確定されていない事から,肝線維化進展程度の正確な評価に繋がる肝生検は有意義な検査である.Congestive hepatic fibrosis score(CHFs)はFALDの肝線維化のスコアリングに用いられ,この評価法は肝生検検体において定量化された弾性線維量とも有意な相関があり有用である.FALD術後長期経過例において肝細胞癌の発生が問題となりつつある今,未だ明らかになっていないFALDの発癌機構解明の為にも肝生検を含むFALDの肝組織の詳細な組織学的検討は今後更に重要性が増すと予想される.

  • 坂本 一郎, 石北 綾子, 田中 正剛, 山村 健一郎
    2025 年66 巻8 号 p. 346-348
    発行日: 2025/08/01
    公開日: 2025/08/12
    ジャーナル フリー

    Fontan手術は機能的単心室症に対して幼少期に施行される姑息術であり,体循環にのみ心室を有し肺循環には心室がない極めて特異な循環で,軽度の低酸素血症を呈することと中心静脈圧が高くなることが特徴である.Fontan関連肝疾患(FALD)の原因はFontan循環であり,海外ではFontan術後患者に対して心臓肝臓同時移植が行われており,心臓単独移植よりも良好な長期成績が得られている.しかし,心臓移植ドナーが不足している日本では現実的な治療ではない.成人先天性心疾患専門医として,Fontan手術後患者に対する肝臓単独移植の可能性について提案したい.

  • 石戸 美妃子
    2025 年66 巻8 号 p. 349-353
    発行日: 2025/08/01
    公開日: 2025/08/12
    ジャーナル フリー

    Fontan手術は,右心耳と肺動脈を吻合し,中心静脈圧と左房圧の圧差を駆動圧として肺動脈に流す手術である.現在では単心室形態の疾患で広く行われている.Fontanの最大のメリットは,チアノーゼがなくなる事であるが,高い中心静脈圧(CVP)で低心拍出が特徴である.遠隔期には不整脈,心機能不全,腎機能低下,肝うっ血等様々な問題が出現する.中でも,Fontan Associated liver disease(FALD)は,高いCVPに曝されるFontan患者にとっては宿命的な病態である.FALDは経年的に進行し,術後30年で半数近くが肝硬変となる.また,若年で肝癌を発症したり,肝表面の良性腫瘤が破裂し出血性ショックを起こすなど致死的な合併症に繋がる場合もあり,消化器内科での定期的な評価が必要である.

    小児循環器科医の役割は,より良いFontan循環の確立と維持,合併症評価,消化器内科への紹介を含む必要な介入,生活指導を行う事である.

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