肝臓
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最新号
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原著
症例報告
  • 厚東 由里佳, 石川 剛, 佐々木 嶺, 大野 高嗣, 松田 崇史, 佐伯 一成, 日高 勲, 高見 太郎, 伊藤 浩史, 坂井田 功
    2021 年 62 巻 6 号 p. 349-356
    発行日: 2021/06/01
    公開日: 2021/06/08
    ジャーナル フリー

    症例は70歳代後半,女性.傾眠傾向・体動困難を主訴に近医を受診し,意識障害を伴う肝障害が認められたため前医に紹介された.同院での入院精査を経て肝腎機能障害・播種性血管内凝固に対する精査加療目的で当院へ転院となった.超音波およびCT検査で肝腫大はなく,肝内に腫瘤性病変も認められなかった.一方,脾腫は著明で(529.5 cm3),脾内に13 mm大の低吸収域が認められた.入院同日よりステロイドミニパルス療法などの集学的治療を開始した.肝腎不全に加えて,第3病日に両側びまん性肺胞出血による呼吸不全も併発し,人工呼吸管理のもと加療を継続したが,原因が特定できないまま第17病日に死亡した.病理解剖の結果,脾原発悪性リンパ腫(びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)の肝・肺浸潤の診断に至った稀少症例を経験したので,報告する.

  • 瀬崎 ひとみ, 鈴木 文孝, 藤山 俊一郎, 川村 祐介, 保坂 哲也, 芥田 憲夫, 小林 正宏, 鈴木 義之, 斎藤 聡, 荒瀬 康司, ...
    2021 年 62 巻 6 号 p. 357-362
    発行日: 2021/06/01
    公開日: 2021/06/08
    ジャーナル フリー

    今回我々は,glecaprevir(GLE)/pibrentasvir(PIB)治療不成功であったgenotype 2型に対し,再度GLE/PIB 12週治療を行い完全著効(SVR)を得られた2症例を経験した.症例1は65歳の慢性肝炎男性.GLE/PIB 8週治療終了後HCV RNAの再燃を認め,再度GLE/PIB 12週治療を行った.再治療開始時NS5A-L28F+L31M+C92Sのアミノ酸変異を認めたがSVRを達成した.症例2は51歳,肝硬変女性.他院でGLE/PIB開始後掻痒のため3日目に治療中止.その後当院で再度GLE/PIB治療を開始した.開始時よりナルフラフィン塩酸塩を併用したところ有害事象なく12週治療を完遂しSVRを達成した.同種類の薬剤を使用しても治療期間を延長することにより治療効果が得られた症例を経験し,再治療の選択を行う上で興味深い症例と思われたので報告した.

  • 東 瀬菜, 田中 聡司, 津室 悠, 西村 佑子, 河本 泰治, 別所 宏紀, 石原 朗雄, 長谷川 裕子, 山本 俊祐, 赤坂 智史, 榊 ...
    2021 年 62 巻 6 号 p. 363-371
    発行日: 2021/06/01
    公開日: 2021/06/08
    ジャーナル フリー

    症例は39歳男性.2018年4月上旬に発熱と右側腹部痛がみられ前医を受診した.上腹部造影CT所見上は肝臓に55 mm大の占拠性病変を認め精査加療目的に当院へ紹介された.精査の結果,肝膿瘍と診断し抗菌薬投与を開始した.第2病日に肝膿瘍穿刺ドレナージを施行し,膿汁培養検査からStreptococcus intermediusFusobacterium speciesを検出した.第11病日に治療効果判定目的で骨盤底まで腹部造影CT撮像すると,S状結腸憩室周囲に膿瘍形成を認めた.第18病日に腹腔鏡下S状結腸部分切除術を施行し,S状結腸憩室穿孔に伴う腸間膜膿瘍を認めた.S状結腸憩室穿孔が無症候性の周囲膿瘍形成を来し,肝膿瘍を合併した診断に苦慮する1例を経験したため報告する.

  • 金子 三紀, 堂原 彰敏, 西村 尚起, 竹田 惣一, 中谷 聡, 塩山 えりか, 竹田 幸祐, 吉川 雅章, 上田 重彦
    2021 年 62 巻 6 号 p. 372-380
    発行日: 2021/06/01
    公開日: 2021/06/08
    ジャーナル フリー

    症例は45歳男性.35歳時にC型慢性肝炎に対してIFN治療を施行されたが無効で,他院で肝庇護療法を継続されていた.肝障害が増悪し精査加療目的に当科紹介受診となった.肝生検では脂肪沈着を伴うA2F3の慢性ウイルス肝炎像であり,肝サルコイドーシスを示唆する所見は認めなかった.Direct Acting Antivirals(DAA)療法でSVR24を達成したが,終了3カ月後からeGFRが低下し腎生検で腎サルコイドーシスの診断に至った.追加検査で心・肺・眼にも病変あり,ステロイド内服加療を施行した.既報ではC型肝炎に対するIFN治療後にサルコイドーシスを発症する症例が散見され,IFNが宿主の免疫応答を惹起しサルコイドーシスを引き起こすことが想定されている.今回DAA治療後に発症した心腎肺眼サルコイドーシスの一例を経験し,貴重な症例と思われるため報告する.

短報
  • 山崎 勇一, 植原 大介, 金山 雄樹, 須賀 孝慶, 戸島 洋貴, 佐藤 賢, 柿崎 暁, 浦岡 俊夫
    2021 年 62 巻 6 号 p. 381-383
    発行日: 2021/06/01
    公開日: 2021/06/08
    ジャーナル フリー

    In novel coronavirus disease 2019 (COVID-19), liver injury was found at a high rate, and reports from outside Japan revealed that such injury was related to severity. We examined the characteristics of liver injury in 15 cases of COVID-19. Thirteen of these patients received antiviral therapy, such as favipiravir, remdesivir, and hydroxychloroquine. Liver injury was observed in eight cases at admission for COVID-19. The hepatic CT attenuation values at admission were significantly lower in nine patients who developed liver damage or showed its exacerbation during the treatment than in the remaining patients. Drug-induced liver injury due to antiviral drug was suspected in six cases. Liver injury due to COVID-19 may be related to low hepatic CT attenuation values and be modified by antiviral drugs.

  • 浦和 尚史, 吉澤 尚彦, 小島 裕治, 橋本 章, 清水 敦哉, 田中 隆光, 濱岡 志麻, 小林 壮一朗, 中野 達徳, 岡野 宏, 長 ...
    2021 年 62 巻 6 号 p. 384-386
    発行日: 2021/06/01
    公開日: 2021/06/08
    ジャーナル フリー

    In Mie Prefecture, autochthonous hepatitis E cases occurred via homologous hepatitis E virus subgenotype 3e (HEV-3e), namely, Mie indigenous HEV-3e, from 2004 through 2014. We experienced three cases of autochthonous hepatitis E in 2020 in Mie Prefecture, and analyzed the partial HEV genomes recovered from them. The three HEV isolates clustered with Mie indigenous HEV-3e in the phylogenetic tree and exhibited high similarities to it. Mie indigenous HEV-3e had thus reemerged for the first time in six years. One affected patient often consumed meat of wild animals, and another ate undercooked pork liver, although the third case had no clear risk factors. Mie indigenous HEV-3e appears to be maintained in wild animals or domestic pigs.

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