種子伝染性の病害であるスイカ果実汚斑細菌病を防除するために, 汚染種子を用いて, 温湯浸漬処理及び殺菌剤を用いた薬液浸漬処理が, 種子消毒方法として本病に有効であるか否かを調査, 検討した. すなわち, 10
8cfu/mlの菌液を注入接種した果実から得られた汚染種子を温湯浸漬処理または薬液浸漬処理し, その後, 高温多湿条件下で発芽試験を行い発病を調査した. その結果, 54~56℃の10~30分間の温湯浸漬処理は, 発病率を下げることはできるが, 充分な消毒効果を得ることは出来なかった. 薬液浸漬処理では, 抗生物質剤が銅剤やその他の殺菌剤に比べて効果が高かった. また, ほとんどの薬剤において, 高濃度・短時間処理よりも低濃度・長時間処理の方が効果は高かった. 真空浸漬処理は, 慣行の薬液浸漬処理と比べて効果が劣った. しかし, 薬液浸漬処理も温湯浸漬処理と同様に発病率を下げることはできるが, 充分な種子消毒効果を得ることは出来なかった.
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