AC100Vを印加したコンセントの刃受と差込プラグの刃(いずれも2極)との接触不良の発熱による差込プラグの熱劣化から発火までの過程を,実験研究し,新たな発火機構について述べた。接触不良の発熱により,差込プラグ絶縁物のPVCの表面及び内部が熱劣化する。激しく熱劣化したPVCは熱分解により脱塩酸し,さらに含有カルシウム分と反応して吸湿性の強い塩化カルシウムを生成する。この熱劣化により両刃間の絶縁抵抗は10
5Ω程度に低下し,その後放置するとPVC表面及び内部の吸湿によりさらに10
3Ω程度に低下することが判明した。この過程を経て絶縁抵抗が低下した差込プラグを用いて発火実験を行ったところ,10
3Ω程度に低下すると発火危険性のあることを示した。
(オンラインのみ掲載)
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