日本火災学会論文集
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50 巻, 1 号
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論文
  • 李 義平, 大谷 英雄, 関 勉, 長谷川 秀夫, 今田 修二, 矢代 勲
    2000 年 50 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 2000年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
    火災現場の溶融痕からは,しばしば酸化組織が認められる。しかしながら,この酸化組織が,火災の原因になったもの(1次溶融痕)か,通電状態で火災になって短絡してできたもの(2次溶融痕)かを鑑定する方法は確立されていない。そこで,酸化組織のDAS(Dendrite Arm Spacing)と酸素濃度により溶融痕の生成時の雰囲気温度が推定できるかを検討した。本研究を通じて,(1)溶融痕の酸化組織のDASは酸素濃度と冷却濃度の関数であること,(2)溶融痕の酸化組織は火災に暴露されても再溶融しない限りは変化しないこと,(3)溶融痕の中の酸素濃度とDASを測定することにより溶融痕生成時の雰囲気温度が推定できることが明らかになった。
    (オンラインのみ掲載)
  • 伊藤 昭彦, 島崎 真一, 大波多 浩司
    2000 年 50 巻 1 号 p. 13-22
    発行日: 2000年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
    小型プール火災の火炎基部構造と火炎面への空気流入機構を,n-ヘキサンを燃料に,容器径,リム厚およびフリーボードを変化させて実験的に調査した。実験では,微粒子追跡法による流れ場,熱電対による温度分布およびガスクロマトグラフィによる酸素濃度分布の測定を行った。その結果,以下の知見を得た。火炎基部では気体は空気側から火炎面に向かって流れ,火炎面の直前で減速し,火炎面を通過した後に加速する。容器径が増すと火炎面への気体の速度が増加し,それに伴って酸素の質量流束も増加する。リム厚が増加すると気体の速度は減少するが流入角が増加するため,火炎面への酸素の質量流束はほとんど変化しない。フリーボードが25mm以下では火炎は安定するが,それ以上では火炎面への酸素の流入が減少して,火炎は不安定となる。
    (オンラインのみ掲載)
  • 伊藤 昭彦, 西 雄一, 島崎 真一
    2000 年 50 巻 1 号 p. 23-30
    発行日: 2000年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
    小型プール火災の間欠火炎構造と火炎面への空気流入機構を,n-ヘキサンを燃料に8種類の容器径(D=11mm~102mm)について実験的に調査した。実験では,レーザシートによる垂直及び水平方向断面の火炎形状と微粒子追跡法による流れ場の測定を行い,これらの結果を基に火炎面への酸素の質量流量を算出した。その結果,以下の知見を得た。容器径が16mmを超えると,安定火炎から間欠火炎へ遷移する。その際に火炎面に沿って渦が形成される。間欠火炎領域では,きのこ状火炎の下部からの渦流と上部からの空気の取り込みにより,酸素の質量流量が著しく増加する。容器径が30mm以下の火炎はほぼ軸対称とみなせるが,それ以上では軸対称性がくずれて火炎はしわ状になる。しわ状火炎になると,火炎の表面積は最大30%程度増加する。しわ状火炎のしわの数は渦対の数に対応している。
    (オンラインのみ掲載)
  • 工藤 祐嗣, 早坂 洋史, 橋本 好弘, 上田 孝志
    2000 年 50 巻 1 号 p. 31-39
    発行日: 2000年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
    本論文は,1/3スケールの小型区画火災実験で発生したバックドラフト(BD)と,関連諸現象について述べている。区画には0.24m(H)×0.20m(W)の開口部を設け,天井と側壁にはラワン材を配置した。測定項目は,温度,O2,CO,CO2,THC濃度,ラワン材の質量減少速度である。BD発生前には,O2不足による自己消炎が発生した。BDが発生すると,急激に温度は上昇しO2濃度は低下する。BD発生後にはL型の付着火炎が見られた。
    (オンラインのみ掲載)
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