日本火災学会論文集
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53 巻, 2 号
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論文
  • 古川 容子, 大山 有紀子, 長谷見 雄二
    2003 年 53 巻 2 号 p. 39-48
    発行日: 2003年
    公開日: 2011/04/07
    ジャーナル フリー
    シルバーピアの火災実態について、ワーデンを対象にヒアリング調査を実施した結果、通報火災のみを対象とした場合、シルバーピアの出火率は一般の共同住宅と同程度であり、高齢者による火災の出火原因は、調理器具の消し忘れや調理中の衣服への引火が多いことが分かった。また高齢者住者は、聴覚機能の低下により火災覚知が遅れたり、警報に反応しない場合がある。高層共同住宅に居住する高齢者の非難安全性を確保するためには、警報装置の適切な作動に加え、出火防止と火災の早期発見のための支援体制の構築も重要である。警報装置が作動しても居住者は反応しない事例も多いため、高齢者の身体能力に応じた防災訓練の実施と居住者の参加率の向上も併せて検討する必要がある。
    (オンラインのみ掲載)
  • 大谷 英雄, 宮沢 昭雄
    2003 年 53 巻 2 号 p. 49-54
    発行日: 2003年
    公開日: 2011/04/07
    ジャーナル フリー
    固体物質の熱分解機構を研究する手法として、熱重量測定はよく使われる手法である。熱重量測定の結果から、熱分解の活性化エネルギーや頻度因子を求めることができる。ただし、熱分解が単一の反応ステップにより起る場合には解析も容易であるが、熱分解が何段階かの反応ステップにより起るような場合には、解析が困難であることが多い。
    そこで本研究では、熱分解反応が4つのステップにより起るPMMAについて、熱分析結果から4つのステップをすべて一時反応と近似して、それぞれの反応の活性化エネルギー、頻度因子、およびそれぞれのステップの反応で分解するPMMAの割合を求める方法を開発したので、その手法について述べる。
    (オンラインのみ掲載)
  • 大谷 英雄, 宮沢 昭雄
    2003 年 53 巻 2 号 p. 55-60
    発行日: 2003年
    公開日: 2011/04/07
    ジャーナル フリー
    臭素系難燃剤の高分子物質に対する燃焼抑制効果を評価するため、TBBAを添加したPMMAの熱分解機構の変化について熱分析により定量的に検討した。また、臭素系難燃剤はアンチモンと同時に使用することによって相乗効果が発揮されるといわれているため、TBBAと同時に三酸化アンチモンを添加したものについても実験を行った。
    TBBAを添加したPMMAでは、TBBAの添加量がある量を超えると低温の分解反応が抑制され、高温の分解反応は促進された。科学的な抑制作用のみを考えると、TBBAの最適添加量は、TBBAのみを添加する場合は約15wt%、TBBAと三酸化アンチモンを合わせて添加する場合は約10wt%と考えられる。
    また、気体の臭素化合物の発生はTBBAのみの添加、あるいは三酸化アンモチンを合わせて添加した場合にも10wt%以下の添加では見られなかった。
    (オンラインのみ掲載)
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