日本火災学会論文集
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58 巻, 3 号
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論文
  • 八島 正明
    2008 年 58 巻 3 号 p. 47-56
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/09/29
    ジャーナル フリー
    RDF堆積層内の燃え拡がりは複雑な燃焼現象の一つである。本実験では,現象を解析しやすいように燃焼場の単純化を考え,単一のRDFが熱面で着火し,上方への燃え拡がり現象を対象とした。実験では,熱重量分析(TG),熱面温度を変化させた場合の着火性と燃え拡がり挙動,燃え拡がりの際のRDF外部と内部の様相,RDF内の温度変化を調べた。実験の結果,質量減少のピーク温度は五つあり,230℃,292℃,405℃,454℃,636℃であった。有機物の熱分解過程は複数段であり,大きくは230℃から400℃と400℃から550℃とに分けられる。熱面温度が400℃では着火しないが,450℃以上では着火することがわかった。着火後,火炎は形成せず,くん焼の様式で燃え拡がる。反応帯の最高温度は600℃程度であった。温度分布とTG分析の結果によると,RDFを構成する物質にもよるが,この燃え拡がりの予熱帯から反応帯の長さが8~9mmであることを推定した。
    (オンラインのみ掲載)
  • 山口 純一, 伊藤 彩子, 田中 哮義
    2008 年 58 巻 3 号 p. 57-66
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/09/29
    ジャーナル フリー
    従来の建築基準法では,大規模な建築物や重要な部分ほど基準を厳しくするなど,明示的でないながらも火災リスクの考えが反映されていた。しかし,現在の性能的火災安全設計にはこのような考え方については殆ど考慮されておらず,規模に関わらず同一の設計火源の下で同一のクライテリアを満足すれば安全と見なされる設計法となっている。そこで,本研究では,ある設計火災条件の下で避難不能者が生じないことを検証する枠組みは現状の設計法のものを踏襲し,かつ潜在的危険性の高い建築物は通常より厳しい設計火源の下で安全性を検証することで,火災リスクの概念を性能的火災安全設計に導入する手法を提案した。
    (オンラインのみ掲載)
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