日本火災学会論文集
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59 巻, 1 号
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論文
  • 青木 義次
    2009 年 59 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/09
    ジャーナル フリー
    火災避難には多くの不確定要因が介在しているので, 確率論に基づく避難安全性評価の方法を構築することを試みた. 最初に, 歩行速度, 歩行時間, 流動係数, 扉通過時間, 煙生成速度, 煙降下時間の確率分布の性質を調べ, 対数正規分布と見なすことが望ましいことを示した. 次に, 上記の確率分布の結果から, 避難失敗確立を求め, 簡単なケースについて避難安全の判定式を導出した. さらに, 確定論的評価と確率論的評価を比較し, 確定論的評価に用いる安全係数を各変量の計測値のばらつきデータを用いて適切にとれば, 確定論的評価と一致することを示した.
    (オンラインのみ掲載)
  • 中村 祐二, 鎌田 祐一, 高橋 真一, 近藤 守, 柴田 靖史, 平沢 太郎
    2009 年 59 巻 1 号 p. 9-16
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/09
    ジャーナル フリー
    本稿では, プール火災を対象として異なる温度計測装置 (熱電対, 分光器(可視域) , 単色放射温度計, 2色放射温度計測装置) を用いて火炎の温度計測を行い, 温度測定に対する一考を試みた. 煤を伴う輝炎の場合, 熱電対接合部に煤が堆積して表示温度値は信頼性を失う. 一方で非接触計測が可能な放射温度計測機器の場合, 放射物が何なのかによって指示温度および温度分布が異なる. これは光学厚さに起因する問題で, 大型の火炎で用いられる計測手法がそのまま小型の火炎に対して適用できないことを意味する. 火災研究では模型原理を用いてスケールダウンして火災研究を行うことが多いが, スケールに合った計測機器を選ぶことが必要である.
    (オンラインのみ掲載)
  • 出口 嘉一, 三井 健郎
    2009 年 59 巻 1 号 p. 17-23
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/09
    ジャーナル フリー
    火災時のコンクリート部材の挙動を解析的に取り扱うためには, コンクリート材料の高温特性や構成則を実験によって明らかにする必要がある. これまで, コンクリートの高温圧縮試験は, 圧縮試験装置に付設された加熱炉で試験体を目標温度まで加熱した後に圧縮する方法が採用されてきた. この方法は時間と労力が非常に必要なこともあり, 十分なデータが整備されているとは言えない.
    本論分では, 1日あたりの試験数を大幅に増すことができる新たな試験方法 (予熱した試験体を圧縮装置に移動して試験を行う) を提案した. 試験方法の提案とあわせて, 本方法の課題 (移動の際の温度低下等) について検証し, 試験方法の適用可能性を示した. さらに, 本方法による強度, 骨材種, ポリプロピレン・スチールファイバーの有無をパラメータとした高温圧縮試験結果を報告した.
    (オンラインのみ掲載)
ノート
  • -平地を対象とした空間内挿法-
    小泉 俊雄, 川崎 英明, 澤野 靖幸
    2009 年 59 巻 1 号 p. 25-33
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/09
    ジャーナル フリー
    本報は, 地形の影響の少ない場所での風向, 風速の簡易的な算定法を提案した. その方法は, 周囲の観測所と検証点 (求めようとする点) との間の距離の2乗に反比例させる重み付平均をとることにより風速の推定を行うものである. また, 風向も風速と同様に, 風速を重みとして東西方向をX成分, 南北をY成分に分解し, 距離の2乗に反比例させる方法で推定するものである. 結果として, 風速の推定では, ほとんどの検証点で相関係数が0.6を超え, また, 風向の推定では, 8方位での方位差±1の間に74%が含まれる結果となり, アメダス観測所ごとの風配図をみても推定風向が実測風向をよく表しており, 本報の手法の妥当性が示された.
    (オンラインのみ掲載)
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