本報は, 地形の影響の少ない場所での風向, 風速の簡易的な算定法を提案した. その方法は, 周囲の観測所と検証点 (求めようとする点) との間の距離の2乗に反比例させる重み付平均をとることにより風速の推定を行うものである. また, 風向も風速と同様に, 風速を重みとして東西方向をX成分, 南北をY成分に分解し, 距離の2乗に反比例させる方法で推定するものである. 結果として, 風速の推定では, ほとんどの検証点で相関係数が0.6を超え, また, 風向の推定では, 8方位での方位差±1の間に74%が含まれる結果となり, アメダス観測所ごとの風配図をみても推定風向が実測風向をよく表しており, 本報の手法の妥当性が示された.
(オンラインのみ掲載)
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