日本火災学会論文集
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59 巻, 2 号
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論文
  • 鈴木 恵子, 北後 明彦
    2009 年 59 巻 2 号 p. 34-41
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/06/10
    ジャーナル フリー
    近年の住宅火災による0-4歳の死亡率は全年齢平均より低いが,損失生存可能年数と損失余命は他の年齢階級よりも大きかった。死因に占める火災の割合が最も大きいのは5-9歳であった。0-4歳の子供が死亡した住宅火災の出火原因は火遊びが5割以上を占め,火源の多くはライターであった。本人の火遊びから出火した住宅火災で死亡した子供の人数は3:1で男児が多く,3歳でピークを示し,子供の死者数の多さの半分程度は火遊びとその巻き添えによるものと理解することができた。10歳以下の子供が火遊びをして死亡した事例の約6割は,10歳以下の子供のみが在宅していた時に発生し,その割合は,昼間より夜間の火災で多かった。A市における17件の火遊びによる住宅火災事例(死者は無し)では,出火時に14歳以下の子供だけが在宅していた割合は65%であった。保護者が在宅しながら就寝中で子供の火遊びを制止できなかった事例が4件あった。母子健康手帳の中で,1-4歳児に起きやすい事故として例示される転落・転倒による死者数よりも住宅火災による死者数が近年は上回っていた。
    (オンラインのみ掲載)
  • 八島 正明
    2009 年 59 巻 2 号 p. 42-54
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/06/10
    ジャーナル フリー
    本研究では,RDF堆積層内の燃え拡がりにおける燃え拡がり方向,自然対流,試料寸法の影響を実験的に調べた。実験では,寸法のかなり異なる2種類のRDFを用い,上方と下方のそれぞれの燃え拡がりにおける層内の温度変化,温度分布,燃え拡がり速度を測定した。実験の結果,堆積層の下面が閉じた場合,燃え拡がり速度は上方よりも下方のほうが大きいこと,下方燃え拡がりでは,下面が開いた場合のほうが燃え拡がり速度が大きいことがわかった。本実験のような自然対流中では,RDFの直径が大きく,あるいは,空隙が大きいほうが燃え拡がり速度は大きいこともわかった。堆積層では空隙が大きいほうが断熱的であるが,堆積層への空気の流入により,くん焼が継続する。粉体充てん層の有効熱伝導率を適用し,燃え拡がりに及ぼす粒子径,形状,空隙率,空塔速度などの影響を評価した。
    (オンラインのみ掲載)
ノート
  • 乗峯 絵理, 石綿 鉄也, 石澤 不二雄, 三枝 正吾
    2009 年 59 巻 2 号 p. 56-60
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/06/10
    ジャーナル フリー
    近年,軽油の代替燃料として注目を集めているバイオディーゼル燃料の検知管を開発した。検知管は,シリカゲルにフロログルシノールと硫酸をコーティングしてガラス管に封入したもので,バイオディーゼル燃料と反応すると検知剤が赤く発色する。液体を吸引する方法での検出限界はおよそ0.05%である。この検知管はバイオディーゼル燃料の他,ごま油や紅花油などの植物油には反応するが,軽油には反応しない。本検知管はバイオディーゼル燃料のスクリーニングに有用である。
    (オンラインのみ掲載)
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