日本火災学会論文集
Online ISSN : 1883-5600
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59 巻, 3 号
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論文
  • 朴 南權, 北後 明彦
    2009 年 59 巻 3 号 p. 61-72
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/06/10
    ジャーナル フリー
    本研究では防災システムの人的要素による不確実性を低下させるために防災知識の移転特性について研究を行う.そのため,防災知識の移転特性を決定する要因を探る.
    防災知識そのものについては明示的な手段の有無,防災知識の送り手の特性に関しては動機及び意思と能力に関する信頼,防災知識の受け手に関しては動機及び意思と事前知識,活用能力が要因となっていることを前提として,研究を進めた.
    2007 年新潟県中越沖地震の後,長岡市と柏崎市の内,商業施設の従業員295 名を対象に調査を行った.その結果,防災知識の移転特性及びその効果について,施設の建物規模,建築年代,地震被害の程度ではなく,従業員の勤務年数と防災訓練参加頻度が影響を与えることが明らかになった.
    また,防災知識の移転効果に最も影響を与える特性は,防災訓練参加頻度にかかわらず受け手の活用能力が大きく影響を与えることが明らかになった.このことから,各施設の防災センターの職員による従業員の活用能力を向上させるための実践的な防災訓練及び防災知識移転を行う必要性があることが示唆される.
    (オンラインのみ掲載)
  • 岡本 勝弘, 三輪 幸司, 渡邉 憲道, 萩本 安昭, 大谷 英雄
    2009 年 59 巻 3 号 p. 73-81
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/06/10
    ジャーナル フリー
    放火を目的にガソリンを床面に散布した事例やガソリンが漏洩して広範囲に広がった事例においては、発生したガソリン蒸気が周囲に拡散して空気と混合し、可燃性混合気を形成する。そのため、ガソリン散布面が形成された場合の火災危険性評価を行うには、ガソリン蒸気の濃度分布を明らかにする必要がある。本論文では、種々のガソリン散布条件におけるガソリン蒸気の拡散挙動を測定した。床面にガソリンが散布された場合には、約30分で高さ40cmまで可燃性混合気が形成されることが確認された。床面より上方の箇所にガソリンが散布された場合には、ガソリン蒸気は急速に下方に拡散混合し、散布面下側領域の濃度が均一になることが判明した。ガソリン蒸気を単一成分と仮定して、種々の散布条件におけるガソリン蒸気拡散モデルを提唱し、ガソリン蒸気濃度分布を予測した。さらに、種々のガソリン散布条件においてガソリン蒸気の着火実験を行い、提唱したモデルの適合性を検証した。
    (オンラインのみ掲載)
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