日本火災学会論文集
Online ISSN : 1883-5600
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60 巻, 3 号
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論文
  • -小型UFAを用いた米松の燃焼試験による考察-
    立花 和弘, 小張 玲奈, 若月 薫, 益村 宏児, 大宮 喜文
    2010 年 60 巻 3 号 p. 39-46
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/03/16
    ジャーナル フリー
    現在、火災シミュレーションにて使用されるデータベースは主として自由空間にて行った燃焼実験がほとんどであり、自由空間での実験データを利用してシミュレーションすることは実際の火災における火災伝播やガス有害性などの予測において大きな誤差(下方予測)を生じると考えられる。火災室内の熱や酸素環境は刻々と変化するため、シミュレーションを通した火災の再構築には、火災の発達過程(初期、盛期、減衰期)やより多くの実際の火事場の環境を再現したデータを取得する必要がある。本研究は、火災室内の熱や酸素環境下において材料の燃焼性がどのように変化するかを検証することを目的に、消防研究センターにて開発した火災室内の熱及び酸素環境を再現することが可能な燃焼装置(Universal Flammable Apparatus、UFA)を用いて、米松(Douglas fir)の着火時間、質量減少速度、ガス収率(CO、CO2)を熱・酸素環境を変化させて、自由空間におけるデータとの比較を行った。また、木材の特徴である加熱面の方向に対する依存性も加えて検証した。質量減少速度は、加熱時に米松表面で生じる炭化層の影響で著しい違いは得られなかったが、着火時間と一酸化炭素収率は熱・酸素環境に対する依存が確認された。
    (オンラインのみ掲載)
ノート
  • 関 信生, 久田 隆司, 池内 清治, 森山 修治, 高橋 邦子, 中村 眞一
    2010 年 60 巻 3 号 p. 47-54
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/03/16
    ジャーナル フリー
    本報では、消防活動拠点等に防耐火ガラスを用いた場合の輻射熱の影響および物理的・熱的衝撃によるガラスの亀裂・破損に着目して行った研究について報告する。耐熱結晶化ガラス、耐熱強化ガラス、けい酸ソーダ積層ガラスを試験体として加熱試験、衝撃試験などを行った結果、輻射熱の影響については、実用上、支障が生じないレベルの成果が得られた。特にけい酸ソーダ積層ガラスは今回の条件下で、消防活動拠点等として要求される性能を概ね満たしていることが確認できた。一方、耐熱結晶化ガラス及び耐熱強化ガラスは、盛期火災時の輻射熱が消防隊員に影響を及ぼすことが判明し、これらのガラスを消防活動拠点等に使用する際には設置場所やサイズに留意する必要があると考えられた。
    (オンラインのみ掲載)
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