本研究では, 三重県RDF事故の第一要因と考えられる微生物による発酵と可燃性ガス産生に着目して, 製造地の異なる三重県5地域のRDFに対して, 培養実験とメタゲノム解析を併用して解析した。RMJ方式で製造されたRDFでは, 230~280℃の熱風で加熱しても芽胞形成菌
Bacillussp. や
Clostridium sp., 耐熱性菌
B.thermoamylovoransが残存して水分添加により増殖する。培養開始後の有酸素下で増殖可能なAerobeとAnaerobe facultativeでは, 高pHで生育可能な
B.circulansと中低pHで生育可能な
Sphingomonas sp., B.coagulans, B.subtilisが存在し, RDFの初期pHが, 菌の増殖や酸素濃度低下に影響を与える。低酸素下において存在する水素産生菌ついて, 桑名広域清掃事業組合のRDFは,
B.coagulans, B.licheni-formis, C.tertiumであり, さくらリサイクルセンターのRDFは,
C.acetobutylicum, C.beijerinckii, C.intestinale, C.paraputrificum, C.perfringens, C.roseumがあり, 環境中のpHに適した菌が多く増殖していると考えられる。また, エコフレンドリー浜島のRDFは, 他地域とは異なり水素を産生しない
Lysinibacillus sphaericusの存在が水素濃度低下の一要因と考えられる。
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