日本火災学会論文集
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67 巻, 3 号
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論文
  • 李 成〓, 赤尾 捷, 近藤 俊介, 白井 孝治, 原田 和典, 仁井 大策
    2017 年 67 巻 3 号 p. 113-120
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/02/14
    ジャーナル フリー
    本研究では,天井下空間における燃料表面への放射熱流と発熱速度の増加について,補機油燃焼実験の測定値と天井下の火炎の発熱速度の予測モデルを用いて検討を行った.天井が低いほど燃料表面への放射熱が増加するので発熱速度は増加する.特に,連続火炎が天井下に展炎する場合には,燃料表面への熱流と発熱速度が著しく増加した.火炎長さの予測式を用いて計算した発熱速度は,火炎が天井に展炎する条件では測定値よりも過大に予測された.一方,火炎長さの測定値を用いて計算した発熱速度は測定値とほぼ一致した.従って,火炎が天井に少し展炎するような条件も含め,展炎時の火炎長さの予測精度を改善すればより正確な計算が可能になると推論される.
  • 尾川 義雄, 山内 幸雄, 久保田 勝明, 北後 明彦
    2017 年 67 巻 3 号 p. 121-130
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/02/14
    ジャーナル フリー
    日本で販売されている消火器には,「1 安全栓を引き抜く;2 ホースをはずし火元に向ける;3 レバーを強く握る」という起動方法が表示されているが,消火剤をどのように放射するかなどの消火方法は示されていない.Shoub ら(1957) によると,液体火災の最も効果的な消火方法は,一度に全面を覆うように消火剤を放射することとされているが,消火剤をどのように放射するかという消火方法は述べられていない.そこで本研究では,消火方法を明らかにすることを目的として,人が消火器を操作してヘプタン火皿の火炎の消火を試みる実験を行い,消火剤の散布状況と消火成否の関係を分析した.その結果,消火薬剤が燃焼面の全面を横切って散布される;消火剤噴流の一部が火皿手前の壁に連続的に衝突する;燃焼面の最も遠い点までの距離が限界値より小さい;の三つを同時に満たすことが,消火成功条件であることを明らかにした.
  • 小西 忠司, 鳴海 明
    2017 年 67 巻 3 号 p. 131-138
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/02/14
    ジャーナル フリー
    本研究は,ごみ固形燃料(RDF)貯蔵槽において,細菌叢メタゲノム解析と実時間環境計測を微生物情報データに関連づけた細菌叢活性マッピング法を紹介する.メタゲノム解析により11種の好気性細菌,5種の通性嫌気性細菌,10種の偏性嫌気性細菌が同定された.RDFを10kg入れた20L断熱容器に,容器上部から蒸留水を投入した模擬実験から得られた温度と酸素濃度を,メタゲノム解析で同定された微生物の微生物情報データから得られた至適温度や至適酸素濃度と比較して,目視できない微生物の活性状態を可視化した細菌叢活性マッピングを作成した.このマップを利用してRDF堆積層において,微生物活動が火災に至る過程に与える影響を考察した.
  • 北堀 純, 池畠 由華, 山口 純一, 大宮 喜文
    2017 年 67 巻 3 号 p. 139-148
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/02/14
    ジャーナル フリー
    筆者らは, 火災リスクの概念に基づいた新しい避難安全設計手法の開発を目指している. この新たな設計手法では, 出火率や出火後の状況を適切に把握することが重要となるが, 適切な設定を行うための知見はいまだ十分ではない. そこで本研究では小火に着目し, その要因についての把握を行った. 本研究では1995年から2008年の火災統計データを用いて, 小火と滞在時間, 火災警報システムの設置の有無, 延べ床面積との関係についての分析を行った.
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