一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第56回大会
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  • 藤井  わか子, 越智 真結子
    セッションID: 2-1-1
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    目的<B> 幼児期の食生活が、社会環境、生活環境の変化するなかで、偏食、遊び食い、だらだら食いなどの増加、噛めない、丸飲みするが増えているといわれている。そこで、本研究は幼児の摂食行動と食環境、食意識、食嗜好などにどのような関連があるのかを明らかにする目的で行った。<BR>対象及び方法<B> 対象者は岡山県北部津山市の幼稚園、保育所に通う4.5.6歳児とその保護者1311名。調査方法は2003年6_から_7月に各園に依頼し、回収率は73%で、779名を有効データとし採用した。幼児の摂食行動と身体状況、幼児と親の食嗜好、食意識、食環境との関連を検定した。<BR>結果及び考察<B> 幼児の摂食行動として、偏食、遊び食い、むら食い、だらだら食いに該当する幼児を摂食行動問題ありとし、該当しない幼児を摂食行動に問題なしとし、それ以外の3つのグループに分類し関連をみた。摂食行動問題ありの幼児では、野菜、魚、肉料理を好まない傾向であり、調理済み食品、インスタント・レトルト食品、甘いもの、やわらかい食品、濃い味付けものを好む傾向であった。さらに、調理済み食品、インスタント・レトルト食品を利用する家庭やそれらの料理を好んで献立に取り入れる家庭では摂食行動問題ありで頻度が高くなっていた。また、調理済み食品やインスタント・レトルト食品を利用する、好んで献立に取り入れる家庭では、幼児がそれらの料理を好む傾向がみられた。また、摂食行動問題ありの幼児では、よく噛まない、うまく噛めていない、噛まずに丸のみする、口にためたまま飲みこめないといった咀嚼障害や虫歯があるで増える傾向がみられた。以上ことから、親の食の与えた方、意識の改善に真剣に取り組んでいく必要があると思われる。
  • 薗田 雅子, 南 夏代, 長谷川 めぐみ, 樋口 寿, 平井 和子
    セッションID: 2-1-2
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】 高校生の食生活の実態と健康への認識を把握し、今後の健康管理に対する指導に役立てるため食品摂取頻度と健康に関する意識について検討した。【方法】 大阪府下の高校生男子44名と女子105名を対象に、平成14年10月_から_11月に、アンケート調査を行った。【結果】 食物摂取頻度を比べると、乳類の摂取は「毎日」が男子80%に対して女子62%と少なく、卵類は男子66%よりも女子84%の方が多かった(各々p<0.05)。肉類の「毎日」が男女各々42%と46%に対して魚介類は男女各々7%と6%と少なかった。いも類で「週1回以下」が男女各々28%と31%、豆類で男女各々23%と26%と摂取頻度が低いことが示唆された。菓子の「毎日」は男女各々35%と47%と多く、缶ジュース等甘い飲料の「毎日」は男子36%と女子19%の約2倍と多かった(性差p<0.05)。健康に関する意識についてみると、「健康に適した食生活をしている」は男女各々43%と35%であったが、睡眠に対して「満足している」は男女各々16%と40%で、体調について「疲れている」は男女各々57%と61%と多かった。「健康に適した食生活をしている」場合に緑黄色野菜を「毎日」が男女各々84%と64%であったのに対して、「していない」場合は「毎日」が男女各々22%と26%と少なかった(男子p<0.001、女子p<0.01)。又、女子では「健康に適した食生活をしている」場合に魚介類(p<0.01)や乳製品(p<0.05)の摂取頻度が高かった。これらの結果から、食品摂取の偏りと健康への不安やそれらの関連性が認められ、健康管理に対する早急な指導の必要性が示唆された。
  • 川村 昭子
    セッションID: 2-1-3
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    [ 目的 ]  第55回大会において「短大生における野菜・魚介類の意識」について調査の一部を報告した。今回は、魚介類に対する意識についてアンケート調査を追加して行い、前報と比較検討した。[ 方法 ] 2002・2003年、本学・食物栄養・生活デザイン専攻の学生270名を対象として自己記入法により実施し、即時回収した。内容は、魚介類への意識、摂取と嗜好、購入状況、調理法などについて質問し、自由回答あるいは選択回答の形式をとった。これらの結果は、単純集計およびクロス集計を行い、検定方法はカイ二乗検定などを用いた。[ 結果 ]  自宅通学生は60.7%、下宿学生は39.3%である。前報と比較すると、意識としては「大事」である、摂取状況「食べている」がわずかながら多くなり、嗜好的にも「嫌い」が少なくなったが、下宿学生と自宅通学生との間には、前報と同様の傾向であった。購入時には、生鮮品か解凍品、産地(地物)、天然か養殖の順に考え、購入時の形態は種類によって異なるが、よく購入するのは「切り身」48.5%、「内蔵除く」24.8%、「丸ごと(姿のまま)」24.5%、「冷凍品」8.8%、「塩漬け・一夜干し」5.4%であった。生鮮品か解凍品にこだわり、冷凍品はあまり購入しないようであり、料理するのが嫌で、簡単に調理できる「切り身」を購入する傾向であった。調理法は、焼く、生、揚げる、煮る、油焼き、汁物、蒸すの順で好まれたが、汁物、生、蒸すはあまり好まれなかった。20種の魚介類を選び、嗜好を調査すると、骨がなく食べやすく、魚臭の少ないものが好まれ、好まれない魚は知らないと答える魚でもあった。
  • 寺岡 千恵子, 上村 芳枝, 岸田 典子
    セッションID: 2-1-4
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    〔目的〕給食管理実習では、各ライフステージに沿った献立作成ができるよう栄養素や料理の種類、組み合わせを配慮しQOL向上に繋がることを目指している。そこで、女子学生が作成した献立内容をもとに、学生が選ぶ食品素材や調理法などについて学年間にどのような変化や傾向が見られるか比較し、今後の実習における教育の一資料を得ることを目的とした。〔方法〕栄養士養成課程在籍の女子学生1・2年生が給食管理実習において、保育所における3_から_5歳児の栄養給与目標を目安として作成し幼稚園児に提供した給食献立表を用い、その内容を集計、検討した。調査期間は平成13年5月から平成15年12月までの1年生は10月_から_1月、2年生は5月_から_7月である。1回当たりの調理従事者である学生は平均20名、喫食者の園児は平均100名である。調査内容は、調理様式、献立型、調理操作、食品摂取量等とした。結果はカイ二乗、t検定により、危険率5%未満を有意とした。〔結果〕調査期間中の実習回数は、1年生18回、2年生23回の計41回。算出した栄養素等摂取量を見ると、1・2年生とも栄養給与目標よりもエネルギー、たんぱく質の値が高くなったが、カルシウム、鉄、VB2は1年生で近い値であった。調理様式別では日本料理で食物繊維が、デザートでエネルギー、炭水化物、レチノール当量、食物繊維の値が1年生で高かった。1回の実習における平均調理操作数は1年生43.6回、2年生49.8回、また2年生では調理操作25分類のうち19操作において平均操作回数が多く、複雑な調理操作をより多く取り入れていた。17食品群別では、魚介類以外のすべての食品群において2年生が使用する食品素材の種類が多かった。
  • 森脇 弘子, 上村 芳枝, 佐久間 章子, 寺岡 千恵子, 岸田 典子
    セッションID: 2-1-5
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    [目的]米離れ現象が概ね定着した現在、米飯を主食とした食事が生活習慣病の面から見直されている。しかし若い女性には米離れが続行しており、次世代を担う母性としての役割が危惧されている。そこで本研究では女子大学生を対象とし、米飯食推奨のための教育介入を行い、その前後の米飯食の知識や摂取頻度の変化について比較し、健康的な食生活支援のための教育方法の一資料とすることを目的とした。
    [方法]対象者は女子大学生95名で、すべての調査に回答した63名のうち、自らが献立をたてることの少ない自宅生27名を分析対象者とした。調査時期は教育前:平成15年11月、教育後:12月である。調査内容は、米飯食知識(A米飯食と健康との関わり)、無洗米(B特徴、今後の利用)、米飯食摂取頻度(7日間の主食及び6群摂取状況)とした。教育内容は調査内容のA・B、方法は資料・講話・官能検査で、所要時間は20分とした。検定はχ2・t検定によった。
    [結果]1.米飯食知識得点は、教育前に比べて教育後が高く(p<0.05)、特に集中力・持続力を高める、高齢者の低栄養状態を改善するなどの理解が深まった。2.無洗米と普通米の官能検査では、総合的な評価で普通米が良かった(p<0.05)が、調査では無洗米を今後利用したい・条件が合えば利用したいが教育前に比べて教育後に高くなった。3.米飯食摂取頻度は教育前後で変化はなかった。
    [まとめ]自宅通学の女子大学生では、教育介入により知識は深まったが、米飯食摂取頻度は高くならなかった。今後1人暮らしの分析により行動変容につながる教育方法について検討していきたい。
    本研究は(財)サタケ技術振興財団の研究助成によった。
  • 樋口 寿, 佐々木 公子, 小切間 美保, 井奥 加奈, 梶原 苗美, 岡田 真理子, 奥田 豊子
    セッションID: 2-1-6
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】食生活の欧風化が生活習慣病の急増と関連していることから、野菜の良さが見直されている。野菜や大豆には抗血栓作用などによる血流改善効果が期待されている。そこで、菜食療法を実践する中高年女性と一般的な食事をする中高年女性を対象とし、体格・体組成・血液性状と血流速度との関連を検討した。【方法】医師の指導による菜食療法「菜食45日間グループ実践」に参加する中高年女性ボランティア37名と対照群として平均的な食事をしている中高年女性ボランティア60名を対象とした。菜食の基本は、玄米粉、豆腐、緑黄色野菜の絞り汁であったが個々に異なっていた。調査は平成15年と平成16年の5月_から_6月、対照群は6月に実施し、食事調査、体格・体組成、血液生化学検査、血流速度(MC-FAN法)を測定した。【結果】菜食実践前後(n=33名、平均年齢58.2±8.9歳)の比較と菜食者と年齢をマッチングさせたコントロールとの比較をした。食事調査による菜食実践前のエネルギー、タンパク質、脂質の摂取量は、有意に少なく、菜食実践により実践後はエネルギー、タンパク質、脂質、炭水化物は有意に減少し、コントロールよりも有意に低値であった。体格・体組成・血圧では菜食者は実践前・後とも有意に低値で、実践により有意に減少したが除脂肪重量は変化がなかった。血液性状では、ALP、アルブミン、A/G比は実践により有意に低下したが、すべて基準範囲内であった。菜食者37名とコントロール60名を両群まとめて、血流速度に及ぼす因子について検討したところ、ヘマトクリット値、血圧、血中脂質、血中タンパク質、食事、肥満と血流速度の関連が示唆された。
  • 大野 佳美, 平井 和子
    セッションID: 2-1-7
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】生活環境や様式の変化が食をとりまく環境に影響を与え、食習慣や食行動が変化を受けることが知られている。中華人民共和国ではモンゴル族は少数民族であり、草原では遊牧生活を営んでいる.近年、漢族の入植により、漢族の影響を受け、生活様式等に変化がもたらされた.そこで、このような生活習慣や食生活の変化が、現在の日本のような生活習慣病の起因となる可能性があるのかを明らかにし、その予防に役立てることを目的として生活習慣および食生活に関する調査を実施した.【方法】中国内蒙古の区都フホホト市内に居住する蒙古族256名(男138名、女118名、約40歳)を対象に、2002年秋に質問紙調査法を用いて日常生活習慣および食生活意識に関するアンケート調査を実施した.集計および解析には統計解析ソフトSPSSを使用した.【結果】食品群別摂取頻度に関する意識調査では、米、小麦粉、肉類、野菜類は「毎日食べる」割合が多かった.油脂類ではバターよりも植物油の摂取頻度がきわめて高かった.これら食品の摂取頻度に関する意識には男女差がなかった.対象者の80%以上が「欠食しない」と回答した.現在の食生活の評価は男女とも高かった.排便頻度には男女差がみられ、女性に便秘傾向があった.日常の生活習慣で、喫煙、飲酒は「吸わない」「飲まない」割合は男女とも多かったが、男女差がみられ、男性の方に摂取頻度が高かった.食事中の家族との会話、役割分担、相互扶助等については肯定的な回答が多かった.日常の情報源は男女とも約90%が「テレビ・新聞等のメディア」と回答した.「日常生活における楽しみ」「現在望むこと」には男女差がみられ、前者では男性に「スポーツ」、後者では女性に「健康」の割合が多かった.
  • 遠藤 千鶴, 大福 月江, 岡崎 貴世
    セッションID: 2-1-8
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    目的】我々はザンビア共和国首都ルサカ市の低所得者居住区「ンゴンベ」でTICO(Tokushima International Cooperation)に協力し、栄養改善教室で栄養教育用教材の開発や子供達の栄養摂取状況・食生活・環境について調査を行っている。今回は山村区の子ども達の食生活状況を調査したので、報告するととも都市区との違いを検討した。【方法】調査方法;調査時期は2003年8月12_-_16日、調査地区はザンビア共和国首都ルサカから80Km北北西のチペンビ地区(山村区)である。調査内容は食生活一般(食事回数、主食、調理器具)および生活環境(飲料水、家族規模、トイレ)である。【結果】調査世帯数は13世帯である。山村区の子ども達の食事回数は1日2食が約54%と多かった。これは前年の干ばつが影響し、一時的に配給された救援物資の食糧を節食していたためであった。都市区の主食はメイズの粉(ミルミル)であったが、山村区の主食は小麦も多く(44%)、それらは食糧援助で配給されたものであった。住居は山村区では敷地が広く住居以外に調理するための家が独立してあり、さらに大きな食器乾燥棚が屋外にあった。都市区の住居は小さく、調理は外もしくは軒先で行っていた。飲料水は山村区では敷地内に井戸はなく歩いて10_-_15分の場所にある共同浅井戸または川の水を使用していたが、都市区では自宅敷地内の浅井戸、または使用料を支払って購入するケースが多かった。両地区とも1日1回の水くみを行い、これを汲み置きの水として室内に置き、飲料水、調理に使用していた。調理熱源は山村区は生木であり、都市区は炭である。この違いから、使用する器具は山村区では五徳、都市区では七輪であった。
  • 中村 宗一郎, 遠藤 美智子, 中島 滋, 李 慶愛
    セッションID: 2-1-9
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    目的:ヒトの味覚は、摂食時の心理や生理状態、知識や経験などの環境的要因、人種や性別などの先天的要因、教育や生活様式などの後天的要因といった様々な要因が相互に深く関連していると考えられている。最近の若者の食べ物に対する嗜好性として、色は白く、フレーバーは穏やか、テクスチャーは柔らかいものを好むようになったと指摘されている。このような食の嗜好性はわが国特有の傾向なのであろうか?本研究では、54品目の食品を取り上げ、日本と韓国で好き嫌い調査を実施したので、その結果を報告する。方法:日韓両国において、日本では島根大学(松江市)及び文教大学(茅ヶ崎市)で、韓国では釜山教育大学(釜山市)及び慶尚大学(統営市)で、それぞれ学生を対象としたアンケート調査を実施した。調査項目としては、畜肉4種類、白身魚4種類、赤身魚6種類、塩乾魚3種類、貝類3種類、軟体魚2種類、海草2種類、豆類3種類(納豆を含む)、牛乳類3種類、麺類4種類(ソバ、うどんを含む)、野菜12種類(葉菜4種類、果実4種類、根菜4種類)、果物6種類、嗜好飲料2種類の合計54品目を選び、5段階評価法によってそれぞれの食品の好き嫌いの度合いを調べた。結果:日本からは120、韓国からは70名の回答が得られた。日本と韓国における各種食材に対する嗜好性を比べると、特に日本では、アジ、イワシ、貝類や海草類などの魚介類が好まれない食材の方に分類されたことが特徴としてあげられた。なお、本研究は、平成15年度JSPS/KOSEFによる拠点大学方式による交流事業によって行われたものの一部である。
  • - 6年間の縦断研究 -
    萩原 暢子, 北村 映子
    セッションID: 2-1-10
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】最大骨量の獲得は、骨粗鬆症の有効な予防法であり、身体発育とライフスタイルの影響を強くうける。今回は、小学4年から高校1年までの骨と身体・体力発育を調べ、ライフスタイルとの関係を検討した。
    【方法】高校1年女子47名 (平均15.5±0.5歳) を対象とし、被験者が小学4年(1996年9月)から6年間、毎年同時期に同様の測定調査を行った。内容は、超音波骨密度測定装置(ルナー 社製、A_-_1000)での右踵骨の広帯域超音波減衰係数(BUA)、伝播速度(SOS)、骨スティッフネス(SI)、身体的特徴、体力的因子とした。また、ライフスタイル(運動習慣、食習慣、牛乳・乳製品摂取状況、初経発来状況)は質問紙法で調査した。
    【結果】小4時のSIの平均値±SD(%)は67.3±7.7で、SIが60以下を低値群(L群)とし、それ以外を非低値群(N群)として2群を比較した。1.身長とBUAの有意な経年増加がみられた。2.BUA、SOS、SIは、それぞれ小4から高1までどの学年でもL群が有意に低値であった。3.身長、体重、除脂肪体重は2群間での有意差は見られなかった。4.初経発来率では、中1でL群が有意に低値であった。5.小4時と中1時、高1時のライフスタイルを2群で比較すると、小4ではN群で運動習慣のあるものが有意に多く、中1では骨折状況で有意差が見られた。高1では、運動の好き嫌い、チーズの摂取頻度に有意差が見られた。
    【結論】高1での骨の発育は、身体発育の2群間の差がないにもかかわらず、小4時での状況を継続していた。これより、小4時点で骨の発育を決定する要因の存在が示唆された。また、高校時代で骨発育の遅い群では、運動への興味が薄れていることが示された。
  • 大野 美智子, 塩満 清華, 石橋 源次, 菊永 茂司
    セッションID: 2-1-11
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    [目的]日本人の無機質の所要量の策定に用いられている日本独自のデータは多くない。そこで、女子大学生を被験者にしてCaとMgの平衡維持量と所要量を出納法で算出した。[方法]女子大生16名を被験者にして、12日間の出納実験を行った。出納期間は、Znの所要量を検討することを主目的としていたので、低亜鉛食期(A)、標準亜鉛食期(B)、高亜鉛食期(C)の各4日間に3区分した。実験食中のZnとCa、Mgの実測値(mg/日)は、Aが4.1と527、169、Bが9.5と538、273、Cが17.9と651、309であった。出納区分ごとに食事、便、尿を採取して、そのCaとMgを原子吸光分光光度計で測定した。また、血中の無機質やフェリチン、HbA1c、肝機能の指標、尿中クレアチニン量を測定した。[結果]被験者の年齢の平均値は19.6歳、体格の平均値は身長159.8cm、体重55.3kg、BMI21.6、BMR1304kcal/日であった。尿中クレアチニンの平均値は901mg/日であった。また、測定した血中成分値は正常範囲内にあった。一方、実験食中のCaとMg含量(実測値)は、五訂食品成分表に基づく計算値に比べて、Caが0.88_から_1.03、Mgが0.91_から_1.03であった。Caの吸収率と体内保留量は、Aが42%、1.72 mg/kg/日、Bが22%、0.29 mg/kg/日、Cが_-_3.38%、_-_2.96 mg/kg/日、A~Cが22%であった。Ca平衡維持量と所要量は、Aが7.13 mg/kg/日、473mg/日、Bが6.78 mg/kg/日、450mg/日、Cが負の出納であった。Mgの吸収率と体内保留量は、Aが64%、0.69 mg/kg/日、Bが44%、0.58 mg/kg/日、Cが21%、 _-_0.59 mg/kg/日であった。Mg平衡維持量と所要量は、Aが1.72 mg/kg/日、114 mg/日、Bが1.88 mg/kg/日、126 mg/日、Cが負の出納であった。
  • 河野 節子
    セッションID: 2-1-12
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    若い女性の痩身志向が骨量減少を引き起こすと懸念される。その主な要因として過度の減食によるエストロゲン分泌低下があるが、痩身志向と骨量との関係については一定した見解が得られていない。そこで、女子大生(142人)を対象に、ダイエット経験の有無が体組成、摂食態度、各種食品摂取頻度、生理不順、運動量に反映するか、それらの要因が骨量に影響を及ぼすかを検討した。【方法】体組成は生体インピダンス式(タニタBC118)、骨量(stiffness)は、超音波踵骨測定装置(LUNAR A-1000 PLUSII)で測定した。摂食態度の指標として摂食態度の指標としてはBITE(Bulimic investigatory Test, Edinburgh)及び EAT(Eating Attitudes Test)質問紙を用い、生活習慣及び各種食品摂取頻度をアンケート調査した。【結果】 過去及び現在のダイエット経験者(D:n=87体重 52.5±9.4kg、stiffness 95.7±14.2 )と未経験者(Non-D:n=45 49.5±5.8kg stiffness 90.9±13.9)とを比較した。体脂肪率及びBMIは両群とも正常範囲であったが、Dが、Non-Dに比し高値であった(P<0.05)。一方、除脂肪体重は両群に差を認めなかった。Eat及びBITEの総得点はDが高く(p<0.001)、BITEの摂食障害傾向者はDでは9.2%(重症者は8.0%`)、Non-Dでは1.8%(重症者は皆無)であった。さらに、生理不順者はDで39.1%、Non-Dで21.8%であった。運動量については両群に差を認めなかった。【結論】体脂肪率、BITE、食品摂取頻度を要因、stiffness値を従属変数として検討したところ、体脂肪率(p<0.0546)、BITE(p<0.0915)が骨量に関与する傾向が認められたが、それぞれの交互作用は認められなかった。【要約】ダイエット経験は必ずしも体重減少に繋がらず、却って未経験者に比し、体重が重いために骨への負荷となり骨量に良い影響を及ぼしたことが示唆された。しかし、持続的な減食により体重減少が招来すれば、生理不順からエストロゲン分泌異常を引き起こし、骨量に重大な影響を及ぼすことが示唆された。
  • 曽我部 夏子, 五関-曽根 正江
    セッションID: 2-1-13
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】動物の乳汁中に含まれる乳糖 (ラクトース)は、小腸でCaの吸収を促進し骨代謝に効果的に作用していると考えられているが、骨代謝に関わる重要な因子であるリン酸代謝に及ぼすラクトース効果についてはほとんど研究されておらず、不明な点が多い。小腸アルカリホスファターゼ (ALP)は、小腸刷子縁膜に高濃度に存在し、小腸内の無機リン酸の取り込みに深く関与していると考えられている。そこで、本研究では、ラクトース長期投与によるリン酸代謝に対する効果について、ALP動態を中心に検討を行った。【方法】6週齢SD系雌ラット64匹を3群に分け、AIN-93を与えるコントロール群、飼料の10%、3%をラクトースに置き換えたラクトース3%群および10%群とした。実験食投与開始日、開始後1、2ヶ月に十二指腸、空腸上部・下部、回腸上部・下部のALPの比活性、ラット小腸ALP遺伝子 (RTIN-1及びRTIN-2)のmRNAsの発現量を比較した。【結果】各部位におけるALPの比活性は、各期間においてラクトース3%、10%群がコントロール群より高値を示した。特に、1ヶ月後回腸上部にてラクトース10%群、2ヵ月後空腸下部・回腸上部にてラクトース3%、10%群が、コントロール群に比べ有意に高値を示した。また、2ヵ月後の空腸下部、回腸上部にてラクトース3%、10%群で小腸ALP遺伝子のRTIN-1のmRNA発現が増強されていた。【結論】ラクトースにより小腸、特に空腸下部から回腸上部での小腸ALP遺伝子発現が誘導され、ALP比活性が増加することが明らかとなった。
  • 赤澤 典子, 阿部 雅恵, 櫻井 梢
    セッションID: 2-1-14
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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     【はじめに】食生活の乱れが問題とされている現代、日本人の多くが潜在的なミネラル不足に陥ることが危惧されている。その中でも亜鉛は現代人に不足しているミネラルの一つであり、平成13年度国民栄養調査でも特に20代以降を中心とした亜鉛の不足傾向を指摘している。この現状を踏まえ、亜鉛不足が生体に及ぼす影響の中でも特に骨形成への影響について検討することを目的とし、本研究を行った。 【実験方法】離乳直後の3週齢ウィスター系雄ラット(16匹)を、対照群と亜鉛不足群(亜鉛量は対照群の1/2量)に分け、飼料は自由食餌方式で投与し、水は蒸留水として、5週間飼育した。また、基礎飼料配合はシュークロースパウダー69%、アルブミンエッグ20%、サラダ油5%、ミネラル混合(ハーパー配合)4%、ビタミン混合(オリエンタル配合)1%、セルロースパウダー1%である。ミネラル含量は原子吸光法、血清中アルカリフォスファターゼ値はJSCC標準化対応法、骨破断強度は大腿骨を用いて骨強度試験機により測定した。 【結果】亜鉛不足群では体重が有意に減少し、肝臓・筋肉・大腿骨の組織中における亜鉛量も程度に差はあるが低下した。また、大腿骨中カルシウム量、血清中アルカリフォスファターゼ値が低下した。大腿骨の形態においては重量の減少と長さの短縮がみられ、さらに骨破断強度の低下が認められた。これら亜鉛不足による骨形成能の低下は、亜鉛不足による骨蛋白質合成の低下、カルシウム吸収の低下、アルカリフォスファターゼの減少による骨石灰化の低下によると考えられた。
  • 加藤 智穂, 塚本 幾代
    セッションID: 2-1-15
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】ビタミンC (V.C) 欠乏による骨吸収の促進に破骨細胞分化因子(ODF)が関与するかを調べた。【方法】グロノラクトンオキシダーゼ遺伝子欠損のためにV.Cを合成できないODSラット(11週齢、雌)を、V.C欠乏食で1,2,3,4週間 (D1、D2、D3、D4) 飼育後、血液、大腿骨、脛骨を採取した。血清、遠位大腿骨、近位脛骨のアルカリホスファターゼ(ALP)活性と酒石酸耐性酸ホスファターゼ(TRAP)活性を測定し、ウエスタンブロット法によって骨中ODFタンパク量を調べた。【結果】体重はD1、D2、D3群で対照群との有意差は見られなかったが、D4群はV.C欠乏3週目以降減少し、対照群の約75%となった。血清のALP活性はD1、D2群では対照群と同程度の活性を示したが、D3、D4群で有意に減少し、TRAP活性はD2、D3群で約1.8倍に上昇し、D4群では対照群とほぼ同レベルとなった。遠位大腿骨ではALP活性はD3群までは対照群との有意な差は見られず、D4群で有意に減少し、TRAP活性はD2、D3群で有意に上昇した。近位脛骨のALP、TRAP活性についても遠位大腿骨と同様の結果を示した。ウエスタンブロットの結果、ODFタンパク量は遠位大腿骨では、D1群では対照群との差異は認められず、D2、D3、D4群で対照群の各々約2倍、4倍、2.5倍に上昇した。近位脛骨でも同様に、D2、D3、D4群で対照群の約1.7、3.3、2倍に上昇した。 以上の結果より、成熟ラットにおけるV.C欠乏2週、3週での骨吸収活性の上昇は、ODFタンパク量の上昇によって破骨細胞の分化が促進された事によるものと考えられる。
  • 阿部 稚里, 池田 彩子, 山下 かなへ, 市川 富夫
    セッションID: 2-1-16
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】ビタミンEは肝臓のペルオキシソームで、ω-酸化、β-酸化を受けてカルボキシクロマンに代謝される。この律速段階は、肝臓に存在するシトクロームP450(CYP)3Aや4Fによるω-酸化だと考えられており、さらに最近、CYP4Fの発現が、ペルオキシソーム増殖薬活性化受容体(PPAR)αの活性化によって変動することが報告された。そこで、律速酵素の発現の調節をすることによって、PPARαがビタミンE代謝に関与するではないかと考え、本研究では、種々のPPARαリガンド摂取時のラット体内ビタミンE濃度を測定した。〈BR〉【方法】ビタミンE無添加飼料で4週間飼育したビタミンE欠乏ラットに、ビタミンE添加飼料、またはビタミンEとPPARαリガンド添加飼料を3日間摂取させた。PPARαリガンドとして、実験1では、クロフィブレート(Clo)またはWY14,643(WY)を、実験2では、クロフィブレート、フェノフィブレート、ベザフィブレートまたはジェムフィブロジルを用いた。〈BR〉【結果】(実験1)肝臓、腎臓、脳および血清中のビタミンE濃度は、CloまたはWYの摂取によって有意に低下した。(実験2) 肝臓、腎臓、脳および血清中のビタミンE濃度は、クロフィブレート、フェノフィブレート、ベザフィブレートまたはジェムフィブロジルの摂取によって有意に低下した。以上の結果より、PPARαの活性化によって、主要な組織および血清中のビタミンE濃度が低下することが示唆された。
  • 遠山 朋子, 池田 彩子, 山田 和, 山下 かなへ
    セッションID: 2-1-17
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】γ-トコフェロール(γ-Toc)は、体内で保持されにくいため生理活性が低いと考えられている。しかし、我々はラットにおいてゴマおよび主要ゴマリグナンであるセサミンを摂取させた場合に体内のγ-Toc濃度が著しく上昇することを見出し、それがγ-Tocの代謝物γ-カルボキシエチルヒドロキシクロマン(γ-CEHC)への代謝抑制に起因することも明らかにした。そこで、本研究ではその作用がマウスでも見られるかを調べ、ラットと比較した。【方法】6週齢の雄C57BL/6マウスと4週齢の雄WistarラットをToc無添加飼料群(欠乏群)、γ-Toc添加(50mg/kg)飼料群(γ-Toc群)、γ-Toc添加(50mg/kg)およびセサミン添加(2g/kg)飼料群(γ-Toc+セサミン群)、ゴマ添加(200g/kg)飼料群(ゴマ群)の4群に分け、4週間飼育した。屠殺前24時間の尿と肝臓、脳および血清を採取し、Toc濃度と尿中CEHC量を測定した。【結果】マウスにおいても、γ-Toc濃度はγ-Toc群に比べてγ-Toc+セサミン群およびゴマ群で上昇したが、ラットほど顕著ではなかった。尿中γ-CEHC量は、ラットに比べてマウスでは少なかった。マウス、ラット共にγ-Toc群で最も多く、γ-Toc群に比べてγ-Toc+セサミン群およびゴマ群で減少した。以上の結果より、マウスもラット同様、ゴマおよびセサミン摂取によりγ-CEHCへの代謝が抑制され、γ-Toc濃度が上昇することが明らかになった。しかし、マウスのγ-Toc濃度上昇率およびγ-CEHC減少率はラットに比べ小さく、ゴマおよびセサミンはマウスのToc代謝に影響しにくいことが示された。
  • 吉野 由希, 鬼頭 志保, 山田 和, 山下 かなへ
    セッションID: 2-1-18
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】以前の研究で、長期摂取させたα-、γ-Toc3が脂肪組織や皮膚で高濃度検出された。また、α-Toc3濃度はα-Tocと同時摂取すると減少したが、γ-Toc3濃度は変化しなかった。今回はα-、γ-Toc3の体内動態を調べ、ビタミンE(VE)同族体の中で最も生体内に取り込まれやすいα-Tocの体内動態と比較することを目的とした。
    【方法】Wistar系雄ラットをVE欠乏食で4週間飼育した後、α-Toc又はα-Toc3又はγ-Toc3 を含むエマルジョンを経口投与し、投与後0、1、3、6、24時間に解剖した。血漿(カイロミクロン、VLDL、LDL、HDL1、HDL2に分画した)、肝臓、腎臓、脾臓、腎臓周囲脂肪、褐色脂肪、皮膚を採取し、これらに含まれるVE同族体濃度を測定した。
    【結果】肝臓、腎臓、脾臓、血漿及びカイロミクロン以外のリポタンパク質では、α-Tocは投与後24時間でも高濃度に検出されたが、α-、γ-Toc3は、一度取り込まれた後24時間までにほとんど消失した。しかし、脂肪組織や皮膚ではα-Tocと同じように投与後24時間まで高濃度に蓄積されることが確認された。また、γ-Toc3のリポタンパク質や組織への取り込みと消失の経時的変化はα-Toc3と少し異なっていた。VE同族体はα-Toc 輸送タンパク質(α-TTP)によってリポタンパク質に取り込まれ、肝臓から抹消組織へ運ばれるが、α-、γ-Toc3はα-TTPとの親和性が低いためリポタンパク質中から末梢組織中への循環は24時間以内に消失し、組織内のα-Toc3とγ-Toc3の経時的取り込みの違いから、α-TTPを介さない別の輸送経路の存在が示唆された。
  • 高橋 徹, 苅田 修一, 後藤 正和
    セッションID: 2-1-19
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】これまでにセルロースなどの不溶性食物繊維の摂取が消化管内容物の粘度を上昇させることを明らかにしてきた。内容物の粘度は消化・吸収を規定する要因の一つであると考えられることから、セルロース摂取による内容物の粘度の上昇が消化や吸収を遅延させることが推察された。そこで、内容物モデルにセルロース添加して小腸管腔内に注入し、セルロース添加がグルコース吸収に及ぼす影響を血糖値の変動から明らかにした。【方法】セルロース摂取が胃内容物の粘度を上昇させることから、セルロース(フナセル)10_%_添加によって粘度を調整した胃内容物モデルを20 mg/ml CMC(nakarai)と50 mg/ml D-グルコースを蒸留水に溶解させたものから作成した。ずり速度10 s-1の場合の粘度はそれぞれ880と490 mPa・sであった。これらの内容物モデルを、市販の飼料(CE-2, CLEA)で7週令から4-6日間予備飼育し1日絶食させたWistar系雄ラットの十二指腸に流速0.6 mL/minで 5分間注入し、ジエチルエーテル麻酔下で尾静脈から経時的に採血することで血糖値の変動を測定した。血糖値の測定については0、5、15、30、45、60、80分ごとに尾静脈から採血してグルコースCII(Wako)で血糖値を測定した。注入した内容物モデルの粘度(Pa・s)をブルックフィールド粘度計(DV-I+、Brookfield)で測定した。【結果】血糖値については、セルロース添加により有意に低く(p<0.05)、5分後と15分後で特に低い値が認められた。注入後の内容物モデルの粘度はセルロースの添加により上昇が認められた(p<0.01)。このことにより、セルロースを多く含む野菜などを食すると食後の血糖値上昇を緩慢にすることが示唆され、糖尿病などの生活習慣病の予防や治療にセルロースを役立てることができると推察される。
  • 堀 友花, 佐藤 伸, 山手 丈至, 長岡 泰良, 畑井 朝子
    セッションID: 2-1-20
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】ポリフェノール類(PP)は種々の植物性食品に含まれ、抗酸化作用等の機能が知られている。PPは小豆種皮にも多く含まれているが、小豆PPの生体に対する影響はほとんど知られていない。一方、糖尿病性腎症の病変の進行にはマクロファージの浸潤が関連することがわかっている。そこでストレプトゾトシン(STZ)誘発糖尿病ラットに小豆種皮を与え、腎障害に対する影響を検討した。【方法】Wistar系雄性ラット(6週齢)にSTZ(60mg/kg)を腹腔内投与し糖尿病を誘発させた。また平成12・13年北海道十勝産の小豆(エリモショウズ)の種皮粉末を飼料に添加した。STZ投与ラットを通常食群、0.1%及び1.0%小豆種皮食群に分け、種皮添加食を10週間投与した。対照群には通常食を与えた。屠殺後、血漿中の血糖値(GLU) 及び尿素窒素量(BUN)を測定した。また腎の組織切片を作製し、ヘマトキシリン・エオシン染色及びマクロファージに対する免疫染色を施し陽性細胞数を計測した。【結果】GLU値はSTZ投与ラットの通常食群と小豆種皮食群間の差は認められなかった。STZ投与ラットの通常食群のBUN値は対照群より有意に上昇したが、小豆種皮食群の値は有意に低下した。組織学的にSTZ投与ラットで糸球体のメサンジウム細胞領域の拡大や尿細管上皮でグリコーゲンの沈着に関連した像が観察されたが、小豆種皮食群ではこのような障害は軽減していた。また1.0%種皮食群のマクロファージ数は通常食群より有意に減少していた。以上の結果からPPを多く含む小豆種皮はSTZ誘発糖尿病ラットの腎中マクロファージの浸潤を抑制し、糖尿病性腎症を軽減する効果がある可能性が示唆された。
  • 水上 戴子, 松本 千佳, 永見 有梨奈
    セッションID: 2-1-21
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
    会議録・要旨集 フリー
    [目的]近年、若い女性の間でダイエット志向が高まっている。これらの女性が思春期と妊娠期に食餌制限をすると、その影響は親自身のみならずその子供にも及ぶと考えられる。そこで本研究ではラットを用いて思春期(7_から_11週齢)のみ、または思春期と妊娠期(12_から_14週齢)に食餌制限を行った場合、その母ラットから生まれた子ラットの発育にどのように影響するかを検討した。
    [方法]7週齢のWistar系雌ラットをCC群、RC群、RR群(C:Control、R:Restriction)の3群に分けた。CC群には思春期と妊娠期にタンパク質20%食を自由摂取させた。RC群には思春期のみCC群の摂取量の70%を、RR群には思春期と妊娠期にCC群の摂取量の70%を投与した。食餌制限の方法はpair-feedingにより行った。授乳期は3群共に自由摂取とした。
    [結果]出生時では、体重、脳以外の臓器重量、肝臓中のタンパク質/DNA比において、RR群がCC群より有意に低い値を示した。RC群とCC群間に有意差は見られなかった。また離乳時では、体重、臓器重量、肝臓中の総DNA量、RNA/DNA比、脳中コレステロール濃度と総量において、RR群がCC群より有意に低い値を示した。迷路観察については、目標物に到達するまでのエラー回数において、RR群がCC群よりも多い値を示した。RC群とCC群間に有意差は見られなかった。以上より、ラットの思春期と妊娠期に食餌を70%に制限した場合、新生子と離乳子に発育の遅れが見られたと考えられる。
  • 中田 理恵子, 上之原 輝美
    セッションID: 2-1-22
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】葉酸が欠乏するとDNA合成が阻害されて、細胞増殖に障害をおこすことが知られている。特に細胞増殖の活発な胎児期・授乳期に母体からの葉酸の供給が低下すると、出生子の健康状態に著しい影響を与えると推察される。そこで、ラットの妊娠期・授乳期に摂取する葉酸量の違いが、出生子の健康状態にどのような影響を与えるのかを検討した。【方法】妊娠が確認された雌ラットを3群に分け、葉酸を全く含まない欠乏食,飼料1kgあたり0.5mgの葉酸を含む低葉酸食,飼料1kgあたり8mgの葉酸を含む対照食を、それぞれ妊娠期・授乳期を通して自由摂取させた。授乳期終了時に、母ラットと出生子を開腹して血液と肝臓を採取し、母ラットの摂取する葉酸量の違いが出生子に及ぼす影響を検討した。【結果】母ラットの体重増加量は、授乳期で差が大きく、低葉酸群では対照群の約50%となり、欠乏群では大きく体重が減少した。授乳期終了時の母ラットの肝臓中葉酸誘導体量は、葉酸摂取量の減少に伴い段階的に減少した。各群の出生子数には差がなかったが、欠乏群では授乳期終了時に約30%しか生存せず、体重増加量も他の2群に比べて著しく低かった。各群の出生子はいずれも貧血状態を呈しなかったが、低葉酸群,欠乏群では白血球数が有意に減少していた。出生子の肝臓中葉酸誘導体量は、母ラットの葉酸摂取量が直接影響して、段階的に減少した。また出生子では、血漿および肝臓のホモシステイン濃度の上昇と、肝臓TBARS量の増加がおこり、葉酸量の減少に伴い酸化が亢進することが明らかとなった。さらに、出生子の肝臓,脾臓,骨髄においてcaspase-3活性が上昇し、アポトーシスが誘導されている可能性が示唆された。
  • 塩満 清華, 大野 美智子, 石橋 源次, 菊永 茂司
    セッションID: 2-1-23
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    [目的]日本人の無機質の所要量策定に用いられている日本独自のデータは多くない。そこで、女子大学生におけるNaの出納を検討し、またKの平衡維持量と所要量を算出した。[方法]女子大生16名を被験者にして、12日間の出納実験を行った。出納期間は、Znの所要量を検討することを主目的としていたので、低亜鉛食期(A)、標準亜鉛食期(B)、高亜鉛食期(C)の各4日間に3区分した。実験食中のZnとNa、Kの実測値(mg/日)は、Aが4.1と5264、2417、Bが9.5と3560、2774、Cが17.9と4579、2588であった。出納区分ごとに食事、便、尿を採取して、そのNaとKを原子吸光法で測定した。また、血中の無機質やフェリチン、HbA1c、肝機能の指標、尿中クレアチニン量を測定した。[結果]被験者の年齢の平均値は19.6歳、体格の平均値は身長159.8cm、体重55.3kg、BMI21.6、BMR1304kcal/日であった。尿中クレアチニンの平均値は901mg/日であった。また、測定した血中成分値は正常範囲内にあった。一方、実験食中のNaとK含量(実測値)は、五訂食品成分表に基づく計算値に比べて、Naが1.12_から_1.27、Kが1.04_から_1.19であった。Naの吸収率と体内保留量は、Aが99.0%、18.8 mg/kg/日、Bが98.6%、2.10 mg/kg/日、Cが98.4%、10.8 mg/kg/日であった。Naの出納は、AとCが正の出納、Bが平衡維持量58.4 mg/kg/日、所要量の式で算出した値は3875mg/日(食塩9.8g)であった。Kの吸収率と体内保留量は、Aが88.8%、_-_70.0 mg/kg/日、Bが88.6%、_-_32.9 mg/kg/日、Cが77.5%、 2.62 mg/kg/日であった。Kの出納は、AとBが負の出納、Cの平衡維持量と所要量が38.4 mg/kg/日、2548 mg/日であった。
  • 高橋 雅人, 遠藤 隆浩
    セッションID: 2-1-24
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】従来、海洋性生物資源としては食品向けの魚介類の漁獲が主である。その漁獲の際に目的生物以外の生物が多々捕獲されるが、このような生物は一部の利用を除き、廃棄されている。本研究は、いわゆる外道として利用が限定されているゲンゲ種について、有用成分の探索及び抽出、精製を行い、またその特徴的な性質について考察した。【実験】ゲンゲの特徴は、体表部のぬめり及び皮下部の脂肪組織があげられる。ぬめり及び厚い皮下組織から、コラーゲンの存在が考えられたため、通常のコラーゲン抽出法を対照として、効率のよい抽出法について検討した。また漁獲地域の富山県沿岸部を対象に、ゲンゲの食経験を調査した。【結果及び考察】コラーゲンを精製するためには、前処理と抽出の条件を決定する必要がある。各種洗浄溶液で処理した混合物の上清をSDS-PAGEし、コラーゲン分解物のバンドの有無から前処理溶液として10%NaClが選択された。抽出法は通常用いられるペプシン等の抽出と比較した結果、抽出溶媒として0.1M酢酸を用いることによる大幅な抽出効率の増加が示唆された。得られたコラーゲンについて、SDS-PAGE、アミノ酸組成及び変性温度を測定し、他の動物由来コラーゲンと比較を行った。その結果、他の動物由来コラーゲンにはない特徴的な性質が明らかとなった。また、食経験に関する調査を行った結果、婦人科領域の機能性をもつことが示唆された。
  • 堀口 美恵子, 田川 裕子, 引地 晶子, 青江 誠一郎, 池上 幸江, 松井 恵子, 山田 雅巳, 能美 健彦
    セッションID: 2-1-25
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】正常細胞のDNAが環境中の様々な要因により損傷を受け、突然変異を起こすことが、発がんの原因のひとつと考えられている。特にDNA中のグアニンが酸化されて生じる8-ヒドロキシグアニンは、活性酸素を発生する様々な変異原物質によって生成されることが知られており、酸化的DNA損傷のマーカーとして注目されている。一方、日本人の乳がん罹患率が欧米人より低いことは、大豆食品の摂取と関係していると推察されている。本研究では、大豆イソフラボンが各種変異原物質によって誘発される突然変異を抑制する効果を、エームス変異原性試験を応用して検索し、大豆によるがん予防の手掛りを得ることを目的とした。【方法】試験菌株にはヌクレオチド除去修復能、および8-ヒドロキシグアニン修復能を欠損させたSalmonella typhimuriumを用いた。それぞれの菌株に変異原物質、およびイソフラボンを加えて培養した後、各菌株遺伝子の突然変異体数を数え、実験条件による突然変異誘発能の差異を比較検討した。【結果】主に、Benzo(a)pyreneは、グアニン:シトシン対を標的として、Hydrogen peroxideはアデニン:チミン対を標的として酸化的DNA障害を生じ、塩基置換型突然変異を誘発した。これらの変異をイソフラボンが抑制する効果を検討した結果、特にゲニステインによる抑制効果が強く、またアグリコンの方が配糖体よりその効果が強い傾向がみられた。これより、大豆イソフラボンによってがん発症の要因となる突然変異が抑制される可能性が示唆された。
  • 小城 勝相
    セッションID: 2-1-26
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    (目的)LDLは糖鎖を持つ512kDaのアポBと脂質から構成される。LDLに存在する糖鎖の修飾はマクロファージの認識に関与する可能性があり、動脈硬化患者LDLのシアル酸の減少が報告されている。我々は、LDLの銅イオンによるラジカル反応でシアル酸が減少することを報告した。一方、アポBは他の血漿蛋白質と比較してラジカル反応性が異常に高く、血漿のラジカル反応でアポBはビタミンE(E)と同程度の速度で分解する。予想されるように、アポB分解物はヒト血清に存在し、酸化反応生成物である会合体と分解物の合計は動脈硬化指標として有効である。今回ラジカル反応におけるアポBとシアル酸の反応性を初めて比較した。
    (方法と結果)単離したヒトLDLを銅イオンで酸化すると、まずEが減少し、512kDaのアポBとアポBに結合したシアル酸が同じ速度で減少した。しかし抗アポB抗体染色によるアポBの分解パターンとシアル酸特異的レクチンによる染色がほとんど同じであった。この結果が意味するのは、分解したアポBにはシアル酸が結合しており、そのパターンがアポBタンパク質の量と対応していることから、シアル酸はほとんど減少しないということである。この結果から、シアル酸の反応性はアポBよりはるかに低いことが判明した。血漿を銅イオンで酸化した場合も同様の結果が得られたため、やはり、512 kDaの場所に検出されるアポBに結合するシアル酸が減少するのはアポB自身の分解によるものであることが判明した。以上より、ラジカル反応におけるアポBとEの反応性は、シアル酸よりはるかに高いので、酸化ストレスや動脈硬化指標としてはアポBの分解のほうが有効であると考えられる。
  • 岡田 悦政, 岡田 みずえ
    セッションID: 2-1-27
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
    会議録・要旨集 フリー
    [目的] 現在、環境中に排出される内分泌撹乱化学物質(EDC)による生体への影響が懸念されており、EDCは、10万種類以上も確認されている。しかし、EDCに関する研究は始まったばかりで、不明な点も多い。EDCは、生体内でホルモン様作用を有し、卵細胞に次ぐestrogen receptorの数からも肝細胞への影響が懸念されている。本研究は、数年にわたりBPAに着目し、以前報告したestrogen receptor competitor kitを用いたscreening の結果、bisphenol A(BPA)の結合抑制効果の高かった食用植物からの抽出試料について、ラット肝細胞へのBPA damage 抑制効果に関する実験を行ったので報告する。[方法] 食用植物をメタノール抽出し、dry-up後、DMSO溶解して試料(MEEP)とした。肝細胞は、コンフルエントまで培養後、一定数を60mm培養シャーレに蒔き、MEEP, BPAの投与実験を行った。BPA投与濃度は一定とし、MEEPの投与時間変化・濃度変化による生細胞数への影響について、alamarBlue 染色による蛍光測定を行い検討した。[結果] MEEPは、肝細胞へのBPA投与による生細胞数を高め効果が見られた。その効果は、MEEP濃度を高めるほど、また、培養時間が長いほど最大効果を示した。MEEPは、BPA による肝細胞damageを抑制することが示唆された。[考察] MEEPによるBPAの肝細胞damage抑制効果は、BPAとMEEPの類似的構造部分により、この二者間のestrogen receptorへの競合的関係によって肝細胞へのBPA damageが抑制されたことによるもの、または、MEEPによりBPAの構造修飾が生じ、その構造的変化からの抑制によるものが考えられた。
  • 望月 美也子, 長谷川 昇
    セッションID: 2-1-28
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】 茶(Camellia sinensis)は、近年、生理機能が多数解明され注目されている嗜好飲料である。我々は既に、粉末緑茶が高脂肪食を摂取させたZuckerラットの体重増加を抑制し、その原因は緑茶により脂肪細胞における脂肪分解が促進する事によることを明らかにしている。そこで本研究は、緑茶中の作用物質を特定する目的で、緑茶中の渋み成分である茶カテキン類の脂肪分解作用を確かめるために行われた。 【方法】 3T3-L1細胞を培養し、細胞がConfluenceに達した時点でインスリンを培養液に加え、脂肪細胞へと分化させた。脂肪分解作用は、充分に分化した脂肪細胞に茶カテキン類を添加し12_-_24時間反応後の細胞質中のグリセロール濃度、中性脂肪(TG)濃度を測定することにより判定した。【結果・考察】 細胞質のグリセロール濃度は、以下のような順になった。   (-)-epigallocatechin-3-gallate(EGCG) > コントロール> (+)-catechin緑茶カテキンの脂肪分解効果は、緑茶中に約53%含まれるEGCGによるものであることが明らかとなった。反対に、(+)-catechinは脂肪分解を抑制することが明らかとなった。これらの結果を総合すると、EGCGには強い脂肪分解作用がみられ、我々のこれまでに得たZuckerラットや、脂肪細胞での粉末緑茶の効果を裏付ける結果であると考えられた。一方、微量成分であるが、脂肪分解に対して反対の作用を示すカテキンの存在も確認された。
  • 西堀 すき江, 川合 三恵子, 越智 宏倫, 並木 和子
    セッションID: 2-1-29
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】平均寿命は延びてもすべての人が健康な長寿ではなく、近年は「健康寿命」をいかに延ばすかが課題となっている。我々は以前より食材のin-vitro系での機能を調べ、その機能性を食生活に反映させ、in-vivo系での有効性の確認についての実験を続けている。今回は、健康な長寿に関与すると考えられる2つの食材機能(活性酸素消去能&血小板凝集抑制作用)を一定以上備える試験食を1週間連続摂食した場合のヒトへの有効性の検討を行い、ヒトの生体の酸化ストレス度を示すとされる尿中8-OHdG量の低減効果を調べた。【方法】実験の趣旨を理解した健常人20名を対象として1週間の摂食実験を行った。試験食は、in-vitro系における活性酸素消去能の実験から得た活性酸素消去力を点数化した食品と、抗血栓力を点数化した食品それぞれから一日1000点ずつ摂取することを条件とした。抗血栓点のうちの野菜点は、緑黄色野菜から500点/日、その他の野菜から500点/日摂取するグループに分け、試験食摂取前と一週間連続摂取後の計二回、朝一番に採取したスポット尿を、ELISA法により分析し、8-OHdG量を測定した。スポット尿の採取時に全尿量を測定し、前回放尿からのインターバル時間と体重から、体重当たり時間当たりの8-OhdG生成速度(ng/h.Kg)を求めた。【結果】全被験者(n=20)のうち、8-OHdG生成速度が低減したのは、20名中17名、そのうち緑黄色野菜摂食群では全員(n=12)が、その他の野菜摂食群では8名中5名が低減し、健康長寿食摂取による低減効果が認められた。(*健康寿命とは、平均寿命から日常生活を大きく損ねる病気やけがの期間を差し引いて算出する。)
  • 田中  美幸, 福井 陽子, 遠藤 美智子, 中村 宗一郎
    セッションID: 2-1-30
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    目的:食品中に存在するプロテアーゼは、加工食品の品質を著しく劣化することが知られている。これらのプロテアーゼの中で、システインプロテアーゼは最も強力で魚肉や畜肉加工品製造の際の大きな障壁とされている。現在、食の安心安全が消費者の大きな関心事であることから、本研究では、天然物由来のシステインプロテアーゼインヒビターを『遺伝子組換えの技術』を用いて生産しようとする試みを行った。ここでいう遺伝子組換えの技術とはいわゆるGMOを創製しようとするものではなく異種遺伝子導入した酵母によって目的タンパク質を生産させようとするものである。方法と結果:Pichia pastoris X33菌株を代表的なシステインプロテアーゼインヒビターであるシスタチンCで形質転換した。形質転換のためのベクターにはプロモーターにAOXを持つpPCIZaを用いた。ゼオシン含有培地によって形質転換体をスクリーニングした。得られた形質転換体をYPD培地で前培養し、2mLを200mLのBMMH培地に植え継ぎ、毎日5%メタノールをもちいて最終濃度で0.05%になるように添加し、3日間振盪培養し、シスタチンの生産を行った。目的タンパク質の精製は、Q-Sepharoseを用いたイオン交換クロマトグラフィーによって行った。精製度は、SDS_-_PAGEによって確認した。またシスタチン活性は、パパイン活性の阻害効果として求めた。その結果、2mg/mLのシスタチンの生産が可能であることが示された。
  • 福井 陽子, 田中 美幸, 遠藤 美智子, 中村 宗一郎
    セッションID: 2-1-31
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    目的:近年、プロバイオティクスが流行である。プロバイオティクス効果を持つ食品成分によって腸内細菌を活性化し、病気の予防治癒を達成しようとしている。本研究では、しばしばプロバイオティクスの対象とされるビフィズス菌に着目し、ビフィズス菌グループの中から、β-グルコシダーゼ活性力に優れた菌株をスクリーニングし、その菌株から高活性型のβ-グルコシダーゼ遺伝子をクローニングし、大腸菌発現系を創製し、組換えβ-グルコシダーゼを生産した。今回は、その性質について調べたので報告する。方法:5種類のビフィズス菌(Bifidobacterium pseudolongum, B. longum, B. animalis, B. infantis, B. breve)の中から最も強いβ-グルコシダーゼ活性を示す菌株をスクリーニングした結果、B. breve選び、β-グルコシダーゼ遺伝子をクローニングし、T7プロモータを用いた大腸菌発現系を構築した。組換え大腸菌をLB培地で培養し、得られた培養液から菌体を集め、ガラスビーズと超音波で菌体を破壊し、菌体内に生産されたクローニングタンパク質を溶液中に遊離させた。菌体破壊液から目的タンパク質の精製は、Q-Sepharose FFを用いたイオン交換クロマトグラフィーとSepharose S-200を用いたサイズ排除クロマトグラフィーによって行なった。こうして精製したβ-グルコシダーゼの性質を調べた。結果:大腸菌発現系によって0.2g/Lの組換え酵素が得られた。この酵素は、pNP-β-D-glucoside (β1→6)、 pNP-β-D-fucoside (β1→6)、pNP-β-D-galactoside (β1→6)、pNP-β-D-xlyloside (β1→6)、Cellobiose (β1→4)、Laminaribiose (β1→3)及び Sophorose (β1→2) の加水分解活性を示した。一方、この酵素は、 pNP-N-acetyl-β-D-glucosaminide及びpNP-N-acetyl-β-D-galactosaminideを加水分解できないことが明らかにされた。
  • 山口 直彦, 本村 志穂, 中川 泰代
    セッションID: 2-1-32
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    [目的]アントシアニンを豊富に含み、健康的なイメージの強い紫芋に興味を持ち、その抽出液のリノール酸に対する抗酸化力を測定すると同時に、チップスを試作し、包材と保存条件を変え、その酸化安定性を測定した。〈BR〉[方法]_丸1_4種類の紫芋(種子島むらさき、なかむらさき、あやむらさき及びパープルスィートロード)について測定した。_丸2_紫芋抽出液のリノール酸に対する抗酸化性は含水系で測定し、過酸化物価(POV)はロダン‐鉄法で測定した。_丸3_紫芋の試作は、芋をスライサーでスライスし、約180℃の油温で約2分間フライした。_丸4_紫芋チップスの保存試験は、チップス5gを透明なナイロン/ポリエチレン及び無印刷Al-蒸着フィルム製の袋(15×15cm)に入れ、密封し、明所常温保存した。_丸5_チップス抽出油のPOVは酢酸‐イソオクタン法で測定した。〈BR〉[結果]_丸1_紫芋の全フェノール量はあやむらさきが最も多く、次いでなかむらさき、種子島むらさき、パープルスィートロードの順であった。_丸2_抽出液のリノール酸に対する抗酸化性の比較試験では、その効果は、あやむらさき>なかむらさき>種子島むらさき>パープルスィートロードの順であったが、後の3種間の差異は少なかった。_丸3_キャノーラ油でフライしたチップスを2種類の包材でパックし、明所常温保存の結果、あやむらさきと種子島むらさきの酸化安定性はよく、類似していたが、パープルスィートロードのそれはかなり劣る結果となった。
  • 松下 至, 山下 広美, 金行 孝雄
    セッションID: 2-1-33
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    目的」迅速なクロマトグラフィーとして天然物中の有色化合物の分離に用いられるフラッシュクロマトグラフィーにより桑の実中のアントシアニンの分画を行った。分画部についてHPLCでアントシアニンを分離し、さらに、分画部のDPPHとAAPH活性および過酸化水素による過酸化脂質生成の抑制能を測定した。「方法」フラッシュクロマトグラフィーのクロマト装置はシンプルで小型なものとし、簡単に操作できるようにした。充填剤はコスモシールC18-OPNを用いた。台湾産の桑の実を0.2%酢酸溶液に1昼夜浸漬した後、ロ紙にてロ過した。ろ液をアンバーライトXADで吸着、溶出後、コスモシールC18?OPNカラムに吸着させた後、0.2%酢酸含有5%メタノール溶液にて十分に洗浄した。次に0.2%酢酸含有25%メタノール溶液で溶出される分画を集め、更に、0.2%酢酸含有90%メタノール溶液で残りの色素を溶出した。各分画部についてHPLCによる分析を試みた。カラムにC18を用い、リン酸バッファーとアセトニトリル水溶液のグラジェント溶離法で行った。「結果」桑の実の色素はフラッシュクロマトグラフィーの0.2%酢酸25%メタノール溶液分画と0.2%酢酸含有90%メタノール溶出液に回収された。0.2%酢酸含有25%メタノール溶液分画部はHPLCにより3つのピークに分離することが出来た。これらの成分のうち、シアニジン3-グルコシドとシアニジン3-ラムノシルグルコシドは標準品のピークと一致した。さらに、25%メタノール溶液分画部のDPPHとAAPH活性および過酸化水素による過酸化脂質生成の抑制能を測定した結果を報告する。
  • 荒木  裕子
    セッションID: 2-1-34
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】近年、ハーブ愛好者の増加からハーブを専門に取り扱う店が増加し、それらの店舗ではシングルハーブと称した単独のハーブや数種のハーブを用途に応じてブレンドしたものをそれぞれガラスケースに入れ秤売りの販売形態を取るところが多い。本研究ではそれら市販ハーブの抗酸化性について調査した。また抗酸化成分として注目されているポリフェノール含量と抗酸化性との関連ついての検討を行った。【方法】試料は都内ハーブ専門店で購入したハーブティー35種を用いた。抗酸化性のスクーリニングテストとしてリノール酸メチルを基質として用い、メタノール抽出試料液を添加した試験液を50℃で18時間酸化させREAの改良法により過酸化物価(POV)を測定した。抗酸化力の測定はリノール酸を基質とした水系の反応液に試料のメタノール抽出液、水抽出液をそれぞれ添加後40℃にて放置し、4週に亘りTBA値をGRIEWAHN法により測定した。ポリフェノール含量はフォリン_-_デニス法により没食子酸当量として算出した。【結果】抗酸化能のスクーリングテストでは、試料抽出液の過酸化物価(POVs)と試料無添加のコントロール区の過酸化物価(POVc)の比POVs/POVc の値が0.2以下を示すものが多く、市販ハーブティーには強い抗酸化性が示された。抗酸化力をTBA値により測定した結果、水抽出液の試料全てが4週を過ぎてもTBA値が吸光度0.1以下で強い抗酸化効果を示したが、メタノール抽出液では種子系ハーブのカルダモン、フェンネルが7日_から_14日でTBA値の上昇をみた。総ポリフェノール含量測定した結果、含量の高いもので乾物1gあたり80mg以上の値を示し、抗酸化能との間に相関が見られた。
  • 三木 章江, 横越 浩
    セッションID: 2-1-35
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】食物由来の還元物質は酸化ストレスから生体を保護する上で重要である。我々は、様々な食品の抗酸化能を比較検討するために、還元活性を指標とした安価で簡便かつ視覚的な還元能のプロファイリング法を開発し、レドグラム(redogram)と命名した。そこで、レドグラム法を用いて、ビタミンCやカテキン、ポリフェノール類を含む各種食品の抗酸化能の比較検討を行った。【方法】還元活性の測定:EIAや血糖測定に広く用いられている、ペルオキシダーゼと過酸化水素による色素の発色反応あるいはポリフェノールの定量として用いられているFolin-Denis法を用いた。ペルオキシダーゼ法においてはMTB、あるいはABTS色素の酸化による吸光度の増加を抑制する活性を還元活性と定義した。還元活性の抽出:各種食材(茶葉、根菜類、柑橘類、海藻類、その他)より還元活性を0.01N塩酸、20%メタノールで抽出した。還元活性のプロファイリング:抽出液をSephadex G25カラムでゲルろ過を行い、得られた分画の還元活性を96穴プレートを用いて測定し、還元活性の溶出プロファイルとした。【結果】1.各種茶葉(紅茶、ウーロン茶、プーアール茶、阿波番茶)、根菜類、柑橘類、海藻類のいずれにおいても還元活性は複数のピークとして溶出した。2.茶葉の種類、発酵度、発酵法の違いにより溶出プロファイルは大きく相違した。【結論】1.茶類の還元活性の分子多様性を比較検討するために、Sephadex G25によるゲルろ過を用いた安価で簡便なプロファイリング法(レドグラム)を開発した。2.レドグラムは茶葉の発酵度、発酵法の識別や茶葉以外の食品の抗酸化能の比較評価に利用可能である。
  • 広井 勝
    セッションID: 2-1-36
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】油脂は、揚げ物には欠かせないものであるが、加熱により変質が生じ易い。近年、炭の効用の一つとして、竹炭に油脂劣化防止があることが報告されている。そこで桃種の炭にもこのような機能があるのではないかと考え検討を試みた。桃種を用いたのは、福島県は桃の生産量が多いが、加工の際に出される大量の種は廃棄されてしまっていることから、この種の炭に油脂劣化防止効果が認められれば、資源の有効利用という観点からも重要であると考え検討した。
    【方法】試料油として、キャノーラ油を使用した。実験では温度コントロールの精度が高いホットプレートを用い、500mlビーカーに油脂を100gとり、桃種の炭5g(5%相当)を入れて2時間加熱を行い、油脂の劣化度やトコフェロール(Toc)残存率を調べた。同様に60℃の定温器で2週間、自動酸化を行い、その劣化防止効果も調べた。また同じ条件で竹炭についても実験を行い、その効果を比較した。さらに家庭用の電気揚げ物器を使い、190℃で冷凍のコロッケ、フライドポテトを揚げ、炭の有無による揚げ油の劣化度の違いや、揚げ物の嗜好性を官能検査によって調べた。
    【結果】(1)220℃、250℃でのビーカー加熱では、どちらも桃炭による劣化防止効果が認められたが、その効果は竹炭には及ばなかった。(2)60℃加熱による自動酸化でも同様に桃炭による劣化防止効果は認められたが、やはり竹炭の効果のほうが大きかった。(3)油脂劣化防止効果が認められたものは、α-Tocの残存率が高かった。(4)揚げ物器の実験においてもビーカーでの実験と同様の劣化防止効果が認められた。また揚げ物の官能検査では、油に桃炭を入れて揚げた場合の嗜好性が高い傾向が認められた。
  • 中川 泰代, 山口 直彦, 大澤 真由美
    セッションID: 2-1-37
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    [目的]近年の健康志向から緑黄色野菜を主原料としたデザート類が多く市場に出回っている。しかし、これらの食品に含まれるカロチノイド系色素は光に弱く、退色に伴う返品がしばしば発生、問題となっている。本実験では包装技術による光と酸素とを制御することによって、その商品寿命の延長を図る目的で行った。〈BR〉[方法]_丸1_野菜入りゼリー菓子、トマトを含有する乾燥モデル食品及びβーカロテンを吸着させたろ紙を調整し、光透過度(T%)及び酸素透過度の異なるフィルムで包装し、明暗所常温保存試験を行った。_丸2_着色度は日本電色工業(株)製 COLOR DIFFERENCE METER MODEL 1001DPで測定し、ハンター表示値で示した。また、劣化度は保存0日のa値に対する保存野菜ゼリーのa値の割合を求めa値の残存率として示した。〈BR〉[結果]_丸1_T%の異なるAl-蒸着フィルムで野菜入りゼリー菓子を包装し、明所常温保存の結果、2_から_5のT%であっても35日目にはa値の残存率は50%以下となり商品価値を失った。しかし、T%:0のAl -蒸着フィルムのそれは107日間の保存によっても50%以上の残存率を示した。_丸2_酸素バリア性の異なる3種の無印刷プラスチック(酸素透過度:2_から_3cc、8_から_10cc及び30_から_50cc/_m2_/24hr)を用い脱酸素剤封入包装されたゼリー菓子の袋内の酸素濃度は1日目には0%台となり、その保存期間中も0%台で推移し、55日間の明所常温保存によっても、a値の変化は殆ど認められなかった。_丸3_乾燥モデル食品に抗酸化物質を添加し明所常温保存の結果、その効果はトコフェロール>ビタミンC>カテキンの順であった。
  • 森山 三千江, 大羽 和子
    セッションID: 2-1-38
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    目的 スプラウトは年中安定して入手できる野菜でビタミンやミネラル、食物繊維の良い供給源である。ブロッコリーなど新種のスプラウト中のビタミンC(VC)量およびラジカル捕捉活性が従来のスプラウトより高いことをすでに報告した。ポリフェノール含量などの機能性成分量を測定するとともに、近年、リスクファクターとして注目される硝酸量も測定して、様々な角度から、スプラウト類が健康増進によいかどうかを検討することを目的とした。方法 市販および生産農園から直送されたスプラウトを用い、細かく刻んでメタリン酸やリン酸バッファーとともに完全に磨砕し、冷却遠心分離後、上清を試料液とした。試料液を希釈、フィルター濾過した後、イオン交換カラムを用いHPLCで分離し、ビタミンCや硝酸イオンを検出し、検量線より含量を測定した。結果および考察 貝割れ大根のVC量が緑豆もやしの約5倍であったのに対し、硝酸量は緑豆もやしの約60倍と著しく高い値であった。クレソンやレッドキャベツの硝酸量は貝割れ大根の含有量より多く、そばスプラウトの硝酸量の2倍以上であった。豆苗ではVC量が他の新種のスプラウトと同様に高かったが、硝酸量は著しく低かった。VC量では殆ど差は見られなかったブロッコリースプラウト類のうちスーパースプラウトの硝酸量が多かった。また、生産農園によってスプラウトの硝酸量が異なったので、栽培する際の肥料の違いにより硝酸量に影響があると考えられた。ブロッコリースプラウトは抗癌作用も報告されており、VC量、ラジカル捕捉活性も新種のスプラウトの方が従来のスプラウトより高いことから、施肥方法によって硝酸量を低く押さえると、健康増進に良い食品となることが示唆された。
  • 福島 正子, 竹山 恵美子, 佐藤 理栄, 松本 孝
    セッションID: 2-1-39
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】  Alが多量に蓄積すると神経毒性を発現することが認められている。一方食物繊維には金属を結合し排泄する作用があることから,食物繊維のAl結合能について調べた。今回はFeおよびCaとAlイオンが競合した場合の食物繊維との結合について検討した。さらにpHおよび粘度による変化を調べ,生体内におけるAlの挙動について考察した。 〈BR〉【方法】  試料は野菜および海藻類などの他市販の多糖を用いた。各試料の食物繊維はProsky変法により抽出しSDFとIDFに分画した。各画分と標品はそれぞれ5日間透析し凍結乾燥して実験に供した。AlおよびFeイオンは0.2mol/l硝酸,Caイオンは0.1mol/l硝酸に溶解した化学分析用標準液(1000ppm)を用いた。結合量は金属イオンを試料に添加し,0.1mol/l硝酸でpH調整した後37℃で1時間振盪し,遠心分離後上澄み中のイオン量を原子吸光光度計で測定した。添加した金属イオンから残存イオン量を差し引き結合量を求めた。粘性はB型回転粘度計で測定した。またSephadexG‐25(Medium)ゲルを用いた平衡ゲル濾過法により,食物繊維と金属イオンの結合について確認した。〈BR〉【結果】  SDF,IDFおよび標品におけるAlとFeの競合的結合能は,ほとんどの試料でFeよりAlの方が低かった。さらにCaも含めた競合実験ではFe,Al,Caの順に結合量が低くなる傾向が認められた。pHを2.0に下げると食物繊維の金属結合量は低下したが,このとき多糖の粘性も低下した。また平衡ゲル濾過法による金属結合能の実験でも,同様の傾向が認められた。
  • 東  真理, 太田 尚子
    セッションID: 2-1-40
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    目的 私達は既に種々のタンパク質(ゴマ13Sグロブリン、米グロブリン及びβ_-_ラクトグロブリン等)に炭素鎖長10以上の脂肪酸塩を添加する事によって保水性、保形成の優れたゲルを形成し得る事を報告してきた。本研究では、これらグロブリンタンパク質とは溶解特性の異なる小麦グリアジンのゲル物性にオレイン酸ナトリウム添加が与える影響を物理化学的に明らかにすると共に、その応用の一つとして可食性フィルムの調製を試みた。
    方法 まず、グリアジンを可溶化する為に、70%エタノールを用いて乳化し、オレイン酸ナトリウム(0_から_2%)添加条件下で、常温下での状態変化を観察した。その後ゲル状凝集物が得られたものについて遠心分離法を用いてゲルの保水性を評価した。また、そのゲル形成過程を動的粘弾性測定装置にてモニターした。更に、形成したゲル(厚さ約1mm)を紙の間に挟み荷重をかけて脱水させフィルム化した。形成したフィルムは水蒸気透過性試験を行い、水蒸気に対するバリアー性を評価した。
     結果 20%グリアジンは、40.8%エタノール・0.1N水酸化ナトリウムの共存下で4日後、塊状凝集体(pH 8)を形成した。また更に、2%オレイン酸ナトリウムを添加する事により、保形性は劣るが保水性の高いゲル様凝集物を生じた。動的粘弾性測定により、混合後約60時間でゾル_-_ゲル転移し、約6日で貯蔵弾性率が約20000Pa、損失弾性率が約10000Paに達した。更にゲルを脱水し調製したフィルムの水蒸気透過性を測定したところ、ポリエチレンフィルム(厚さ19ミクロンの基準物質)に比べてバリアー性は劣るものの、無添加グリアジンフィルムのそれに比べ、約2倍のバリアー性を有する事が判った。
  • 太田 尚子, 増田 宜子
    セッションID: 2-1-41
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    目的
    魚肉水溶性タンパク質(Water Soluble Protein:WSP)はその有効利用が強く望まれている。これまで、WSPのゲル化特性に関する基礎的知見並びに卵白アルブミンとの混合系の物性発現について報告してきたが、今回はβ-ラクトグロブリン(β-LG)を用いて、WSPのゲル化に及ぼすβ-LGの補足効果をレオロジー特性の変化から明らかにすると共に、常温下におけるカプリン酸ナトリウム誘導ゲルの形成機構を、タンパク質の二次構造レベルで明らかにすることを目的とした。方法
    甘鯛より抽出したWSPを、フィコール400(アマシャム-ファルマシア製)により濃縮し、魚肉水溶性タンパク質濃縮物(Water Soluble Protein Concentrate:WSPC)を得た。WSPCの常温下における、ゲル形成性に及ぼすβ-LGおよびカプリン酸ナトリウム(NaC10:0)添加の影響を、ゲルの離水率測定並びに動的粘弾性測定により調べるとともに、FT-IR分光分析によりその形成機構を解析した。結果
    WSPC 7%, β-LG7%から成る混合タンパク質を用いた時、NaC10:0 3.6 %または、4.2 %添加により常温下において保水性の高いゲル状凝集物が形成された。この混合タンパク質14%, NaC10:0 3.6 % 添加では6日目におよそ800Paの貯蔵弾性率を有するゲルが形成された。また、FT-IR分光分析により、NaC10:0 誘導ゲル形成時に、1616 cm-1付近のピーク(分子間β-シート)が増加していることが観察された。更に、この脂肪酸塩誘導ゲルは加熱誘導ゲルの場合にくらべ、より小さい二次構造変化に基づくゲルであることが判った。
  • 落合 寛, 太田 尚子
    セッションID: 2-1-42
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    目的 既に、ある種のタンパク質では脂肪酸塩を添加するだけで常温下でもゲルを形成し得る事を報告した。今回は従来脂肪酸塩添加でのゲル形成に加熱処理が必須と考えられたゴマ13Sグロブリンのカプリン酸ナトリウム(NaC10:0)混合系でのレオロジー変化を歪み制御型粘弾性測定装置にて動的粘弾性及び応力緩和測定を行う事により微少変形下での物性を明らかにする事を目的とした。方法 ゴマ種子をヘキサンで脱脂後、長谷川らの方法により粗13Sグロブリン画分を得た。このゴマ13Sグロブリン(12.5%)にNaC10:0(2_から_4%)を加え、0.3M食塩共存下、pH 8.4に調整後、25℃にて動的弾性率の歪み依存性、周波数依存性、時間依存性測定に供した。更に時間依存性測定後、試料の線形範囲を歪み依存性測定により求め、直接応力緩和測定をした。結果 NaC10:0濃度2%の場合、21分後にゾル‐ゲル転移が観察され、約13時間後にG'とG" がほぼ平衡になり、G'は600Pa、G" は90 Paに達した。3%の場合、22分後ゾル‐ゲル転移、約27時後にG'とG" が平衡化、そのG'は200Pa、G" は70Paに達した。4%のでは、40分後にゾル‐ゲル転移、約22時間後にG'とG" が平衡に達し、G'は100Pa、G" は50Paであった。各G'とG" の比率を算出すると、それぞれ2%で6.6、3%で2.8、および4%で2.0となり、これら3種の条件下では2%添加物が最も内部構造が強固なゲルである事が判った。逆にNaC10:0濃度の増加につれて脆弱なゲルになることが判った。更にそれぞれの応力緩和測定により、最も弾性的な挙動を示した2%添加物の緩和弾性率が最も高い事が判った。
  • 中村 洋, 張 法楷
    セッションID: 2-1-43
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    中国小麦品種のめん品質評価〇中村 洋、張 法楷*(独立行政法人・国際農林水産業研究センター、*中国・成都穀物貯蔵研究所)【目的】中国から日本への小麦伝播時における遺伝子源の始祖効果・瓶首効果により1-2) 、中国小麦品種は、日本品種の遺伝的変異およびその品質に大きな影響を及ぼしていることはすでに明らかにしている3-4) 。そこで、本研究では、中国小麦品種のめん品質評価を中国・成都穀物貯蔵研究所と共同で行い、これら中国品種のめん品質特性の解明を試みたので、その結果の概要について報告する。【方法】中国・成都穀物貯蔵研究所(四川省成都市)において、中国全土の小麦品種育成場所から集められた、小麦品種192点を供試材料とし、これら小麦品種の品質分析を同研究所で行った。めんに関する官能品質評価は、小麦の品質評価法(独立行政法人・食品総合研究所)により行った。【結果】今回供試した中国192品種の品質評価の結果、めん品質に強く関連する蛋白質含量およびめん粘弾性の値は共に変異が大きく、生地物性試験の結果と併せて、めんについての品質評価を行うことができた。これらの品質評価手法は、中国小麦品種のめん品質を評価する上で有効であった。1) Nakamura,H. J.A.F.C. 50:6891-6894. 2) Nakamura,H. A.J.A.R.53: 1265-1269. 3) Nakamura, H. et al. Cereal Chem. 79: 486-490. 4) 中村 洋、作物研究所研究報告2: 1-38.
  • 小泉 智史, 矢田貝 智恵子, 内藤 佐和, 柳澤 泰任, 須見 洋行
    セッションID: 2-1-44
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【諸言】
    ビタミンKは血液凝固因子の合成のみならず骨粗鬆症との関係が注目されている。これまで当研究室では納豆菌が生産するビタミンK2(MK-7),ナットウキナーゼ(NK)について報告してきた。今回,市販納豆及び納豆菌によるビタミンK2,NKについての培養温度,振盪速度による生産性の変化などを検討した。

    【実験方法】
    納豆菌は(Bacillus subtilis natto)納豆の製造に用いられる宮城野株,朝日株,高橋株,医薬用に用いられる日東株,目黒株,中国雲南省の納豆から分離した雲南株,金沢株の計7種類の菌株を基本培地2%ポリペプトンS(和光純薬),3%グリセリンを用い,液体振盪培養を行った。また比較対象として市販納豆7種類の乾燥物を試料とし,MK-7は当研究室で確立したHPLC法(Sumi et al.,Food Sci.Tech.Res,5:48,1999;農化,73:599,1999)で測定した。またNKの血栓溶解活性は標準フィブリン平板の溶解面積(mm2)(Sumi et al.Experientia,43:1110,1987)で測定した。

    【結果】
    市販納豆7種類でのMK-7含量は11.9±8.6μg/g(dry wt)で,液体振盪培養による菌体内MK-7含量は2,852.0±2,774.2μg/gとはるかに高含量であり,最も多く生産したものは29℃の金沢株の12,800μg/g(dry wt)であった。培養液上清の場合,特に目黒株は100rpmよりも30rpmの方が高い数値を示した。またNKの血栓溶解活性はMK-7とは相関せず,29℃よりも37℃,30rpmよりも100rpmの方が生産性のよいことが確認された。
  • 遠藤 美智子, 中村 宗一郎, 中島 滋, 鄭 甫泳
    セッションID: 2-1-45
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
    会議録・要旨集 フリー
    目的:食品は人の生命、健康を支える上で基本的な物質である。わたし達が日常摂取する食品成分を明らかにすることは、健康の維持、増進を図る上できわめて重要である。日本食品標準成分表(以下食品成分表)はわが国の栄養成分を可食部100g当たりで記載した食品成分に関する基礎データであり、栄養指導及び研究分野においてもよく利用されている。本研究では、わが国の食品成分表の国際的な位置付けを知るために、特に魚介類を取上げ、隣国に韓国の食品成分表に記載されているものと比較、検討、整理し、その差異の要因を推測することを目的とした。方法:日韓双方とも現時点で最新バージョンの食品成分表を用いた。すなわち日本側のものには五訂食品成分表を、韓国側のものには第六版食品成分表(2001年)をそれぞれ用いた。韓国の食品成分表については英語表記をもとに魚介類の栄養成分を整理し、日本のものの数値との比較を行なった。結果:日本の食品成分表と韓国の食品成分表にはかなりの相違が見られた。特に水産加工品における数値の開きは大きく、この点は両国での食生活の違いを反映していると考えられ興味深い。また一部の魚介類にエネルギー値を中心とした違いが見られた。この点については、魚介類の種の同定を視野にいれた今後の更なる検討が求められる。食品中の栄養成分値は、産地、収穫方法あるいは収穫時期による変動が予測されるが、水産物に関しては大きな差異はないと考えられていた。しかし、今回の研究結果で、同じ海域を共有する日本と韓国とでは、魚介類の栄養成分値にかなりの違いがあることが明らかにされた。
  • 塚田 三香子, 小西 晶子
    セッションID: 2-1-46
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    (目的)市販の漬物はつけ込む期間や製法が自家製の場合とは異なり、乳酸菌などの発酵による過程を経ていない場合も多い。市販の漬物ではこの発酵による旨味成分を補うためにL-グルタミン酸ナトリウムなどの添加物を加えているが、食品表示のみでは添加されているアミノ酸の種類と量は不明である。今回、市販および自家製の様々な漬物を材料として遊離アミノ酸の同定と定量を行うことにより、市販品に添加されるアミノ酸を推定し、自家製の漬物に現れる遊離アミノ酸について特徴づけることを目的とした。(方法)秋田市内の大規模小売り店から購入した糠漬け7種と自家製漬物(糠漬け4種、糠漬け以外9種)から、エタノールによって遊離アミノ酸を抽出し、液体クロマトグラフ法を用いて39種類のアミノ酸とアミノ酸関連物質の同定と定量を行った。(結果)市販の漬物には全体で39種類中26種、自家製では全体で34種のアミノ酸と関連物質が検出された。セリン、グルタミン、グリシン、アラニン、α-アミノ酪酸、バリン、γ-アミノ酪酸はすべての漬物に検出された。漬物1g中に含まれる平均値で比較した場合、市販品ではグルタミン酸、γ-アミノ酪酸、グルタミン、グリシン、アンモニアの順に、自家製品ではγ-アミノ酪酸、アラニン、アンモニア、グルタミン、セリンの順に多かった。市販品では自家製品に比較し、グルタミン酸は18倍、グリシンは7倍多く含まれており、この2種が添加される場合が多いと推定された。グルタミン酸添加量は漬物1g中に約1.1mgと推定された。*秋田県総合食品研究所の大能俊久氏に分析にご協力いただきましたことを、感謝します。
  • 西川 和孝, 後藤 昌弘, 山中 博之, 田中 章江, 澤 蘭, 前田 英雄
    セッションID: 2-1-47
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    [目的]食用および薬用として期待される四倍体ショウガ(2n=44)は二倍体(2n=22)に比べ大型化することが報告されているが,四倍体ショウガの有用成分についての報告はほとんどない。そこで,二倍体および四倍体ショウガの二次代謝成分である精油成分と辛味成分の定性・定量分析を行い,四倍体ショウガの食品としての有用特性を明らかにすることを目的とした。
    [方法]ショウガは高知産の‘黄金の里’を用いた。Adaniya,Okada らの方法により,四倍体の作出および確認を行った。ショウガ根茎中の精油成分は,GC,GC-MS 分析,辛味成分は,精製・単離後,NMR 等のスペクトルデータによって構造決定した。
    [結果]ショウガ根茎中の精油成分を分析した結果,17種類の成分を同定した。二倍体および四倍体ショウガともにセキステルペン類の組成率が高く(約 54_から_59%),その中でもショウガ特有の香りである zingiberene が最も多かった(32_から_34%)。また,今回検出したほとんどの精油成分の組成率について,二倍体および四倍体間で有意差は認められなかった。辛味成分に関しては,四倍体ショウガ根茎から,[6]-gingerol (1) および [6]-dehydroparadol (2) を単離・精製した。さらに,化合物 (1, 2) と zingerone (3) を指標として辛味成分を HPLC 分析の結果,二倍体および四倍体ショウガ間で含量に有意差は認められなかった。以上の結果から,四倍体ショウガの有用二次代謝成分は二倍体ショウガと同程度保持されており,その食品としての有効性は変わらないと考えられた。
  • 谷口(山田) 亜樹子, 菊池 修平, 吉羽 美稔子, 伊部 さちえ, 安田 勝年, 高野 克己
    セッションID: 2-1-48
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
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    【目的】蚕の繭はシルクとして絹織物の利用の他,化粧品,健康食品,入浴剤などさまざまな商品に利用されているが,その副産物である蚕のさなぎは利用価値が低く,一部の地方で食品に利用される他は肥料,飼料に使われ,他は産業廃棄物となっている。演者らはさなぎの食品への有効利用として,プロテアーゼおよびキチナーゼ製剤を用いて,さなぎの新規調味料を開発することを目的とした。さらに,さなぎの食品の機能性に着目し,抗酸化作用等について検討したので報告する。【方法】試料はさなぎ(Bombyx mori 飼育種)を用い,熱風乾燥(100℃,6時間)した後,粉砕処理した。粉砕したさなぎ500gに食塩水20%(w/w)を加え,これにプロテアーゼA(天野製薬)およびプロテアーゼA+キチナーゼ(シグマ)を各々添加し,35℃で熟成させ,経時的にpH,酸度,可溶性全窒素量および遊離アミノ酸量を調べた。さらに,熟成後,ろ過して調味液とし,DPPHラジカル消去能の測定を行なった。【結果】仕込み後90日目の各調味液の全窒素量は,プロテアーゼA添加では1.07%,プロテアーゼA+キチナーゼ添加は1.08%とほとんど差がなかったが,ホルモール窒素量は各々0.62%,0.69%とキチナーゼを添加することによりアミノ酸,ペプチドが増加していることが推察された。また,DPPHラジカル消去能を測定したところ,各々約80および100μmol Trolox/100mlと,キチナーゼを添加した調味液の方が,抗酸化作用が高かった。
  • 大野 信子, 岡留 美穂, 金 賢雄, 高橋 治男, 藤井 貴明
    セッションID: 2-1-49
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
    会議録・要旨集 フリー
    【目 的】 貯蔵中のリンゴ果実の主要腐敗菌P. expansumは、果実中の主要な多糖類を利用して良好に生育し1)、生産された胞子からは多糖類分解酵素が容易に分泌され、その酵素レベルは、胞子形成培地の炭素源により影響を受けることが報告されている2)
    そこで今回は、果実の主要成分である可溶性糖類上で本菌の生育についても調べ、多糖類も含むこれら糖類を用いて本菌を培養して得られた各培養ろ液の果実組織に対する作用について検討を加えた。
    【方法・結果】 供試菌株は、各種炭素源を含む培地を用いて30℃において、回転および静置培養した。本菌は、リンゴ果実の全画分や不溶性画分を利用して良好に生育したが、グルコース、フルクトースやスクロース等の可溶性画分を炭素源として利用した生育は著しく不良であった。しかし、この場合、炭酸カルシウムの添加により生育は良好になることがわかった。これらの糖からは、それぞれ有機酸が生産され、特に、グルコースを用いた培養では、50%以上の収率でグルコン酸が生産された。以上の各培養ろ液をそれぞれリンゴの組織に加えてインキュベートした場合、キシランで培養したものでは果実組織の細胞壁に、ペクチンでは組織の細胞と細胞の結合に著しい変化が見られ、グルコースで培養したものでは組織の全体的な崩壊が進行し、これとは別に、果実組織の褐変化が著しく抑制されることも見出された。
    1)木村ら; 日食微誌, 16(3), 171-179, (1999). 2) S. Kimura etc.; Biosci. Biotechnol. Biochem., 66(5), 1126-1129, (2002).
  • 村上 和雄, 成田 素子, 高橋 明子, 水書 加奈子
    セッションID: 2-1-50
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/04/02
    会議録・要旨集 フリー
    酵素のもつ分子識別機能と触媒作用を利用するバイオセンサーは物質を選択的に検出できるので有力な分析法である。 演者らはグルコースオキシダーゼ、ムタロターゼ、インベルターゼを光架橋性樹脂のPVASbQに固定化した酵素膜を調製し、この膜で白金電極を被覆してバイオセンサーを調製した。そして、HPLCの分離カラムあとにこのバイオセンサーを接続し、スクロース、グルコースがカラムで分離された後、酵素反応で生じた過酸化水素を電気化学的検出した。  スクロースが検出されるまでの酵素反応は次の3段階を経る。スクロースはインベルターゼにより加水分解されαーDーグルコースに、ついでムタロターゼによりβーDーグルコースに変換され、さらにグルコースオキシダーゼにより過酸化水素とグルコノラクトンに酸化される。この過酸化水素を白金電極で電解酸化し、その時の電解電流からスクロースを定量する。グルコースの定量はスクロースの最後の酵素反応と電解酸化を利用している。 本研究では、HPLCのスクロース、グルコースの分離の条件の検討、バイオセンサーで測定するための最適条件(pH,塩濃度)、検出器の設定条件等を検討した。電解電流とグルコース、スクロース濃度の関係(検量線)は1×10_-_8_から_1×10_-_6(r=0.995)の範囲で良好な直線性を示した。そして、市販の食品中のスクロース、グルコースの定量に応用した。
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