一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
選択された号の論文の296件中151~200を表示しています
  • 楠 幹江
    セッションID: 2Ba-7
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    目的:健康の視点から靴下の効用を考えると、足部の保温性や皮膚の保護、清潔などが考えられる。これらの効用は、当然ながら、靴下の物理的形状により異なると思われるが、本研究では、普通靴下と5本指靴下を使用して、その相違を検討した。<BR>方法:普通靴下と5本指靴下の相違を検討するため、女子学生を対象として、アンケート調査および被験者実験を試みた。アンケート調査では、靴下の形状による健康観の相違をたずねた。また、被験者実験では、素材を綿100%に限定した両者の靴下を使用して、皮膚表面温度の測定(サーモトレーサーを使用)、血圧・心拍数の測定、足型の測定(フットプリンターを使用)、疲労度の測定(むくみの検討:下肢の5カ所の周経を測定)、靴下の形状による相違を検討した。<BR>結果:1. アンケート調査による意識調査の結果、5本指靴下に対する健康的イメージ度は高い結果が得られた。一方、ファッション的イメージ度は高くもなく低くもなくといった中間的な結果であった。2.サーモトレーサーによる皮膚表面温度の測定結果、安静時における表面温度は普通靴下着用時が高いが、運動後の表面温度は5本指靴下の方が高い結果が得られた。靴下の形状による保温効果の相違はあると考えられる。3.疲労度の指標として、14時間着用後の足のむくみを測定した結果、普通靴下着用よりも5本指靴下着用の方がむくみが少ない傾向が得られた。4.フットプリンターによる歩行時の足型を検討した結果、普通靴下着用よりも5本指靴下着用の方が素足に近い足型が得られた。靴下の形状による歩行状態の相違はあると考えられる。
  • 森 由紀
    セッションID: 2Ba-8
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    〈B〉目的〈/B〉 ファッション性偏重の靴については、様々な弊害が指摘されているにもかかわらず、若い女性の間では多く着用されている。本研究では、このような靴による疲労がストレスとなり、着用者が意識しないままに内分泌に影響しているのではないかについて、コルチゾールを指標として検証を行った。〈BR〉〈B〉方法〈/B〉 休日の外出を想定した数時間を、実験靴を着用して過ごし、唾液中コルチゾール値からストレスの度合いを読み取った。被験者は健康な女子学生9名で、実験靴として、細身のハイヒールと対照となるスニーカーを用いた。被験者は、まず、いずれか一方の実験靴を着用し、ウィンドーショッピングや、カフェに立ち寄るなど4時間30分を過ごした。その前後に唾液を採取し、コルチゾール値を分析した。自覚疲労調査も併せて行った。実験による疲労の影響を考慮し、2日あけた3日後に、もう一方の靴による同様の実験を実施し、これらの結果について、実験靴間の比較検討を行った。なお、実験靴の着用順序はランダムとした。〈BR〉〈B〉結果〈/B〉 実験後の唾液中コルチゾール値については、9名中7名の被験者において、ハイヒール着用時の方が、スニーカー着用時より高かった。サーカディアンリズムを考慮し、実験前のコルチゾール値を100として、実験後の変化の割合を算出した結果、平均値は、ハイヒール85.0%、スニーカー50.3%であり、両者に危険率5%で有意な差が認められた。日常的にハイヒールを着用している被験者についても同様の傾向であった。自覚疲労調査結果でも、ハイヒール着用時の実験後において、疲労の訴え頻度が高かった。
  • 物部 博文, 村山 雅己, 生野 晴美, 中橋 美智子
    セッションID: 2Ba-9
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    目的】消防服をはじめとする密閉型の衣服では、衣服内気候の換気が少ない。そのために潜熱放熱が抑制され、活動に伴う代謝熱を人体に蓄熱させる傾向にある。事実、気温の高い真夏に出動した消防隊員が熱中症で倒れる事故も発生しており、早急に解決する必要のある課題である。だが、ヒートストレスへの対応策は様々な角度から検討されているものの、未だ有効な方法は開発されていない。我々は、消防服に代表される密閉型防護服のヒートストレス問題を解決することを目的とし、電池駆動によるファンにより衣服内気候の換気を促進する方式を開発し2002年に特許申請を行った。本実験では、実用を目指した具体的な換気量等のシミュレーション、着用実験と他対処法との比較実験を行い報告する。【方法】健康な成人男性4名を対象に30℃環境下で_丸1_一般衣服、_丸2_消防服の通常着用、_丸3_冷却剤を用いた体幹部冷却、_丸4_自然換気補助方式(電動ファンで衣服内飽和水蒸気を衣服外空気と置換し、生体の発汗を補助する方法)、_丸5_頭部の温度抑制(保冷剤を用いた冷却と空冷)について被験者実験を行い、熱平衡方程式を用いて検討した。【結果と考察】冷却剤を用いることにより部分的に冷却効果が認められたが、他部位の皮膚温上昇が認められ、さらに被験者に不快感を伴うなどの問題点も認められた。これは冷却面の血管収縮が生じ、熱放散が妨げられることが原因であると考えられた。ここから推測すると冷媒を用いて冷却空気を送風する方法なども、冷却空気が拡散されなければ同様の弊害を生じる可能性があると考えられる。一方、換気システムでは、熱平衡方程式を用いて予測した程度とほぼ同様の効果が認められ、また、冷却のような問題点も認められなかったので簡易換気システムとして実用開発の可能性があると考えられた。ただし、ヘルメットを着用する頭部に熱が集中するのでヘルメット対策は課題となった。
  • 田畑 武夫, 冨岡 和子, 岩阪 由位子, 篠原 寿子
    セッションID: 1Ca-1
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    【目的】長期間保存可能な乾燥きのこは、水戻し後特有な香りとテクスチャーを有しスープ等の料理に汎用されている。シイタケおよびヒラタケは現在、原木と菌床による栽培が行われているが、これらの栽培法の違いがキノコの食味にどのように影響するかについては検討されていない。本研究では、原木と菌床栽培した乾燥シイタケおよびヒラタケの官能検査による差異を比較検討した。
    【方法】供試菌のシイタケ種菌は_(株)_北研600号をヒラタケ種菌は_(有)_大貫菌蕈のH2号をそれぞれ用いた。クヌギ原木とそのオガクズを調製し常法により培養・栽培した。発生した各子実体を採取し、50-60℃で70時間乾燥後砕粉した。その5%濃度水溶液を試料とした。官能検査は、神戸女子大学家政学部3年生96名中、5基本味(甘,塩,酸,苦,うま味)の識別試験で4味以上の正解者をパネルとし実施した。評価方法は、2点嗜好試験法および7段階評点法を用いた。統計処理は、P=1/2の2項分布・両側検定とt-検定により解析した。
    【結果】(1)2点嗜好試験法では、菌床栽培シイタケが色,香り,うま味および総合評価について原木栽培より有意に好まれた。ヒラタケは、香り,旨味,総合評価については原木栽培と菌床栽培の両者の間に有意な差は認められなかった。(2)7段階評点法では、菌床栽培シイタケは2点嗜好試験法と同様に原木栽培シイタケよりも有意に高い評価であった。ヒラタケでは、香りおよび苦味の好ましさと総合評価は原木栽培と菌床栽培の両者間に有意な差は認められなかった。(3)原木栽培と菌床栽培したシイタケはその窒素含量が異なることによる成分の影響が示唆された。
  • 庄司 一郎
    セッションID: 1Ca-2
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    【目的】現在、一般に用いられている米の食味検定には官能検査法があり、炊飯米の外観、味、香り、粘り、硬さおよび総合評価で判定されている。この方法は食味を総合的に評価する最も基準的な方法であり、項目別に評価が得られるという利点もあるが、多くのサンプル量とパネリスト、試験時間を必要とするという問題点もある。そこで、味度メーター値(味度値)およびラビット・ビスコ・アナライザー特性値(RVA)と食味官能検査の関連を調査し、良食味系統選抜への利用を検討した。
    【方法】供試米は、福島県農業試験場(郡山市)で2000、2001年に水稲育種における生産力検定試験に用いた11系統および比較品種として食味総合評価が上の中(コシヒカリ、ひとめぼれ、まなむすめ)、上の下(はたじるし、あきたこまち、初星、チヨニシキ)、中の上以下(まいひめ、アキヒカリ、トヨニシキ、農林21号)の11品種を用いた。
    【結果】味度値、RVA特性値のコンシステンシーは食味官能検査との相関が高く、遺伝力が高かった。食味の優れた品種、系統の特性を総合的に判断するために、味度値、RVA特性値の相関行別をもとに主成分分析を行った。第1主成分は、最低粘度、最終粘度、コンシステンシー、味度値の4特性と関わりが深い因子であり、炊飯米の老化性を表すと考えた。第2主成分は、最高粘度、ブレークダウンの2特性と関わりが深い因子であり、炊飯米の膨潤性、崩壊性を表すと考えられた。良食味品種であるコシヒカリは、炊飯米の老化性が低く、膨潤性、崩壊性が高いことが認められた。これらのことから、良食味系統を選択する場合において、味度値およびRVAの利用は有効であることを認めた。
  • 黒林 淑子, 河野 恵美, 森光 康次郎, 久保田 紀久枝
    セッションID: 1Ca-3
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    目的 セロリはコンソメスープを調製する際、よく用いられる香味野菜のひとつである。セロリは目的とする風味により、葉・茎部が使い分けられることがある。本研究ではセロリの部位別の香気組成を調べ、それらがスープ風味に与える影響を検証し、調理における使い分けの意義付けを試みた。
    方法 セロリの葉・茎部はそれぞれ水系で加熱後、水相をエーテル抽出し、SAFE(Solvent Assisted Flavor Evaporation)蒸留装置を用い揮発性成分を捕集し、GC、GC/MS、GC/O測定に供し、成分の分析を行った。一方、動物性素材のみでチキンブロスを調製し、水蒸気蒸留法により得られたセロリの葉・茎部の煮熟香気を添加し、その風味について官能評価を行った。
    結果 セロリ香気を加えたチキンブロスは添加前に比べ、大きく風味が改善された。その際、葉と茎では風味改善効果の特性に若干違いが認められた。セロリ特徴香に関与する主要成分として3-butylphthalide (1)、Sedanenolide (2)、Sedanolide (3)などのフタライド類が同定されたが、葉中には茎に比べ、特にSedanolideが多く見出された。フタライド(1)および(2)を単独でブロスに加えた場合の効果を評価したところ、種類により風味に与える影響が異なっていた。このことから葉と茎におけるフタライド類の組成の違いが、出来上がったスープの風味の差に影響を及ぼすのではないかと考察された。
  • 吉岡 慶子, 福地 乃理子, 横山 次郎, 戸渡 資英
    セッションID: 1Ca-4
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    【目的】スポンジケーキの膨化は生地の中に混ぜ込まれた卵泡が包含する空気の熱膨張や水蒸気の蒸気圧によってスポンジ状の骨格が形成され、固定されるもので、ケーキの性状を左右する。本研究では、2種類の鶏卵を用い、スポンジケーキを調製(共立て法、別立て法)し、スポンジの膨化や物性測定、気孔構造の観察および官能評価を行い、食味に及ぼす影響について検討した。
    【実験材料および方法】使用卵はヨード強化鶏卵(A)と白色レグホーン鶏卵(B)で、産卵後2、3日経過、卵黄係数:0.49-0.50、濃厚卵白率:74.16-62.71%、卵白のpH8.8-8.9、卵黄のpH5.9の新鮮卵であった。ケーキの材料配合は小麦粉:砂糖:卵=100:100:100の同割合とし、共立て法(A1、B1)は全卵に砂糖を加え、ハンドミキサー(MK-H3)で泡立て、小麦粉を加えて混ぜて生地を調製した。別立て法(A2、B2)は卵白を泡立て、別に、卵黄に砂糖を混ぜて合わせ、小麦粉を加えて混ぜ生地を調製した。170℃、27分間焼成した。ケーキの表皮、内相の測色、膨化率、物性値測定およびSEMによる気孔構造を観察した。ケーキの食味は外観、風味・味、口ざわり、きめ、硬さ、弾力、口溶けのよさおよび総合評価の項目について5段階評点尺度法で官能検査を行った。
    【結果および考察】スポンジケーキの膨化率は共立て法(A1、B1)325、310%であり、別立て法(A2、B2)では300、311%であった。テクスチャー測定による硬さは共立てではA1、別立てではB2が若干高値を示した。ケーキの気孔構造の形成は、共立てでは、球状の気孔が連続し、気泡が合一して破泡せずに膨張したスポンジ状構造が観察され、気孔壁には小孔が認められた。別立てでは全体的に気孔が小球化し、一部には気孔層の崩壊もみられた。官能検査では、表皮の焼き色、内相の色でA1とB1がよいとされ(p<0.05)、また、A1、B1間では卵のよい風味・味があるとA1が評価された(p<0.05)。総合評価ではA1、A2、B1、B2の順に評価された(p<0.05)。よって、Aの鶏卵が比較的良好な食味評価を得たことはケーキの物性値や気孔構造の所見を反映するものであった。
  • 加藤 保子, 間脇 瞳
    セッションID: 1Ca-5
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    目的:大豆に含まれる機能性成分を無駄なく使い、更に機能性を向上し,常食可能な加工食品を調製するために、テンペ菌次いで乳酸菌で発酵させ,抗酸化性を測定した。若者及び高齢者の便秘実態を調査し、調製した乳酸発酵食品の摂取による排便状況の改善効果について検討した。方法:大豆からテンペを作成し、これに水を加えフードプロセッサーで滑らかなペーストにしたものを滅菌し、グルコース、ペプチダーゼRを加えよく攪拌し、乳酸菌を接種後、pH4.8前後まで発酵させた。抗酸化能は発光試薬(MPEC)を用いて測定した。大学生128名(男女各64名)、高齢者125名(男63名、女62名)施設利用者35名(男6名、女29名)を対象に、便秘に関するアンケート調査を行った。女性11名(年齢20_から_22歳)に乳酸発酵食品80gを1週間摂取してもらい、摂取前、摂取中、摂取後1週間の排便状況を記録してもらった。なお、実験期間中の食事制限は行わなかった。結果:大豆は、テンペ菌次いで乳酸菌を用いた二段階発酵によりタンパク質が低分子化された加工食品となった。この乳酸発酵食品は、pH4.75で乳酸菌数6.2×108/mlとなり、ヨーグルトの定義の乳酸菌数107/ml以上を満たした。大豆、テンペ、乳酸発酵食品の抗酸化能を比較すると、大豆及びをテンペにすることで抗酸化能が約1.5倍に増加した。若い女性、施設利用者の女性に便秘が多いこと、また元気な高齢者と施設利用者の排便状況にも有意に差がみられた。乳酸発酵食品の摂取により、排便回数は平均2.2回/週から平均4.2回/週へ有意に増加した。従って、この乳酸発酵食品は、抗酸化能及び便秘改善の効果をもつ食品となったことが示唆された。
  • 池田 昌代, 加藤 みゆき, 長野 宏子, 阿久澤 さゆり, 大森 正司
    セッションID: 1Ca-6
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    目的 東南アジア各地で伝統的に継承され食されている発酵米麺について、製造方法や製造過程に関与している微生物が、米の成分にどのように影響しているか報告してきた。今回は、カンボジアにおける発酵米麺の一般成分及び微生物の普遍性について検討したので報告する。方法 2004年8月に、カンボジアの各地で、発酵米麺に関する聞き取り調査及び試料採取を行った。発酵工程中の微生物は、現地にてペトリフィルム(住友3M)を用い、好気性菌、カビ・酵母、乳酸菌数等の測定を行った。原料米及び発酵米麺等の試料は、現地にて常温乾燥後持ち帰り磨砕後80メッシュに調製した。一般成分は、(水分、灰分、粗タンパク、粗脂肪)、アミノ酸、有機酸の分析を行った。また、SDS-PAGEでタンパク質の挙動を確認した。結果 製造過程における微生物は、いずれの地域の試料にも107_から_108cfu/gの乳酸菌が存在し、これまで調査を行ってきた国々の発酵米麺と同様に、発酵工程での乳酸菌の関与が示唆された。カンボジアで採取した原料米の一般成分は、灰分0.23% _から_0.27%、粗脂肪0.17% _から_0.72%、粗タンパク1.67% _から_ 3.61%であり、東南アジアの各地で採取してきた原料米より少ない値であった。また、製麺することにより、粗脂肪が著しく減少していた。総遊離アミノ酸量は、浸漬米、シトギ塊の時に顕著な増加がみられ、米を浸漬する工程で、原料米にみられない乳酸が検出された。SDS-PAGEによる、タンパク質の挙動では、製造工程を経るごとに、タンパク質が低分子化されていることが確認できた。
  • 濱谷 亮子, 成松 泉, 飯塚 美和子
    セッションID: 1Ca-7
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    [目的] シュウ酸の生体内での働きは未解明な部分が多い。また緑茶はシュウ酸を含む食物としても知られているが、そのシュウ酸含量、特に近年消費量を伸ばしているペットボトル緑茶飲料のシュウ酸含量についての報告は少ない。本研究ではHPLC (島津LC-10A、カラム: Develosil RPAQUEOUS-AR-5) を用いてペットボトル緑茶飲料のシュウ酸含量を測定した。さらに急須から入れた緑茶、各種飲料についても定量し、飲料から摂取するシュウ酸量を検討した。
    [方法] HPLC分析により、特定保健用食品など機能性飲料を含むペットボトル緑茶飲料18銘柄、ブレンド茶2銘柄、ほうじ茶、烏龍茶、紅茶、グアバ茶、コーヒーの各種既製清涼飲料、ドリップコーヒー、及びティーバッグ紅茶浸出液中のシュウ酸含量を定量した。
    [結果] シュウ酸含量は、ペットボトル緑茶飲料で34_から_103mg/lであった。また茶葉浸出液中のシュウ酸含量は1煎目で平均226mg/l、2煎目で平均79mg/lであり、全銘柄で1煎目が高値だった。さらに、紅茶、ブレンド茶など、その他の飲料にもシュウ酸が含まれていた。今後も食品から摂取するシュウ酸量の検討とともに、シュウ酸の生体内での作用解明が望まれる。
  • 稲垣 麻奈美, 内田 七恵, 西山 一朗
    セッションID: 1Ca-8
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    [目的]キウイフルーツやサルナシ果実に含まれるクロロフィルやカロテノイドは,果肉の特有の色調に寄与するばかりではなく,ビタミンや抗酸化性物質などの機能性成分としても重要である.本研究では,緑色系および黄色系キウイフルーツならびにベビーキウイ果実に含まれるこれらの色素を定量し,比較を行った.[方法]緑色系ならびに黄色系キウイフルーツとしてヘイワード種ならびにホート16A種(ゼスプリ・ゴールド)を,また,サルナシとしてAnanasnaya種(ベビーキウイ)を用いた.いずれも市販の適熟期果実を剥皮し,可食部から冷アセトンにより色素を抽出した.この試料を,ODSカラムを用いたHPLC法により分析し,それぞれの色素を定量した. [結果]それぞれのクロロフィル,ルテインおよびβ-カロテン濃度は,1.58 mg/100g,402 μg/100g および84 μg/100g(ヘイワード),0.07 mg/100g,155 μg/100g および66 μg/100g(ホート16A),3.88 mg/100g,762 μg/100g および285 μg/100g(Ananasnaya)であった.すなわちホート16A種では,いずれの色素濃度もヘイワード種に比較して低く,一方Ananasnaya種ではいずれも高いことが示された.この結果は,ベビーキウイがルテインやβ-カロテン等の優れた供給源であることを示した.また,ヘイワード種の個々の果実に含まれるクロロフィル,ルテインおよびβ-カロテンの濃度には,相互に強い正の相関性が認められた.この結果より,果肉の緑色が濃い果実ほど,ルテインやβ-カロテン等のカロテノイドも豊富であることが示された.
  • 水野 時子, 門間 守, 山田 幸二
    セッションID: 1Ca-9
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    【目的】演者らは、先に大豆の調理加工の前処理として行う水浸漬により、血圧上昇抑制作用を有するγ-アミノ酪酸(GABA)が特異的に増加する事や、大豆もやしは他の大豆製品に比べGABA含量が特に高い事などを報告した。大豆は様々な形で加工利用されている事から、大豆の調理加工操作によってGABAを富化し第三次機能を向上させる事を目的とし、市販の大豆もやしの生育過程における遊離アミノ酸、特にGABAの変動を検討した。〈BR)【方法】試料には宮城県のもやし製造元より譲与された大豆もやし原料種子(国産、米国酸、中国産)と大豆もやし生育過程中の発芽種子を用いた。もやしは国産、米国産原料大豆を水温22℃で40分、中国産原料大豆を水温17℃で5分間水浸漬した後、室温20_から_24℃、暗所で6時間毎に散水し6_から_7日育成させた。一般成分を常法により、遊離アミノ酸組成を日立L-8500形高速アミノ酸自動分析計を用い、生体液分析法で分析した。<BR〉【結果】原料大豆種子(乾物)の遊離アミノ酸総量は国産、米国産原料大豆に比べ中国産原料大豆で低値であった。3品種とも遊離アミノ酸総量は発芽日数の経過とともに増加し、GABA含量は発芽6_から_7日で国産種子もやし322.0mg、米国産種子もやし210.8mg、中国産種子もやし267.8mgで原料大豆種子の43.4倍、17.8倍、34.2倍であった。発芽6_から_7日のGABA含量は、成長部に対し子葉部で国産種子もやし1.9倍、米国産種子もやし1.2倍、中国産種子もやし2.3倍で、成長部に対し子葉部での含量が高かった。大豆もやし生育過程における一般成分、遊離アミノ酸の動向は原料大豆の産地による違いは見られず、特に3品種の原料大豆とももやし生育過程によりGABA含量は増加した。
  • 磯部 由香, 成田 美代, 安見 真帆, 山村 豊裕
    セッションID: 1Ca-10
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    乳酸菌は近年、様々な機能性を持つことが明らかになってきており、この働きはプロバイオティクスと呼ばれている。本研究では、新規プロバイオティクス乳酸菌を検索するため、発酵食品から分離した菌について、生きて腸管内に到達する可能性について検討を行った。乳酸菌の分離にはGYP平板培地を用いた。酸耐性試験は、pHを2、2.5、3に調製した培地に、分離した菌株の前培養液を接種し、3時間培養後、平板培地にて生菌数を測定した。人工胃液耐性試験は所定のpHに調節後、ペプシンを添加した培地に、各菌株の前培養液を接種し、3時間培養後、平板培地にて生菌数を測定した。人工胆汁液耐性試験は、胆汁末を各濃度添加した培地に、各菌株の前培養液を接種し、18時間培養後、濁度を測定した。(1)様々な発酵食品から分離した乳酸菌について耐酸性試験を行った結果、イカキムチから分離された菌のうち、6株はpH2まで耐性を示した。人工胃液耐性試験および人工胆汁液耐性試験においては、上記6株について行った。(2)6株はいずれもペプシンを添加しても、pH2までの耐性が確認された。(3)6株は胆汁末濃度に依存して菌数が減少したが、胆汁末0.3%における耐性は対照の約90%であり、既報の菌株と比較して、非常に高い耐性であった。(4)以上の結果より、人工消化液耐性を示すことが確認された菌株について同定試験を行った結果、Lactobacillus属の同種の菌であると同定された。
  • 横井川 久己男
    セッションID: 1Ca-11
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    (目的)腸管出血性大腸菌O157の高い病原性は、胃の酸性バリアーを容易に通過できる酸耐性と高いベロ毒素生産性に起因すると考えられる。前者の酸耐性については、食品中での増殖温度を低下させることが酸耐性の低下に有効であることを既に報告した(1)。後者のベロ毒素生産については、抗生物質の使用が本病原体のペリプラズム空間に存在するベロ毒素を細胞外へ放出させる場合があることや、抗生物質がベロ毒素遺伝子を活性化する場合があること等が報告されているが、ベロ毒素生産を有効に抑制する物質に関する報告はほとんどない。本研究では、ベロ毒素生産に対する香辛料の影響を検討した。(方法)大腸菌O157はLB培地を用いて培養し実験に使用した。2種類のベロ毒素(VT1とVT2)は、抗ベロ毒素抗体で感作したラテックス粒子を用いた逆受身ラテックス凝集反応により、それぞれ測定した。各種香辛料は70_%_エタノールによる抽出液として使用した。(結果)本病原体の増殖や生細胞数に影響を与えない濃度で香辛料抽出液を使用して、VT1とVT2生産量を低下させる香辛料を検討した結果、オールスパイス抽出液にVT1とVT2の両者の生産量を抑制する作用がみられた。有効成分を分離して同定した結果、オイゲノールであることが判明した。大腸菌O157を30℃で24時間培養した時に生産されるベロ毒素量は、VT1とVT2共に、オイゲノール10 ppmの存在でほぼ半減した。また、培養温度を15℃以下に低下させると、ベロ毒素生産量は著しく減少することも判明した。(1) Yokoigawa et al., Acid tolerance and gad mRNA levels of Escherichia coli O157:H7 grown in foods. Int. J. Food Microbiol., 82, 203-211 (2003)
  • 原田 和樹, 山内 富夫, 福田 奈未, 牧野 義雄, 安藤 真美, 永塚 規衣, 長尾 慶子
    セッションID: 1Ca-12
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    目的 我々は、食品、特に醤油が持つ抗酸化能を、電子スピン共鳴装置(ESR)を用いたヒドロキシラジカル捕捉活性能やケミルミネッセンス(化学発光)法を用いたペルオキシラジカル捕捉活性能を指標として報告してきた1)。今回は、活性酸素に攻撃される側のDNAに注目して、脱塩基部位、すなわち脱プリン・脱ピリミジン部位(APサイト)を持つDNAを用いた食品の新しい抗酸化能測定法を報告する。
    方法 アッセイ系としてのDNAは鮭精子を使用した。APサイトの検出は、APサイトをビオチン化し、更にそのビオチンを酵素で修飾して発色させる系を用い、APサイトの定量は、検量線から行った。ヒドロキシラジカルを発生させるフェントン反応は、8.8mM過酸化水素水と1.0mMの硫酸鉄を用いた。なお、本実験に際しては、同条件でESRを用いた実験も行い、ラジカル捕捉率とIC50値も算出している。
    結果 コントロールDNAにおけるAPサイト数は100kbpあたり10.6個であったが、ヒドロキシラジカル損傷を起こしたDNAのAPサイト数は42.4個であった。ヒドロキシラジカル損傷時に醤油添加の鶏煮こごりが存在するとAPサイト数は34.3個に減少した。この時の損傷防御率は25.5%であった。また、ラジカル捕捉率は99.0%であり、IC50値は1.1%であった。この事は、醤油添加の鶏煮こごりが、ラジカル捕捉活性能を示すだけでなく、DNA損傷の防御機能を持っている事も示唆した。更に、本実験法がさまざまな食品の新しい抗酸化能測定法になる可能性を示している。
    [文献] 1) M. Ando and K. Harada et al.: Int. J. Mol. Med., 12, 923-928 (2003).
  • 湯浅(小島) 明子, 亀井 正治, 湯浅 勳
    セッションID: 2Ca-1
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    【目的】ニンジン葉は、根の部分に比べて栄養価が高く微量栄養素も豊富に含まれているのにもかかわらず、一般的に食用とされずに廃棄物として処理されている。ニンジン葉は、ルテオリンやアピゲニンなどのフラボノイドが配糖体の形で含まれており、これらのフラボノイドは、抗ガン作用やフリーラジカル捕捉能などの様々な生理作用を有することが報告されている。しかし、ニンジン葉の生理作用についての報告はほとんど見当たらない。そこで、本研究では、ニンジン葉の抗ガン作用について検討した。【方法】ガン細胞としてエールリッヒ腹水ガン細胞を用いた。ニンジン葉の乾燥粉末を有機溶媒(エタノール、クロロホルム、酢酸エチル、ブタノール)で分画し、凍結乾燥したものを実験に供した。細胞増殖能、細胞生存率および細胞周期を測定した。【結果】ガン細胞の増殖は、ニンジン葉の各抽出画分を添加することによって時間および濃度依存的に抑制された。細胞生存率に対する各抽出画分の影響を調べたところ、クロロホルム抽出画分は細胞生存率を時間および濃度依存的に抑制した。また、酢酸エチル抽出画分は細胞生存率を時間依存的に低下した。しかし、ブタノール抽出画分における細胞生存率は全く変化しなかった。さらに、これらの抽出画分の細胞周期におよぼす影響を調べたところ、ニンジン葉の各抽出画分は細胞周期をG2/M期(細胞分裂準備期/分裂期)で停止させた。【結論】ニンジン葉抽出物はガン細胞の増殖抑制効果を有することが認められた。そのメカニズムとして、細胞周期のG2/M期の停止が誘導されたことから、ニンジン葉抽出物は細胞分裂を阻止することによってガン細胞の増殖を抑制することが示唆された。
  • 竹山 恵美子, 福島 正子, 小坂 愛子, 松本 孝
    セッションID: 2Ca-2
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    <目的> 近年Alの有毒性が注目されており,アルツハイマー病・ALS(筋萎縮側索硬化症)・パーキンソン病等との関連性が議論されている。一方食物繊維には金属イオンを結合し排泄する作用があり,有害金属の蓄積を軽減する効果が期待されるが,実際には共存する各種金属イオンの影響を受けると考えられる。そこで食物繊維のAl結合能について,必須金属であるFeイオンおよびCa,Kの影響について特に濃度の点から検討した。〈BR〉<方法> 食物繊維には試薬として市販されているアルギン酸,キチン,キトサン10,キトサン1000およびProsky法で抽出したものを用いた。AlおよびFeイオンは0.2mol/硝酸,Caイオンは0.1mol/硝酸に溶解した化学分析用標準液(1000ppm),Kイオンは特級KCl試薬を溶解して用いた。金属イオンは試料に添加後,37℃で1時間振盪した。次いでNo.5Cの濾紙で吸引濾過後,濾液を一定量に定容したものを原子吸光光度計で測定し,結合量を求めた。〈BR〉<結果> AlとFeを1:1で食物繊維に添加した場合,AlとFeを各々単独で添加した時に比べ,Feでは食物繊維との結合量がやや減少した。またAlに比べてFeの結合量が多かった。Alに対しFeの割合を1:2,1:3,1:6,1:10と増加させると,Feの結合量はほぼ比例して増加した。一方,AlとFeの他に,KやCaを添加すると,Al,Feの結合量は影響を受けたが,それらの存在比率の違いによっても結合量は異なることが認められた。またその影響はCaよりKの方がわずかに大きかった。〈BR〉
  • -全口腔法とろ紙ディスク法の比較-
    小林 三智子, 岡田 幸雄, 戸田 一雄
    セッションID: 2Ca-3
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    【目的】閾値はヒトの味覚感受性を表す基本的な指標となるが、測定方法や定義の方法などにより大きく変動する。また、データの解析も測定者により採用する手法が異なるために、文献値にもばらつきがあり閾値の相互比較は難しい。そこで、本研究では5基本味の閾値測定法について検討した。
    【方法】5基本味の溶液は、甘味(スクロース)、塩味(塩化ナトリウム)、酸味(酒石酸)、苦味(硫酸キニーネ)およびうま味(グルタミン酸ナトリウム;MSG)とした。19_から_21歳の健康な女子を対象とし、閾値は、全口腔法と舌の部位別感受性の測定にも用いられるろ紙ディスク法(直径6mmの円形ろ紙)によって求めた。全口腔法は、上昇系列の3点識別試験法を用い、ろ紙ディスク法では直径6mmの円形ろ紙を用い、舌の4部位(舌尖左右と舌縁後方左右)についてそれぞれ閾値を求めた。
    【結果】ろ紙ディスク法と全口腔法で求めた5基本味の認知閾値は、甘味は80と20mM、塩味は320と10mM、酸味は20と1.56×10-1mM、苦味は1.95×10-2と1.52×10-4mMおよびうま味は2560と5mMであった。閾値の比較を行なう場合には、測定法や条件を統一しなくては相互比較が困難であることが示された。また、うま味はろ紙ディスク法では感知が難しく、他の4味はろ紙を舌に載せたときに味を直ちに感じるが、うま味はろ紙を取り除いて始めて味を感じ、後味がいつまでも残るという特徴的な味であることが示された。
  • 田尾 早奈英, 田中 伸子
    セッションID: 2Ca-4
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    【目的】 単純脂質は、食品の第一次機能である効率の良いエネルギー源として食品・栄養学的見地から幅広い研究が進められてきた。しかし健康への関心が高まる現在、生理作用と密接に関連する第三次機能因子としての複合脂質が注目を浴びつつあるが、その報告は限られている。そこで本報では、食材として幅広く活用され且つ特異的な脂肪酸組成を持つ魚類を用い、複合脂質のうち糖脂質についてその構造の特徴を明らかにしたので報告する。【方法】 複合脂質の報告がほとんど見られない、魚類マアジ6尾(アジ科,学名;Trachurus Japonicus,平均体重122.14±6.95g)を試料として用いた。生体組織の中で糖脂質を高濃度に含む脳に注目し、全脳(総重量;1.52g)から粗脂質を抽出した。すなわち、分子内に親水基を持つ複合糖脂質も抽出するために、Svennerholm法(クロロホルム:メタノール:水=4:8:3)を用いた。得られた粗脂質はそれぞれのグループに分離精製するため、DEAE- Sephadex A-25やIatrobeadsを用いたカラムクロマトグラフィー、およびアセチル化を行った。糖脂質画分は、薄層クロマトグラフィー(TLC)で確認後、デンシトメーターで定量化した。単離した中性糖脂質のセラミドモノへキソシド(CMH)については、その構成糖や構成脂肪酸をガスクロマトグラフィー(GLC)で分析した。【結果】 マアジ全脳の体重に対する比率は0.20%で、既に報告したマイワシ(0.17%)、アユ(0.07%)、カレイ(0.05%)と比べて高かった。GLCの結果から、マアジ脳CMH(TLC上でダブルバンド)の構成糖は100%ガラクトースであり、構成脂肪酸は炭素鎖24の不飽和脂肪酸が主要脂肪酸で、全体の61.1%を不飽和脂肪酸が占めており、動物種による差異が認められた。
  • 中川 泰代, 大澤 真由美, 山口 直彦
    セッションID: 2Ca-5
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    目的 現在多くの野菜及び果実チップスが上市されているが、その素材の全フェノール量とチップスの酸化安定性との関連に興味を持ち、本実験を行った。方法 _丸1_野菜及び果実チップスは5社の製品(40点)を小売店で購入した。_丸2_全フェノール量はFolin-法で測定した。_丸3_使用されたフライ油の同定はガスクロマトグラフにより脂肪酸を測定し求めた。_丸4_チップスの酸化度は過酸化物価(POV)を酢酸・イソオクタン法で測定した。_丸5_野菜、果実抽出液のリノール酸に対する抗酸化性は含水系で測定し、POVはロダン・鉄法で求めた。_丸6_チップスの試作は、素材の水分量を20_から_30%の範囲内に乾燥し、180℃でフライした。_丸7_保存試験はナイロン系透明フィルムとAl-蒸着フィルム(各々全光線透過率:2.05及び0.33)に充填密封し、明所常温保存試験を中心に行った。結果 _丸1_市販チップスは全製品共に部分印刷された透明プラスチックフィルムで包装されており、フライ油は殆どがパーム油系であった。分析したチップス40点中、POVが50を超える製品が6点あった。主な市販チップスのPOVはインゲン豆42.8±37.4、れんこん27.0±26.5, にんじん24.8±11.5等となっている。_丸2_素材の野菜、果実の全フェノール量を測定した結果、ごぼう:220、れんこん:206、りんご(ふじ):119mg/100gなどに多く含まれ、インゲン豆、にんじんなどは30mg/100g以下であった。_丸3_これら抽出液の抗酸化性はごぼう及びれんこんには強い効力が認められたが、りんごの抗酸化性は弱かった。_丸4_試作したチップスの保存試験の結果、全フェノール量の多いれんこん、ごぼうの酸化安定性が最も優れていた。
  • 安藤 真美, 杉本 奈穂, 神田 知子, 山根 昭彦
    セッションID: 2Ca-6
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    【目的】野菜類は鮮度の良さが歯ごたえなどの嗜好性によく反映される半面,一般に短期間の貯蔵でも様々な品質の劣化をおこすため,貯蔵の際には温度を低く保つことが重要である。近年,低温貯蔵法に『氷温』の概念が導入された『氷温貯蔵法』が注目を集めつつある。『氷温貯蔵法』で期待される効果には,主に高鮮度保持・高品質化・有害微生物の増殖抑制の3つが挙げられている。そのため,この方法を有効に活用できれば,野菜類に新たな付加価値をもたせられる可能性も含め,野菜類の利用に大きな発展性が期待できる。
    そこで今回は,生食する機会が多く,しかも高い鮮度が要求される野菜であるトマトについて,氷温貯蔵の有効性を調べた。
    【方法】材料には市内量販店にて購入した山口県産のトマトを使用した。貯蔵温度は,常温(25℃),冷蔵(5℃),氷温(_-_1℃)とし,それぞれの温度にて28日間貯蔵した。貯蔵期間中,1週間毎に各試験区の4_から_6個用いて重量,糖度,物性,光学顕微鏡による組織観察,ビタミンCの定量,抗酸化能を調べ,貯蔵温度の影響について比較・検討した。
    【結果】氷温で貯蔵することにより,重量の減少が抑制させた。また,細胞壁の構造がより長時間維持され,結果的に物性の保持期間が長くなった。さらに,糖度においては常温では21日目以降減少したのに対して,氷温では逆に増える傾向にあった。抗酸化能はいずれの試験区も貯蔵期間の延長と共に増加した。
    以上の結果より,トマトを氷温貯蔵することで重量の減少や細胞壁の破壊の抑制,糖度や抗酸化能の増加が認められ,保存性の向上と高品質化が同時に実現された。
  • 竹内 若子, 辻原 命子, 升井 洋至
    セッションID: 2Ca-7
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    (目的) 活性酸素やフリーラジカルによる細胞障害や生活習慣病の予防策として抗酸化ビタミン類に加え植物性食材中のルチンやフラボノイドなどのポリフェノール成分が注目されている. 本研究では健康増進の効果を期待されて, 近年栽培の盛んとなっている新葉菜類や新たな品種ナス(トゲなし)からの機能性成分とその有効性について調べ, 若干の知見が得られたので報告する.(方法) 新葉菜類(スクマウイキ,ケール,プチヴェール)ならびに新品種のトゲなしナスを試料とした(提供:愛知県東三河農業研究所). これら食材中のポリフェノール(PP)量はフォーリンデニス法で, アスコルビン酸(AsA)はヒドラジン比色法, ミネラル類は乾式灰化後, 1_%_塩酸溶液とし, 原子吸光法(Zn)・バナドモリブデン酸吸光法(P)等により分析した. 抗酸化性の評価は, DPPHフリーラジカル捕捉活性およびスーパーオキシドアニオンラジカル消去能(発光法)により比較検討した. ラットの胃内ゾンデ法により葉菜類中のPP成分の血中への吸収効率についても調べた.(結果) 現在, 主に青汁原料として活用されている新葉菜類はキャベツ等よりもPP量, AsA量ともに多く, Ca, Zn等のミネラル成分も他の葉物に比べ顕著に高いことが認められた. ラットの胃内への投与実験の結果, 比較的短時間で血中に取り込まれる可能性が示唆された. また新品種のトゲなしナスも収穫時の手軽さだけでなく, PP量が従来種(千両ナス)に比べ, 2-3倍多く含まれており, このPP量依存的に抗酸化活性も著しく高かった. このように多くの機能性成分と吸収効率の高さは血管インフラ整備へのさらなる期待が高まる食材と考えられた.
  • 広井 勝
    セッションID: 2Ca-8
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】油脂は加熱により変質を生じ易い。そのため油脂の劣化防止は大変重要である。近年、炭の活用の一つに油脂劣化防止効果が報告されている。しかし、炭の劣化防止効果は用いる炭の種類や炭化温度によりその効果が異なることも示されてきている。そこで本研究では、昨年に続き桃の種を炭にしてその効果を竹炭と比較して調べた。桃種を用いたのは、福島県は桃の産地であり消費量も多く、加工の際に大量の種が廃棄されていることから、この種の炭に油脂劣化防止効果が見られれば、資源の有効利用という観点からも重要と考えたからである。
    【方法】試料油としてキャノーラ油を使用した。実験では温度コントロールの精度の高いホットプレートを用い500mlビーカーに油脂を100gとり、桃種の炭5g(5%相当)を入れ、220℃、250℃で2時間の加熱を行い、油脂の劣化度やトコフェロール(Toc)残存率を調べた。また、同様に60℃の定温器で加熱油脂、未加熱油脂を用い、数週間自動酸化を行い、その劣化防止効果も調べた。同じ条件で竹炭についても実験を行い、その効果を比較した。
    【結果】(1)桃炭を5%添加し加熱した場合、油脂劣化防止効果が認められたが、竹炭には及ばなかった。(2)自動酸化(60℃)におていは、1週間の放置では桃炭による劣化防止効果は少なく、2週間目より効果が認められた。竹炭では1週間目より効果があり2週間ではその効果が顕著であった。(3)劣化防止効果は竹炭では800℃炭化、桃炭では1000℃炭化のものがすぐれていた。(4)加熱油脂の一部を取り、60℃の定温器に放置した場合でも、桃炭による油脂劣化防止効果が認められたが、竹炭には及ばなかった。
  • 人見 英里, 石丸 洋子, 日吉 恵美子, 角橋 明美, 安藤 真美, 山本 展久, 高野 済, 望月 聡
    セッションID: 2Ca-9
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】近年、日本においても各種ハーブが広く市販されるようになってきた。ハーブの機能性を探るという目的で、演者らはこれまでにも様々なin vitro系においてハーブの抗酸化性を評価してきた。本研究では、食品モデルにおけるハーブの抗酸化性について検討を行った。<BR>【方法】サンプルとして大分県で収穫された76種のハーブのエタノール抽出液及び14種類の輸入ハーブの乾燥粉末を用いた。抗酸化性の評価のために、ハーブのエタノール抽出液を用いてケミルミネッセンス法によってAAPHラジカル消去活性を測定した。また、食品に対する応用として、食用に供される乾燥ハーブ11種を選び、大豆油に5%ハーブを添加したハーブオイルを作成し、50℃でインキュベーションし経時的にTBA法により脂質過酸化の度合いを測定した。さらに、これまでの研究結果から強い抗酸化性を示したハーブ3種を選び、1%乾燥ハーブ添加モデルケーキを作成し、60℃にて酸化させ過酸化の度合いをPOV法にて測定した。<BR>【結果】AAPHラジカル消去活性を測定したところ、76種類のハーブのうち、62種類のハーブがコントロールと比較して50%以上のラジカル消去活性を示した。ハーブオイルでは、スウィートマジョラム、スウィートバジル、ディルが強い抗酸化活性を示した。モデルケーキにおいては、スペアミント、スウィートバジル、スウィートマジョラムの順で強い抗酸化活性を示した。<BR>以上の結果から、ハーブ類には抗酸化性を示すものが少なくなく、食品に対する抗酸化剤としての応用が期待できることが示唆された。
  • 山田 郁, 阿部 徹弥, 谷沢 善明
    セッションID: 2Ca-10
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    目的 湯飲み茶碗やコーヒーカップを繰り返し使用すると、容器の内側に茶渋が形成される。この茶渋は通常洗剤とスポンジだけでは除去するのが難しく、研磨剤や漂白剤が必要となる。茶渋の実態については明らかとなっていないため、化学組成、カルシウムイオン添加や経時に伴う構造変化を調べた。
    方法 モデル茶渋は、市販のティーバッグと東京の水道水または蒸留水を用いて抽出した紅茶溶液に磁器タイルを浸すことにより生成させた。タイル上に生成した茶渋は、一部はそのまま電子顕微鏡観察を行い、もう一部は茶渋をスパチュラで掻き取り化学組成分析を行った。
    結果 茶渋は、水の蒸発による喫水線の低下に伴いタイル表面に生成した。元素分析、IR分析の結果、茶渋の化学組成は紅茶自体のものとは異なり、カルシウムがキレートされたポリフェノール類と少量の珪酸カルシウムから成ることがわかった。SEM-EDS分析より、有機物の上に珪酸カルシウムが島状に存在する様子が観察された。また、紅茶へのカルシウムイオン添加と経時により、ポリフェノールのキレートと重合が促進されることがわかった。次に、茶渋の化学的除去方法について検討した結果、キレート剤に効果があることを見いだした。茶渋除去能は、カルシウムイオンとの錯安定度定数の順序と一致した。
  • -喫食状況から見た郷土料理の変遷-
    安藤 久子, 堀井 正治
    セッションID: 1Da-1
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    〈B〉目的〈/B〉 かつて行事の日を含めて日常喫食されていた地域を代表する郷土料理の現在における喫食や認識の程度を明らかにして,地域の食生活の特徴と変遷を掴む事を目的とする。〈BR〉〈B〉方法〈/B〉 自作の食生活調査質問票を作成〈SUP〉1)〈/SUP〉して,周防灘をとり囲む山口・福岡・大分・愛媛四県の県都と中核都市にある県立高校と公立中学に通う2年生の家庭を調査対象として食生活調査を行った。調査票の配付・回収は学校を通して行い,2_-_3週間の留め置き法で平成15年11月から12月に配付し冬休み明けに回収を完了した。各県の郷土料理は図書文献等を参考に山口県81品目,福岡県121品目,大分県95品目,愛媛県100品目を抽出し,これらの認識の程度,喫食程度と時期,行事食と日常食の区別等を問うた。〈BR〉〈B〉結果〈/B〉 有効回収部数1637部,有効回収率78.4%であった。今回は全397品目から米や小麦を原材料とした料理を主として報告する。四県共通質問項目「だんご汁」を『よく食べる』と回答した率が20%を超えたのは,福岡県柳川地区(27.0%),大分地区(35.1%),大分県臼杵地区(20.3%)であった。二県以上を対象にした設問の「ぼたもち」を『よく食べる』『時々食べる』を合わせた喫食率は95.2%(愛媛県大洲地区)から75.0%(大分臼杵地区)で現在でもよく喫食されていた。現在喫食されていないと考えられる料理を『まったく知らない』と『知ってはいるがほとんど食べない』の選択率を加算したとき90%を超える項目とすると、全県で231品目(58.2%)が該当した。その他に、地域の特色を持つ料理法や食材を用いた郷土料理の喫食状態と,最早知られなくなったものについて報告する。〈BR〉文献 1)堀井ら;第51回日本栄養改善学会学術総会講演集,p.438(2004)
  • 五島 淑子, 木村 千賀子, 安藤 真美, 神田 知子, 池田 博子, 山本 由美, 櫻井 菜穂子, 花井 玲子
    セッションID: 1Da-2
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    目的 山口県は日本海および瀬戸内海に面し,地元産の魚介類の入手が可能である。また,生活圏は沿岸部から山間部まで多様である。そこで本研究では,このような地理的な違いが消費される魚介類の種類やその料理に与える影響を明らかにすることを目的とした。
    方法 調査時期は2003年8月から11月にかけて、アンケート用紙を用い,留め置き法により実施した。対象地域および調査対象者は,阿武郡阿東町(県北東部:山間部,18名),宇部市(県中央部:瀬戸内海側,31名),大島郡東和町(県東部:瀬戸内海の島22名),大津郡油谷町(県北西部:日本海側,21名)の4地域(計92名)とした。調査内容は,消費されている魚介類の種類・入手方法・調理方法・料理名,使用する調味料などである。
    結果 1)消費される魚介類の種類には,地域による違いが見られた。これはそれぞれの地域によって魚介類の入手しやすさに違いがあるためと思われた。(2)調理方法では,どの地域でも刺身・塩焼き・煮付けが多く,地域性は調理方法に影響しないと考えられた。(3)入手方法は「購入」が多かったが,東和町・油谷町では「自給」「もらう・その他」の割合が他の地域に比べ高かった。この理由としては,両地域では漁業従事者が多いためと思われた。(4)主要5種類の魚介類(あじ・いか・いわし・えび・さば)の料理方法および,代表的な調理に用いる魚介類の種類に地域差が見られた。 なお、本研究は平成15・16年度日本調理科学特別研究「調理文化の地域性と調理科学_-_魚介類の調理_-_」の一環として行った。
  • 江間 三恵子
    セッションID: 1Da-3
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    〈目的〉近年、海藻は健康食品といわれているが、古来から海藻は日本人の食生活に深い関係のある食品である。そこで、海藻類の加工食品化の発展の時代背景とその変遷の過程を明確にし、乾燥海藻類が食文化や食生活への与える効果やその影響などを特許公報の調査によって考察する。〈方法〉乾燥食品の種類および製法、用途を特許庁公報の台帳(明治18年:1885から平成16年9月:2004までの119年間)をもとに昆布、若布、海苔、寒天などの特許公報を検索し、特許の内容から乾燥食品の種類、特性およびその製法等の特許を調査した。〈結果〉海苔に関する特許266件(44.3%)をトップに、寒天91件(15.2%)、昆布63件(10.5%)、海藻の粉末32件(5.3%)、若布29件(4.8%)ヽの順(%は総数に対する割合を示す)になり、「海苔」、「昆布」、「若布」の特許件数がやはり多い。海藻類の乾燥法に関する特許は総数614件であり海苔の乾燥法や機器/装置の改良に関する特許は圧倒的に多い。〈結論〉家庭では味つけ海苔が好まれ、外食産業ではおにぎり、海苔巻きなどが好まれている。市販製品ではふりかけ、お茶漬け海苔などが多く利用されている。海藻類は粉末化し、めん類、コンニャク、煎餅、スナック菓子などに添加しているが特許もこのような製品の開発、製造に関するものが多い。海藻類は健康食品として認識され海藻サラダなどの開発は進展しているがこれ以外の新規の食品に関する開発は遅れているのではないかと思われる。最後に日頃御指導、ご鞭撻いただいている東京農大、田所忠弘教授、鈴木和春教授、中島常雄名誉教授、相模女子大、野田艶子講師の各先生に感謝します。
  • 飯島 久美子, 小西 史子, 綾部 園子, 村上 知子, 香西 みどり, 冨永 典子, 畑江 敬子
    セッションID: 1Da-4
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    目的 年越しから正月、七草、鏡開きと、新年を祝うための行事は日々の生活の節目として古来日本各地で大切に行なわれてきた。それに伴う行事食もハレの料理として受け継がれている。しかし近年、生活様式の変化による調理の外部化、簡素化の進行は、伝統的な食習慣に少なからぬ影響を与えていると考えられる。そこで現在の年越し・正月(年末年始)の食習慣の実態を調査し、地域性との関連から行事食の変化の有無を知ることを目的とした。
    方法調査は自記式調査票により行ない、日本全国の大学・短期大学の学生を調査対象とした。2001年12月に調査票を配付、2002年1月に回収し、2608名から有効回答を得た。
    結果年越し(大晦日)に決まって食べるものは日本そばが最も多く、全国での喫食率は74.8%であった。沖縄では沖縄そばが58.8%と多く、日本そばは31.4%で、沖縄そばを年越し料理としていることがわかった。正月に食べるおせち料理の喫食率は全国平均で72.7%であり、手作りのおせち料理と市販品を合わせて利用している家庭が非常に多かった。そのうち市販のおせち料理セットは一割近くが利用していた。おせち料理の中で、最も喫食率が高いのは「黒豆」で、続いて「かまぼこ」、「数の子」、「きんとん」、「煮物」、「田作り」、「伊達巻」、「昆布巻き」、「なます」の順であった。「煮物」「なます」は手作りされることが多く、「伊達巻き」「かまぼこ」は既製品の割合が多かった。また、地域別に喫食率を比較すると「きんとん」は関東・東海で、「田作り」は東海・甲信・近畿で、「伊達巻き」は関東・甲信で特に喫食率が高かった。
  • 島村 知歩, 藤本 さつき, 池内 ますみ, 花崎 憲子, 小西 冨美子, 志垣 瞳
    セッションID: 1Da-5
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】近年わが国の食生活では、外食の日常化、中食産業の多様化や食情報伝達による食事の均一化がみられるようになってきた。そこで、家庭で主菜献立として作られてきた魚介・肉料理の手作り度・購入頻度、食品の摂取状況について、その実態を明らかにし、現場の教育に生かすためにアンケート調査を実施した。【方法】2002年11月_から_12月、東京、愛知、奈良、大阪、京都、岡山、広島、福岡の大学および短期大学14校に在籍する学生1092名の家庭における調理担当者に、アンケート調査を実施した。調査内容は、調理担当者の属性、調理時間、食品の摂取状況、魚介・肉料理の手作り度・購入頻度などであった。【結果】食品の摂取状況をみると、主食として週5回以上摂取されているものは、朝食では米が44%、パンが42%であり、夕食では米が95%であった。食品の摂取頻度は、年代や夕食の調理時間により違いがみられた。主菜となる動物性食品では、週3回以上摂取している人が卵類で84%、肉類で78%、魚介類で65%であった。家庭で作ると答えた魚介料理は、多い順に煮魚87%、塩焼き83%、鍋もの83%であり、肉料理はカレー98%、肉じゃが92%、肉野菜炒め91%などであった。購入すると答えた魚介料理は、さしみ85%、たたき53%、みそ・粕漬け35%であり、肉料理はシューマイ57%、ギョーザ49%、ミートボール49%などであった。調査対象者の50%以上が家庭で作ると答えた料理は、魚介料理よりも肉料理が多かった。
  • 神田 知子, 安藤 真美, 五島 淑子
    セッションID: 1Da-6
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    目的 味噌汁のだし汁には,かつお節,昆布,煮干し(いりこ)などが利用されるが,最近ではインスタントだしの利用が増加していると予想される。山口県は古くからいりこの生産が盛んであるため,大学生を対象に「いりこだし」と「インスタントだし」における官能評価を実施した。さらに過去(小学生時代)と現在(大学生時代)におけるだし汁の利用状況調査を行い,過去の経験が,現在の嗜好に反映されるかどうかを検討した。
    方法 いりこは山口県長門市産,インスタントだしには市販いりこだし(顆粒)を用いた。官能評価による嗜好特性は山口県立大学の学生74名をパネルとして行った。現在のだし汁の嗜好と過去・現在で利用された味噌汁だしの種類についてアンケート調査を行った。
    結果 「いりこだし(いりこ)」は浸水時間が長いほど香りが良く,生臭みが少なく,うま味が強いと評価され,「顆粒だし(顆粒)」は香りは良くないが,うまみが一番強いと評価された。「いりこ」を好む人は「顆粒」を好む人よりも,過去・現在における「いりこ」の利用率が高く,「顆粒」を好む人は「いりこ」を好む人よりも,「顆粒」の利用率が高かった。「顆粒」を好む人の中で,過去・現在も「いりこ」という人は0人で,「いりこ」を好む人の中で現在「いりこ」であるが過去は「いりこ」でなかったという人は0人であった。これらのことから,過去のだし汁の経験が現在のだし汁の好みや,利用する種類に影響を及ぼしていると考えられた。
  • 坂本 加奈, 住 正宏, 木村 敬, 宮崎 裕介
    セッションID: 1Da-7
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    (目的) チーズは種類や調理法が豊富で、栄養バランスの良い食品であるが、日本での消費量は欧米諸国と比較すると非常に少ない。本研究では、チーズについて、好きな食べ方、種類別にみたイメージ等、食生活でのチーズの位置付けや現状を調査し、チーズに対する今後の課題を考察することを目的とした。
    (方法) 調査は往復郵送による留め置き法で、2004年11月にアンケートを行い、首都圏に在住する13歳から69歳の男女を対象にして行った。チーズについて、好みや食頻度、イメージ、好きな食べ方等の質問から得られた回答について、クロス集計やコレスポンデンス分析などで解析を行った。
     (結果) チーズのイメージとして、「栄養が豊富そう」(60%)、「健康に良さそう」(57%)という意見が多く認められた。チーズの中では「6Pチーズ」と「カマンベールチーズ」は栄養が豊富そうなイメージが強く、「6Pチーズ」と「カッテージチーズ」は健康に良さそうというイメージが強かった。チーズやチーズ料理が好きと回答した人は77%であり、「よく食べる方」または「まあ食べる方」と回答した人は54%であった。また、好きなチーズの食べ方と食頻度についてチェックしたところ、チーズの食頻度が高い人ほどそのまま食べることを好む傾向が強く、他方、ピザやグラタンの好みについては食頻度とあまり関係が認められなかった。これらを含め好きなチーズの食べ方は食頻度と密接に関係していると考えられた。
  • 森政 淳子, 松下 純子, 岡山 千賀子, 永井 保子, 平田 康永
    セッションID: 1Da-8
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    小学生の身体観・ダイエット状況が食生活に及ぼす影響○森政 淳子  松下 純子  岡山 千賀子 永井 保子  平田 康永 (徳島文理大学) *本研究では,「ダイエット」を「体重を減らす努力」と定義して用いる。〈BR〉目的 本調査研究は,小学生がダイエットにどのように関心をもち,実行へつなげているのか,特に食生活への影響を子どものもつ身体観からあきらかにし,今後の小学生の食教育,健康教育のあり方を考える際の参考とすることを目的とした。その際に,子どもの居住地域,性別,年齢を分析の視点とした。方法 方法小学校の協力による無記名自記式調査    対象:徳島県県庁所在地,愛媛県島嶼地域,鹿児島県県庁所在地       鹿児島県島嶼 計4地域の小学生4年生および6年生 計937名   調査時期:2003年10月_から_2004年1月結果 (1)ダイエット状況は、性差,学年差,地域差はほとんどみられなかった。従来高学年では,女子のダイエット実施状況が健康との関わりから問題視されているが,本調査ではダイエットについての興味・関心等に性差,学年差が見られなかった。(2)身体観では,男女とも肥満児童の以上に自分のことを太っていると考えている児童が多く,女子の方が多い傾向が見られた。また,体重を減らす希望のある児童も自分を太っていると考える児童に多くみられ,これらの身体観から間食の取り方等に影響が見られた。
  • 西明 眞理
    セッションID: 1Da-9
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    目的 今日の食教育のあり方を探る上で、高等女学校における食物教育についてしらべることを目的とした。これまでにも江原らにより研究がなされているが、今回は長崎県下の一高等女学校(高等科、専攻科)における事例について検討したので報告する。方法 長崎県立高等女学校(高等科・専攻科)にて昭和初期に使用されていた教科書、『綱要家事化学』(近藤耕造・蕗澤喜芳共著、光風館書店、昭和4年発行)、『家事衛生要義』(藤原九十郎著、文光社、昭和6年発行)における食物教育の部分を抜粋し記載事項を整理。さらに教材として当時長崎県立高等女学校にて使用されたとされる[救荒植物標本100種] (島津製作所製作、県立長崎シーボルト大学所蔵)について食物としての利用を検討した。結果教科書のひとつである『家事衛生要義』の記載からは「栄養素の性状と任務、食物の消化と活用、食物需要量と標準食糧、小児の栄養、栄養不足・不給及び過剰に因する疾病、飲食物による中毒、飲食物と伝染病の汚染、飲食物と寄生虫病、食品の調理、食品の保存及び貯蔵、主要食品の鑑別法、飲料水食品の成分とその栄養価表」など今日の栄養学・食品学・食品衛生学のテキストに類似の内容が多く科学的教育が行われていたことがうかがわれた。[救荒植物100種]については多くが薬用植物として現在も利用されていた。
  • -調理学実習における製品企画授業の検討-
    粟津原 理恵, 河内 久美子, 可部野 和子
    セッションID: 1Da-10
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】短大が地域の一員として存在するために、短大生の地域に対する意識向上につながる授業を構築する意義は大きい。そこで、本学の調理科学実習で行ってきた菓子の製品企画とその製作・評価を取り入れた授業を、短大生の地域文化の認知・理解および意識の向上につながる授業へと展開するために、金沢の地場産業のひとつである金箔を取り上げ、食生活での新たな付加価値を見出すための製品企画授業の実施について検討した。【方法】本研究は本学食物栄養専攻2年生の中から被験者としてワークグループを作り実験を行った。被験者を教員の助言を伴わないグループと、定期的に実施条件と教員の助言を加えたグループに分け、それぞれの課題への取り組み方について比較した。実施期間は1ヶ月とし、1週間ごとに行動内容と金箔に関する調査結果をレポートにして提出する事とした。最終的に各グループの成果発表を行った。【結果】地域には金箔の資料館や専門店などがあるが、助言を加えないグループでは情報入手手段として終始インターネットを多用し、レポートや発表の内容に関しても地域文化に対する各自の意見が反映された報告が少なかった。これらを踏まえて助言を行ったグループでは、調査後、食用金箔使用食品の企画と製品試作、プレゼンテーションへと展開する事ができた。これにより金箔に対する理解と意識が向上する傾向がみられたが、これらの取り組みには長時間を要し、1ヶ月間での実施では学生への負担が大きい。それにはカリキュラムなどを含めた授業時数の検討を要するが、短大が地域活性化に貢献するためにも、製品企画授業を通して食生活に地域文化を取り入れることは効果的であると考える。
  • 宮下 ひろみ
    セッションID: 1Za-1
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    目的  食教育の重要性が高まっているが、その内容と教育の場は多様性に富んでいる。食事に関する教育は家庭内や学校給食の場において繰り返し行われ、その内容はしつけ・マナー的要素と栄養的要素を合わせ持つことが考えられる。現在の食教育の実態を知り今後の食教育・栄養教育の展開に生かすため、大学生を対象とした主に家庭内で受けた食事に関する教育およびその内容のしつけ的要素と栄養的要素の認識についての調査を行った。方法 まず大学生71名に今まで受けた食事に関する教育内容を自由記述により挙げてもらい、そのなかから28項目を選び調査項目とした。各項目の内容について、しつけ的要素と栄養的要素の5段階評価および家庭内における教育頻度の3段階評価について調査票を用いて行った。対象者は本学健康栄養学科の151名、うち有効回答121名分について集計と分析を行った。結果 28項目のうち、しつけ的要素の強い項目は「箸使い」、「器を持って食べる」、「あいさつ」等、栄養的要素の強い項目は「塩分控えめ」、「調味料をかけすぎない」等、しつけ的要素と栄養的要素共に強い項目は「一日3度の食事」、「朝食を食べる」、「好き嫌いなく」「野菜を食べる」等の項目であった。項目毎の教育頻度の平均得点としつけ的要素および栄養的要素の平均得点について相関をみたところ、しつけ的要素との相関が強かった。家庭で受けた教育の頻度が高い項目はしつけ的要素が高く評価された。
  • 阿部 稚里, 池田 彩子, 山下 かなへ, 市川 富夫
    セッションID: 1Za-2
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】私達は、日常摂取しているビタミンEの約半分を植物油から摂取している。サフラワー油、サンフラワー油、オリーブ油などに含まれるビタミンEは、生理活性が最も高いα-トコフェロールがほとんどであるが、コーン油、大豆油、ゴマ油などには、α-トコフェロールよりもγ-トコフェロールが多く含まれる。そこで、本研究では、ビタミンEとしてα-トコフェロールのみを摂取した場合と、α-およびγ-トコフェロールを同時に摂取した場合の体内のα-トコフェロール濃度を、ラットを用いて比較した。【方法】ビタミンE無添加飼料を4週間摂取させたラットに、α-またはγ-トコフェロールのみを各10mg、あるいはα-およびγ-トコフェロール各10mgの混合物をそれぞれ胃内に経口投与し、8または24時間後に屠殺した。血清および組織のα-およびγ-トコフェロールを、HPLC法で定量した。【結果】α-トコフェロールの摂取によって、8時間後には血清、肝臓、肺、副腎のα-トコフェロール濃度は著しく上昇したが、心臓、筋肉、脂肪組織、皮膚などでは、24時間後でもその上昇の程度は小さかった。α-トコフェロールのみを摂取した場合と、α-およびγ-トコフェロールを同時に摂取した場合で、血清および肝臓のα-トコフェロール濃度に変化は見られなかったが、肺、心臓、大動脈などのα-トコフェロール濃度は、γ-トコフェロールの同時摂取によって有意に低下した。以上の結果から、体内のα-トコフェロール濃度は、γ-トコフェロール摂取によって低下することが明らかになり、ビタミンE同族体の摂取量によっては、ビタミンE要求量が増加する可能性が示された。
  • 山田 和, 山下 かなへ
    セッションID: 1Za-3
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    目的 脳内トコフェロール(Toc)含有量は高α-Toc食を与えても容易に増加しないことが知られているが、我々はゴマおよびゴマの微量成分であるゴマリグナン摂取により脳各部位におけるαおよびγ-Toc濃度が顕著に上昇することを明らかにしている。本研究では通常脳内にはほとんど存在しないγ-Tocとゴマリグナンを添加した飼料にて飼育した後、ゴマリグナンの脳内分布とγ-Toc濃度を調べることにより、ゴマリグナンと脳内γToc濃度上昇との関連を検討した。
    方法 3週齢のWistar系雄ラットを用いた。γ-Toc群(γ-Toc 50mg/kg飼料)、γ-Toc+セサミン群(γ-Toc 50mg、セサミン 2g/kg飼料)、γ-Toc+セサミノール群(γ-Toc 50mg、セサミノール 2g/kg飼料)、ゴマ群(200g/kg 飼料)に群分けし(n=6)、6週間試験飼料を与えた後解剖を行った。脳(大脳、小脳、海馬、その他)、肝臓、血漿を採取し、臓器、血漿中のトコフェロール、セサミン、セサミノール濃度についてHPLCを用いて測定した。
    結果 γ-Toc群において、γ-Tocは脳内にわずかしか取り込まれなかったが、セサミンもしくはセサミノールを含む群で、より多くγ-Tocは脳内に取り込まれた。さらにゴマ群(セサミン、セサミノールを含む)でセサミン、セサミノール添加群と比較してγ-Tocはさらに多く取り込まれた。セサミン群、ゴマ群の脳からセサミンが、セサミノール、ゴマ群の脳からセサミノールが検出された。
    まとめ γ-Tocとセサミンもしくはセサミノールを同時摂取させることにより、脳各部位のγ-Toc濃度が著しく上昇したこと、また、セサミン及びセサミノールが脳各部位に取り込まれていたことから、脳内γ-Toc濃度の上昇にセサミン、セサミノールが関与していることが示唆された。
  • 片山 洋子, 片山 眞之, 山本 裕子, 沢田 理恵
    セッションID: 1Za-4
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    「目的」 日本は周囲を海で囲まれた島国である。古くから海の幸をとりいれた食事が行われており、海藻は日本の伝統食品のひとつとしてよく用いられてきた。なかでもヒジキは鉄分などのミネラルや食物繊維を多く含んでいるため、現在、日本型食事の素材としても注目されている。一方、ヒ素も比較的多く含まれている。本研究は乾燥ヒジキ中のヒ素量を除去する方法を検討することを目的とした。「方法」 市販ヒジキを20倍容の超純水に1時間および6時間浸漬した。その後、ヒジキ中のヒ素含有量を放射化分析法によって測定した。なお放射化分析は京大原子炉実験所の共同利用によって行った。また、2004年5月伊勢湾沿岸から採取したヒジキについても同様の方法でヒ素量を測定した。「結果」 市販の乾燥ヒジキのヒ素含有量は146ppmであった。この値は伊勢湾から採取した試料(58ppm)よりも明らかに高かった。市販乾燥ヒジキを1時間水戻しすると50%、6時間の水戻しで60%のヒ素が除去されることがわかった。
  • 河野 節子
    セッションID: 1Za-5
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】肥満は生活習慣病の防止の観点から防止する必要があり、体脂肪を減少させる必要がある。しかし、体重の減少は骨量低下と共に生理不順を引き起こし、老後の寝たきりが懸念される。また妊娠、出産にも悪影響を及ぼす危険性があり、大いに憂慮される。昨年の本学会においても、若い女性の痩身志向が骨量減少を招く危険性を示唆した。今年度は被験者数を加えて、生理不順が骨量に影響するか検討するため、生理正常者と不順者に分けて体組成、骨量の検討を行った。【方法】体組成は体組成計BC118(タニタ社製)で測定し、骨量の測定は、A-1000 PLUSII超音波踵骨測定装置(LUNAR社製)で実施した。データの分析にはSPSS11.0Jを用いた。【結果】被験者320名のうち生理正常と申告した者全てをN群として、不順または無月経であったが再来した者全てを不順(AN)とした。Nは218人、ANは102人であった。Nの体重51.9kg、除脂肪体重37.0 kg、体脂肪率28.1%、ANは各々49.5kg、36.0 kg、26.90%と両群とも正常範囲であったが、Nが有意に高値であった。さらに、Nにおけるダイエット経験者は121名(55.5%)、ANでは69名(67.0%)でANの方が高い傾向を示した。生理の正常・不順の間には骨量(stiffness値)の差を認めなかったが、体重の最も重いNのダイエット経験群と体重の最も軽いAN群のダイエット未経験群の間には有意の差を認めた(p<0.05)。  以上の結果をもとに、生理順・不順、ダイエット経験、体脂肪率(または除脂肪量)を要因、stiffness値(骨量)を従属変数として交互作用を検討したところ、生理正常・不順(p<0.262)には有意の差はないが、ダイエット経験(p<0.011)、体脂肪率(p<0.003)には差があり、しかも、生理正常・不順×体脂肪との交互作用は認められた(p<0.007)。これらの結果から、生理正常者の骨量は体重に依存するところが大きいが、生理不順者の骨量はエストロゲンの不足や他の要因の関与が示唆された。
  • 尾立 純子, 亀井 正冶, 湯浅(小島) 明子, 船坂 邦弘, 佐伯 孝子, 湯浅 勲
    セッションID: 1Za-6
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    目的:亜鉛は生態内の多くの酵素に含まれており、栄養素の代謝や免疫防御機能などに重要な役割を示す。しかし、近年、亜鉛摂取不足を示す人が多いことが問題となっている.「毎日バランス良く」食事をすることで各栄養素を満たすことが望ましいが、そうでない場合の調整方法をどのように行えば良いのかを検討するために、本研究では亜鉛の摂取方法に着目し、摂取間隔を変化させた場合の亜鉛及び関連ミネラルについての挙動を調べた.方法:ハムスターを、亜鉛の摂取方法として(A)2日おき(亜鉛含量8.58mg)(B)1日おき(5.98mg)(C)毎日摂取した群(2.29mg)(D)低亜鉛食群(0.54mg)の4群に分けた。餌は亜鉛除去したAIN93に亜鉛を再添加して36日間飼育後、血液、肝臓、腎臓、精巣、糞を採取し、亜鉛、鉄、銅量を原子吸光で測定した。結果・考察:総摂取量と体重増加量は4群間に差は認められなかった。低亜鉛食群の血清亜鉛中の亜鉛及び鉄量は、毎日亜鉛を摂取した群より有意に低値を示したが、亜鉛の摂取間隔の違いによる差はなかった。一方、血清中銅量は亜鉛を摂取した群の方が低値を示した。これは亜鉛と銅の吸収における拮抗作用によるものと示唆された。また、肝臓中の亜鉛量と腎臓中の亜鉛及び鉄量は、すべての群において差は認められなかった。精巣中の亜鉛および銅量は、低亜鉛食を摂取した方が高値を示したが、鉄量はすべての群で差はなかった。しかし、亜鉛を摂取した群の糞中亜鉛量は低亜鉛食群より有意に高値を示した。以上の結果より、亜鉛の摂取方法が異なっても、栄養状態に差異がほとんど認められないことから、微量元素の体内動態は影響を受けないことが示唆された。
  • 大野 美智子, 沈 萌恵, 宮原 公子, 石橋 源次, 菊永 茂司
    セッションID: 1Za-7
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    若い成人男性における亜鉛の代謝に関する研究○大野 美智子* 沈 萌恵* 宮原 公子** 石橋 源次*3 菊永 茂司* (*ノートルダム清心女大,**岡山学院大,*3九州女大)目的 若い成人男性におけるZnの推定平均必要量は,第七次改定日本人の栄養所要量では8mg/日であり,推奨量が9mg/日となっている.しかし,日本人のZnの代謝に関するデータは多くなく,さらなるその参考データの集積が望まれる.そこで,若い成人男性を対象者にしてZnの平衡維持量と所要量(平衡維持量+2SD)を出納法で求めた.方法 男子大学生13名を被験者にして,出納実験を行った.被験者の年齢と体格等の平均値は19.3歳,身長172.1cm,体重69.0kg,BMI23.4,基礎代謝基準値より求めたBMRは1655kcal/日であった.出納期間は12日間とし,低Zn食期(5.5mg/日),標準Zn食期(11.0mg/日),高Zn食期(22.0mg/日)の各4日間ごとに3区分した.糞便は区分ごとにマーカーを摂取し,それを基準にして採取した.食事は,毎食ごと陰膳をとった.食事と糞便,尿は湿式分解し,Znは原子吸光分光光度計で測定した.また,血清中の無機質やフェリチン,HbA1C,肝機能の指標と尿中クレアチニン量を測定した.結果 各実験区分の(低Zn_から_高Zn)の値は,次のようになった.実験食中のZnの実測値(mg/日)は,6.1,12.2 ,23.2 であった.摂取量(μg/kg/日)は,91.9,184,350,全出納期間では212であった.吸収率(%)は,43.8,25.4,22.5,全出納期間では30.2であった.体内保留量(μg/kg/日)は,28.3,34.8,66.0,全出納期間では43.4であった.平衡維持量(μg/kg/日)は,7.37,110.3,106.4であった.所要量(平衡維持量+2SD)は,0.72mg/日,10.8mg/日,10.4mg/日であった.
  • 沈 萌恵, 大野 美智子, 宮原 公子, 石橋 源次, 菊永 茂司
    セッションID: 1Za-8
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    若い成人男性における銅の代謝に関する研究○沈 萌恵* 大野 美智子* 宮原 公子** 石橋 源次*3 菊永 茂司* (*ノートルダム清心女大,**岡山学院大,*3九州女大)目的 若い成人男性におけるCuの推定平均必要量は,第七次改定日本人の栄養所要量では0.6mg/日であり,推奨量が0.8mg/日となっている.しかしながら、日本人のCuの推奨量策定に用いられているデータは多くない.そこで我々は,若い成人男性のCuの代謝に関するデータを得ることを目的に,男子大学生を被験者にしてCuの平衡維持量と所要量(M+2SD)を出納法で求めた.方法 男子大学生13名を被験者にして,出納実験を行った.被験者の年齢と体格等の平均値は19.3歳,身長172.1cm,体重69.0kg,BMI23.4,基礎代謝基準値より求めたBMRは1655kcal/日であった.出納期間は12日間とし,4日ごとに3区分して,それぞれをStep1_から_3とした.Step1_から_3の実験食中のCu含量の実測値(mg/日)は,2.0,3.6,3.6であった.糞便は区分ごとにマーカーを摂取し,それを基準にして採取した.食事は,毎食ごと陰膳をとった.食事と糞便,尿は湿式分解し,Cuは原子吸光分光光度計で測定した.また,血清中の無機質やフェリチン,HbA1C,肝機能の指標と尿中クレアチニン量を測定した.結果 Step1_から_3のCuの各値は次のようになった.摂取量(μg/kg/日)は,30.4,53.9,54.3,全出納期間では46.2であった.吸収率(%)は,30.2,43.1,34.0,全出納期間では35.8であった.体内保留量(μg/kg/日)は,8.13,24.7,17.3,全出納期間では16.7であった.平衡維持量(μg/kg/日)は,14.8,25.0,14.7,全出納期間では20.2であった.所要量(M+2SD)は,1.45mg/日,2.45mg/日,1.44mg/日,全出納期間では1.98mg/日であった.
  • 小久保 清子, 菅家 祐輔, 碓井 之雄, 廣末 トシ子
    セッションID: 2Da-1
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    目的 妊娠中の飲酒のリスクとして、知能が遅れ、IQが60以下という「胎児性アルコール症候群」が知られている。一方、各種嗜好飲料の主要成分であるカフェインも多量摂取は未熟児の出生を招く恐れがあるとされている。これらの飲料は日常的に同時に摂取されることが多く、妊娠時とて例外ではない。しかし、アルコールとカフェインの同時摂取が胎児の大脳機能にどのような影響を及ぼすかについては殆ど知見がない。そこで、アルコールがカフェインと共に摂取された時の胎児脳組織に及ぼす影響を調べる手がかりを得る目的でニワトリ胚を用いて本実験を行った。                    方法 白色レグホン種の受精卵を、孵卵11日目に生理食塩水投与群(_丸1_群)、40%エタノール投与群(_丸2_群)、0.2%カフェイン投与群(_丸3_群)それに40%エタノール+0.2%カフェイン投与群(_丸4_群)の4群に分け、それぞれ一定量を連続10日間投与し、19日目に割卵して、生存胚の頭蓋を開き全脳を摘出した。脳組織中の脂肪を常法により抽出し、その脂肪酸組成を、島津GC-12A(FID)型ガスクロマトグラフで測定した。      結果 脳組織の全脂肪酸含量は、4群間に差がなかった。しかし、その中の不飽和脂肪酸量は、_丸2_群と_丸4_群で_丸1_群より有意に高値を示した。各種構成脂肪酸の占める割合は、_丸2_群では_丸1_群に比し、パルミチン酸が有意な低値を示したのに対し、アラキドン酸とドコサヘキサエン酸はいずれも有意に高値を示した。_丸3_群では_丸1_群と比較して、_丸2_群同様、パルミチン酸の占める割合の低値とアラキドン酸の有意な高値を認めた上、パルミトオレイン酸の有意な低値が認められた。_丸4_群では_丸1_群と比較し、_丸2_群や_丸3_群同様、パルミチン酸の占める割合の低値とアラキドン酸の高値を示した外、パルミトオレイン酸の割合が_丸3_群同様、有意な低値、ドコサヘキサエン酸の割合が_丸2_群同様、有意に高値を示し、さらに、ステアリン酸とベヘン酸の割合が有意な高値を示した。 以上、ニワトリ胚脳組織の脂肪酸組成に対するエタノールとカフェインの作用は類似性が強く、また、両者を同時に投与しても相加的若しくは相乗的な作用は認められなかった。
  • 田渕 三保子, 山田 則子
    セッションID: 2Da-2
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    目的  食用菊の一つであるモッテノホカは山形県の特産物であるが、その機能性に関する研究はほとんどない。そこで、モッテノホカの機能性を検索するために、モッテノホカ摂取が生体内の脂質代謝に及ぼす影響を高コレステロール血症ラットを用いて検討した。方法  花弁を1%酢酸添加沸騰水中で30秒間ブランチングし、凍結乾燥後、粉末にしたものを試料とした。 6週令のウィスター系雄ラットを2群に分け、対照群には5%コレステロール添加飼料、キク群にはコレステロール添加飼料に7.5%試料を加えた飼料で10日間飼育した。経時的に体重、飼料摂取量、血中コレステロール値を測定し、実験終了時に、全採血を行い、血清を分離し、各種脂質の分析に用いた。総コレステロール、HDL-コレステロール、中性脂肪および糞中の胆汁酸量は市販のキットを用いて測定し、血中および肝臓中の過酸化脂質はTBA法で測定した。結果  キク群の総コレステロール量およびLDL-コレステロール量は対照群に比べ有意に低値を示し、動脈硬化指数もキク群が有意に低値を示した。中性脂肪は両群間で差が認められなかったが、過酸化脂質はキク群が対照群よりも有意に低値を示した。糞中の総胆汁酸量はキク群が対照群に比べ有意に高い値を示した。 以上から、モッテノホカの摂取は、LDL-コレステロール量を低下させ、過酸化脂質も減少させることから、動脈硬化の予防や高脂血症の改善に効果があることが示された。また、糞中の胆汁酸量が多かったことから、モッテノホカの血清コレステロール低下の作用メカニズムは、胆汁酸の排泄促進と生体内での胆汁酸の合成促進であることが示唆された。
  • 小城 勝相
    セッションID: 2Da-3
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    [目的]LDLのタンパク質部分のアポBは血漿のラジカル反応でαートコフェロール(E)と同程度の速度で分解する。しかもアポBの分解物は正常ヒト血清に存在し、ラジカル反応生成物である会合体と分解物の合計は動脈硬化指標として有効である。今回はラジカル反応におけるアポBと脂質の相対反応性を検討した。[方法]LDLや血漿を銅イオンで酸化し、アポBの残存量は、4%-SDS-PAGEで、粒子径はKondoらのnon-denaturing gradient (2-10%) PAGEで測定した。[結果]単離したヒトLDLを銅イオンで酸化すると、まずEが減少し、Eが10_%_以下になると、234 nmの吸収が増加し始め、512 kDaのアポBがそれに対応する速度で減少した。酸化反応の進行とともに、LDL粒子径は減少した。血漿を銅イオンで酸化した場合、最初から、E、アポB、粒子径が同じように減少した。以上のように、酸化とともにLDL粒子径は減少する。今回の結果から、small dense LDL生成に酸化反応が関係することが示唆される。本研究は(奈良女大)日高篤子、井上佳奈、沓掛佐保子、足立資子、角田百合との共同研究である。
  • 佐藤 伸, 野澤 めぐみ, 嵯峨井 勝, 加藤 淳, 堀 友花, 畑井 朝子
    セッションID: 2Da-4
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    【目的】高血圧と酸化ストレスとの関連が注目されている。小豆には抗酸化作用を持つポリフェノール類(PP)が含まれているが、血圧に対する影響は知られていない。そこで、本研究ではPPを多く含む小豆抽出物(ABE)を自然発症高血圧ラット(SHR)に投与し、血圧の変化及び血管弛緩に関与する一酸化窒素(NO)を産生する内皮型NO合成酵素(eNOS)の発現を検討した。【方法】SHRに0、0.05、0.2及び0.8%ABE飼料を、正常血圧であるWistar Kyoto Rat(WKY)に0及び0.8%飼料を8週間与えた。投与期間中に血圧を測定した。高血圧による腎症が知られているため、腎臓中のeNOS発現量をウェスタンブロット法により測定し、免疫染色により局在を検討した。【結果】ABEを投与したSHR各群の血圧上昇は、0%群に比べて有意に抑制された。腎臓中eNOS量はWKY+0%群に比べSHR+0%群で有意に高かった。一方、SHR+0.8%群では0%群に比べeNOS量は有意に低かった。組織学的に、eNOS発現は尿細管や血管内皮にみられたが、WKY+0%群に比べSHR+0%群で強い陽性反応が認められた。SHR+0.8%群では0%群に比べ、やや弱い反応であった。実験的に高血圧状態ではO2_-_発生が増加し、これに伴い血管弛緩に有効なNOが捕捉されることが知られている。SHR+0%群の腎臓ではNO減少によりNOを増やすeNOS発現が補償的に増加したと考えられた。一方、ABE投与により、O2_-_等が消去されNOが保持された結果、SHR+0%群で補償的に発現していたeNOSが0.8%群では低下し、血圧上昇抑制が生じたものと考えられた。
  • 佐伯 孝子, 尾立 純子, 亀井 正治
    セッションID: 2Da-5
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
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    目的植物ステロール(PS)は食物由来のコレステロールの吸収を抑制することから、血管系障害の予防効果が期待してPS 強化油が市販されている。本研究では最近の日本人の食生活におけるPSの摂取の実態を実測把握し、併せてPS強化油を利用した場合のPS摂取量の変動について検討した。
    方法国民栄養調査に基づくマーケットバスケット方式でサンプリングした2000_から_2002年の大阪採取試料より1日あたりのPS平均的摂取量を、またテイクアウト弁当およびファーストフード96食について1食あたりのPS含有量を実測分析し、さらにPS強化油3種類をもちいて2種類の揚げ物定食を調理した際、通常油利用の場合とのPS含量の比較を試みた。ステロール分析は試料をアルカリ分解した後、ヘキサン抽出し、溶媒留去後一定量のヘキサンに溶解し、GLC分析を行った。一般成分の分析は標準成分表分析マニュアルに従い、脂肪酸組成は抽出脂質を5%塩化水素-メタノールでメチル化後GLC分析を行った。
    結果1)調査年度により違いはあるが3年間を通じて1日あたりのPS摂取量は200mgを超えなかった。2)テイクアウト食1食中のPS含有量は、7.9_から_125.5mgの範囲に分布し、平均40.8mg/食であった。これらの量はテイクアウト食中脂質量、リノール酸量と有意な相関を示した。3)PS強化油を用いて調理した定食では、1食あたりのPS量が通常油使用時より増加し、560_から_760mgとなった。以上の結果を欧米人のPSの有効摂取目安(800mg/日)と比較した場合、通常の食事ではPSの効果はほとんど期待できず、PS強化油食を組み込んだ場合、目安値付近のレベルとなるものと考えられる。
  • 西堀 すき江, 川合 三恵子, 並木 和子
    セッションID: 2Da-6
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】近年、老化防止や疾病の発症に活性酸素が関与していることが明らかになり、抗酸化活性の強い食品が脚光を浴びている。これらを背景に、緑黄色野菜や野菜ジュースの摂取が増加傾向にあるが、その他の野菜の野菜摂取は減少している。今回は、野菜摂取の方法が生体内の酸化ストレス、DNA損傷、血流、血小板凝集などに及ぼす影響について検討した。【方法】実験協力に同意の得られた健常者(年齢19_から_20歳)12名を対象に、野菜の1週間連続摂取実験を行なった。摂食群は、緑黄色野菜摂取群6名とその他の野菜摂取群6名とした。活性酸素消去活性に関する摂食条件は、報告者らが先に発表している約200食品の活性酸素消去活性の強さによるランキング表を用い、緑黄色野菜摂取群は緑黄色野菜のみで、その他の野菜摂取群はその他の野菜のみで、それぞれ1000点摂取することとした。血小板凝集阻害に関しては、約150食品の抗血栓活性の強さのランキング表から緑黄色野菜のみで、或は、その他の野菜のみで、それぞれ500点摂取することとした。 実験開始前後に採血と採尿を行い、酸化ストレス、血流、血小板凝集、8-OHdG測定を行なった。実験中、自己記入法による食事調査を行い、摂取栄養量と血液レオロジーや尿中の成分における相関を検討した。【結果】血流においては、その他の野菜摂取群において9.47±7.59%の血流促進効果が認められ、緑黄色野菜摂取群より活性か高かった。血小板凝集阻害率と8-OGdG量生成抑制率は、緑黄色野菜摂取群ではそれぞれ9.03±5.03%、39.47±16.87%で、その他の野菜摂取群より効果が認められた。EPAを含む魚介類の摂取量との相関についても検討した。
  • 小谷 スミ子
    セッションID: 2Da-7
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/08
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】 卵白オボムコイド(OVM, Gal D 1)は、特異な分子構造により加熱処理や化学的処理に対して強い抵抗性を示し、そのアレルゲン性を除くことは難しい。OVMのアレルゲン性低減化に向け、高圧処理の影響を卵アレルギー患者血清IgEとの結合性およびヒト好塩基球様細胞を用いたNAGase活性の測定を中心に検討した。 【方法と結果】 (1)OVMを高圧処理(100_から_600MPa、15℃、10分)し、ELISA法により卵アレルギー患者血清IgE抗体との結合性を検討した。卵白に対するRAST値の高い血清8例中4例において、超高圧処理によるOVMの血清IgEとの結合性の明らかな低下が認められた。さらに加圧すると500_から_600MPaでは結合性が回復する例が認められた。一方、100℃加熱処理では、超高圧処理に比べて顕著な結合性の低下は認められなかった。(2)NAGase活性測定はヒト好塩基球様細胞株KU812Fに患者血清IgE抗体で感作させ、抗原として高圧処理したOVMを加え、脱顆粒刺激を行った。脱顆粒の際にヒスタミンなどの化学物質と共に放出されるNAGase(β-ヘキソサミニダーゼ、EC 3.2.1.52)の活性を測定し、脱顆粒の指標とした。すべての患者血清において加圧により活性の低下が認められた。加熱処理では5例において活性の低下が、残りは顕著な変化は認められなかった。(3)以上の結果から、高圧処理はOVMのアレルゲン性を低減化する方法の一つとして期待される。
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