一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
64回大会(2012年)
選択された号の論文の266件中1~50を表示しています
ポスターセッション 5月12日
  • 米村 敦子, 赤星 礼子, 小川 直樹, 後藤 直子, 川口 恵子, 花崎 正子, 財津 庸子, 田中 孝明
    セッションID: 2P-1
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    目的:本研究は、過疎化・高齢化の著しい九州の離島における高齢者の広範な生活調査を通して、生活福祉の視点から今後の高齢者生活支援のあり方を実践的に探求する共同研究である。長崎市の廃炭離島3島において継続している現地調査の研究結果は、日本家政学会全国大会3報、九州地区大会7報で報告している。本報は全国大会ポスター発表第4報となる。方法:調査対象地に長崎市の炭鉱閉山離島A島(1986年炭鉱閉山)・B島(1972年閉山)・C島(2001年閉山)を選出し、2007年3月から2011年8月まで11回の現地生活実態調査(高齢者面接聞き取り調査、行政機関・高齢者福祉施設・学校・文化施設・生活関連施設・居住環境調査、文献・資料調査)を実施している。本報では前報以降の継続調査に基づき、各島の現状と生活支援の課題を考察する。結果:2011年12月現在、A島は人口496人、323世帯、高齢化率53.8%、B島は 775人、451世帯、高齢化率49.3%、C島は310人、203世帯、高齢化率28.4%である。各島とも炭鉱産業の盛衰により人口の急増と急減を経て現在に至る。閉山時期と炭鉱産業への依存度及び地縁性の濃淡により島の様相は異なるが、医療や買い物施設、空き家、孤独死等は共通した課題である。特にA島は地縁的共同性も薄く、閉山の影響が長く地域生活にも及んでおり、新しい共同性やケアの仕掛けが必要となる。C島は閉山から10年余で、当時の施設は無人のまま廃墟のように残っており、その対応が当面の課題となる。一方、B島は2011年3月架橋が完成して長崎市街と陸続きとなった。その影響を注意深くみていきたい。(平成21~23年度科研費助成研究、課題番号25007351、代表者:赤星礼子)
  • -我が国における共同保育実践に向けての基礎的研究 その1-
    正保 正惠, 田丸 尚美, 平田 道憲, 今川 真治
    セッションID: 2P-2
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】ニュージーランド(以下NZ)では保育所、プレイセンターなどの様々なプログラムが紹介されている。そのなかで、親同志が独自のライセンスを取得しつつ、共同で子どもを保育しているプレイセンターの仕組みと、利用者の意識を調査する。【方法】文献等を踏まえ、NZプレイセンターにおいて、ヒアリング調査・質問紙調査を行っている。調査時期は、2011年9月、調査対象は北島プレイセンター利用者のうち、ヒアリング3名。質問紙調査13か所のプレイセンターに配布。配布数236、有効回収数56、有効回収率23.7%であった。【結果】NZでは、2000年代の教育制度改革により週20時間は無料であらゆるプログラムを受けることができ、2010年からプレイセンターにも適応されている。この政策の背景には、女性の就業率拡大も意図されていた。プレイセンターの利用者は、すべての乳幼児教育プログラムの、4%であるが、最も多い教育ケアサービス(我が国の保育所)でも23%であるように多様な形態の中の1つである。ヒアリング調査では、子どもをいったん保育所に預けた親が、20時間無償の対象になった時に、またプレイセンターに戻ってきたという話も聞いた。質問紙調査においては「プレイセンター利用者は核家族が最も多い。」「母親は無職が多く、約8割となっている。」「約7割の母親は、自分の子育てがとてもうまくいっていると感じている。」「約7割の母親は、子どもが小さい間は母親が家にいて面倒を見るべきであると考えている。」などが読み取れた。NZの母親たちは緩やかに子どもを預けて働く方向に向かっているが、子育ての多様性は切り捨てられることなく認められ、育児を楽しんでいた。 
  • -我が国における共同保育実践に向けての基礎的研究 その2-
    今川 真治, 平田 道憲, 正保 正惠, 田丸 尚美
    セッションID: 2P-3
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】国際化が進む近年,海外で子育てをする母親が増加している。2010年10月における海外在留邦人数が最も多いのはアメリカ合衆国で約39万人が在留しており,シアトル総領事館管轄下の邦人数は約11,000人である。海外での子育ては,日本国内と違って多くの困難を経験すると思われるが,本調査では国内における共同保育実践のための基礎研究として,現在シアトル市近郊に居住して子育てをしている日本人の母親たちが,どのような子育て支援ニーズを抱えているのか調査した。
    【方法】2011年9月に,Seattle市近郊にある,日本語を主使用言語とする複数の幼稚園と保育園を訪問し,園長や園児の母親たちから,日本人の母親たちの子育て支援ニーズを聴取すると共に,アンケートを実施した。調査票の配布を各施設に依頼し,調査同意者のみが調査票を受領して回答したため,回収率等の算出は不可能であるが,有効回答票は69票であった。また,日本人の母親たちが自主的に運営している1つのプレイグループの母親たちにも,インタビューとアンケートを実施した。
    【結果】母親のほとんどがアメリカ人と結婚しており,子どもをバイリンガルに育てることと,日本文化を学ばせる目的を持ってこれらの園を利用していたが,英語を主言語とする園にも通わせる必要があり,費用がかかりすぎることが問題であった。リフレッシュの手段では,日本で多い「買い物」,「食べる・飲む」よりも,友人,親,配偶者などの他者との交流が多かった。育児仲間を作る場に参加するには,実施場所までの距離が短いことが条件であった。必要とする育児サポートでは,保育時間の延長,一時保育の充実など,家庭外保育に対するニーズが最も大きかった。
  • 高齢者と若年との比較
    内田 初代, 瀬木 晶子
    セッションID: 2P-4
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    目的 我々は、人の咀嚼嚥下機能は食品の物性や形状によって変化するという知見を得ている。現在、介護福祉施設などにおいて、高齢者の献立作成、調理、食事介助に及ぶまで、一般的に若年者が携わっていることが多い。しかし、介助される高齢者と、介助する若年者の両者では、咀嚼嚥下機能には歴然とした差がある。そこで同じものを摂取した時、年齢層によってテクスチャー等の感じ方に違いがあるのか、その違いはどのようなものかを比較調査した。
    方法 対象者:高齢者・・介護福祉施設入居者の方:自己摂取可能で質問に受け答えの出来るADLの方:平均年齢79歳。若年者・・本学介護福祉学科の学生平均年齢 19歳調査方法:お茶ゼリー4種(ゼラチン濃度1%・1.5%・2%・3%)を用いて官能検査を実施した。
    結果 テクスチャー、硬さについては、若年者、高齢者ともにゼラチン濃度が低いものほど「喉ごしが良い、食べやすい」と答え、ゼラチン濃度が高いものほど「弾力があって食べづらい、口腔内でスムーズに融けない」と答えたが、若年者の方が高齢者よりもやや濃度の高いものを好む傾向が見られた。また、ゼラチン濃度が高いものは、弾力が強く手にとってもゼリー強度が強いため、両者ともに見た目にも「硬そうだ、食べづらそうだ」と答えており、口腔内に入れた後も「やはり硬い」と答え、見た感じと一致した。これらの結果から食品の物性の違いによる両者の食べやすさの感覚はほぼ同じであった。
  • 京都府・市小学校に対する聞き取り調査より
    湯川 夏子, 英 佳那
    セッションID: 2P-5
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】近年、生活環境や食生活の変化に伴い、食物アレルギーをもつ児童生徒が増加している。給食をはじめとする学校生活においても十分な配慮が必要となってきた。そこで、本研究では京都府・市の小学校における食物アレルギーの実態及び学校給食での対応について現状を明らかにすることを目的とし、聞き取り調査を行い、今後の課題を検討した。
    【方法】2011年7月~11月に、京都府・市の各教育委員会学校給食担当者(計4市)、各小学校の栄養教諭(計11校)を対象に、聞き取り調査を行った。学校給食の調理方式は、調査校全て自校方式であった。質問内容は、「アレルギー児数、アレルゲンの種類」「給食での具体的な対応方法」「対応マニュアルの有無」等である。
    【結果・考察】調査校全てにアレルギー児が在籍していた(平均3.3%)。主なアレルゲンは卵、牛乳・乳製品で、エビ、カニなどの甲殻類も増加傾向であった。その他、口腔アレルギー症候群など、食物アレルギーは多様化・複雑化していた。しかし、実態把握の方法は各小学校で異なっており、「医師の診断書」の提出が必須ではない等、多様であった。各校とも共通して「献立表による食材の情報提供」が行われていたが、給食の対応方法は「除去食対応」など様々であり、「代替食対応」の実施はなかった。A 市では、「除去食」の定着や対応方法の資料化、会合・勉強会の実施などアレルギー対応に対して先進的な取組がされていた。一般的には、「人員」「設備・施設」「予算」により、対応に対して充分といえない面もあった。今後、①実態把握の徹底②アレルギー対応のマニュアル化と校内体制の確立③食物アレルギーの啓発活動を行うことが必要である。
  • 岡田 悦政, 岡田 瑞恵
    セッションID: 2P-6
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】アルツハイマー症の病因の一つとされるアミロイドβ(A-beta)は難可溶性タンパク質である。通常、特定の酵素により分解されるが、老化などによって酵素の分泌低下等により分解されず蓄積される。一方、plant seedsからの抽出成分は抗酸化、高血糖の抑制、抗ガン作用などが報告されている。すでにplant seedsによるBSA×D-ribose系におけるタンパク質の抗糖化、抗凝集について報告した。これらの機構として、plant seeds抽出成分のBSAへの修飾が考えられたので、今回、A-betaの影響抑制を目的としてplant seeds抽出成分によるA-betaの修飾に対する検討を行ったので、ここに報告する。
    【方法】乾燥種子Japanese noneywort、Common bean、Luffa、Rapeseed、Potherb mustard、Japanese radish、 Bitter melon、Red shiso、Komatsuna、Corn、Qing geng cai、Bell pepper、Kale、Crown daisy、Lettuce、Kaiware radishの以上16種は、市販品を購入して使用した。それぞれに水を加えホモジネートし、湯煎にて加熱(95-100℃、10分間)後、60分間攪拌した。その後ろ過してサンプルとした。A-beta1-42とサンプルを混合し24時間37℃でincubationした。24時間後、ELISA法によるA-betaの検出測定を行った。
     【結果】16種のうち著しくA-beta検出を低下させたのは、順にLettuce、Bitter melon、Cornであり、それぞれコントロールに対して1.2、4.1、6.1%であった。その他Crown daisyの31.7%であった。これら以外は、有意な減少効果が見られなかった。
  • 岡田 瑞恵, 岡田 悦政
    セッションID: 2P-7
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】アルツハイマー症の病因の一つとされるアミロイドβ(A-beta)は、難可溶性タンパクである。このタンパクは細胞死を引き起こすことが報告されている。一方、edible plant sprouts の抗酸化、抗変異原性などが知られている。すでに、edible plant sprouts によるBSA×D-ribose系におけるタンパクの抗糖化、抗凝集について報告した。これらの機構として、edible plant sprouts 抽出成分のBSAへの修飾が考えられたので、今回、A-betaの及ぼす影響抑制を目的として、edible plant sprouts の抽出成分によるA-betaの修飾に対する検討を行った。
    【方法】試料Buckwheat sprouts(BWS), Red Cabbage sprouts(RCS), Broccoli sprouts(BS), Brussels sprouts(BRS), Japanese butterbur(JBB) の5種は、それぞれ水抽出:CW(24時間浸漬)、湯抽出:HW(100℃、10分間加熱後、24時間浸漬)、メタノール抽出:MH(24時間浸漬)し濾過した。メタノール抽出物は、濾過後濃縮しDMSO溶解した。A-beta 1-42と試料を混合し24時間37℃でincubationした。24時間後、ELISA法によるA-beta の検出測定を行った。
    【結果及び考察】著しくA-beta の検出を低下させたのは、MH-BWS, CW-RCS, MH-BRS, MH-JBB であり、それぞれ、コントロールの22.7, 9.6, 19.0, 19.2%であった。今回比較に用いたEGCGは、A-betaによる神経細胞死の抑制効果が報告されていることから用いたが、ここでは、コントロールレベルであった。また、A-betaにクルクミンがダイレクトに結合する(Reinke AA and Gestwicki JE, Cem Biol Des. 2007)ことから類似機構も考えられる。
  • 﨡原 絹子, 村上 志緒, 谷口(山田) 亜樹子, 吉田 真史
    セッションID: 2P-8
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】 フィジー諸島ラケンバ島では、伝統的な食生活が守れられている。島民の主食はキャッサバ、ダロ、ヤムなどのイモ類で、その調理法はさまざまだが、キャッサバを原料としたパン(以下、フィジーパンと言う)も食されている。本研究は、このフィジーパンの製法および発酵過程を明らかにすることを目的とする。
    【方法】 2010年と2011年の9月にそれぞれ10日間、フィジー共和国ラウ諸島ラケンバ島に滞在し、フィジーパンの製法および食文化の聞き取り調査を行い、写真および動画で記録した。また、発酵中のキャッサバの漬け汁(発酵液)の顕微鏡観察により、微生物の同定を試みた。
     【結果】 調査により、明らかとなった製法を以下に示す。(1)皮付きのキャッサバを2~3片に切り分ける。(2)水中で3~14日間、自然発酵させる。(3)キャッサバを擦りおろす。(4)ココナッツミルクと小麦粉を加えてこねる。(5)ココナッツの殻に詰める他、ダロなどの葉にくるんだ後、蒸し焼きにする。
    フィジーパンは天然酵母による発酵であるため、味や匂いは複雑であり、発酵の日数が増えるに従い強くなる。島民は酸味、匂いとも強いものを好んで食すが、熟成の過程で味や匂いを確かめながら食している。 また、発酵液の顕微鏡観察では、酵母や乳酸菌など複数の微生物が存在することが確認できた。
    今後さらに、フィジーパンに含まれる成分の分析や発酵液の微生物の詳細な同定を行い、食品化学的および微生物学的な性質の解明につなげていく。
  • 谷口(山田) 亜樹子, 﨡原 絹子, 松井 友美, 佐藤 祐子
    セッションID: 2P-9
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】発酵食品は、植物性および動物性原料に酵母や細菌などの微生物を利用し、熟成させた食品であり、昔から国の気候風土、産物、嗜好性が大きく反映して、製造されている。発酵食品は日本酒などのアルコール飲料をはじめ、味噌,醤油のような大豆発酵食品、野菜の塩蔵等の漬物、鰹節のような水産発酵食品、チーズ,ヨーグルトのような乳酸発酵食品、酵母を利用したパンなど多くの食品がある。大学生の発酵食品に関する意識を調べるとともに、新規発酵食品について考案することを目的とした。
    【方法】意識調査は2012年12月、20歳前後の大学生120名を対象者に発酵食品の種類等の認知度および発酵食品に対する知識に関するアンケート調査を行った。調査項目は、発酵食品の種類などの知識や、発酵食品に対するイメージおよび新規発酵食品開発に関するアイディア等である。
    【結果】アンケート形式により、発酵食品について説明できるかたずねたところ、75%の学生が明確には答えられないと回答した。また、発酵食品について説明できると答えた学生の中でも正しく答えられない学生もいた。発酵食品で最も思い浮かべる食品は納豆であり、次にヨーグルト、チーズであった。発酵食品の特徴は微生物が関係すると答えた学生が最も多く、次に身体によい、機能性食品というイメージであった。○○発酵に当てはまる最も多かった回答はアルコール発酵であった。新規発酵食品の開発については、機能性のある発酵食品、栄養価のある発酵食品、短時間熟成発酵食品、嗜好性の強い発酵食品などさまざまな案が出された。実際に機能性発酵食品の開発として食品を製造した。
  • 松井 友美, 佐藤 祐子, 谷口(山田) 亜樹子
    セッションID: 2P-10
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】美容と健康という言葉に敏感である現代社会において、コラーゲンを含む食品が注目を集めている。ゼラチンの原料はコラーゲンであり、手軽に摂取出来ることからも話題性がある。マシュマロもゼラチンを用いた食品の一つであり、砂糖、ゼラチン、卵白、水からできている。そこで本研究では女子大学生を対象にマシュマロに対する知識、嗜好性についてアンケート調査を行い、さらにマシュマロを用いた加工食品の開発を行った。
    【方法】調査時期は2011年5月~6月、20歳前後の女子大学生70名を対象にマシュマロに関するアンケート調査を行った。調査内容は、マシュマロの原料、種類に関する知識、嗜好性についてアンケート調査を行い、さらにマシュマロを用いた加工食品の開発を行った。
    【結果】マシュマロの嗜好性に関しては「好き」と答えた学生が7割程度であったのに対し、原料を知っている学生は2割程度であった。好きな種類は、チョコ、イチゴ、プレーンの3つの味が全体の8割を占め、その他ブルーベリー、バナナ風味のものと続いた。イメージについては、ふわふわ、柔らかい、甘い、白いなどが多くを占めた。またマシュマロを使った加工食品のアイディアは多く、砂糖の代わりに使用したり、加熱調理、一度溶かしてゼラチンの代用として使用するなど、その使い道は様々であった。今回試作をしたキャラメルやムース等もマシュマロから簡単に作ることができた。このように加工しやすい点からも、幅広い用途で使用できる食品であることが示唆された。
  • 佐藤 祐子, 松井 友美, 谷口(山田) 亜樹子
    セッションID: 2P-11
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】生活習慣病が年々増加している中、低カロリーやノンカロリーの甘味料が注目を浴びている。甘味料の商品数は多く、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等で手軽に購入できるようになった。また、甘味料を用いた食品も多く、病院食に用いられる他、低カロリーを売りにしたお菓子に使用されている。そこで、今回は若年層における甘味料に対する意識を把握する目的で食やダイエットに興味を持つ女子大生を対象にアンケート調査を実施した。
    【方法】調査時期は2011年7月、20歳前後の女子大生120名を対象者に甘味料に関するアンケート調査を行った。調査項目は、普段使用する甘味料の種類、好きな甘味料の種類、砂糖や合成甘味料の使用頻度、新規の甘味料の開発に関するアイディア等である。
    【結果】本調査により、約9割の学生が普段使用している甘味料は「上白糖」であることがわかった。好きな甘味料の種類は約4割の学生が「ショ糖」と答え、その理由として食べ慣れていて一番甘みを感じられるからであった。次いで、約2割の学生がキシリトールと答えていた。その理由として、さっぱりとした清涼感が感じられるからであった。砂糖の使用頻度に関しては、約4割の学生が毎日使うと答えていた。新規甘味料の開発に関しては「星型やハート型の砂糖」「カラフルな砂糖」等のユーモアに富んだアイディアが挙がっていた。また、合成甘味料(アスパルテーム)を頻繁に使う学生は、全体の約1割と少なく、使用しない理由として「身体に悪そう」「購入する機会がない」「価格が高い」「家に常備してある上白糖で間に合う」等があり、低カロリーだからと言って必ずしも好んで使用するわけではないことがわかった。 
  • 粟津原 理恵, 岩本 亜未, 佐藤 久美, 遠藤 伸之, 原田 和樹, 長尾 慶子
    セッションID: 2P-12
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    [目的]我々は抗酸化能を高める料理および献立を研究している中で、主菜料理の魚類に注目した。魚料理の抗酸化能は魚類に含有する抗酸化成分の他、加える副材料および調理法により変化すると思われる。本研究では調理過程における魚料理の抗酸化能の変動傾向を知るために、魚の種類および加熱調理操作およびソースの違いによる各料理の抗酸化能の変化を調べた。
    [方法]魚は手に入れ易いサケやアジおよびメカジキを用いた。各生フィレ肉を約2cm角に切り、48時間の凍結乾燥後、水および70v/v%エタノールで抽出した。抗酸化能は化学発光法によりペルオキシラジカル捕捉活性を測定してIC50値により評価した。結果から有意に高い抗酸化能を示したアジ(80g)について、中心温度が75℃到達を必須条件に官能評価により適切な加熱時間を決定し、鉄板焼き、天火焼き、ホイル蒸しおよび電子レンジにて加熱調理した。加熱試料も生試料と同様に抗酸化能を評価し、これにトマトソースまたはバターソースをかけた試料、さらにソースへのハーブ添加の有無によるペルオキシラジカル捕捉活性の比較を行った。
    [結果]魚の種類別では、水およびエタノール抽出のいずれもアジのIC50値が低く抗酸化能が高かった。アジ調理品では加熱操作間で有意な差は認められなかったが、生試料と比較して加熱時間の長い天火焼き、ホイル蒸しの水抽出試料において有意にIC50値が高くなり、アジ調理品の抗酸化能への加熱時間の影響が示唆された。また、嗜好面から好ましかった鉄板焼き試料にトマトソースを添加した「アジのソテー」は無添加に比べ、IC50値は有意に低下し、ハーブを添加することで抗酸化能がさらに向上する傾向が認められた。
  • 長尾 慶子, 佐藤 久美, 粟津原 理恵, 遠藤 伸之, 原田 和樹
    セッションID: 2P-13
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】生活習慣病などの一次予防には食品の抗酸化成分の摂取が有効といわれる。昨年度注目した和食献立に続き、本年度は抗酸化能を高めた洋食献立を立案するために、具体的な加熱調理操作や食材の下処理、食品の組合せ方法を検討し、料理単品および献立単位での抗酸化能評価を行った。
    【方法】栄養面に配慮した献立(基本献立)を立案し、これらの調理法、食品選択法を変えた各料理の凍結乾燥試料を水抽出し、化学発光法を用いて活性酸素ペルオキシラジカルの捕捉活性をIC50値として求め抗酸化能を比較した。その結果を基に、抗酸化能の高い料理を組合せてモデル献立とした。献立の抗酸化能は上記IC50値の他に、米国で一般的に用いられているORAC法でも測定し評価した。
    【結果】[パン]は米粉パンとして粉および副材料を、[汁物]のコンソメスープではストックの調製方法を、[主菜]の魚料理ならびに[付け合わせ]のジャガイモ料理では食品選択および加熱調理操作を、[副菜1]のベビーリーフサラダではドレッシング用油の種類を、[副菜2]のヨーグルトゼリーではソースの種類をそれぞれ変えて抗酸化能を高める料理の最適条件を検討した。その結果、コンソメスープではスライス肉に香辛料を加え加熱中にアク処理操作をしたストックが、パンではクルミ添加玄米粉パンが、魚料理ではアジのソテーのトマトソースがけが、付合せはキタアカリ種に生パセリ添加ジャガイモ料理が、サラダではゴマ油ドレッシング使用が、ヨーグルトゼリーではブルーベリーソース添えが抗酸化能を高める料理と決定した。これらを組合せたモデル献立は基本献立に比べ抗酸化能が有意に高くなり、理想的な洋食献立として提案できることが示唆された。
  • 亥子 紗世, 古都 丞美, 黒川 みどり, 杉山 久仁子
    セッションID: 2P-14
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    目的 スチームコンベクションオーブン(スチコン)では、庫内に水蒸気を供給することで、高温の水蒸気(過熱水蒸気)中で食品を加熱することができる。本研究では、大量調理施設の厨房でのスチコンの過熱水蒸気モードの利用実態を明らかにするとともに、回答数の多いレシピについて調理実験を行い、蒸気量の影響を調べることを目的とした。
    方法 実態調査では、大量調理施設(病院、老人福祉施設など89施設)を対象に郵送法で行った。調査時期は2011年2~3月、調査項目は、スチコンの機種、過熱水蒸気モードで「焼く」メニューの加熱条件、加熱条件設定理由などである。調理実験では、R社のスチコン(SCC61G)を用い、三枚おろしにしたサバを180℃、蒸気量0、20、100%で10分間加熱した。加熱中の試料中心温度変化、重量変化、焼き色(測色色差計)、身と皮の水分量(加熱乾燥式水分計)と破断特性(クリープメータ)を測定した。
    結果 回答のあった32施設(回収率36%)中、スチコンを保有しているのは23施設であり、20施設が過熱水蒸気モードで「焼く」メニューを実施していた。主に調理されている食材は魚42%、肉32%であった。蒸気量設定は40~50%、80~90%が多く、同じ料理でも施設や食材によって加熱条件が異なっていた。加熱条件は試作により決定されていることが多く、過熱水蒸気で焼くとふっくらと仕上がる、パサつかない、やわらかいなどと考えられていた。焼き魚の実験では、蒸気量が多いほど加熱初期の試料中心温度上昇は速かった。皮の焼き色や破断応力、破断歪みに蒸気量による差が認められたが、その他の測定項目については、差は認められなかった。
  • 成田 亮子, 西念 幸江, 峯木 真知子
    セッションID: 2P-15
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    (目的)脱水シートは、食品から水分のみを浸透圧で移動させる。魚肉に対する良好な効果は報告されている。しかし、多種多様な食品を包装した場合の効果は報告されていない。本研究では、トマトおよび椎茸を脱水シートで冷蔵保存した場合の品質をラップによるものと比較検討した。(方法)トマト(熊本産)をカットあるいはカットなしで用い、椎茸(栃木県産)はいし付きを除いて用いた。いずれの試料も、脱水シート(㈱オカモト、ピチットシート・マイルド)およびポリ塩化ビニリデンシート(㈱呉羽化学、クレラップ、以下ラップ)に包んで冷蔵保存した。保存期間は、1、2、4、7日間とした。保存後の重量および椎茸では水煮した加熱後重量も測定した。これらの破断応力を、クリープメーター(山電製RHEONERⅡRE2-33005)を用い、プランジャー;くさびNo.9,ロードセル;200N、測定スピード;1㎜/sec,歪率;100%で測定した。いずれも官能評価を行った。(結果)トマトをカットして冷蔵保存した脱水シート試料の重量は、保存1日95%、7日92.6%で減少したが、ラップ試料の重量ではほとんど変化しなかった。トマトをカットせずに保存した場合では、いずれの試料も保存4日までの重量に変化がなかった。椎茸を冷蔵保存した脱水シート試料の重量は、保存1日86%、4日78%で大きく減少した。保存後加熱した椎茸の重量は、保存後重量に比べて、脱水シート試料118-134%、ラップ試料103-108%でいずれも増加した。トマトの破断応力は、カットの有無、試料の違いに関わらず、保存4日以降で急激に軟化した。トマトの官能評価(パネル24名)では、脱水シート試料の香りが好まれ、水煮した椎茸の官能評価(パネル18名)では、味の濃さが識別され、脱水シート試料の歯ごたえが有意に好まれた。
  • 亀井 文, 弓座 成美
    セッションID: 2P-16
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    [目的] 胃や小腸で消化吸収されることなく大腸にまで到達するデンプン、レジスタントスターチ(RS)は食物繊維同様に腸内細菌の発酵基質として利用され、そこで産生された短鎖脂肪酸は大腸の健康に重要な役割を果たしている。しかし、でんぷん性食品のRS量が、調理によってどのように変化するのかを調べた研究はあまり多くない。前回は米の炊飯時の加水量の増減に対してRS量には変化がなく、加水量の異なる炊き立て飯とRS量との間に関係性は見られなかったことを報告した。今回は炊飯時の加熱温度上昇の違いによる炊き立て飯とRS量について実験を行った。
    [方法] 本実験は平成23年新潟県魚沼産コシヒカリを用いた。加熱条件は鍋を用いて100℃まですぐに上昇させて高温を維持する標準的な炊飯(A)、100℃まで一定に近い温度上昇変化での炊飯(B)、低温を長時間維持する炊飯(C)、炊飯器炊飯(日立RZ-DM3)(D)、電子レンジ炊飯(E)の5条件で行った。炊き上がり後、飯を均一化し、バットに広げて荒熱を取った後脱水操作を行い、炊き立て飯としてRS量を測定した。RS量測定はRS測定キット(メガザイム社)を用いて行った。
    [結果] 条件CのRS量は0.34%であり他の条件と比べて有意に低い値であった。条件DのRS量は0.57%であり、条件A(0.45%)、B(0.45%)と比べて有意に高い値であった。この結果より、温度上昇変化およびそれに伴う炊飯時間の違いがRS量増加に関与していることが示唆された。
  • 朝倉 奈菜子, 高村 仁知
    セッションID: 2P-17
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】インドネシア原産のメリンジョ(Gnetum gnemon)は現地において種子と葉が食用とされており、高い抗酸化性を示すことから、天然の酸化防止剤として用いることができる。メリンジョ種子はレスベラトロールの二量体であるグネチンCおよびその配糖体であるグネモノシドA、Dを含む。グネチンCには抗酸化性や抗腫瘍作用など、さまざまな機能が報告されている。本研究では、各種の合成樹脂吸着剤を用いて、メリンジョ種子からグネチンCおよびグネモノシドA、Dを分離することを試みた。【方法】メリンジョ種子の凍結乾燥種子から50%エタノールを用いて、ポリフェノールを抽出した。これをポリビニルポリピロリドン(PVPP)、芳香族系吸着剤SP70・SP850、陰イオン交換樹脂WA20・WA30のカラムにそれぞれ吸着させ、エタノール-水、アセトン、酢酸エチル、もしくは水酸化ナトリウム水溶液で溶出した。各画分について、グネチンC、グネモノシドA、D、および抗酸化性(ORAC)を測定した。【結果】WA20を除く合成樹脂吸着剤がこれらのポリフェノールを吸着した。SP70・SP850からエタノール-水の段階溶出により、グネチンCおよびグネモノシドA、Dを分離することができた。一方、PVPPに吸着したポリフェノールは水酸化ナトリウム水溶液により溶出したが、グネチンCを分離することはできなかった。
  • 石岡 久美子, 早川 和江, 石岡 真移子, 山田 和歌子
    セッションID: 2P-18
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    目的 摂食・嚥下機能の低下により常食摂取が困難になった高齢者や,幼児(離乳食後期)を対象としたユニバーサルデザインフードの開発を目的として,青森県の地域素材であるスルメイカを用いて試作を行った.イカはその物理的特性などから,摂食・嚥下機能の低下した人や幼児には敬遠されがちな食品であるが,介護食づくりを応用した加工をすることによって,摂取しやすくなり,使用機会の増加につながるのではないかと考えた.
    方法 はじめに,スルメイカを市販のはんぺん,全卵,片栗粉,塩とともにペースト状にして400gずつに分け,16±1cm×13±1cm,厚さ1.3±0.2cmの板状にまとめたものを真空パックし,スチームコンベクションで15分間加熱した.冷却後,冷凍したものを,県内30の高齢者施設・保育園に使用方法の説明書・調理例(レシピ)とともに郵送し,施設入所者・園児および給食担当者を対象として試食を依頼した.試食後,質問紙調査によって食べやすさ,飲み込みやすさ,嗜好について尋ねた.
    結果 調査の結果,施設入所者85名,園児13名,給食担当者109名,合計207名の回答が得られた.施設入所者・園児では,食べやすい・やや食べやすいと答えた割合が68.3%,飲み込みやすい・やや飲み込みやすいと答えた割合が69.4%,好き・やや好きと答えた割合が49.0%であった.給食担当者においてもほぼ同様の結果が得られた.自由記述では生臭さが残る,ぱさぱさ感がある,調理しづらいなどの回答がみられ,混合する食材の種類と割合,調理例などについて,今後さらに検討する必要性が示された.本研究は,平成23年度青森県ライフイノベーション新産業創出事業の補助を受けて行った.
  • 筒井 和美, 不二崎 理恵, 田村 朝子, 稲村 雪子, 荒井 冨佐子
    セッションID: 2P-19
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    目的病院給食は、医療の一環として入院患者の治療および健康回復を目的とし、日々食事箋にもとづいた適切な内容の食事が提供されている。現在は、入院時食事療養制度の改正や健康増進法の制定により、従来の必要栄養量の確保に重点を置いた病院給食の提供から、患者個々に対応した栄養管理に変わってきており、患者のQOL向上のためには、デザートを含めた個別対応の栄養管理が求められている。本研究では、病院給食にも対応できるおいしいデザート開発を目的に、病院給食における基礎情報を収集することとし、病院給食と提供デザートに関するアンケート調査を実施した。
    方法平成21年12月、新潟県内の医療機関133施設に対し、アンケート用紙「病院給食におけるデザート提供の実態」を送付し、FAXによる回収後、以下の項目について集計した。病院給食の食数、食材費、提供デザートの種類と利用目的、提供頻度である。
    結果アンケート用紙を72施設から回収し、集計には71施設分を用いた(回収率54.1%、有効回答率98.6%)。調査の結果、一般治療食及び特別治療食の提供数がそれぞれ99食以内の施設が多く、費用は給食費1日分の食材費が600円台、デザートは99円以内の施設が多かった。病院給食のデザートには、「果物」及び「乳製品」が提供されることが多く、その次に「栄養補助食品」、「菓子類」の順となった。「果物」及び「乳製品」の利用目的には、「食品構成上」が主な理由であったが、中には「患者の嗜好」を考慮していた施設もあった。デザートの提供頻度は、1日1~2回が多かった。
    謝辞本研究は、平成21~23年度 新潟県立大学教育研究推進事業費の助成を受けて行われたものである。
  • 大久保 恵子, 小竹 佐知子
    セッションID: 2P-20
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    目的:江戸時代後期の広島藩儒頼春水(らい しゅんすい、1746~1816、延享3~文化13)が中心となって残した時祭(2月春饗および8月秋饗)供物献立に用いられた到来食品の内容とその特徴を、前報(日本家政学会第60回大会)に引き続き調査分析した。資料:春饗供物献立35枚、秋饗供物献立38枚、および定季ではない特殊祭礼の供物献立10枚を調査対象とした。全資料の献立末尾に記載されていた到来の食材および製品の種類および品数を調査した。結果:到来食品は春饗において全部で100種の230品、秋饗において70種の184品、特殊祭礼において18種の19品が認められた。全使用食品数に対する到来食品の割合、すなわち、到来食品使用率は春饗で30.7%、秋饗で24.7%、特殊祭礼で10.4%であった。春饗では魚介・水産加工品が33.9%と最も多く、次いで、菓子20.4%および野菜・芋が16.1%と続き、茸および果実は少なかった。秋饗で最も多くの割合を占めたのは、菓子の21.7%であり、次いで魚介・水産加工品が15.2%となり、旬である柿および松茸を多く含む果実および茸の割合が春饗に比べて多かった。献立の各項目(汁、飯、香物、膾・猪口、平、向詰、酒、取肴、菓子、茶)における、到来食品の占める割合が最も高かったのは、両饗とも菓子であった。春饗では次いで酒、茶での割合が高く、秋饗においても茶における到来品の割合が高かった。これらはいずれも入手後に調理する食材料ではなく、加工製造された食製品であった。食製品は、生鮮食材に比べて日持ちするので、前もって送り届けたり、または送付されたものを祭日まで保存しておくことが可能であったと考えられる。
  • -天保2および3年-
    小林 史幸, 小竹 佐知子, 大久保 恵子
    セッションID: 2P-21
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    目的:南総里見八犬伝、椿説弓張月等の作者として知られる戯作者・曲亭馬琴(1767-1848年)は、身辺の出来事について詳細な日記をつけていた。その『曲亭馬琴日記』の天保2および3年(1831~32年)の2年間を対象とし、当時の食の状況を知ることを目的にして、特に菓子類について、その種類と用途に注目して文献調査をおこなった。資料:『曲亭馬琴日記』(中央公論社、2009)の天保2年と同3年の本文から菓子の記述を抜き出し、各種菓子の記録数および全体に対する記録数の割合を調べた。その際、種類別と用途別の2種類の方法で集計した。種類別の集計では1種類の菓子の記録1つにつき1回と数え、用途別の集計においては、1つの用途に必要とされる菓子の数を菓子の登場回数とした。また、砂糖については入手頻度と入手量からその使用状況を推測した。結果:日記に登場する菓子類を種類別にみると菓子、餅菓子といった大まかな分類の他、落雁、団子など個々の名称もあわせて25種類の菓子類に関する事柄が記録されていた(天保2年に143回、天保3年に162回の記録)。両年とも最も記録回数が多かったものは餅菓子(38回、55回)であり、正月準備に多種多様な餅を注文したものが多く見られた。次いで多かった砂糖(29回、36回)の場合は、白砂糖、黒砂糖の分類、分量等詳細に記録された日もあったが、砂糖を入手したということのみ記録された日もあった。用途では贈答、供え物、注文品記録、購入品記録等全部で20種に分類できた(169回、193回)。その中では貰い物が最も多く(68回、61回)、その送り主は大家にあたる人物、身内、友人、板元からの物が多数記録されていた。
  • 櫻井 美代子
    セッションID: 2P-22
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】小麦粉より作られるうどん・そうめんなどの麺類のほかに、すいとんや団子類・まんじゅう類・パン類にも加工されるほか、食品のつなぎや衣などに使用されている。このうち日常食・行事食のいずれにも使われ、地域的特徴のみられるうどんをとりあげ、その種類呼称、調理法用途などについて調査を行った。また、日常のうどん食が継承されている相模原市津久井地区のうどんとの関係についても検討したい。資料としては、大正末期から昭和初期の聞き取り調査をまとめた、『日本の食生活全集』(農山漁村文化協会)47冊を中心に調査・検討を行った。
    【結果及び考察】 うどんは、ほぼ全国的に食されており今回は、「うどん」の呼称に注目し、以下のように分類した。①地名や形態の呼称。「讃岐うどん」や「稲庭うどん」のように地域名があるものや「ひもかわうどん」のようにうどんの形態をあらわしてあるもの。②うどんをゆであげててから食す、「釜あげうどん」や汁に野菜やうどんを煮こんだ「にこみうどん」などうどんの調理法と用途による違い。③日常食と行事食
    以上の分類により、地域に根づいた呼称があるうどんが各地で存在している。煮こみうどんでも、ゆでこぼしてから煮こむものと、煮汁に直接いれて煮こむものと調理性の違いによるものがあった。日常では、煮こみにする時には季節の野菜などを共に煮て食され、毎日夜うどんを常食している地域も存在した。日常食以外でも、盆や祭り・正月などにうどんが供えられたり、人寄せの時に振る舞われたりしていた。多くは、行事や接待に使用する時には、ゆでこぼしたうどんを使用することが多く、てんぷらや野菜の煮たものなどを添え、つけ汁で薬味を添えて食することが見受けられた。
  • 川村 昭子, 新澤 祥恵, 中村 喜代美
    セッションID: 2P-23
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    目的 石川県独自の行事で、奥能登地区に伝わる農耕儀礼「あえのこと」は、だんだんとこの行事を行う地区・農家が減少しつつある。時代と社会の変化に合わせて現代どのように意識され、伝承されているかを調査した。
    方法 1)日本調理科学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学-行事食-」に「あえのこと」を加えて、2010年4月に石川県内19市町村の食生活改善推進員461名を対象とし、認知・実施状況、この行事で食する食べ物・料理について調査した。2)2011~2012年に石川県能登町(旧柳田村)で行われた行事について調査した。
    結果  「あえのこと」は、田の神様をもてなし、感謝をささげる奥能登の伝承行事で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録され、国の重要無形民族文化財にも指定されている。毎年12月5日に田の神様を迎え、翌年の2月9日に田の神様を送り出す行事で、現在は輪島市、能登町、珠洲市などで行われている。1)この行事の認知率は40.6%であったが、実施(経験)率は6.1%と低く、奥能登の輪島市、能登町、珠洲市などで行われていた。2)12月5日の「田の神様お迎えの儀」、2月9日「田の神様送り出しの儀」両儀式後、必ず「直会の儀」として、甘酒、小豆飯、汁物、刺し身、煮しめ、焼き物、酢の物、漬け物、ぼた餅などの「ご馳走」でもてなし、神様のおさがりとして家族全員で食事をする。調査では喫食経験のある料理として、煮しめ(13)、尾頭付き焼き魚(10)、小豆飯(7)、酢の物(6)、ぼた餅(4)、甘酒(3)などが出現していた。だんだんと簡略化され、家庭で「ご馳走」を作らないのか、行事は行ってもあまり食されていない傾向であった。
  • 日本・中国・韓国の比較
    我如古 菜月, 神野 景子, 山下 広美
    セッションID: 2P-24
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】我々はこれまで、酢の効果について多面的に研究を行ってきた。しかし、酢がどのような調理法でどの食材とよく合わせて使用されているのかを総合的に調査した報告はない。そこで本研究では、同じ東アジアに位置し、歴史的にも関係が深い日本料理・中国料理・韓国料理を比べることにより、3ヵ国それぞれで発達した酢の使用方法について調べることを目的とした。
    【方法】中国料理、韓国料理、日本料理の料理書25冊を対象文献とした。料理書は3料理様式の伝統的料理が記載されていると判断され、日本語で書かれているものを選択した。すべての料理について、各々のレシピから主材料、調理法、酢使用の有無に関して調査した。統計処理は、IBM SPSS Statistics 19.0を用いて、X²検定を行った。
    【結果】調査対象料理数は3カ国合計で3635品であった。酢の使用率は中国料理で12.9%、韓国料理で13.2%、日本料理で21.3%であり、日本料理では酢を使用する料理のうち1/4が付け合せに酢を使用していた。各料理様式間、主材料間における酢の使用有無については、3料理様式とも魚介類を主材料とする料理でよく酢を使用していた。また、日本料理では穀類を主材料とする料理でも酢を多く使用していたが、これは寿司が影響していると考えられた。韓国料理では野菜類でも有意に酢を使用していたが、これは韓国においてナムル等が発展したためであると推察された。中国料理では、主材料に関わらず甘酢として利用されていることが多かった。以上のように東アジアに位置し、歴史的背景などに深くつながりのある3カ国においても、酢の使用方法は異なっており、使う目的も異なる傾向があった。
  • 小出 あつみ, 山内 知子, 松本 貴志子, 間宮 貴代子
    セッションID: 2P-25
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    目的 最近、外食産業界ではカフェブームがおこり個性的なカフェが出現している。本研究では大学生を対象にカフェの利用状況と好む料理および空間について調査し,男子と女子学生が理想とするカフェスタイルについて検討した。
    方法 調査には自記式のアンケート用紙を用いた。パネルの男子は愛知県内の大学に通う160名(20.65±1.40歳)で,女子はN女子大の学生146名(19.44±0.98 歳)である。アンケートの内容は属性の4問,利用状況の8問,飲食状況の5問,空間演出の7問の合計24問で、男子は留め置き法で配布1か月後に回収し,女子はその場で回収した。データの集計はエクセルで行った。
    結果 利用状況では,男女共に月2~3回の頻度で好むスタイルのカフェを選び,14~18時の時間帯に友達と2人で1~2時間を会話しながら過ごし,1回の飲食代が500円~999円である事が示された。飲食状況のよく注文する料理では、男子がパスタ・ケーキ・サンドウィッチの順番で,女子がケーキ・パスタ・ランチセットの順番で多かった。飲み物は男女共にコーヒーが最も多かったが,女子が最も好きな飲み物は紅茶であった。好む空間演出では、男子はクラシック音楽が流れるモダンスタイルの半個室空間で,女子はポップスが流れるカントリースタイルの半個室空間であった。以上の結果から男子と女子学生が理想とするカフェスタイルは基本的に同じで,落ち着いて会話ができる半個室空間を持つカフェであったが、さらに男子学生では店舗の場所やコーヒーのメニューの充実が重要であり,女子学生では低価格で多種類の料理と飲み物が提供される事や店内の花やひざ掛けの用意など細部にわたる配慮が重要であることが示された。
  • 時友 裕紀子, 深澤 絵里子
    セッションID: 2P-26
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】山梨県北杜市では毎年小学生対象の教育ファーム事業を展開している.2010年度からは,北杜市と山梨大学の連携事業の一環として,山梨大学教育人間科学部学生が同ファームにおいて教育ボランティア活動を行っている.本研究は前報(第1報)に引き続き,当ファームの活動状況の把握と小学生や学生に対する食育の効果について明らかにすることを目的とした.
    【方法】調査は2011年度に教育ファームに参加した学生および運営スタッフを対象とし,学生にはファーム活動後に毎回,学生自身の学びや学生の視点からのファームにおけるこどもの様子,事業に対する評価等について,質問紙によるアンケート調査を行った.運営スタッフにはインタビュー調査を行った.
    【結果】2011年度の教育ファームでは米や野菜の栽培・収穫作業,田の生き物調査,豆腐・みそづくり,もちつき,栄養士による大豆や米を題材とした栄養講座等,主として北杜市のスタッフの指導による活動のほか,新たに山梨大学家政教育専修学生による「みそについて学ぶ」プレゼンテーションも実施され,多様な活動が行われた.学生にとって多くの学びがあった活動は豆腐づくりや田の生き物調査,学生自らのプレゼンテーションであり,学生の視点からこどもが意欲的であった活動は田の生き物調査や地元の祭りでこどもたちが収穫物を販売した「こども市場」であった.当教育ファーム事業は,作物の栽培,収穫,加工,試食,販売,栄養講座等の一連の継続した体験ができることが有意義であると評価された.第1報)時友,山内:日本家政学会第63回大会研究発表要旨集p81(2011).
  • 田中 順子, 川西 正子, 土田 幸恵, 高谷 小夜子, 岡 佐智子
    セッションID: 2P-27
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】幼児期に好きな野菜を増やし、野菜摂取状況を改善することは健全な食習慣を形成するうえで大きな課題である。本研究は、大阪地域における幼稚園・保育園児の野菜摂取状況と母親の食生活に対する態度との関連を調査し、今後の食育の方向性を探ることを目的とした。【方法】幼稚園・保育園児の保護者を対象として平成22年に質問紙法による調査を行い、3~6歳児の母親について集計を行った。有効回答者数は1376人、回収率69%であった。【結果および考察】母親の71%が子どもの食について困っており、「野菜嫌い」「食事に時間がかかる」「偏食」などが上位であった。次に、母親の子どもの食生活に対する態度について因子分析を行い、3因子を抽出した。第1因子は「栄養や食品の話をする」「食事マナーの話をする」「手伝いをさせる」「一緒に料理をする」に高い負荷量を示したので『食育子どもと共に因子』とした。第2因子は「食べたことのない食材を使う」「新しい料理をしてみる」「よく噛まないといけない食材も提供する」に高い負荷量を示したので『食育チャレンジ因子』とした。第3因子は「調理済み冷凍食品や市販惣菜を使う」「土・日にはファーストフードを利用する」に高い負荷量を示したので『食簡便因子』とした。この3つの因子の下位尺度得点と野菜摂取状況との関連をみると『食育子どもと共に因子』『食育チャレンジ因子』は野菜嗜好度・野菜摂取頻度・提供野菜皿数などと正の相関、『食簡便因子』は負の相関を示した。幼児の「野菜嫌い」改善には母親の食育態度の涵養が重要である。子どもを通して保育者と母親が野菜や健康に関する情報を共有し、子どもに働きかけることが食育の方向性と考える。
  • 岡本 美紀, 武藤 慶子
    セッションID: 2P-28
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    幼児期は、生活習慣の基礎の形成時期であり、この時期の食生活は心身の成長、機能・能力等の発達への影響が大きい。本研究では、この時期の子どもの母親を対象に調査を行い、子と母親の食生活の把握と母親の食情報に対する興味・関心が子ども・家族の食生活に与える影響について検討した。。
    【方法】
    長崎県内の1歳児または3歳児の母親400名を対象に、2011年7~9月に子どもと母親の食生活に関するアンケート調査を留置法にて行った。アンケート回収率は79.5%、有効回答率は97.5%であった。解析には、IBM SPSS Statistics 19.0及びIBM  SPSS Amos 20を用いて主因子法による因子抽出及びプロマックス回転による因子分析を行い、確証的因子分析にて抽出した因子間の関連について検討した。
    【結果】
    1)子どもの生活習慣では、就寝時刻の不規則性、食事中のテレビ視聴の日常化と、母親の生活習慣では、朝食欠食、運動習慣不足、睡眠不足の傾向がみられた。
    2)食情報への興味・関心はテレビ・新聞・雑誌からの情報や家族とのコミュニケーションに高い傾向がみられた。また、栄養士等の専門家と関わり等には関心が低かった。
    3)母親の生活習慣についての因子分析では、第1因子に育児や食や健康に関して会話する「コミュニケーション」、第2因子に新聞や雑誌、本、テレビ、インターネットなどからの「食情報」、第3因子に、子どもや家族の食事の様子や食事の所要時間などの「食行動」が抽出された。
    4)因子間の関連では、「コミュニケーション」と「食情報」及び「食行動」との間の関連は見られたが、「食情報」と「食行動」の間には直接的な関連が見られなかった。
  • 水野 あゆみ, 木川 眞美, 佐藤 幸子
    セッションID: 2P-29
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】現在の調理実習の授業は、食材や調味料の計量、手順を記載したレシピを中心とした計量や数値を強調した教授方法が主流である。学校教育において、調理実習は体験的に実感を持って「食」の大切さを学ぶ授業として、食育を学ぶために有効な授業科目である。そこで、調理実習に、更に食農体験と調理学実験を組み合わせたカリキュラムを展開し、食育を推進する調理実習の新たな指導内容を検討した。
    【方法】授業科目「調理学及び実習」は、調理実習、食農体験、調理学実験の内容を組み合わせ指導計画を立てた。内容は、食育推進の基本施策の効果と対応させ、調理実習において「健康的な食生活の習得・実践」を目指し、実習献立を実習後、栄養価計算を課して、食事バランスを考察させた。食農体験では「食に対する感謝の心」を目指し、畑の開墾から除草などの整備を行い、農作物を栽培し収穫した。収穫作物は、新鮮なうちに調理・加工し、試食させた。調理学実験は「安全性・栄養等に関する知識と適切な判断力」を目指し、食材の調理現象を体験し実験記録を課した。授業の総括として、学生各自による模擬授業を実施し、授業内容の復習を試みた。
    【結果】「調理実習―食農体験―調理学実験」を組み合わせた授業カリキュラムは、収穫した野菜を調理して試食したり、調理加工している間に野菜を収穫したりと、従来の献立中心の実習では習得できなかった一回の授業内で、生産から調理までの一連の消費過程を学ぶことができた。食農体験では作物の収穫などの繰り返し作業が、身を持って体験した知識の定着に有効であった。また、模擬授業は、教材研究を進めていくことで、自分自身の食に関する理解を深める手段となったと推察される。
  • 今津屋 直子, 日浦 直美
    セッションID: 2P-30
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    目的:発表者らは、兵庫県下の全認可保育所および幼稚園を対象として、保育者の食育に関する意識と実践の実態について報告してきた(日浦・今津屋2010a; Hiura,N, Imazuya,N,2010b;今津屋・日浦,2011)。本研究の目的は、保・幼・小の連携の視点から就学前教育・保育における食育の課題について検討する研究の一環として、小学校教諭の食育に関する意識と学校現場での実践の実態を把握することである。 方法:兵庫県下の全小学校(807)の1年生のクラス担任を対象に、郵送による質問紙調査を行ない(2012年1月実施)、その結果をもとに、小学校教諭の食育に関する意識と実践の実態および給食時の指導の特徴について考察した。 結果:返送回答(回収率45.8%)の分析から、以下のような特徴がみられた。1)小学校での食育の取り組み・進め方については、計画作りに取り組んでいる(92.0%)、食育の評価を行い、その後の計画・実践に活かしている(53.7%)、給食の時間に食に関する指導をしている(92.0%)、地場産物の活用をしている(85.5%)、2)食に関する指導の目標としては、多い順番から、給食時に、感謝の心、食事の重要性、心身の健康、社会性、食文化、食品を選択する能力であった。3)給食の場所については、教室(86.8%)、ランチルーム(7.4%)であった。4)給食の意義については、子どもの人間関係上、マナーを教える大切な時間である(84.0%)、他の時間と同様、教師の意図的な関わりが必要である(67.5%)と考える傾向にあった。
  • 村上 陽子
    セッションID: 2P-31
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
     【目的】 食品の嗜好価値は,味,色,香り,食感などの化学的・物理的特性によって決定される。一方,現代社会においては,加工品の普及により,簡便性・合理性・利便性が重視され,食の色彩は軽視される傾向にある。食における色の効果を大事にしてきた我が国には,和菓子という伝統的な菓子がある。練りきりに代表される茶席の和菓子は色や形などが多様であり,カロリーが低いなどの利点をもつ。さらに,色の配色など色彩に関して繊細な心遣いがなされており,食べる人の食欲に大きな影響を及ぼしていると考えられる。練りきりの色彩と食嗜好性の関係を明らかにし,色の美しさと多様性が特徴的な練りきりを食育教材として活用することで,栄養面・食文化面など多角的視点からの食育の遂行が期待される。本研究では,練りきりと色彩の連想関係に着目し,練りきりの色が幼児の食嗜好性や言語力の育成に及ぼす影響について検討した。
    【方法】 調査対象は静岡大学教育学部附属幼稚園の年中(43人)と年長(46人),調査期間は2007年10月である。異なる着色食材で着色した練りきりについて食嗜好性を測定した。また,各色相から連想される食材について考える活動を設け,その練りきりの色が何の食材によるものかをクイズ形式で当ててもらった。
    【結果および考察】 練りきりの色嗜好性に男女間で顕著な違いが見られた。男女とも,着色食材を知った前後で,選ぶ色の内容や順序に大きな変化は見られなかった。色を用いることにより,練りきりに対する嗜好性は増加した。練りきりの色を用いた連想ゲームは子どもたちに食べ物や食べ物の色に対する興味を向上させた。練りきりから連想される食べ物は年中より年長の方が多かった。
  • 篠原 久枝, 奥田 豊子, 田中 紀子, 浅野 恭代, 東根 裕子, 濱口 郁枝, 康 薔薇
    セッションID: 2P-32
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】近年,若年者の味覚の変化や味覚障害が増加していることが報告され,味覚教育の重要性が唱えられている.特に思春期は適切な味覚や食習慣を確立することが心身の健全な発育・発達に不可欠である.そこで,本研究では小中学生の味覚の実態と問題点を明らかにするために,味覚教育を実施し,食生活・生活習慣との関連性について検討した.
    【方法】2011年2~12月に宮崎県内の小中学校4校の5~7年生(男子118人,女子114人)を対象に味覚教室を実施し,五基本味と天然だしの識別検査,食生活・生活習慣に関する質問紙調査を行った.本研究は宮崎大学教育文化学部研究倫理委員会の承認を受けた.
    【結果および考察】味覚教室実施前の5基本味の認知度は「甘味」「苦味」「酸味」は高値であったが「塩味」「うま味」は低く,「辛味」を基本味とする回答が多かった.実施後は,「うま味」の認知度が高まった.五味識別能は「甘味」「塩味」は高値であったが,「うま味」「苦味」は低値であった.だしの認知度・識別能は「鰹節と昆布の混合だし」が低値であった.女子は男子と比較して「果物」「野菜」「和食」などの摂取頻度が高値であり,さらに「手伝い」「調理への関心」など調理行動が高値であった.一方,男子の「塩味誤答者」は「ファストフード」「スナック菓子」などの摂取頻度が高く,「料理の盛付け」など美味しさに関わることへの関心が低かった.だしの識別能高値群では「スポーツを楽しむ」「気分がよい」などの生活習慣が高値であった。以上の結果から,「家庭科」が男女共修必修である小中学校生の時に,食習慣の確立だけでなく,五基本味やだしについての教育,美味しさへの意識を高めるような教育が必要であろう.
  • 奥田  豊子, 篠原 久枝, 田中  紀子, 浅野  恭代, 東根  裕子, 濱口  郁枝, 康   薔薇
    セッションID: 2P-33
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】 第2次食育推進基本計画に、「よく噛んで味わって食べるなどの食べ方に関心のある国民の割合の増加(目標80%以上)」という項目が新たに追加された。高学年児童の咀嚼意識の現状を把握し、咀嚼意識向上のための基礎資料を得ることを目的とした。【方法】 大阪府内2校、兵庫県内2校の小学5,6年生(男子230人、女子209人)を対象として、食生活、生活習慣に関する質問紙調査(53項目、4件法)を実施した。健康に良いと考えられる方を高得点となるようにした。食物の摂取頻度と調理行動やスポーツについては、重みづけのない最小二乗法で因子分析を行った。咀嚼意識の高・低2群および学習態度・意欲の高・低2群でクロス集計を行い、χ2検定した。【結果および考察】 食事のときはしっかり噛んで食べる「いつも」、「よくある」と回答した児童は71%であったが、噛む回数を「いつも」、「少し」意識していると回答した児童は39%と低値であった。この2項目の得点平均の中央値で咀嚼意識低群と高群の2群に分けた。咀嚼意識高群は、野菜の摂取頻度、調理行動に興味がある、食生活リズム、学習態度・意欲、心身の健康、味覚、その他計22項目で有意性が認められ、いずれも咀嚼意識低群より、健康に良い食生活、生活習慣である児童の割合が有意に高値を示し、咀嚼意識が高いことは、良い食生活・生活習慣と連動していることが示唆された。以上の結果から、これからの児童の食育には、咀嚼の重要性だけでなく、調理の楽しさを知り、食事を楽しむこと、野菜をしっかり食べること、食のリズムを整えることなどが咀嚼意識向上に有効であること、さらに咀嚼意識が高いことは、学習意欲にも関連していることが示唆された。
  • 植田 郁美, 村上 陽子
    セッションID: 2P-34
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】 食べ物のおいしさは,食材の味,香り,色,形,テクスチャーなど化学的・物理的要因により構成されており,五感すべてで感知される。五感の中でも,「触覚」は口中や舌で知覚されるものが主であり,結果として生じる感覚を「食感」と呼ぶ。食感には,食べ物の硬さ・粘性・歯切れなどのテクスチャーや温度が関与している。テクスチャーは食物の美味しさに関わる重要な因子であり,それを言葉で表現したものがオノマトペである。オノマトペは種類も多く,表現も多彩であり,食品に対する感覚特性を客観化する際の有用な情報である。しかし,オノマトペは幼く子どもっぽいというイメージから,教育現場であまり重視されていないのが現状である。そこで,本研究では,小学生と大学生の食に関するオノマトペの印象を調査し,世代間の相違を検討する。これにより,食におけるオノマトペの重要性を明らかにし,五感で感じたことを「言葉で表現する」スキルの手がかりとする。さらに現在充実が求められている「言語活動の充実」のための教材開発の一助とする。
     【方法】 静岡大学附属静岡小学校5・6年を対象に,アンケート調査を行なった。55語のオノマトペについてオノマトペに対する印象を「おいしそう・まずそう・どちらでもない」のいずれかを選択してもらった。また,大学生を対象として行なった調査結果と比較し,相違を検討した。
    【結果】 小学生と大学生と比較した場合,「おいしそう」な印象を持つ用語は,大学生よりも小学生の方が多く,「まずそう」な印象を持つ用語は大学生の方が多かった。「食べた時の感覚を表現する」用語として認知されている用語においても,印象についての認識が異なる用語があることが示唆された。
  • 三ツ井 紀子, 長嶋 直子, 高岸 徹
    セッションID: 2P-35
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】衣服の着用において、しわの発生は美的感覚から望ましくない。しわは洗濯後に生じる洗濯しわと、着用後に生じる着用しわに類別することができるが、両者ともしわ発生後のアイロンがけは多量の熱的エネルギー消費はもとより、家事労働における負担が大きいと感じる人が多いことが報告されている。しかしながら、しわの発生の要因は明らかとされていない。しわ発生の要因が明らかにされれば、消費および排出エネルギーを抑えたこれからの被服管理への提案が可能になるものと思われる。そこで、洗濯しわが生じる要因、すなわち、脱水、乾燥を含む洗濯過程における種々の条件が衣類のしわ発生におよぼす影響について検討することを目的とした。
    【方法】試料として各種組成、組織の異なる綿布およびポリエステル布、計6種類を用いた。洗濯機としては洗浄方式の異なる2種の洗濯機すなわち渦巻き式およびドラム式洗濯機を使用し、種々の洗濯条件(洗剤濃度、温度、浴比、洗浄時間)、および脱水時間を変化させて洗濯を行い、さらに乾燥条件についても検討した。しわの評価判定には5段階のしわ見本を作成し、肉眼で判定、評価し、条件別に有意差検定を行った。
    【結果】しわの発生におよぼす洗濯時の洗剤濃度および温度の影響は、渦巻き式およびドラム式洗濯機の機種間における差はみられなかった。一方、いずれの洗濯機においても浴比が小さくなるにつれて、また洗濯時間が長くなるとしわが発生しやすくなることがわかった。綿金巾、綿ブロードはしわになりやすいが、シルケット加工を施した方がしわは発生しにくく、T/C混ニットはとくにしわになりにくいなど試料間に大きな差が見られた。また、試料の物理的性能(厚さ、剛軟性、防しわ性)との関係についても考察した。
  • 野呂 有沙, 郷出 智里, 服部 富久美, 山口 さやか, 成瀬 正春
    セッションID: 2P-36
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    目的:近年、金属装飾品による皮膚炎、とくにニッケルアレルギーが問題となってきている。若年者である女子学生は金属アクセサリーを装着することが多く、接触皮膚炎に悩まされていると思われ、金属装飾品によるアレルギーの実態を知ることを目的としたアンケートによる調査を行った。方法:K大学在籍中の18歳から22歳までの474人を対象として7月、8月の2ヶ月間に行った。アンケートは集合調査法で、回収率は100%であった。結果および考察:アクセサリー使用による皮膚障害の経験については全体の65%が経験しており、そのうち10%は重い症状であった。アクセサリーの使用頻度については毎日と答えた人が最も多く36%で、女性の必需品となっていると思われる。アクセサリーの種類ではネックレスと答えた人が47%で次いでピアスの34%となった。皮膚障害への対処法では、そのまま放置するが62%と高い値で、皮膚障害が現れてもそのままアクセサリーを装着していることが多く、女性にとってアクセサリーがいかに必要であるかが伺える結果である。皮膚障害を経験した季節では夏が52%と最も多く汗をかく季節に多いのは当然と思われる。皮膚障害を起こした時に使用していたアクセサリーの価格は2000円以内との回答が68%と多く、安価なアクセサリーでの症状出現が多いが、これは価格的にみてニッケルの材質とおもわれ、ニッケルの感作率からも推定できる。アクセサリーによる金属アレルギーを防ぐためにも感作率が高いといわれているニッケル、コバルト、クロムなどを使用したアクセサリーへの対応が求められる。
  • 駒津 順子, 小松 恵美子, 森田 みゆき
    セッションID: 2P-37
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    目的 高等学校家庭科の授業1単位時間(50分等)で実践可能な染色教材の開発を行っている.これまで多人数を対象とする染色教材について,授業実践を通して検討を重ねてきた.本研究では,実践時に顕在化した染色の技術的な問題点とその改善策を整理・分析し,今後の課題について検討した.
    方法 2007年~2011年の5ヶ年の間に,フードデザインおよび家庭基礎の授業で生徒数1,282人を対象に染色実習を実践した.授業は約40人規模で行い,色素抽出(事前準備)から実習までの全工程を教師が1人で担当した.各実践を通して明らかとなった課題と改善策を時系列に従ってまとめ,整理・分析を行った.
    結果 実践により染色布に関する問題点として「染色布が小さく使い途を見いだせない」「天然染料で大判の綿布を染めるには染料使用量の減量化が必須」等が,また授業時間の制約に関する問題点として「染色や媒染の作業が単調で時間が長い」等が明らかとなった.大判綿布を染めるための染料使用量の減量化は,染液の有効利用について複数回の実践で検討した.染液の2回使用や混合染色液の使用により,初回液と同程度の色の染色布が得られることがわかった.最終的には,身にまとうことができる60cm四方の綿布を染色することが可能となり,天然染料の使用量を当初の25%に削減できた.また作業時間については,媒染時間の短縮を検討した結果,染色時間20分,媒染時間10分,残りの20分に移染防止のための簡易ソーピング等を行う,という授業時間50分の染色実習の最適条件を決定することができた.今後は,天然染料の特徴でもある「濃色に染めることが難しい」「色のバリエーションが少ない」という課題を改善するために、更なる染色技術の検討が必要である.
  • ―仙台浴衣と仙台手拭について―
    川又 勝子, 佐々木 栄一
    セッションID: 2P-38
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    [目的] 大正から昭和40年代にかけて、当時の大量染色法である注染により、浴衣や手拭が関西地方や関東地方で数多く生産されていた。一方、これらは仙台地方でも生産され、東北・北海道の消費者の要望も取り入れたこの地方の特色ある製品が広く販売されていた。調査対象としている染色工場に染色品として現存しているものは僅かであるが、注染型紙は多数保存されており、これまでに654枚の調査とそれらの文様の電子保存を行った。今回は50枚の注染用型紙の調査結果について報告する。
    [方法] 方法は従来通り行った。すなわち1)型紙の調査、2)型紙の電子保存である。スキャニングが困難な破損・欠損型紙については、紙資料用補修テープを用いて裏面から型紙の補強と固定を行った後に電子保存を行った。
    [結果] 1)破損・欠損箇所のある型紙は50枚中30枚であった。前報までの型紙と合わせると、第3型入れ箱の型紙破損・欠損率は42.6%となる。物理的修復方法として、加湿後に補修テープを用いての補強を行ったが、現在のところ、補修による資料の状態の悪化等はみられていない。また、これまでは紗張り型が多数を占めたが、今回の調査では、20枚の糸入れ型が見られた。糸入れは紗張りが行われる以前に行われていた型紙の補強方法である。2)スキャニング画像は汎用ソフトで破損・欠損箇所の修復とゆがみ除去を行い、その一部についてインクジェットプリンタによる布製染め見本の作成を行った。また、これまでに電子保存した名入れ型紙246枚を収録した型紙資料集も作成した。
    なお、本研究は平成21~23年度文部科学省科学研究費補助金(若手研究(B)課題番号:21700720)の補助を受けて行った。
  • -背面形状,重心動揺,Heath-Carter体型分類による検討-
    佐藤 真理子, 上原 幸子, 直井 美佳, 田村 照子
    セッションID: 2P-39
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】 スポーツマンの体型及び姿勢は従事する競技により異なると推測されるが,現代のスポーツウェアにそれらの情報は十分活かされていない.本研究では,各種競技におけるスポーツマンの体型を計測,特徴を抽出し,それぞれの体型に即した最適なウェア製作を目指しての基礎データ集積を行う.
    【方法】 被験者は大学体育会に所属する健康な若年男性で,テニス部,陸上部(短距離),剣道部,各5名の計15名(年齢20.1±0.9才,身長172.1±3.8cm,体重63.2±3.7kg)とした.スポーツマンの定義として,5年間以上同じ競技を継続している者とした.測定項目は,身長・体重,メジャー計測,脂肪厚,背面形状,重心動揺である.計測時は,被験者に圧迫のないボクサーショーツのみを着用させた.
    【結果】 重心動揺計測では,前後方向の中心変位において,陸上部で前方,剣道部で後方に重心のおかれている様子が示された.競技としての特性が表れているものと考えられる.背面形状の計測では,胸椎後弯角がテニス部で,仙骨傾斜角が陸上部で,それぞれ値の大きいことが明らかとなった.Heath-Caterの体型分類を行った結果,三群とも,内胚葉スコア(皮下脂肪の厚い体型)が小さく,中胚葉スコア(筋肉・骨格の発達した体型)の大きい傾向であった.特に陸上部は,その傾向が顕著で,皮下脂肪が少なく筋肉・骨格の発達している体型であることが示された.今後,被験者数と競技種目を増やすことで,スポーツウェアへ適用可能な体型データの蓄積を図りたい.
  • 永島 優香, 阿部 栄子
    セッションID: 2P-40
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー

    目的;絹縮緬地を用いたあわせ長着の着装は、きものそのものが身体よりも大きく、また、布地が柔らかく、多くの着装工程もあり、着装初心者にとっては技術の習得は難しいとされる。本研究では、和服着装の上で最も「要」とされる「腰紐」に注目し、その扱い方、結び方等における問題点を見出そうとした。
    方法;着用実験に先立ち、着装専門書の検討、および着装専門家からの聞き取り調査などを整理した。その後、柔軟で変形しやすい絹縮緬地を用いたあわせ長着を製作し、着用実験を行った。和服着用において最初に結ぶ「腰紐」に注目した本着用実験の結果から、着くずれを初めとした「腰紐」の問題点について考察した。和服の着用者は、20歳代の健康な標準体型の女性である。着装は、背縫い線を背骨に合わせ、左脇縫い線は大腿骨に合わせた外出着としての一般的な着装を行った。各長着着用時とも、それぞれの長着の着装誤差をできるだけ少なくするため、きものの頸窩点における左右衿山の打ち合わせ、両脇でとる襞の位置、すそ線の位置、腰紐の合わせ目には合い印を付けた。なお、着装は、全て経験約30年の専門家(着付けコンサルタント)に依頼した。
    結果;本研究では、和服着用における着くずれについて、「腰紐」に注目し、着用実験の結果から検討した。その結果は、次のようにまとめられる。
    ①着くずれは、「腰紐」に起因する場合が殊のほか多い。②腰紐をしめる準備として、きものの打ち合わせ段階からタテ布目の流れに注目する必要がある。③腰紐は、少なくとも左右どちらかの腸骨の上部を通る位置で結ぶと良い。④背面後部では、第4腰椎を通るように結ぶと、腰紐は後ろ上がりとなり、裾線はくずれにくい。⑤上前衿先が身体の真横で整えられ、腰紐で押さえられていると、上前の衿下がずれにくい。
  • -高校1年生を対象とした調査から-
    鈴木 明子, 庄山 茂子, 小桝 由美
    セッションID: 2P-41
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    目的 家庭科の実践的・体験的な学習活動のひとつであるものづくり学習が,主体的な生活実践に対する自己効力感の向上にどのように関与しているのか追究し,その意義とあり方について示唆を得たいと考えている。本報告では,家庭科学習後の高校1年生を対象に調査を行い,家庭科ものづくり学習への意識と生活実践への自己効力感および一般性自己効力感との関係を明らかにすることを目的とした。
    方法 広島県の高等学校3校の普通科1年生544名(男子254名,女子290名)を対象に,2011年2月から3月に調査を行った。各学校に質問紙を留め置き学級単位で集団調査法によって実施した。調査項目は,生活実践への自己効力感を問う27項目,家庭科や布を用いたものづくり学習の好みを問う5項目,家庭科のものづくり学習の成果を問う18項目及び一般性自己効力感を問う18項目であった。それぞれ,4あるいは6段階で問い,数値が高い方を肯定的評価とした。全ての項目に回答した男女を対象としてPearsonの積率相関係数によって項目間の関係を分析した。
    結果 生活実践への自己効力感27項目の平均値は男子の方が高かった(p<0.001)。家庭科への好意度は女子の方が高かった(p<0.001)。布ものづくりへの好意度, ものづくり学習の成果への意識には男女の平均値に有意差はみられなかった。一般性自己効力感の平均値は男子の方が高かった(p<0.05)。男女ともに生活実践への自己効力感の多くの項目と家庭科および布ものづくり学習への好意度との間に比較的強い相関がみられた。また, 一般性自己効力感尺度の下位因子のひとつである「チャレンジ精神」と布ものづくりへの好意度との間に男女ともに相関がみられた。
  • 岡崎 貴世
    セッションID: 2P-42
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】最近若い女性につけまつげの使用が流行しており、使用者の中には同じつけまつげを繰り返し使用している人もいるようである。まつげにはゴミや埃などから目を保護し疾病を防ぐ役割があるが、一度使用したつけまつげには汚れが付着しており、それを不衛生な状態で繰り返し使用すると皮膚や目に悪い影響を及ぼす可能性がある。そこで、使用後のつけまつげの細菌検査とアンケート調査を行い、つけまつげの使用実態を調査した。また、つけまつげの効果的な洗浄方法を検討した。
    【方法】女子大学生234人につけまつげの使用に関するアンケート調査を実施した。つけまつげの細菌検査は標準寒天培地と卵黄加マンニット食塩寒天培地を用いて測定を行った。さらに表皮ブドウ球菌で汚染したまつげを作成し、水や湯洗い、石鹸等を用いて汚染まつげを洗浄し、残菌率を求めその効果を比較した。
    【結果・考察】アンケート結果から、約4割の学生がつけまつげを使用したことがあり、そのうち8割以上の人が繰り返し使用していた。しかし使用したつけまつげを洗浄していない人が72%もおり、非常に不衛生な状態で使用されていることがわかった。細菌検査の結果、使用後のつけまつげには個人差はあったが、多いもので105を超える菌が付着していた。また、取り外した翌日でもつけまつげから多くの菌が検出され、適切な洗浄の必要性が認められた。つけまつげの洗浄方法として水や湯洗いのみでは付着した細菌の除去は不十分であり、石鹸やメイク落とし使用で残菌率が約1%になった。さらにつけまつげを衛生的に保つにはオスバンのような殺菌消毒効果のある石鹸等を用いることが望ましいことがわかった。
  • 岡村 好美, 長山 芳子, 土屋 貴代, 大泉 佳広, 湯地 俊史
    セッションID: 2P-43
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    目的】色刺激として日常の社会生活に深く関係することの一つが着衣色である。衣服の色彩については多くの研究がなされており、衣服の色彩嗜好は具体的形態を伴った場合に変化することが報告されている。我々はこれまでに、着装者の好みが現れやすい日常着のTシャツ・パンツスタイルを基本とした色彩調査において、上衣の色彩には有彩色が好まれることや、個人差は上衣の色彩に現れやすいことを確認している。  本研究では、多色衣服の主要色相・色面積の大きさおよび地色との関係から、着装者の意識と嗜好の関係を検討した。 【方法】宮崎県と福岡県内の小学生と大学生576名(小学生;宮崎県:115名、福岡県:179名、大学生;宮崎県:166名、福岡県:116名、回収率:82.29%、有効回答率:95.88%)を対象として、2010年6月から11月において、色彩嗜好の調査を実施した。日常着としてTシャツを仮定し、色の分布として認識できるデザインの分布色の大きさ・地色との比較嗜好関係、柄の判断が可能なデザインによる同様の比較嗜好関係、および、全デザインを対象とした嗜好性と嗜好色について調査票を作成して用いた。  得られた結果を得点化し、単純集計の後、平均値の差の検定、因子分析により解析した。 【結果】1.分布色の大きさは小さい方を好む傾向と地色は白より黒を好む傾向が、宮崎・福岡の両県の調査対象者に共通して認められた。調査8対象において有意な差は、赤の場合の分布色の大きさと赤・黄緑・人物柄の場合の地色との関係において認められた。2.好みのTシャツとして選択した割合の因子分析結果では、調査8対象は3つに分類できることが認められた。3.嗜好色として回答した色種割合の因子分析では、男子は地域や年齢に関係なく共通性が認められた。
  • 福井 典代, 酒巻 有希
    セッションID: 2P-44
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    目的 衣服の色・柄・デザインは,既製服を購入する際に最も着目する点である。特に色は,個人の嗜好やその年の流行色との関係が深い。しかし,実際に衣服を着用すると,見た目と異なるイメージを持つことがある。そこで本研究では,同一サイズの仕上げ寸法であるが,色の異なる上衣を用いて人台に着用させた状態で観察した場合の,仕上げ寸法の見え方の違いを検討した。さらに,色の異なる上衣のイメージについてもSD法により調査した。
    方法 同一のデザインであるが色の異なるチュニック3着を用いて,同一サイズの人台に着用させ,それぞれ正面から見た場合の仕上げ寸法の見え方の大小について測定を行った。シェッフェの一対比較の中屋変法により分析を行った。同時に,11の服装評価用語を用いてSD法によるイメージを調査した。服装評価用語は,女性ファッション誌の中から比較的多く使用されていた用語「大人な」,「かわいい」,「レトロな」,「上品な」,「リッチな」,「シンプルな」,「マニッシュな」の7つの用語を選定した。また,色の感情効果から「暖かい」,「派手」,「軽い」,「好き」の4つの用語を選定した。女子大生21名を対象として平成23年12月に調査を実施した。
    結果 正面から観察して調査を行い,分散分析した結果,F0=17.67となり1%の危険率で,色の異なる3着のチュニックの仕上げ寸法の見え方に違いが認められた。ベージュ>ディープレッド>ダルブルーとなり,ベージュが最も大きく見えた。SD法によりイメージ調査をした結果, 9つの評価用語において危険率1%で違いが認められた。 
  • 長山 芳子, 金子 結花
    セッションID: 2P-45
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】人は被服を手がかりとして対人認知をしており,服色も影響を及ぼすことが知られている。小学生が服色を着用した人に対してどのようなイメージを形成しているか,また服色選択において何を重視しているのか不明な点が多い。小学生の日常着の色選択行動について服色嗜好との関連で明らかにすることを目的とした。
    【方法】調査対象者は福岡市内の小学校4年生と6年生の男女計369名,調査時期は2010年11月~12月とし,質問紙調査を実施した。提示資料1は服色イメージ調査用「カラークロス」とし,赤・黄・緑・青・紫・ピンク・白・灰・黒の計9色,各42cm×38cmTシャツ形の綿布を灰色模造紙に貼付した。資料2は着用服色調査用「カラー表」とし,有彩色5色相のLight,Vivid,Dullトーン,ピンク2種類,無彩色3種類の計20色(各6cm×4.5cm,日本色彩研究所配色カード)を灰色画用紙上に貼付した。調査方法は,カラークロスを黒板に掲示して,①服色嗜好,②着用者イメージを回答させた。続いてカラー表を各自に配布し,③日常着用色,②服色選択理由などを回答させた。
    【結果】黒は男女70%以上が好きと回答し,次に男子が好きな色は青,赤,女子は白,紫,ピンクの順であった。各色の着用者イメージは,黒と紫が「大人っぽい」,黄「明るい」,赤「強い」,ピンク「華やか」に集約されたが,青は「冷たい」「すなお」「まじめ」などに分かれた。日常着を自分ひとりで選択する小学生は全体の70%であり,彼らがよく着用する色は黒が上衣40%,下衣32%を占めた。さらに彼らが通学時の服色で最も気にかけるのは,男子「好きな色」,女子「組み合わせやすい色」であった。学年では,4年生の方が6年生よりも嗜好および着用ともに有彩色を好む傾向にあった。
  • 孫  珠煕, 十一 玲子, 田北 智端子
    セッションID: 2P-46
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
      目的 女子学生それぞれの性格特性と被服行動、相互の関連について明らかにすることを目的とした。本研究では、性格特性として個々に備わっている独自性に着目し、独自性のどのような側面が、女子学生の被服行動に影響をもたらしているのかについて検討した。方法 調査時期は2010年7月である。調査対象者は神戸市・大宰府市・熊本市の女子学生221名である。調査内容については被服行動に関する27項目(7件法)と、独自性に関する16項目(ユニークさ尺度・7件法)を設定した。また、分析には構造方程式モデリング手法を用いた。構造方程式モデリングとは、観測によって得られる観測データ(観測変数)の背後にあるさまざまな要因の関係を分析する統計手法である。結果 女子学生の「被服行動」の構成要素は「経済性(-0.25)」、「流行性(0.61)」、「堅実性(0.35)」、「通販安価(0.44)」であった。その「被服行動」と「他者の存在を気にする」という独自性側面との因果係数は0.61となり、関係の強さが示された。さらに「被服行動」と「自己表出を積極的にしない」という側面との因果係数は-0.72となり負の関係が示された。また、観測変数の「引っ込みじあん(0.61)」「恥ずかしがり(0.47)」な人ほど「自己表出に否」であり、そして「他者の存在を気にする」ということが分った。構造方程式モデリングの妥当性を検討した結果、適合度指標はGFI=0.923,AGFI=0.878,RMSEA=0.77を示したので、モデルの説明力、データへの当てはまりなどから、適合度が高いといえる。
  • 村田 里美, 平田 江里加, 長谷川 貴通, 田中 孝祐
    セッションID: 2P-47
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    目的 近年、衛生意識の向上とともに生活者の“臭い”に関する意識はますます高まり、様々な生活シーンにおいて、消臭剤の利用が進んでいる。またキッチンに関しては、以前は独立型が主流であったが、リビング・ダイニングの一体化が主流となりつつあり、キッチンで発生する臭いや汚れが、リビングでの生活に影響を及ぼす機会が増加している。台ふきんは日々の食事の準備・後片付けで用いられ、その臭いの発生を気にする人が多いにも関わらず、効果的な臭いケアは行われていない。本研究では、台ふきんの臭いの実態を把握するとともに、ふきんの防臭対策について検討することを目的とする。
    方法 台ふきんの使用実態及び臭いに関するアンケート調査を実施し、台ふきんの臭いに対する生活者意識実態を把握した。また実際に家庭で使用された台ふきんを回収し、台ふきんの臭いの官能評価及び臭気分析を行った。キッチン周りや食卓で使用されるアルコールスプレーは、噴霧後台ふきん等で拭いて使用されることが多いことをふまえ、アルコールスプレーによる台ふきんの防臭効果について検討した。
    結果 台ふきんは、キッチン周りとダイニング周りで使い分ける人と共用する人が半々で存在し、日々のお手入れは、主に台所用洗剤等を使用せず、水洗いのみで行われている実態が明らかとなった。台ふきんの臭いが気になる場面としては、「手にとったとき」「拭いているとき」が挙げられ、臭いを気にするパネルの約80%が指摘した。回収した使用済の台ふきんからはいずれも油様の臭気が感じられ、臭気分析の結果、低級アルデヒドや脂肪酸が検出された。これらの臭気はアルコールスプレーを用いることで、水洗いのみの場合に比べて抑えられることを確認した。
  • ―島国から大都市へ 
    王 飛雪, 中山 徹
    セッションID: 2P-48
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    研究の背景と目的 
     中国南東部福建省のアモイは中国の5大経済特区のひとつであり、副省級市でもあり、著名な観光都市でもある。近年、改革開放政策により、グローバル化が急速に進行するとともに、昔の島国も目まぐるしく変化を遂げた。アモイの経済特区はアモイ島内から島外にまで拡大し、島内外を一体化していくなかでの新たな都市計画を組み、大都市区を築き上げていくことに進んでいる。 本研究では、まず歴史上アモイの島国の特徴を振り返り、現代アモイ市の都市計画を着目し、その都市綜合計画の変遷を明らかにする。
     研究の方法 
     本研究では、アモイの都市計画局、アモイの大学や図書館を訪問し、各時期の都市計画の資料を収集する。調査時期は2011年12月である。
     調査方法 戦後のアモイの都市計画に関わる重要な史料と文献を分析し、その各時期の特徴を明らかにし、各時期の相違点を比較する。 
    まとめ 
     本研究では、まず、歴史上にアモイの変遷図を振り返り、アモイ本島の歴史文化特徴を明らかにした。次に1949年からの5回のアモイ都市総合計画に関わる重要な文献を分析し、その各時期の特徴を明らかにし、各時期の相違点を比較した。さらに、時代に応じた空間の変化を総合計画図で比較しながら、アモイは単一な島国から総合的な大都市へ転換するその実態を明らかにした。
  • 活動に合わせた着方を理解させるための実験教材
    渡部 友紀子, 篠原 陽子
    セッションID: 2P-49
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】「衣服には働きがあり、活動に合った衣服を着用することで、身体の動きを妨げることなく活動が行えるようになる」ことを、児童が実験で明らかにしていく授業の開発をめざし、実験教材を作成した。基礎実験として、衣服の吸水性、吸湿性、透湿性、通気性、乾燥性、伸縮性を調べた。
    【方法】吸水性はバイレック法、吸湿性・透湿性は蒸発法、通気性はフラジール形法、伸縮性は定荷重法の簡易法、乾燥性は乾燥性試験法によった。試料布は関西衣生活、中尾フィルター製の綿100%(ニット、ブロード60番)、ポリエステル100%(モスリン、タフタ)を用いた。加えて競技用ランニングシャツ(ポリエステル100%ニット、アシックス)、学童用体操服(上衣:ポリエステル70%綿30% ・下衣:ポリエステル90%綿10%ニット、SCHOOL UNI)を用いた。布の厚さ、平面重、糸密度、充填率も調べた。
    【結果】吸水性は、親水性繊維の編物が最も大きく、最大吸湿量は、綿ニット、ブロードが大きかった。綿は湿度によって吸湿量が変化した。透湿性は、ポリエステルモスリン、ランニングシャツの透湿率が70~84%、綿ニット、ブロードは50~67%であった。体操服は吸湿性・透湿性ともに優れていた。通気性は、綿ブロードとポリエステルタフタが低く、ランニングシャツや体操服上衣は高かった。乾燥性は、乾燥所要時間がポリエステルタフタ5分、ランニングシャツ10分で速乾性が認められたが、綿ブロードは50分、綿ニット70分と長時間要した。伸縮性は、織物よりも編物が高く、特にランニングシャツ、体操服は約20%の伸長率、95%以上の伸長回復率を示した。これらの実験結果より科学的概念を抽出し、小学生の発達段階に合わせて教育内容を整理し、6年生の授業を開発する。
  • -小学校家庭科における授業開発をめざして-
    越宗 久美子, 篠原 陽子
    セッションID: 2P-50
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】小学校家庭科衣生活の学習において,「衣服の着方」に関する教育内容を開発する目的で,実験教材を検討している。これまでに布の吸収性と乾燥性に関する基礎実験で衣服材料の特性を明らかにした。実験結果から被服科学の概念を抽出し,小学校の衣生活の学習内容に置き換え,児童が科学的に衣生活を営むための授業を構想した。
    【方法】(1)科学主義に基づく昭和31年版の学習指導要領(文部省)を枠組みとし,小学校家庭の教科書分析(平成23年発行)を行った。(2)基礎実験は,吸水性試験(バイレック法,沈降法,滴下法)と乾燥性試験を行った。これらをもとに児童が実験することを想定した実験教材を開発した。
    【結果】「親水性繊維は水をよく吸収するため,乾燥時間が遅い」,「疎水性繊維は水を吸収しにくいが,乾燥時間は速い」という基礎実験の結果から,吸水性と乾燥性の2つの性質を組み合わせて学習することによって,多面的なものの見方を獲得することができると考える。授業をつくるにあたり,児童が学ぶ教育内容を被服科学の概念に照らして,その系統性を確認し,これらを参考にして,小単元名『清潔で気持ちのよい着方を考えよう!』の教授書試案を作成した。小単元の目的は「衣服素材にはいろいろな性質があり,吸水性や乾燥性は着心地に影響することを,実験によって,科学的に明らかにする」とした。この授業のポイントは,児童が実験を行い数値で客観的に布の性質を比較すること,布の相反する性質を取り上げ,多面的なものの捉え方を示していることである。授業実践が今後の課題である。
feedback
Top