目的 神奈川県の学校給食のパン食は,現在,週2日以下であり,今後,パン製造業者はこの現状を維持またはパン食を増やしたいと考えている。しかし,ユネスコ無形文化遺産に和食が登録され,和食が世界的に注目されていることから,米食を推奨する傾向にある。パン食について,時代に合わせた見直しを検討する必要があると考えた。本研究では,アンケート調査を行い,パン食の利点,欠点を考え,改善できる点を模索し,さらに,新規パンの開発を行い,データを提供したいと考えた。
方法 2016年5月,20歳前後の女子大学生41名を対象に,学校給食のパンに関する項目についてアンケート調査を行った。内容は学校給食のパンとご飯のどちらを好んだか,その理由について調査した。さらに,好きな種類のパンについても調査した。また,栄養価を考えたパンの開発を行なった。
結果 アンケート調査を行ったところ,学校給食のパンとご飯では,パンが好きと答えた学生が63%と多かった。その理由は,2週に1回しかなくて,楽しみだったから,色々な種類があっておいしいから,パンの香りが好きだから,などであった
。さらに,新規パンの開発を行い,タピオカでんぷんを添加したパン,海藻を添加したパン,ホエータンパク質を添加したパンなどを製造し,少しでも嗜好にあうように工夫した。また,栄養計算をして,機能性が高まる工夫を示した。
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