一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
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ポスター発表
  • 曽川 美佐子
    セッションID: P-001
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的 ココアにはカカオマスポリフェノールと呼ばれる多種類のポリフェノール類や、メチルキサンチン類などの生理活性物質が多数含まれており、動脈硬化予防、高血圧症予防、癌予防などの効能が報告されている。本研究においては、ココアを含む低エネルギー食を摂取した食餌性肥満ラットの体重および体脂肪について検討した。
    方法 7週齢のウイスター系雄ラットに25%高脂肪食を12週間にわたり自由に摂取させて食餌性肥満ラットを作成した。作成した肥満ラットを3群(C群、LC群、HC群)に分けた。C群は基本飼料であるAIN-93G食を、LC群またはHC群は、AIN-93G食に650mg/kgまたは2500mg/kgのココアを添加した食餌を4週間与えた。実験食は、低エネルギー食(50kcal/日)とした。
    結果 4週間の実験食投与後の体重及び体脂肪%は、HC群において、C群と比べて有意な減少が見られた。血漿TG濃度は、C群と比べてココア摂取群で有意な減少が見られた。血中インスリン濃度も、ココア摂取群で有意ではないが減少傾向が見られた。糞重量では、HC群で有意な増加が見られた。糞中に排泄された粗脂肪量も、LC群、HC群ともに有意な増加が見られた。以上の結果から、ココアを含む低エネルギー食摂取は肥満ラットの体重および体脂肪%を有意に減少させるということが分かった。この理由としてはココアに脂肪吸収阻害効果があるためと考えられた。
  • 湯川 夏子, 平塚 彩音
    セッションID: P-002
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    【目的】新たな清涼飲料水として販売されているエナジードリンクは、国内において利用者が増えている。本研究では、エナジードリンク摂取が無酸素運動および有酸素運動に与える影響を検証し、また、効果期待の有無による影響を検証した。【方法】2017年10-11月、男子大学生20名を対象に、実験をおこなった。運動開始30分前にエナジードリンクもしくは水を摂取し、アップライトバイクを100mこいだ無酸素運動でのタイム、30分間こいだ有酸素運動における距離、心拍数、消費エネルギーを10分毎に記録し、最後に疲労度を測定した。事前調査により、身長体重、普段のエナジードリンク摂取量、効果への期待度等を問うた。【結果と考察】実験よりエナジードリンク摂取において無酸素運動では有意差が見られず、効果がないことが示された。一方、有酸素運動ではこいだ距離および消費エネルギーに有意な差が見られ、運動パフォーマンスを向上させることが分かった (p<0.05)。また、運動時においてエナジードリンクに効果があると期待している人は、運動パフォーマンス向上の効果が大きく、効果を期待していない人は、効果が少ないことが示された。さらに、運動直後の疲労度においては効果がみられなかった。有酸素運動ではカフェインの自律神経刺激作用などにより効果があったと示唆された。また、効果を期待することでやる気を引き出すなど精神的に働きかけていると考えられた。
  • 藤原 智子, 近藤 優, 中田 理恵子
    セッションID: P-004
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的 現在我が国の若年女性間に妊孕性の低下をきたす婦人科疾患の増加が指摘されているが、演者らはこれまで女子大学生を対象とするアンケート調査において朝食欠食が月経困難症を誘発する可能性、および思春期のダイエットが現在のみならず将来の生殖機能にも悪影響を及ぼす可能性を報告し、若い雌性ラットを用いて食餌制限が生殖機能に及ぼす影響を検討してきた。そこで今回は食餌制限中の摂食時間が制限後の生殖機能の回復に及ぼす影響を検討する目的で雌性ラットを用いた検証実験を行った。
    方法 8週齢のWistar系雌性ラットを、暗期(活動期)と明期(非活動期)に給餌する2群に分類し、4週間 50%制限食で飢餓状態を負荷した。食餌制限直後(12週齢)および4週間後(16週齢)にsacrificeして卵巣、下垂体、視床下部からRNAを抽出し、マイクロアレイ法および定量RT-PCR法により遺伝子発現変動を解析した。
    結果 視床下部におけるGn-RHのmRNA発現が、食餌制限直後には明期(非活動期)群で暗期(活動期)給餌群より有意に低下していたが、4週間の回復後には逆に有意に高くなった。この結果は、制限期に摂食リズムと日内リズムが乖離していた明期(非活動期)群では、リズムが同調していた暗期(活動期)群に比べて卵巣機能不全からの回復が遅れることを示しており、ダイエット中の食事のタイミングがその後の生殖機能の回復に影響する可能性が示唆された。
  • 中岡 加奈絵, 山田 麻子, 野田 聖子, 五関-曽根 正江
    セッションID: P-005
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    【目的】超高齢社会を迎えた日本では、要支援・要介護者数の増加が社会的課題となっている。運動器の健康を維持することは、健康寿命を延伸する上で極めて重要である。特に女性では、閉経後に骨量が低下することが示されている。また、近年問題となっている脂質摂取量の増加やビタミンD不足は、骨代謝に影響することが知られている。そこで本研究では、卵巣摘出術を施した閉経後モデルラットを用い、高脂肪食摂取時のビタミンD制限が骨代謝へ及ぼす影響について検討することを目的とした。

    【方法】12週齢SD系雌ラットを偽手術(Sham)群と卵巣摘出(OVX)群に分け、OVX群をさらにコントロール食(Cont.)群、ビタミンD制限食(DR)群、高脂肪食(F)群、高脂肪食でビタミンDを制限した食餌を与えた(FDR)群に分け、28日間飼育した。血液生化学検査、X線CT装置による骨強度測定を行った。

    【結果】大腿骨の骨塩量において、DR群およびFDR群は、Cont.群と比較し、有意に低値を示した。腰椎の骨塩量において、DR群はCont.群と比較し有意な低値を示し、さらにFDR群はCont.群と比較し顕著な低値を示した。

    【結論】卵巣摘出ラットにおいて、ビタミンD制限によって大腿骨および腰椎中の骨塩量が低下することが明らかとなった。腰椎においては、高脂肪食摂取時にはビタミンD制限の影響がより顕著になることが示された。
  • 小出 あつみ, 間宮 貴代子, 松本 貴志子
    セッションID: P-006
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的 本研究は,伝統的発酵食品である豆味噌を中心とした6種類の味噌について理化学的特徴を検討した。
    方法 試料の味噌はイチビキ (I),野田(N),カクキュ(K),まるや(M)の豆味噌と野田の合わせ味噌(NM)および白味噌(NW)である。味噌の比重・塩分・糖度を測定した。色差計でL*・a*・b*値を,クリープメータ物性試験システムでテクスチャーを測定した。遊離アミノ酸分析は㈱イチビキに依頼した。統計処理は有意水準を5%で示したTukey法で行った。
    結果 味噌の比重ではMが,塩分ではNWが,糖度ではMの値が有意(p<0.05)に高かった。色調では豆味噌の色調がNMとNWより有意に濃く,豆味噌の L*値に顕著な差はなかったが,a*値とb*値はN> M =I >K の順番で濃かった。テクスチャーの硬さ荷重・付着性・ガム性荷重は同じ傾向を示し,K >M >N >I >NM=NWの順番に高かった。しかし,凝集性はNMとNWで高かった。遊離アミノ酸含有量のうま味,甘味,苦味成分ではN・K・Mが高い値を示した。よって,豆味噌はNMとNWより濃い色調と硬いテクスチャーであり,遊離アミノ酸含有量が顕著に多かった。また,豆味噌のうち重石をした木桶熟成(K・M・N)味噌はタンク熟成(I)より比重,塩分および糖度の値が高く,色が濃く,硬く,遊離アミノ酸量が多かった。この要因として熟成方法の違いによる水分量の寄与が考えられた。
  • 加藤 佐千子, 長田 久雄
    セッションID: P-007
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的 日本一億総活躍プランでは健康寿命の延伸に向け、今後利用の増大が見込まれる配食の選択、活用を通じて、地域高齢者等の健康支援につなげる低栄養やフレイル予防の対策が示された。高齢者の食支援は、栄養改善だけではなく同時に心の支援をおこなう必要があるが、作成されたガイドラインには、心理的支援への対応策は含まれていない。そこで、本研究は「後期高齢者の「低栄養」を予防するための「食と心理的支援」の研究」の一環として、内外の施設を視察し今後の配食サービスの課題を明らかにする。
    方法 協力者:サンフランシスコおよび日本の施設で配食や食事サービスに携わる者。質問内容:配食に関する考え、課題、心理的支援の方法等。データ収集方法:ヒアリング調査。調査時期:2017年6月から7月。分析:会話内容の記録から該当箇所を抽出。倫理的配慮:施設側や協力者に対して十分な説明をし、同意を得て実施した。
    結果 利用者側の課題は疾病、人種の問題、保険加入の有無、経済的問題など、食事提供側は、フードバンク等からの食事・食材の提供の有無、配達者の確保、食材の形態、配食可能数、認知症・抑うつ状態・不在者への対応、ボランティアの資質や養成などの課題が明らかとなった。さらに、配食を利用していることが高齢者の栄養状態を補償するものではないということも示唆された。本研究はJSPS科研費(JP16K00768)の助成を受けた。
  • 米田 千恵, 海老原 友稀
    セッションID: P-008
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的 近年,醤油メーカーから「品質を保持する新容器」に入った醤油が販売されている.醤油の品質変化を消費者はどのように捉えているのかを明らかにすることを目的とし,家庭における醤油の使用状況を調べ,種類や保存方法による品質変化を色の測定と官能検査から明らかにした.
    方法 大学生を対象とした質問紙法によるアンケート調査により醤油の使用状況を調べた.醤油の保存実験では,濃口醤油(従来型容器)と生醤油(新容器)の2種(キッコーマン(株)製)を用い,冷蔵庫と室温で,販売時の容器と無色バイアル瓶で20週間保存した.色(L*値)を測定し,官能検査は色の濃淡は醤油原液を,味や香りは10倍希釈した醤油を用いて,2点識別法により行った.
    結果 大学生145名に調査したところ,新容器の認知度は84%であり,使用度は37%であった.次に,開封直後(0週)醤油のL*値は,従来型容器で49,新容器で65であった.販売時の容器で15週室温保存した醤油のL*値は,従来型容器で28,新容器で53となった.バイアル瓶保存の場合,室温保存でL*値の低下が著しかった.開封直後の醤油と室温保存13週~14週の醤油について官能検査の結果,従来型容器,新容器の醤油とも保存した醤油の方がまろやかであり,0週のほうが古い醤油の味が強いと評価された(p<0.05).消費者の醤油の新古の捉え方は実際の保存状況と相違することが示された.
  • 本間 太郎, 持田 彰子, 大畑 健人, 内田 和宏, 北 加代子, 鈴木 俊英, 高柳 勉
    セッションID: P-009
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的 赤ワインに含まれるアントシアニン類は、ワインの製造および貯蔵中に他のワイン成分と反応し、無色あるいは有色の誘導体を形成する。アントシアニンの一種であるMalvidin 3-glucoside(M3G)は、赤ワイン中のカフェー酸と反応し、赤色系誘導体Pinotin Aを形成する。一方で、赤ワインに酸化防止剤として添加される亜硫酸は、M3Gを無色の誘導体へ変化させPinotin Aの形成を抑制するため、退色が促進され赤色の維持の観点からは好ましくない。そこで本研究では、ワインに添加される酸化防止剤として亜硫酸の他にアスコルビン酸に着目し、赤ワインの色の変化と酸化防止剤添加量の関係について検討することを目的とした。
    方法 モデルワイン(0.5%酒石酸,12%エタノール,pH3.2)にM3Gとカフェー酸を溶解し、酸化防止剤(ピロ亜硫酸カリウム,L-アスコルビン酸)を様々な濃度で添加した。その後、暗所、45℃で保存し、経時的にサンプルにおける520nmの吸光度を測定した。
    結果 ピロ亜硫酸カリウム、アスコルビン酸とも単独添加により520nmの吸光度が減少した。しかし、ピロ亜硫酸カリウムとアスコルビン酸を同時添加した場合、添加濃度によっては520nmの吸光度の維持・回復が確認された。したがって、ピロ亜硫酸カリウムとアスコルビン酸を適切な濃度で併用することにより、赤ワインの退色を抑制できることが示唆された。
  • 金松 澄雄, 白渡 瞳
    セッションID: P-010
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的 近年、健康志向の高まりの中で、ネット上には自家製スポーツドリンクの作り方が数多く公開されているが,安易な自作には危険を伴うことがある。リボフラビン(Rib)含有飲料とアスコルビン酸(Asc)を含む他の飲料や食品成分を混合した自作飲料を明所で飲用する際,身体に有害なH2O2などの活性酸素が生成・蓄積する可能性がある。ここでは、Rib含有飲料とAscなどの食品成分の混合による活性酸素生成を調べ、さらに、励起Rib存在下でのAscの光酸化におけるH2O2の生成機構について検討した。
    方法 スーパーオキシド(O2-)の検出は、NBT還元によるブルーホルマザン生成とSODによる還元阻害を指標にした。O2吸収は酸素電極で測定した。
    結果 自作ドリンクとして市販のRib含有飲料に電子供与体であるアミノ酸を添加したものを明所に放置すると、O2-の生成が検出された。O2-は不均化反応でH202とO2に変換することから、H2O2が蓄積すると考えられる。次に、励起RibによるAscの光酸化でのH2O2の生成機構をAsc,H2O2,O2の化学量論関係をもちいて検討した結果、H2O2/O2とH2O2/Ascはそれぞれ0.5であることから、Type II反応で生じた2分子の1O2により1分子のAscが多重酸化(4電子)を受け、2分子のH2O2が生成するとともに、さらに2分子のO2によるO2複合体が形成される機構が示唆された。
  • 濱口 郁枝, 小瀬木 一真, 松村 俊和, 吉田 有里, 山本 存, 森 由紀, 中野 加都子, 久保 妙子, 大森 敏江
    セッションID: P-011
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的 ライフステージに応じた豊かな食生活を送るための食品開発を行うことを目的とし、女子大学生に好まれるコーヒー(第69回大会で発表)に続き、働く世代のニーズや嗜好に合ったコーヒーを検討した。

    方法 兵庫県内の20~60歳代の一大学職員を対象とし、質問紙調査(2017年7月129名)と官能評価(同10月84名)を実施した。質問紙調査は、コーヒーを飲む目的や嗜好、コーヒーに求める効果などについて回答を求めた。官能評価は、2点嗜好試験法を用いてブラックで味わい比較した。試料は、質問紙調査の結果をもとにブレンドを検討し、K(コロンビア、ブラジル、グアテマラ、炭焼焙煎で中煎りから深煎り)、M(2割の焙煎を濃くしたコロンビア、ブラジル、タンザニア、マンデリン)とした。

    結果 コーヒーを飲む頻度は、「毎日1~2杯」が52.0%と最も多く、「ほとんど・全く飲まない」は、13.4%と少なかった。職場でコーヒーを飲む目的は、「気分転換」が69.5%と最も多く、次いで、「リラックスしたいとき」が62.5%であった。また、香りが良くコクがあり、砂糖やミルクを入れても適しているものを希望していた。官能評価では、全ての項目で試料間に有意差はなかったが、香り、苦味、総合評価において、焙煎度の高いKが好まれる傾向がみられた。さらに念入りに炭火で焙煎して豊かなコクを出し、ミルクを入れるなどアレンジにも対応できるものが適していると考えられた。
  • 岡本 実紗子, 森田 洋
    セッションID: P-012
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的:北九州市は平成29年に国家戦略特区のワイン特区に認定されたことから、ブドウの栽培からワイン醸造までを自ら行う事業者が誕生しつつある。そこで本研究では北九州産ワイン用ブドウからアルコール発酵に適した酵母の分離を目的に研究を行った。

    実験方法:北九州市小倉南区平尾台で栽培された10種のブドウを使用した。各ブドウから酵母を分離するためにYPD液体培地を用いて25℃、5日間集積培養を行った。酵母の培養液の一部をYPD平板培地上に塗布し酵母を単離した。分離株はガストラップチップの入ったYPD液体培地内でガス生産性の確認を行った。ガス生産性が確認できた分離株をアルコール濃度5 %に調整したYPD液体培地で培養し、更に1 %ずつアルコール濃度を上げた培地中で培養することで、アルコール耐性を持つ酵母のスクリーニングを行った。有望株についてはID32Cアピ(ビオメリュー・ジャパン㈱製)により簡易同定を行った。

    結果:10種のブドウを集積培養した結果、そこから20菌株のコロニーが分離できた。これらの分離株のガス発生試験を行った結果、9菌株が1日培養でガストラップチップが浮上し、1菌株が2日培養で浮上した。ガス発生が著しかった菌株のアルコール耐性試験を行った結果、アルコール濃度が最大6 %で生育する酵母が得られた。簡易同定の結果、Kloeckera apis/apiculata であることが確認できた。
  • 岡田 悦政, 岡田 瑞恵
    セッションID: P-013
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的:植物に含まれているケルセチンとコーヒー酸による時計遺伝子Bmal1, Per1、及びその制御遺伝子であるSirt1発現への影響はすでに報告している。時計遺伝子の発現機構は、まず、Bmal1とClockの複合体がE-Boxに結合し、Per1とCryの複合体を生成し、これがBmal1とClockの産生を抑制するという概日リズムを刻んでいる。同様に、グルココルチコイドはレセプター(GR)αに結合するとE-Boxを活性化する。また、時計遺伝子はSirt1のみならずSirt6による制御も行われている。さらに、Gdfファミリーは生殖細胞の概日細胞周期調節に関与することが知られている。ここでは、時計遺伝子の制御機構解明のため、植物抽出成分であるケルセチンとコーヒー酸が、Sirt6、Gdf11遺伝子発現に、またGRαに関与するか否か検討したので報告する。
    方法:ケルセチン、コーヒー酸をヒト若齢(PDL20)、及び老齢(PDL60)肺線維芽細胞に投与し4時間培養を行った。その後Sirt6、Gdf11遺伝子のmRNA量についてqPCR法により、またGRαはELISA法により定量した。
    結果:Sirt6発現量は、コーヒー酸において若齢2.5倍、老齢1.4倍と発現促進効果が見られたが、Gdf11遺伝子は若齢、老齢細胞ともケルセチン、コーヒー酸による発現抑制効果を示した。同様に、ケルセチンとコーヒー酸はGRα量を抑制した。
  • 岡田 瑞恵, 岡田 悦政
    セッションID: P-014
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    [目的]Petasites japonicus花蕾抽出成分(JBB)は、時計遺伝子Bmal1, Per1そしてこれらの制御遺伝子でもあるSirt1等のmRNAの発現に変化を及ぼした。REV-ERB alpha(REV)はBmal1 の発現リズムの周期的な抑制に関与し、さらに、Nrf2はBmal1の直接的な転写ターゲットである。JBBはBmal1のmRNAの発現に変化を与えたため、REVおよびNrf2のmRNA発現量への影響について検討したので報告する。
    [方法]ヒト線維芽細胞(若齢:TIG-1-20、老齢:TIG-1-60)は、調整培養後、同調培養した。さらに、熱水抽出したサンプル(1、1/10、1/100)を細胞に投与して4時間培養した。REVおよびNrf2のmRNAの発現量は、qPCRによって定量した。また、比較物質として、Nrf2の活性化物質とされるスルフォラファン(Sulf)、レスベラトロール(Res)を用い比較した。
    [結果]Nrf2のmRNA発現は、若齢細胞の場合10μM-Sulfが4.1倍と最も高く、次いでJBB原液が1.8倍を示した。老齢細胞は1μM-Resが著しく高く7.6倍の発現量を示し、続いて100μM-Sulf、JBB原液が高く、それぞれ3.6、1.4倍であった。また、若齢細胞の場合、REVはJBB原液が著しく高い発現量を示したが、老齢細胞は全てのサンプルで発現していなかった。
  • 竹内 紗央里, 田手 早苗
    セッションID: P-015
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的:TDS (Temporal Dominance of Sensations)とは、時間経過に伴うサンプルの質的変化を測定し表現する手法であり、近年新しい官能評価手法の一つとして企業などで取り入れられている。この手法を用いることで、サンプルを口の中に入れてから経時変化する風味の特徴を把握することが可能となる。multi-sip TDSとは、一般的なTDSがひと口飲み込んだ場合の評価であるのに対し、サンプルを複数回飲み込むことで飲料の実際の飲用場面に近づけたTDSの派生法である。今回は、弊社より発売しているReady To Drinkタイプのブレンド茶である十六茶が、狙い通りに改良できているか確認するために評価を行った。
    方法:社内パネル約30名(20~60代男女)に対して、現行十六茶・新十六茶・競合品の計3品を約8℃で提供し、TDS法とmulti-sip TDS法による評価を実施した。項目は “苦味・渋味”“甘味・うま味”“お茶の風味”“香ばしい香り”“スッキリ感”“コク”の6項目を使用した。
    結果:TDSの結果より、新十六茶は現行十六茶と比較して後半の“香ばしい香り”の選択率が有意に高く、狙い通り味わいと香りを強化できていることが確認できた。またmulti-sip TDSの結果より、新十六茶は3口目の最後で“スッキリ感”が感じられていることから「スッキリゴクゴク飲める」という十六茶の特徴を保持していることも確認できた。
  • 束原 史華, 影山 志保, 諸岡 信久
    セッションID: P-016
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    方法 

    鰹節から麹菌を単離し、押し麦と大豆に接種して乾燥し、実験に使用した。この麹菌を豚の生肉や加熱肉に接種し、冷蔵庫、氷感庫帯電、氷感庫放電条件下で培養し、5感による経過の観察、標準寒天培地(ニッスイ)を用いて細菌検査、ハンディ匂いモニター(OMX-LR)による匂い検査を行った。

    結果

     最初に鰹節から黄色、茶色、緑色の麹菌3菌株を単離した。3種類の麹菌を豚の生肉に接種し、7℃対照、7℃帯電、7℃放電で12日培養し、細菌検査と匂い検査を行った。結果、菌株や電気的条件下で大きな違いがなく、生肉由来の細菌が8日以降増殖した。

    そこで肉を高圧滅菌し鰹節緑カビを接種して2℃条件下で26日培養した。結果、緑カビ接種は全て芳香が発生し、発酵が進んでいた。しかしその生育は良くなかった。電気的条件で比べると、放電状態で培養した肉が最も発酵していた。全ての条件下で腐敗臭は発生せず、細菌検査結果は菌数0 cfu/gであった。

    次に高圧滅菌した肉を同様条件下に25℃で培養した。結果、7日でカビが肉全体を覆うほど生育した。切断して断面を見ると加熱豚肉の白色と異なり、やや桃色だった。肉を加熱し食してみたところジャーキーのような旨味があった。
  • 湯浅 正洋, 島田 亜美, 冨永 美穂子
    セッションID: P-017
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的:我々は地域活性化に有用な食品開発を目的に,がん細胞増殖抑制などの機能性が確認されている長崎県産物由来植物性乳酸菌を使用し,県産柑橘ジュースを発酵させた乳酸発酵柑橘ジュースの調製を試みている.この乳酸発酵柑橘ジュースにおける一定数の乳酸菌は確認できたが,発酵後の嗜好性については未だ検討していない.そこで本研究では,乳酸発酵前後の呈味成分の変化と乳酸発酵柑橘ジュースの嗜好性を明らかにした.
    方法:2種の長崎県産物由来植物性乳酸菌培養液を長崎県産はるかストレートジュース(はるか),市販温州みかんストレートジュースおよび濃縮還元ジュースに接種後培養したものを測定に供した.生菌数,酸度,pH,有機酸組成,Brix,糖組成,味覚応答を測定するとともに女子学生を対象に嗜好性を評価した.
    結果:いずれの柑橘ジュースも発酵後に乳酸の生成とリンゴ酸の減少がみられ,マロラクティック発酵が行われたと考えられた.はるかでは他の2種と比べ有機酸組成の変化は小さかった.いずれも発酵前後でBrixに変化はなかったが,糖の消費割合は2.8~10%であった.味覚応答は,はるか以外で酸味の上昇がみられたが,官能評価ではどのジュースにおいても発酵前後での嗜好性の変化は認められなかった.以上より,呈味成分や味覚応答の変化は嗜好性にほとんど影響がなく,乳酸発酵柑橘ジュースは新たな地域ブランド食品,乳酸菌飲料として利用できる可能性が示唆された.
  • 宮澤 洋子, 山田 直子, 成瀬 まゆみ, 土田 満
    セッションID: P-018
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的 平成28年度下水道処理人口普及率は78.3%に対し、欧米諸国では80~90%であり日本は低い傾向にある。水質汚濁原因は約7割が生活排水で、その45%が調理操作によるものである。米の研ぎ汁では窒素、リンなどの有機成分が含まれ、年間7,000tのリンが放出されるため、無洗米利用は生活排水負荷量の削減に有効であることが報告されている。無洗米の利用状況などを調査し、過去と現在の消費者の無洗米に対する意識を検討することを目的とした。
    方法 無洗米利用について認知度、食経験など7項目のアンケートを実施した。無洗米の利用の有無によって、利用あり群と利用なし群に分け、調理作業をする人の勤務状況、無洗米の認知度、食経験等について、Mann-whitneyのU検定を行った。さらに、無洗米を利用している理由及び無洗米を利用しない理由について、北尾ら1)の結果と比較検討し、一元配置分散分析を行った。
    結果 無洗米利用で調理者の仕事の有無の違いは見られず、家事時間の短縮を目的とした利用意識は少ないと考えられた。利用しない理由として価格が高いが多く、実際の普通米との価格差は少ないことから、消費者の過去からの固定意識を変え、無洗米の良さ、メリットを普及啓発し、水環境負荷の軽減につなげる必要性が考察された。
    [文献]1)北尾敦子:環境にやさしい食生活―無洗米の調理特性と消費者の意識―.日調科誌,31(3)220-226.1998.
  • 吉田 里緒, 八川 梨紗, 佐藤 瑶子, 飯島 久美子, 辻 ひろみ, 香西 みどり
    セッションID: P-019
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的 スチームコンベクションオーブン(以下スチコン)を用いた根菜類の煮物の調理条件を検討するため、設定温度と蓋の有無が味付けの状態及び加熱時間に及ぼす影響を把握した。
    方法 スチコン(tanico, TSC-10GB)で設定温度100、160℃とし、蓋有・無で加熱した。まず、いちょう切りダイコン(厚さ、半径3 cm)を食塩水中で加熱した。水量は試料と同じ又は1/2の高さになる量とし、食塩濃度はそれぞれ1.6、3.5%とした。試料全体、上・下半分、食塩水の食塩濃度及び加熱前後の試料と食塩水の合計重量を測定した。次に、ホテルパンの枚数(1~10枚)、ホテルパン1枚あたりの試料と水の合計重量(2~4kg/枚、以下合計重量)、合計重量に対する試料の割合(0~0.6、以下重量比)を変えて水温変化を測定した。試料はジャガイモ2cm角を用いた。
    結果 食塩水量が試料の高さの1/2の時、試料上半分の食塩濃度は加熱温度及び蓋の有無によらず下半分より約0.1%低く、試料全体食塩濃度は、蓋の有無によらず100℃加熱が160℃加熱より0.2%低かった。試料と水の合計重量は、160℃加熱では蒸発により蓋なしで20%、蓋ありで10%減少し、100℃加熱は水蒸気の凝縮により蓋の有無によらず4%増加した。水温が98℃になるまでの時間は蓋なし<蓋ありであり、いずれの条件でもホテルパンの枚数、合計重量、重量比の増加に対して直線的に増加した。
  • 松本 美鈴
    セッションID: P-020
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的 シフォンケーキには,液状のサラダ油が一般的に用いられる.今日では,さまざまな機能性油脂が販売されている.そこで,本研究では,シフォンケーキの品質に及ぼす各種油脂の影響を検討した.
    方法 <シフォンケーキ材料配合> 薄力粉70g,卵黄55g,卵白145g,グラニュー糖60g,牛乳67g,油50gとした.油としては,サラダ油,べに花油,グレープシードオイル,ココナッツオイルを用いた.
    <調製方法> 泡立てた卵黄に,撹拌しながら油を滴下し,さらに牛乳と粉を加え均質な卵黄生地とする.卵白とグラニュー糖で作ったメレンゲと卵黄生地を混ぜ合わせて型に流し入れ,180℃・30分焼成後,24時間放冷したものを試料とした.
    <測定項目> 生地の比重,ケーキの高さ,重量減少率,比容積,色の測定,クリープメータによるテクスチャー試験,官能評価を行った.
    結果 ココナッツオイル添加試料は,ケーキの高さ・重量減少率・比容積が他の試料より有意に低値であった.テクスチャー試験の結果,ココナッツオイル添加試料のかたさ・ガム性は,他の試料より有意に高値であった.官能評価の結果,ココナッツオイル添加試料は,他の試料より有意にかたいと評価されたが,好ましさには有意差はみられなかった.これらの結果から,べに花油やグレープシードオイルは,シフォンケーキの品質に影響しないが,融点の高いココナッツオイルは,シフォンケーキの品質に影響することが明らかとなった.
  • 川嶋 比野, 数野 千恵子
    セッションID: P-021
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的 これまでに本学会の学術大会に報告してきた「食欲を増進させる染付皿の条件」を満たした絵柄をデザインし、青、赤、緑色の総柄皿(皿に占める絵柄の色の割合:43.5%)と絵柄のない白色の強化磁器小皿を焼成した。そして、演者らは本学会第69回大会で、4種の漬物を盛り付けて色の相性を検証した結果、青色の絵柄皿は他の色の絵柄皿および白皿と比較しても、多くの漬物と相性が良く、食欲を増進させる皿であったことを報告した。今回は比較として、同じ強化磁器の小皿にフルーツを盛り付け、色の相性を検証したのでその結果を報告する。
    方法 各皿に青紫色のぶどう、赤色のいちご、緑色のキウイ、橙色のみかんを盛り付け、それぞれどの程度食欲を増したか、7点評点法及び順位法を用い、学生及び中高年男女210名を対象としてアンケート調査を行った。
    結果 対象者全体の傾向としては、青皿と白皿の評価が高かった。皿とフルーツの組み合わせが補色関係であるキウイと赤皿、いちごと緑皿では、評価が低く相性が悪かった。漬物同様に、青色の絵柄皿は他の色の絵柄皿と比較しても多くのフルーツと相性が良く、食欲を増進させる色であることがわかった。一方、いちごとみかんでは、白皿の評価が青皿より有意に高かった。フルーツは洋食のイメージもあるため、本調査で用いた総柄の皿は青色の割合が高すぎたのではないかと考える。青色が10~20%の部分柄の皿で調査した場合には異なることも考えられる。
  • 宮田 美里, 石橋 晶穂, 濃沼 芳利, 佐々木 郁実, 鳥山 三華, 中嶋 郁実, 原嶋 友里恵, 西念 幸江
    セッションID: P-022
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    【目的】わが国の慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者数は増加の一途をたどっている。その食事療法には,たんぱく質の制限が必要になる.主食のたんぱく質を減らし,副食から,主に動物性たんぱく質を摂取するために,たんぱく質を調整した食品もあるが,やや高価である.家庭で低たんぱく質パンを調製できれば,患者らの経済的負担を低減し,焼きたてのパンを食べられると考え,調製方法を検討した.
    【方法】パンの配合はホームベーカリー付属レシピを用いたが,強力粉の30%をコーンスターチに置換した.また,油脂はサラダ油,食塩は1/2量,加水量は-10%とし,これを標準パンとした.標準パンの粉類の1~3%をカラギーナン,シトラスファイバー,こんにゃく粉で置換したものを調製した.パンは,自動ホームベーカリー(SD-BH103,Panasonic)の食パンコースおよび米粉パンコースで焼成した.パンの比容積,物性,色,湿布量を測定した.
    【結果】シトラスファイバー,こんにゃく粉添加パンは添加割合が高い方が比容積は低い傾向にあった.これは,どちらの焼成コースでも同様であった.カラギーナン添加パンの比容積は食パンコースでは添加割合に差は少なかった.しかし,米粉パンコースでは,添加割合が高い方が比容積も高くなる傾向にあった.しかし,破断応力と色については添加割合や焼成コースによる差は少ない傾向にあった.
  • 小西 大喜, 綾部 園子, 神戸 美恵子, 村松 芳多子
    セッションID: P-023
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】学校給食における副菜の野菜類の調理・提供方法の推移を把握することを目的に、1996年に大阪府堺市を中心に発生したO-157集団食中毒発生以前(以下、以前)、直後および現在(2015年11月)の3時点の学校給食の献立と調理方法等に関する調査を行った。
    【方法】群馬県4地域の異なる市町村の小・中学校および学校給食センター8か所に勤務する栄養教諭および学校栄養職員に対して、無記名自記式調査法により調査を行った(回収率87.5%)。調査項目は、野菜を用いた副菜の献立名・調理方法・主要材料名・調理後の保存方法・喫食までの時間である。統計処理はエクセル統計2012を用いた。
    【結果】主要材料では、人参、きゅうり、キャベツの出現が多く、レタスは以前は多かったが、直後および現在では出現していなかった。調理方法で非加熱の割合は、以前が42.3%、直後が1.2%、現在は1.5%であり、直後および現在において、ほとんどが加熱調理であった。「学校給食献立表」に出現する野菜類においても同様の傾向がみられた。調理後の野菜類の保存方法は、以前および直後では室温保存が100%であったが、現在では冷蔵保存が51.5%であった。和え物やサラダ等、副菜の保存終了から喫食までに要する時間は、以前85.6分、直後78.7分、現在98.2分であり、以前と比較して直後で減少し、現在では増加していたが、有意差は認められなかった。
  • 山口 智子, 桐生 久留実, 好田 未里
    セッションID: P-024
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】フノリは紅藻類フノリ科の海藻で、新潟県魚沼地方では麻織物の糊料として用いられてきたが、麺に添加すると独特のコシの強さと歯ざわりの良さを与える。米粉麺の加工において米粉100%の麺は加工しにくいという欠点があるが、つなぎにフノリを用いることで改善が期待できる。また、米粉のアミロース含量の相違が製麺性に影響することも考えられる。そこで、本研究ではフノリをつなぎとした米粉麺の加工において、フノリの添加量と米粉のアミロース含量が米粉麺の物性に及ぼす影響について検討した。
    【方法】粉末フノリ(九州産)、新潟県産コシヒカリCKタイプ(新潟製粉(株)、中アミロース米)および新潟県産越のかおり(妙高製粉(株)にて製粉、高アミロース米)の米粉を用いた。米粉に粉末フノリを1~4%添加し、沸騰水を加え、めんうちきさくら((株)アベ技研)にて製麺した。生麺およびゆで麺の物性および色調(L*, a*, b*値)を測定するとともに、官能評価を行った。
    【結果】越のかおり米粉の方がベタつき感がなく、製麺に適していた。フノリの添加量が多くなるほど、生麺の破断歪は低くなった。ゆで麺においては、コシヒカリ米粉麺では破断点がみられず、越のかおり米粉麺ではフノリの添加量が多くなるほど、破断歪と破断応力が低下する傾向がみられた。越のかおり米粉麺へのフノリ2%添加において、香り、弾力性の良い麺となり、好まれることが分かった。
  • 筒浦 さとみ, 村田 容常
    セッションID: P-025
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】黄色ブドウ球菌食中毒は米飯によるものが多い。黄色ブドウ球菌が産生するエンテロトキシンA(SEA)の量は一定の条件下でも菌株により異なることから、SEA産生に対する様々な要因の影響について調べる際には、菌株特性に注意を払う必要がある。本研究では、米飯のpH調整及びグリシン添加がSEA産生に与える影響をより正しく把握するため、複数の産生株を用いて、それらの効果を菌株間で比較した。
    【方法】グリシン添加飯は飯重量の0-5%のグリシンを添加して炊飯した。pH調整飯は炊飯米に1N酢酸を加えpHを4.0-6.0に調整して作製した。炊飯米に11株のSEA産生株を初発菌数106 CFU/gになるようにそれぞれ添加し、37℃で保存した。保存後の炊飯米からSEAを抽出し、Western blot法によりSEAを定量した(検出限界0.4 ng/g米飯程度)。
    【結果】いずれの菌株においても保存初期にはpH 5.0-6.0でコントロールと同程度のSEAが産生されたが、pH 4.0ではSEA産生は抑制された。pH 4.5では菌株による違いが大きく、コントロールと同様に生育できるものと抑制されるものがあったが、SEA産生量はいずれの株でも減少した。0.5-1%程度のグリシン添加では、コントロールに比べ、ほとんどの菌株のSEA産生において差が認められなかった。2-5%ではいずれの株においてもSEA産生が抑えられた。
  • 駒込 乃莉子, 山本 菜美, 池谷 実紀, 中山 栞里, 島村 綾, 和田 涼子, 峯木 眞知子
    セッションID: P-026
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】エスプーマ調理法による泡状食は、口当たりがよく口どけのいい料理が得られる。ドイツにおいては、この泡状食を高齢者食として取り入れている。本研究では安全性、起泡性、嗜好性に優れた日本人の高齢者に向けた泡状食を調製することを目的として、テクスチャー特性の測定、配合の検討、官能評価を行った。
    【方法】米粥試料の調製は、飯、牛乳、植物性クリーム、卵白、乾燥卵白、味噌、砂糖を使用した。これらをミキサーで破砕・撹拌した試料をエスプーマ用ディスペンサー(東邦アセチレン(株))に入れ、亜酸化窒素ガスを充填後抽出した。高齢者の喫食時間を考慮し、10分、30分放置後の試料の状態やテクスチャー特性を調べた。テクスチャーの測定方法は厚生労働省のえん下困難者用食品の許可基準に準じた。また、5段階評点による官能評価のパネルは本学学生28名で行った。
    【結果・考察】エスプーマ調理法により抽出した米粥のテクスチャーは、飯重量の増加に伴いかたさ、凝集性、付着性が、高くなる傾向にあった。卵白や乾燥卵白を配合した場合は、気泡が保たれなかったが、植物性クリームや味噌の使用は有効であった。官能評価の結果、飯重量30 gの米粥が最も好まれた。本研究で調製したエスプーマ調理法による米粥は、えん下困難者用食品の許可基準の範囲内のテクスチャーであり、保形性が良かった。このことより、高齢者の食事として高齢者施設での活用が期待できる。
  • 早川 文代, 風見 由香利, 安藤 聡, 趙 鉄軍, 中野 明正
    セッションID: P-027
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】近年、トマトの品質については、消費者の購買意欲と直結する食味・食感の客観化へのニーズが高まっている。しかし、トマト青果は部位差や収穫後の経時変化などにより官能評価が難しく、詳細な官能特性の報告例は少ない。本研究では、トマトの分析型官能評価法を設計し、品種および収穫時期の異なる種々の試料の官能特性の数値化を試みた。
    【方法】官能評価設計には、2014年~2016年に農研機構植物工場つくば実証拠点で同一の環境条件で栽培された5品種(オランダ品種・日本品種)および市販品を用いた。専門家への面接調査の後、パネルの討議を行い、試料提示法、評価項目および定義を設定した。本評価では、同植物工場で2016年7月に播種、同年11月、2017年2月、および4月に収穫された上記5品種を収穫翌日に官能評価に供した。パネルは選抜、訓練された9人とし、赤色照明下のブースで、150mmの線尺度を用いて評価を実施した。あわせて、主要呈味成分測定およびテクスチャー特性評価を行った。
    【結果】「青臭いにおい」「イチゴの甘いにおい」等、19特性について各試料のデータが得られ、品種による官能特性の違いが示された。主成分分析を適用した結果、第1主成分は主に甘みによる「濃厚感」、第2主成分は甘味以外の味や風味による「風味の重層感」と解釈された。収穫時期による官能特性の変動もみられたが、その大きさは品種によって異なった。
  • 中村 恵子, 山崎 真優子
    セッションID: P-028
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    目的 小学校家庭科にて調理を指導するのは担任であり、小学校教員は基礎的な調理の知識・技能を習得する必要がある。しかし、小学校の教員養成カリキュラムで調理を学習する機会は少ない。そこで、大学生の調理技能向上のための効率的な指導方法を検討するため、調理技能の実態を把握して授業実践を行い、指導後の学習内容の定着を確認した。

    方法 小学校教員免許取得希望学生9名を対象とし、ご飯とみそ汁(各4人分)、野菜炒めとおひたし(各1人分)を同時に調理させた。調理方法は小学校家庭科の教科書に掲載されている通りと指示し、学習指導要領解説等から抽出した項目を用いて、成否をチェックした。課題のあった項目については、3回の授業実践を行った。授業受講生5名を対象とし、授業当日の状況を把握し、約1ヶ月後に前述と同様の調理を実施して定着状況を確認した。

    結果 料理作りを通した実態調査では、カップやスプーンでの計量ができない、材料や調理方法を考えて切り方を工夫することができない、沸騰や火力調節のタイミングが分からない、加熱の終わりが分からない等が明らかになった。授業実践では、液体の計量が難しい、沸騰・火力調節・加熱の終点は経験すると理解できることが分かった。事後調査では、計量は繰り返し確認しながら習得する必要がある、切り方の工夫を学習しても応用することができない、沸騰・加熱の終点等経験した内容は定着することが明らかになった。
  • 藤田 沙南, 村上 陽子
    セッションID: P-029
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    目的 米は我が国において唯一自給可能な穀物である。しかし、食の多様化や米から小麦粉食品への移行拡大等により、米の生産量・消費量はともに減少しているのが現状である。そこで本研究では、小麦粉の代替として米飯に着目し、品種の異なる4種類の米飯、および、その米飯で調製した米飯パンの食味について検討した。これにより、米飯の食味と米飯パンの食味との関係、および、品種との関連を明らかにする。本研究の成果をもとに、米を中心とした食育教材を開発し、我が国の主食である米に対する興味・関心の高揚の一助とする。
    方法 米飯と米飯パンの官能特性を調べるために、識別試験、嗜好試験、および、順位法による官能評価を行った。試料は米4種類(ササニシキ、キヌヒカリ、ミルキークイーン、ヒノヒカリ)を用いた。米飯は炊飯したものを実験試料とした。米飯パンは、上述した4種類の米飯を用いて調製した米飯パンについて、いずれも30%置換したものを実験試料とした。対照として小麦粉パンを用い、クラムから切り出した2.0cm角の立方体を実験試料とした。 
    結果 パンについて、見た目は小麦粉パンの評価が高かったが、食味では米飯パンの嗜好性が高かった。米飯パンの中では、コシヒカリの嗜好性が最も高く、ヒノヒカリの評価は低い傾向がみられた。米飯の状態ではササニシキ、米飯パンに用いた場合ではコシヒカリとササニシキの嗜好性が最も高かった。
  • 真部 真里子, 高山 悠, 竹内 実子, 小川 有紀, 笹原 由雅, 青木 仁史
    セッションID: P-030
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    目的 和食以外にも広く減塩食のおいしさを向上させることを目指し、チキン・ブイヨン(CB)の減塩効果について検討した結果、CBに塩味増強効果を認めたが、その効果が、どの食材中の成分に由来するかは未だ明らかではない。そこで、本研究室では、CBの基本食材から鶏・鶏がらとスパイス以外の特定の食材を除いたブイヨン(ニンジン抜き、セロリ抜き、ユリ科の食材抜き)を調整し、その塩味増強効果を検討した。その結果、いずれのブイヨンにも塩味増強効果が認められたが、ユリ科の食材に塩味増強効果が、セロリに塩味緩和効果があることが示唆された。そこで、本研究では、鶏・鶏がらに1種類の野菜(セロリ、タマネギ、リーキまたはニンニク)を加えたブイヨンを4種類調製し、鶏・鶏がらのみのブイヨンとCBを加えた6種類のブイヨンについて、その塩味増強効果を検討した。
    方法 各ブイヨンのうま味強度を0.15%、塩分濃度を0.62%~1.00%の5段階に調製した試料を、0.80%NaCl溶液とそれぞれ組にして60℃で提供し、被験者に、各組より塩味が強いものを回答してもらった。
    結果 プロビット解析の結果、鶏・鶏がらのみのブイヨンに塩味増強効果があることが示され、セロリに塩味緩和効果があることが確認された。また、鶏・鶏がらにニンニクを加えたブイヨンに対する評価は、被験者によるばらつきが大きく、ニンニクの効果については、今後の検討課題である。
  • 飯島 久美子, 山本 裕崇, 郡山 貴子, 佐藤 瑶子, 香西 みどり
    セッションID: P-032
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    目的 豆は長期間貯蔵することで煮ても軟らかくなりにくくなることが知られている。このような豆を粉砕した際の調理性を明らかにするため、貯蔵期間の異なる豆を粉末にし、起泡性と乳化性を測定した。

    方法 37℃、相対湿度75%で45、90日間貯蔵した大豆及び金時豆を粉砕し、粒度分布(レーザー回折式粒度分布測定装置)を測定した。比較として4℃80%で貯蔵した豆をコントロール豆として用いた。乳化性は、水:サラダ油=1:1に3.3%の試料を加え、攪拌後の分離量を経時的に測定し、乳化力(乳化層容積/全容積)とした。起泡性は、イオン交換水に対し試料を4%加え、攪拌(7000rpm、2分間)し、泡沫容積の経時変化を測定した。

    結果 乳化力は豆の種類及び貯蔵条件によらずいずれの試料も調製直後は100%であり、180分後の乳化力は大豆では貯蔵豆が、金時豆ではコントロール豆が高く、豆の種類によって豆粉の乳化安定性への貯蔵の影響が異なった。90日貯蔵の豆粉の攪拌直後の泡沫容積は、大豆がコントロールの1.1倍、金時豆がコントロールの1.3倍であり、180分後も貯蔵豆の方が高かった。豆粉のメジアン径は大豆のコントロールが51μm、45、90日貯蔵豆でいずれも33μmであり、金時豆は貯蔵条件によらず約50μmであった。これらのことから、貯蔵前後で両豆粉の調理性に違いが見られたことには粒度やタンパク質の成分変化などが複雑に関与することが示唆された。
  • 亀山 周平, 高原 啓也, 上村 慎一郎
    セッションID: P-033
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】マイクロ波を活用した電子レンジ調理には短時間で素早く調理できるメリットがあるが、単に加熱できるだけでなく、美味しく仕上がることも求められる。本検討では、電子レンジ用調理器具の違いが加熱ムラや食材の柔らかさ、味の染み込みといった仕上がりに及ぼす影響を検討した。
    【方法】用いた電子レンジ用調理器具はラップ、シリコン製スチーマー、蒸気口付きジッパーバッグ(ライオン社製)の3種類である。①加熱ムラ:冷凍保存した鶏もも肉と水を各種調理器具に入れ、600Wで5分加熱した後、加熱直後の鶏もも肉をサーモグラフィーにより温度を可視化した。②味の染み込み:大根と調味液を入れ、600Wで3.5分加熱し、加熱後の味の染み込みを目視で評価した。③硬さ:大根と水を入れ、600Wで加熱した時の最大破断強度の変化をクリープメーターで測定した。
    【結果】蒸気口付きジッパーバッグを用いると食材の内部と表面どちらも均一に温められている様子が観察された。これは、食材から出た蒸気がバッグ内に閉じ込められ十分に対流したためと考えられる。また、味の染み込みおよび硬さに関しても蒸気口付きジッパーバッグが最も良好であった。これは蒸気口付きジッパーバッグでは通常の電子レンジ調理よりも高い圧力下で調理ができるため、短時間で食材が軟らかくなり、味が染み込みやすかったと考えられる。
  • 小林 由実, 上田 善博, 加藤 邦人, 石田 康行, 河村 益徳, 小川 宣子
    セッションID: P-034
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    目的 天ぷらのおいしさは衣と素材から評価される。衣は水分蒸発により得られるサクサク感、素材は天ぷら中の水分により蒸されて得られる食感や旨みから評価される。このことから天ぷらのおいしさは揚げ過程の水分の動きが重要になると考える。また、これまでおいしい天ぷらを揚げるための適切な状態(様子)は明確にされていない。そこで、油面の様子と水分の動きの関係を調べ、それが出来上がりに及ぼす影響を明らかにし「揚げ過程の油面の様子からおいしさを評価する方法」を検討した。
    方法 1)試料:さつまいもに衣(薄力粉:卵水=30:50g)をつけ、油(160,180,200℃)で4分加熱した。2)油面の様子:泡により発現する油面のゆらぎを高速度カメラで撮影し、画像解析した。3)水分の動き:蒸発量は秤の上で天ぷらを揚げ重量減少量から調べた。衣と素材の水分の動きは衣の水分を重水(H218O)にし、衣と素材の水分を区別して推定した。4)衣と素材の品質:衣は水分量、気泡数(破断応力波形を微分波形へ変換した時のマイナスピーク数)、素材は水分量、硬さ、糊化度(グルコアミラーゼ法、SEM)、おいしさは官能評価から調べた。
    結果 油面の様子と水分蒸発量は一致した。衣の水分は揚げ直後に多く蒸発し、これが衣のサクサク感に、素材の水分は揚げ直後から蒸発したが衣から移動した水分により素材中の水分が保たれ、これが出来上がりの硬さや糊化度に影響すると予想した。
  • 谷澤 容子, 石井 統也, 松宮 健太郎, 松村 康生, 香西 みどり
    セッションID: P-035
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    [目的]  フレンチメレンゲをモデルとして乾燥微粉砕した精白米と干し椎茸を添加した調理特性について報告した1)。今回は12種類の農産食品微粉末を添加し,分離液量および焼成メレンゲへの影響を検討した。
    [方法] 穀類,豆類,野菜類,きのこ類,海藻類および茶葉をDB-320で粉砕した。生卵白30.0gに砂糖0%~100%を加え,微細粉を2%,4%添加した際の分離液量(mL)を180分まで計測し,メレンゲの安定性への影響を調べた。2%添加試料は焙焼し,菜種法により体積を測定,比重を得た。焼成メレンゲの外観は嗜好意欲尺度を用いて評価した。吸水率,吸油率は遠心分離により得た。
    [結果] 平均粒子径18μm(玄米)~50μm(押麦)の微細粉を添加した生メレンゲの分離液量は試料によって異なっていた。茶,ワカメ,ヒジキは抑制(p<0.01),精白米,小豆,干し椎茸も抑制傾向がみられた。玄米,トウモロコシ,大豆の分離液量が多くなったのは油脂を含む食品素材であるためと推測した。一方,藻類,干し椎茸,茶の吸水率は,2g / 試料1g以上と高く,卵白水分を保持するためと考えた。干し椎茸は,疎水性の指標となる吸油率も高いため,気泡の安定に寄与したと考えた。焼成すると,いずれのメレンゲの体積も小さくなる傾向であった。微粒子の大きさ,食品素材の成分の影響が考えられる。1)日本食品科学工学会第63回大会要旨集p157,2016
  • 後藤 昌弘, 岩田 惠美子
    セッションID: P-036
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    [目的]ジャガイモは古くからある“男爵薯”,“メークイン”が未だに主力品種である。これらの品種はジャガイモシスト線虫抵抗性が低く,栽培上問題となっている。近年育成された線虫抵抗性のある“さやか”,“はるか”を用いて,官能検査により収穫直後と貯蔵6か月のジャガイモの加熱調理法による食味のちがいとポテトサラダの食味の比較を行い,はるか,さやかの利用の可能性を検討した。

    [方法]北海道産ジャガイモ4品種(男爵薯,メークイン,さやか,はるか)を収穫直後と貯蔵6カ月に入手し,蒸し,ゆで,焼き,揚げ,電子レンジ加熱の5種の調理を行い,調理後の色,香り,口あたり,甘み,苦み,味,総合評価の7項目について“男爵薯”を基準試料とする官能評価を評点法で行った。さらに,4品種のジャガイモを用いたポテトサラダを調製し,同様に評価を順位法と評点法で行った。

    [結果]収穫直後では,総合評価で“メークイン”が焼き加熱,“さやか”がゆで加熱で評価が高かった。貯蔵6か月では,“はるか”の評価が全ての加熱法で有意に高かった。ポテトサラダの評価では,収穫直後の味,総合評価で“メークイン”,“さやか”の評価が高かった。また,貯蔵6か月では,総合評価で“メークイン”,“さやか”の評価が高かった。しかし,順位法の総合評価では“さやか”,“はるか”に有意差はなかった。
  • 三宅 紀子, 野村 茉由
    セッションID: P-037
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的 ビタミン、ミネラルなどをはじめとしてフィトケミカルを豊富に含む野菜や果物は、健康維持や生活習慣病の予防に重要であるが、十分に摂取できていないのが現状である。本研究では、作り置きにより野菜を手軽に摂取するための一つの方法としてピクルスに注目し、野菜に含まれる栄養素の中でも調理等により壊れやすいビタミンCに着目した。
    方法 ピクルスの野菜やピクルス液の配合のレシピ調査をもとに、パプリカ、キャベツのピクルスを調製した。野菜を下漬け後、ピクルス液に浸漬して、冷蔵庫で保存し、経時的に野菜とピクルス液に分けてビタミンCを抽出し、HPLC-UV法により還元型ビタミンC(AsA)量および酸化型ビタミンC(DAsA)量の両者を定量した。
    結果 パプリカのAsA量は、1日で浸漬前の約2/3に、7日で約1/3に減少したが、その後大きな変化はなかった。一方、ピクルス液のAsA量は経時的に増加したことから、パプリカのビタミンCのピクルス液への溶出が示された。キャベツの総ビタミンCはパプリカと比較して減少速度が大きく、パプリカよりもDAsAの割合が高かった。以上の結果から、ピクルスのビタミンCは浸漬後短時間で溶出しやすいが、1週間あるいは3週間後でもピクルスのビタミンCは残存していた。
  • 森髙 初惠, 山中 健太郎, 小林 奈央樹, 大越 ひろ
    セッションID: P-038
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的 食べ物を安全に嚥下するためには,咀嚼による食塊の形成過程が重要となる.咀嚼過程では食片の選択と選択された食片の破壊が行われ,香気成分や呈味成分の放出量が変化する。そこで,ヒトの咀嚼過程におけるアガロースゲルの食塊のテクスチャー特性,食塊を形成する食片のサイズ分布と放出される香気成分の知覚強度について検討した.
    方法 2種類の立方体(Lゲル,Sゲル)に成形した3種類のアガロースゲル(分子量:AGa>AGb>AGc)を試料とした.50回咀嚼までの食塊の硬さ,凝集性と付着性はクリープメーター(山電社製)にて測定した.食片のサイズは10回咀嚼までの食塊について測定した.香気成分はアルコール類,アルデヒド類,フェノール類,エステル類と炭化水素類から9種類を用いた.被験者は20歳代の女子学生とした.
    結果 食塊の硬さは咀嚼回数の増加に伴い低下した.硬さと咀嚼回数の増加に伴う硬さの減少の程度はAGaゲルで最も高く,次いでAGb ゲルであり,AGcゲルで最も低くかった.付着性と凝集性は咀嚼回数の増加に伴い増加した.付着性と凝集性はAGcゲルで最も大きく, AGaゲルで最も小さかった.多い咀嚼回数での食片サイズの累積数とサイズとの関係は, Lゲルでは対数正規分布に適合し,Sゲルにおいては指数関係が得られた.咀嚼回数が増すと,食片の平均サイズと分散は減少し,一方香気強度は増加した後減少した.
  • 岡崎 貴世
    セッションID: P-039
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    [目的] 最近、スーパーやコンビニでよく目にするカット野菜類は手軽に野菜を摂取できる反面、洗浄をせずそのまま食べるため他の食品以上に衛生管理が必要である。そこで市販スティック野菜の微生物汚染状況を調査した。またスティック野菜の消毒法と鮮度(食感)保持について検討を行った。
    [方法] 試料として市販スティック野菜5種類を用い、一般生菌、真菌等の測定を行った。消毒液は次亜塩素酸ナトリウム(Na)溶液(株式会社オーヤラックス)と亜塩素酸水(本部三慶株式会社)を用いた。大腸菌(Escherichia coli NBRC 3972)接種きゅうりを消毒液に15分間浸漬後、水道水で洗浄し、25℃で24時間保存後、菌数の変化を測定した。また山電株式会社製クリープメータを用いてきゅうりの破断応力を測定した。
    [結果] 検査したすべての試料から汚染菌が検出され、汚染度はメーカーによって異なることがわかった。50ppm亜塩素酸水は、次亜塩素酸Naと比べて菌接種きゅうりに対して高い消毒効果を示した。鮮度保持に効果があるトレハロース(5%)の添加は、きゅうりの破断応力を顕著に高くし食感(シャキシャキ感)の保持に良い効果を与えたが、消毒剤と併用するとその効果は低下する傾向がみられた。今後、野菜を消費期限に相当する日数まで保存して物性の測定を行い、消毒剤との併用について詳細な検討を行う必要があると考えられた。
  • 林 紗也子, 八川 梨紗, 佐藤 瑶子, 香西 みどり
    セッションID: P-040
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    目的 煮物では食材と煮汁の食塩濃度が変化することから、調味条件設定にはこれらを把握する必要がある。煮汁から食材への拡散により食材の食塩濃度は上昇し、煮汁中の食塩量は減少する。煮汁の食塩濃度は蒸発の影響も受ける。刻々と変化する食材と煮汁の食塩濃度を同時に予測することを目的とし、あわせて少量調理と大量調理の比較検討を行った。
    方法 少量調理及び大量調理を想定し、試料と1%食塩水の合計重量を0.6、10kgとして水から加熱し、0~30分間沸騰継続した。試料はいちょう切りダイコン(厚さ2cm、半径3cm)とし、試料と食塩水の食塩濃度及び蒸発量を測定した。試料の食塩濃度は三次元拡散方程式を用いて予測し、試料へ拡散した食塩量を算出した。食塩水濃度は食塩水から試料へ拡散した食塩量の予測値と蒸発量の実測値を用いて予測した。計算は有限要素法ベースのシミュレーションソフトウェアCOMSOL Multiphysics 5.3で行った。
    結果 計算により得られた試料と食塩水の食塩濃度の予測値は実測値と概ね一致し、本法により加熱中の試料及び食塩水の食塩濃度変化が同時に予測できることを確認した。食塩水0.3kgで試料0.3kgを加熱する時の食塩水濃度の予測値は沸騰継続9.7分までは試料への食塩の拡散により低下し、それ以降は蒸発により上昇した。食塩水4kgで試料6kgを加熱する時の食塩水濃度は低下し続け、大量調理では蒸発の影響は小さかった。
  • 久保 加織, 阿部 有紀子, 岩永 莉奈, 森 太郎
    セッションID: P-041
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】在来野菜は地域の食文化と密接につながり継承されてきたが、形や大きさの揃いが悪い、栽培に手間がかかる等の理由から、大量に均一な形や大きさで収穫ができ、汎用性が高い一般野菜に押されて生産が減少している。本研究では、滋賀県甲賀市甲南町杉谷地区で古くから栽培されている「杉谷うり」の継承を目的として、物理的特性を評価した。
    【方法】杉谷うりと一般野菜である白瓜(桂大白瓜)、きゅうり(つばさ)を滋賀大学内の農場で栽培して収穫したものを分析に供した。冬瓜は、大津市内の農産物直売所で大津市産のものを購入して分析に供した。杉谷うりと冬瓜については、3cm角に切った果肉部を沸騰水中で一定時間加熱したものを加熱果肉として分析した。測定はクリープメーター(山電)を用いて、果皮は直径1.5mm、果肉は直径3.0mmの各プランジャーを1.0mm/秒で貫入させて行った。
    【結果】生試料においては、杉谷うりの果皮は白瓜やきゅうりより硬く、果肉は白瓜より柔らかく、きゅうりより硬かった。もろさは試料間に大きな差はなかった。加熱果肉では、杉谷うり、冬瓜ともに10分間で硬さが変わらないまでにやわらかくなった。硬さが変化しない程度に加熱した果肉で比較すると、杉谷うりの加熱果肉は、冬瓜のそれより硬かったが、もろさは同程度であった。杉谷うりの果肉は、生で食する際は一般の瓜より柔らかいが、加熱した場合には冬瓜より歯ごたえがあると判断した。
  • 谷口 明日香, 京極 奈美, 長尾 慶子, 小林 理恵
    セッションID: P-042
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
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    【目的】我々は健康機能性に優れた雑穀粉の利用拡大を目指し、天ぷら衣への利用適性を追究している。その過程で、一部の雑穀粉を用いた天ぷら衣は放置後も物性が変化しにくいと感じられた。そこで、雑穀粉天ぷら衣の物性は吸湿により変化すると予測し、その経時的な変化に及ぼす水分量の影響を検討した。

    【方法】小麦粉、うるち米粉、もち米粉、大麦粉、ソバ粉、ハトムギ粉各バッターの揚げ衣と、さつまいもに上記バッターをつけて揚げた天ぷら衣を既報に準じて調製した。それぞれの揚げ加熱後1、10、20、30、60分室温放置試料を用いて、貫入試験による物性ならびに常圧加熱乾燥法による水分量を比較した。

    【結果】いずれの揚げ衣も、放置時間に伴い一度水分量が増加した後減少する挙動を示した。貫入試験時の各試料の微分波形からは水分量の増減に依存した変動は認められず、経時的に波形の振幅が小さく歪率が高くなる傾向であった。すなわち、放置による物性の変化は水分量に依存していないことが分かった。一方天ぷら衣では、うるち米、もち米、ハトムギ各粉は長く放置すると水分量が有意に増加し、貫入時の微分波形の振幅も揚げ衣に比べ小さかった。また大麦粉とうるち米粉は、揚げ衣より天ぷら衣の水分量が有意に大で、食材から吸水しやすい粉であると推察された。しかし、大麦粉とハトムギ粉の天ぷら衣は、長く放置後も微分波形に明瞭な振幅が見られ、歯もろさを維持していることが示唆された。
  • 河内 公恵, 小出 真緒, 佐野 筑志, 水口 実里, 中島 肇
    セッションID: P-043
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】演者らは捕集袋内でキャベツの貫入試験を行いつつ香気成分の分析を行うことで切断や咀嚼に伴う酵素反応で生成されるレトロナーザルな香気成分を分析する手法について報告した。本報告では同様の手法で,冬キャベツと春キャベツについて蒸し加熱前後のキャベツの香気特性を明らかにすることを目的とした。

    【方法】市販キャベツ(愛知県産冬キャベツ,神奈川県産春キャベツ)を用い,キャベツを最外層から4~5枚と中心部を除き,葉を50㎜角に切り試料とした。貫入試験と香気成分分析では,フレーバーリリース評価キット(島津製作所)を用いた。匂い捕集袋内に,試料を25g±1gとなるように重ね,20㎜直径のディスク状のプランジャーで貫入試験を実施し,匂い捕集袋内の香気をSPME-GC/MS 分析を行った。蒸し加熱は、上記と同様に50㎜角の試料を25g±1gとなるように重ねて 100℃で5分間加熱した。

    【結果】未加熱に比べ蒸し加熱したものは,キャベツの青葉のようなにおい成分である(Z)-3-hexen-1-yl acetate,1-hexanol ,(Z)-3-hexen-1-olが減少し,pentanal,hexanalなどのアルデヒド類,含硫化合物の一部が増加した。本研究で用いた試料では愛知県産の冬キャベツは神奈川県産の春キャベツに比べて,蒸し加熱したキャベツでアルデヒド類の量が多かった。
  • 辻 美智子, 岩田 さくら, 北村 美奈弥
    セッションID: P-044
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    目的 豆腐は発酵させることによりチーズ様のテクスチャーに変化することが報告されている。本研究ではチーズ様豆腐食品として豆腐のみそ漬けを創製し、熟成過程における豆腐のテクスチャー特性及び大豆たん白質の挙動について検討した。
    方法 豆腐のみそ漬けは、水切りした木綿豆腐に米みそを塗布し、4℃で10日間保存した。熟成中は0、1、4、7、10日目に試料を取り出し実験試料に供した。調理特性として豆腐の外観、pH、テクスチャー特性、嗜好性を評価した。大豆たん白質の挙動については、各試料から水可溶性画分を抽出し、たん白質及び遊離アミノ酸の定量、SDS-PAGEを行った。
    結果 豆腐のみそ漬けは熟成日数にともない、テクスチャー特性の硬さ及び付着性が増大し、特に熟成0日目と1日目との間に有意な増加がみられた。嗜好性では熟成4日目の豆腐について官能評価を行った結果、熟成0日目の豆腐よりもなめらかで、粘りが強いと評価された。大豆たん白質の挙動では、熟成日数が長くなるにつれて、SDS-PAGEでの高分子部分のバンドが消失し、低分子化がみられた。水可溶性画分中のたん白質は、熟成日数とともに増加したが、熟成4日目以降の変化はみられなかった。遊離アミノ酸においても同様の傾向がみられたが、熟成4日目以降も増加がみられた。以上の結果から、豆腐のみそ漬けのテクスチャー変化に大豆たん白質の挙動が影響を及ぼすことが示唆された。
  • 小林 理恵, 橋詰 奈々世, 岩田 惠美子, 榎本 俊樹
    セッションID: P-045
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】発がん性が懸念される食品中のアクリルアミド(AAm)は、高温加熱調理時にアスパラギン(Asn)が還元糖と反応して生ずるため、その抑制には加熱時間の短縮が有効とされている。一方で、その反応過程で生成する物質は、調理品の好ましい香りや色の発現に寄与するため、加熱時間の短縮は嗜好性の低下につながると予測される。そこで本研究では、高温加熱調理品であるドーナツ製造において、Asn含量が少ない大麦粉を配合することで、嗜好性を保持しつつAAm量を低減できるか検討した。

    【方法】試料は既報の小麦粉ドーナツを対照とし、薄力粉、大麦粉、牛乳、砂糖、鶏卵、バターの配合量の異なる2種のドーナツを揚げ加熱(ソフト:180~190℃で160秒、ハード:170~175℃で270秒)して大麦粉配合ドーナツを調製した。各試料は破断特性、表面色を測定し、分析型及び嗜好型官能評価により品質を評価した。AAm生成量はLC/MS/MSにより定量分析した。

    【結果】大麦粉を配合するとドーナツの破断特性値は有意に変化し、色が暗くなるが、分析型及び嗜好型官能評価では、色以外の項目において小麦粉試料との有意差はなかった。AAm生成量は大麦粉の配合により、ソフトドーナツで72%、ハードドーナツで47%低減しており、ドーナツの製造において大麦粉を配合することは、嗜好性を保持しつつアクリルアミドの生成量を低減させる手法として有効であることが示唆された。
  • 奥西 智哉, 平川 宏之, 後木 満男, 岡留 博司, 五月女 格, 安藤 泰雅, 宮下 香苗
    セッションID: P-046
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】北海道新十津川町は北海道内での酒米生産割合が概ね50%である。酒造において酒質を高めるために酒米はその外層の多くを研削され、少なくとも70%、時には50%を下回る精米歩留まりで酒造用精米が行われる。発生する白糠は、米粉の一つであり、この有効利用方法をここでは報告する。
    【方法】新十津川町産酒米である「吟風」の酒米研削時に発生した米粉を用いた。Megazyme社の測定キットを用い、アミロース含量を測定した。損傷澱粉率はMegazyme社の測定キットおよび0.25M塩酸を用いた方法でそれぞれ求めた。米粉の粒度は粒度分布計(Beckman Coulter LS13320)を用いた。SEMによる米粉外観観察を行った。米粉の発酵能力については試薬αアミラーゼあるいは市販米麹を用いて、発生した糖あるいはアミノ酸量を定量することで評価を行った。米麹発酵物をパン材料に添加し、製パンを行った。得られたパンは比容積を測定した。
    【結果】「吟風」のアミロース含量は27%程度であった。飯用米としては高い値であるが、酒米としては一般的である。損傷澱粉値は40%程度(酸溶解法)の非常に高い値を示した。SEMによる外観観察でも米デンプンに特有の角ばった構造が失われており、大きな変化を受けている。糖化能力は一般的なうるち米に比べて高かったが、アミノ酸発生量は同等であった。発酵物を添加したパンは良く膨らんだ。
  • 原 知子, 高橋 徹, 吉永 隆夫
    セッションID: P-047
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    目的:煮物調理では加熱方法や容器に対する煮汁や具材の割合が大きな要因である.加熱条件や具材の割合に対して容器内の詳しい温度分布を予測することを試みた。
    方法:「煮汁と具材」を「液体で満たされたポーラスメディア」とみなしてポーラスメディア理論を応用した.この理論を用いて容器内での熱対流に伴う温度分布を解析した.IHクッキングヒータでの加熱を想定し,単位時間当たりの流入熱量を一定として,容器底面での加熱領域をリング状と全面の2種類の場合について調べた.解析は流体で満たされたポーラスメディアの運動方程式とエネルギー式を円筒座標系(r,θ,z)で定式化し,それらの数値解析コードを作成し,加熱時間が2時間程度に対応する長時間にわたる数値計算を行なった.
    結果:温度と速度分布を時間に対して調べた結果,ダルシー数の増加とともに,容器内温度の偏差は小さくなり,速度分布の偏差は反対に大きくなる.これは,具材が大きくなるにつれて,容器内での煮汁の熱対流が大きくなり,容器内での温度分布がより均一になっていることを示す.さらに,ヌッセルト数の平均を調べた結果,リング状加熱の場合,ダルシー数のある一定領域で最も大きくなることがわかった.この特定領域の存在は,底面全体加熱では現れなかった.そのため,加熱領域をうまく選ぶことが,効率の良い調理には必要であることが予想される.
  • 星野 亜由美, 佐々木 整輝, 小林 正人, 飯田 文子
    セッションID: P-048
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】品種の異なる牛肉の食味特性を明らかにすることを目的とした。【方法】黒毛和種68頭、褐毛和種6頭、交雑種61頭、日本短角種11頭、ホルスタイン種19頭、海外種45頭の計210頭の胸最長筋部を用いた。試料は1㎝厚さにスライスし、200℃に熱したホットプレートで中心温度60℃になるまで加熱した(170±30 sec.)。6~11名の訓練パネルにより、8段階尺度の分析型官能評価を行った。上位試料に関しては、破断測定および理化学成分測定も併せて行った。【結果】官能評価では、黒毛和種は食感、風味項目全ての評価が最も高値となり、褐毛和種は黒毛とほぼ同等であったが、多汁性の項目で低値であった。交雑種は黒毛に比較し、うま味や風味の強さが高値であった。これは粗脂肪含量が適量であったことが関係していると考えられた。次いでホルスタイン種、日本短角種の順で、上位3種に比べ、多くの項目で低値であったが、海外種よりは高値であった。破断測定では、官能評価の食感と相関がみられた。更に、主成分分析では、総合評価の近くに香り、風味項目が位置し、特に香りが総合評価に寄与していることが示唆された。【結論】食味特性は黒毛、褐毛が最も優れ、交雑種が準じ、次にホルスタイン、日本短角、海外種の順であり、国産種が海外種に比べ、食味が良いことが示された。今回の牛肉の食味特性には、特に香りの重要性が示唆された。
  • 平島 円, 堀 光代, 磯部 由香
    セッションID: P-049
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    目的 日本人の食嗜好は,食の欧米化に伴い肉と油脂を好むように変化した.そこで本研究では脂質の少ない従来の日本の家庭料理(和食)の喫食頻度と手作りでの喫食割合について調査し,学生の喫食状況について把握した.

    方法 小学校から高校までの家庭科の教科書や大学での調理実習書に記載されている家庭料理24品と緑茶の喫食頻度と手作りのもの(内食)を食べる割合について平成28年度にアンケート調査を行った.対象者は大学,短大生509名とした.

    結果 いずれの家庭料理も学生の認知度は高く,95%以上が「知っている」と回答した.また,学生の90%以上に喫食経験があった.喫食頻度の高い和食は「みそ汁」で,78%の学生が週1回以上,そのうち32%がほぼ毎日食べると回答した.また,緑茶も73%の学生が週1回以上飲んでおり,ほぼ毎日飲む学生は41%だった.月1回程度食べる料理には「炊き込みご飯」「肉じゃが」「きんぴらごぼう」が,年1回程度食べる料理には「ちらし寿司」「巻き寿司」「茶碗蒸し」が挙げられた.喫食頻度が月1回の料理は定番の献立として,年1回のものは行事食として食べられていると推察される.また,調査した料理の平均72%が内食,18%が購入(中食),10%が外食での喫食だった.中食率の高いものは「巻き寿司」「いなり寿司」,外食率の高いものは「茶碗蒸し」「天ぷら」だった.これらの料理は家庭で作られなくなりつつあるとわかった.
  • デュアー 貴子, 小林 由孝, 岩田 剛和, 小栗 涼志, 後藤 将, 望月 武
    セッションID: P-050
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    目的 岐阜県各務原市特産の各務原にんじんを利用した菓子商品の開発およびPR活動を目的に、産学官連携協定を締結し、これら特産の各務原にんじんを使った薬膳菓子の開発および商品化を行っている。さらに開発した薬膳菓子の官能評価を行い、その特徴を明らかにすることを目的とした。
    方法 各務原市特産の2016年冬に収穫された各務原にんじんを材料とし、各務原にんじんの菓子への利用率を高め、秋冬の季節にあう食養を目的とした薬膳各務原にんじん菓子を考案した。官能評価には、セマンティック・ディファレンス法(SD法)を用い、17項目の設問を作成した。評価は7点評価尺度とした。調査時期は2017年10月に30歳~45歳の男女48名(男性23名、女性25名)を対象に、調査の趣旨を説明し、同意を得た48名を対象とした。統計処理には汎用統計解析ソフトSPSSを用いた。評価項目の平均値および標準偏差を求め、セマンティック・プロフィールを図で示した。さらに探索的因子分析を主因子法、バリマックス回転で計算し、固有値1以上の因子のスクリープロット減少率より因子数を定めた。
    結果 東海学院大学の学生が考案した「各務原にんじん秋冬薬膳キャロットケーキ」の特徴は、「香りと美味しさ」「美容と健康」「食感と個性」の3因子であった。この薬膳ケーキが、日本最古の薬草の歴史をもつこの岐阜で、多くの人に愛される各務原にんじん菓子になることを願っている。
  • 村上 陽子
    セッションID: P-051
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】 豆類は,米と並ぶ五穀の一つである。我が国においては,豆の種類や用途に応じた伝統的な調理操作があり,郷土料理や和菓子など多岐にわたって利用されている。豆類は,大豆,落花生,雑豆類の3つに大別されるが,大豆以外の豆類は摂取量が低く,年々減少しているのが現状である。また,近年では、食の洋風化に伴う和食の喫食頻度の減少,および、中食・外食の発展による家庭での調理機会の減少が報告されている。そのため,家庭における調理技術は衰退の一途を辿っており,食文化継承において危惧すべき状況にあると考えられる。そこで,本研究では大学生を対象として豆類の認知度と食嗜好性について調査を行った。加えて,小豆あんに着目し,嗜好性を検討した。
    【方法】 大学生における豆類の認知度や学習経験,小豆あんの嗜好性を把握するためにアンケート調査を行った。対象は静岡大学教育学部学生309人とした。学校における学習状況については,小中高等学校の家庭科の教科書分析を行った。
    【結果】 20種類の豆類の認知度を検討した結果,小豆や大豆やいんげんなどの6種類の豆類は,名前の認知度や実物を見た経験,および,喫食経験が非常に高かった。一方,調理経験についてはいずれの豆類も著しく低く,喫食経験に比べて有意に低かった。小豆あんの嗜好性は高く,特にこしあんは粒あんよりも嗜好性が高かった。また,和菓子の種類によって,好まれるあんの種類に相違が見られた。
  • 山内 加代子, 棚橋 亜矢子, デュアー 貴子
    セッションID: P-052
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/28
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】薬膳とは健康を維持して病気を未然に防ぐための養生食とされ、一般的に手に入る食物のそれぞれの働きを理解し、季節や体質・気候風土に合わせて最も適した食べ方をする必要があるとされている。今回は岐阜県各務原市の特産品であるにんじんを利用し、秋冬の食療を目的とした薬膳定食を開発した。
    【方法】開発した秋冬薬膳定食のおいしさの特性を明らかにするためにセマンティック・ディファレンス法(SD法)を用いて調査を行った。調査に用いる評価用語を定めるため、「にんじん」及び「薬膳」という表現について思い浮かべる言葉を自由記述で3つ挙げてもらった。その結果43語に集約され、イメージとして使用可能な22語に絞り、反対の意味を持つ言葉と対にして質問項目を設定した。評価は5点評価尺度とし、調査時期は2017年10~12月、30~65歳の男女56名を対象とした。統計処理は汎用統計解析ソフトSPSSを用いた。
    【結果】 因子分析から3つの因子を抽出し、第一因子「栄養と健康」、第二因子「家庭的なおいしさ」、第三因子「薬膳食材の特性」と命名した。各下位尺度のα係数を算出したところ、第一因子でα=0.81、第二因子でα=0.72、第三因子でα=0.71と十分な値が得られた。これらのことから開発した秋冬薬膳定食は栄養バランスと健康に良く、家庭的なおいしさがあり、薬膳食材の特性を生かした献立であることが示唆されていることが分かった。
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