“A New System of Domestic Cookery” は19世紀はじめに英国で初版が出版されたRundell 夫人著の家庭料理の料理書で、その後多くの改訂を重ねてきたが、これまで調理科学的研究はなされてこなかった。本研究では、1842年に出版された第66版の菓子類を取り上げ、その調理科学的特徴を明らかにすることを目的とした。パイ類では、パイ生地の他、ブリオッシュ生地や米粉を用いた生地などの調製法が記載されていた。プディングの調理法では、ボイルドとベイクドがそれぞれほぼ半数を占めており、油脂としてバターとスエットが多く用いられていた。コールドプディングなどの冷たいデザート類では、濃度をつけるあるいは凝固の方法として、卵の加熱、でんぷんの糊化、酸による作用、ゼラチンの順で多かった。ケーキ・ビスケットの膨化剤は無添加のものがほとんどだが、イーストや化学膨化剤を使用したものもあった。英国では、部分的に形を変えながら現在でも食されている菓子が認められた。