2024年4月26日に北海道東部に位置する野付半島の沖から新たなマンモスゾウの臼歯化石が発見された.化石はよく咬耗した右上顎第 1 大臼歯であり,その年代は暦年補正した年代でおよそ4万2000〜4万1000年前であった.これまで発見されている野付半島沖の 3 点の標本も含めて考察すると,この地域には少なくとも MIS 3 〜 MIS 2 の始まりにかけてマンモスゾウが生息していたことがわかる.化石の包含層は砂礫層であり,潮流で包含層にまで海底が掘り下げられた水深のやや深い場所で,転石の状態で存在している可能性があることなどが推定される.また,今回の化石の δ
13C の値は -18.0 ‰であり,この値はこれまで世界各地から知られている一般的なマンモスゾウの値に比較して高い値を示しているが,その原因としてはこの地域あるいは海岸地域に生息していたマンモスゾウの食性が関係している可能性が考えられる.
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