化石研究会会誌
Online ISSN : 2759-159X
Print ISSN : 0387-1924
最新号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
原著論文
  • 宮田 真也, 平山 廉
    2025 年58 巻1-2 号 p. 1-10
    発行日: 2025/12/01
    公開日: 2026/04/18
    ジャーナル フリー
     岩手県に分布する上部白亜系久慈層群玉川層(チューロニアン)からカスザメ類の化石の産出が認められた.本種はエプロンが薄いこと,近遠心に広がった歯冠基部は高さが低いこと,咬頭の長さが少なくとも歯冠の高さの半分に達することからカスザメ属に同定される.
     化石が産出した玉川層最上部は河川から河口の堆積環境が考えられていることから,玉川層から産出したカスザメ属は,淡水の影響を受ける水域も生息の場としていた可能性がある.
  • 高橋 啓一, 大塚 泰介, 林 竜馬, 間島 信男
    2025 年58 巻1-2 号 p. 11-19
    発行日: 2025/12/01
    公開日: 2026/04/18
    ジャーナル フリー
     ナウマンゾウ「浜町標本」の骨格化石に確実に付着していた堆積物が見いだされ,その珪藻分析および花粉分析が行われた.その結果,浜町標本は満潮時にのみ海水に覆われる低位塩性湿地のような環境に埋積していたことが推定された.また,周辺の植生はブナが優勢で,サワグルミ属/クルミ属,ニレ属/ケヤキ属,ハンノキ属などを含む落葉広葉樹林の存在が推定された.
     浜町標本の産出地点の地上部における位置を改めて検討した結果,従来報告されていた地点よりも南側の「東京都中央区日本橋浜町2丁目36-2」付近であることが判明した.中央区地盤情報システムにて検索したこの地点の地質柱状図(整理番号C00057)と日本橋ナウマンゾウ研究グループ(1978,1980)の記述ともよく一致する.浜町標本は整理番号C00057の柱状図における21~23m付近の「有機質土混じり砂質シルト」から産出したと考えられる.この岩相は珪藻化石や花粉化石から推定された浜町標本の堆積場所と調和的である.
講演録
  • 犬塚 則久
    2025 年58 巻1-2 号 p. 20-27
    発行日: 2025/12/01
    公開日: 2026/04/18
    ジャーナル フリー
     絶滅動物の生態を推測するために現生各種の手根の関節形態を比較し,機能との相関を探索する.生活型については,有蹄類は重量型と走行型,食肉類は裂脚類と鰭脚類,樹上性の霊長類と異節類を比較した.霊長類は前腕の回内,回外の可動範囲が広く,橈骨頭は真円に近い.尺骨頭は扁平で,三角骨との間には関節円板を挟み,尺屈できる.食肉類は趾行性で,獲物を掴むために手を回外する必要があり,橈骨と尺骨は分かれている.橈骨は手根骨と蝶番関節し,尺骨頭は円錐形で,三角骨と豆状骨からなる軸受と車軸関節をなす.舟状骨と月状骨が癒合して舟月骨となる.トドには舟月骨のストッパがなく,鰭は背掌屈できる.有蹄類の前腕骨格は回旋できない.走行型有蹄類は指数が減少し,前腕手根関節は蝶番関節で,掌屈しかできない.重量型有蹄類では肩関節の幅の広がりから手首に担架角が生まれ,サイでは車軸関節,カバでは螺旋関節となる.ゾウは手根中央関節が独特で,Ⅰ型車軸関節である.束柱類の Paleoparadoxia では橈骨遠位面が凹面,尺骨頭が凸面で,サイと同様のⅡ型車軸関節と考えられる.
短報
  • 平山 廉
    2025 年58 巻1-2 号 p. 28-31
    発行日: 2025/12/01
    公開日: 2026/04/18
    ジャーナル フリー
     岩手県久慈市の久慈層群玉川層(後期白亜紀)からは,これまでに20タクサに分類される総数1,516点の爬虫類化石が採集されている.カメ類は1,187点を数えており,次いでワニ類213点が確認される.恐竜類の遊離歯では竜脚類や獣脚類,および鳥盤類のハドロサウルス類や角竜類が認められる.他に翼竜類やコリストデラ類,鰭竜類,トカゲ類(有鱗目)などが確認されている.またウミガメ上科のカメ類やモササウルス類などの海生爬虫類の化石が野田村玉川海岸に分布する国丹層(玉川層の上位に位置する)から採集されている.
feedback
Top