肩関節
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43 巻 , 2 号
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機能
  • 三浦 雄一郎, 福島 秀晃, 甲斐 義浩, 松井 知之, 瀬尾 和弥, 古川 龍平, 森原 徹
    2019 年 43 巻 2 号 p. 397-400
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
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     肩関節運動が腋窩皮膚の伸張に影響を及ぼすと仮説し,上肢挙上方向,角度と腋窩皮膚区分の面積との関連性について検討した.対象は健常者12名で,課題は肩関節屈曲,外転とした.腋窩皮膚は腹側をA,背側をP,高さを頭方から尾方にかけて1,2,3とする6つの四角形(A1,A2,A3,P1,P2,P3)に区分した.独立変数を運動方向,皮膚区分,角度,従属変数を皮膚面積とし,分散分析後に下位検定を行った.屈曲ではP1にて全ての角度で,外転ではP1とA1が60°以降で有意に面積が増加した.屈曲と外転の比較において,A1では全ての角度で,A2とA3では90°と100°で外転が屈曲と比較して面積が有意に増加した.本研究では,角度と腋窩皮膚の面積に有意な主効果があり,上肢挙上中の腋窩皮膚の面積は運動方向と角度の相互に影響されることが明確になった.
  • 藤井 達也, 榎本 光宏, 飯田 尚裕, 大関 覚
    2019 年 43 巻 2 号 p. 401-404
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
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     特発性側弯症における脊柱アライメントと肩バランスについてX線学的検討をした.特発性側弯症患者48例の全脊柱X線正面像におけるRadiographic shoulder height(RSH),Cobb角等を計測し,RSH 10mm以上をhigh shoulder(HS)群として2群に分けて検討した.その結果,Cobb角は2群間で有意差を認めなかったが,HS群ではcentral sacral vertical lineとC7 plumb lineの距離が有意に大きかった.また,HS群では高位になっている肩甲骨の上方回旋が大きかった.これらの結果から,high shoulderの発生には,側弯のカーブの大きさよりも冠状面アライメントのずれが寄与している可能性が示唆され,high shoulderは冠状面バランスをとるための代償性変化である可能性が考えられた.今後はCTを用いた3次元的な評価や術前後での評価が必要である.
検査
  • 竹島 稔, 森原 徹, 木田 圭重, 近藤 寛美, 久保 俊一
    2019 年 43 巻 2 号 p. 405-410
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
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     過去にわれわれはbiceps-radial MRI(BR-MRI)による上腕二頭筋腱長頭(LHBT)病変およびpulley病変の術前診断の有用性について報告してきた.今回われわれはBR-MRIによる腱板断裂に伴うLHBT病変診断の詳細について検討した.肩関節鏡手術を施行した腱板断裂症例からLHBT亜脱臼/脱臼,LHBT部分断裂/断裂を呈した4例4肩を抽出した.BR-MRI所見と関節鏡所見を比較して特徴的所見を検討した.BR-MR像で関節上結節からの結節間溝までLHBTおよびpulleyの連続横断面を追跡できるため,結節間溝入口部周囲のLHBT病変をそれぞれ診断可能であった.腱板断裂の診断にMRIが用いられるが,LHBT病変に対する処置を術前計画することは難しい.BR-MRIは結節間溝入口部周囲の描出力に優れており,LHBT病変を有する腱板断裂の術前診断の一助になると考える.
  • 甲斐 義浩, 幸田 仁志, 山田 悠司, 三浦 雄一郎, 福島 秀晃, 竹島 稔, 来田 宣幸, 森原 徹
    2019 年 43 巻 2 号 p. 411-414
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
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     本研究では,肩関節の総合的な柔軟性を得点化できる肩複合柔軟性テストを考案し,そのテスト法の信頼性と妥当性について検討した.対象は,健常若年者43名,健常高齢者252名,肩病変を有する高齢者111名とした.肩複合柔軟性テストは,外転,内転,外旋,内旋,複合テストの5項目で構成される.各テストには,4段階(0, 1, 2, 3)の判定基準を設定し,5項目の合計得点を0~15点で算出した.分析の結果,本テストの判定一致度(k係数:0.81-1.00)および合計得点(ICC:0.91)ともに,優秀な検者間信頼性が確認された.また,合計得点と肩甲上腕関節可動域との間に有意な正相関が認められた.対象者の合計得点は,健常若年者:12.5 ± 1.7点,健常肩高齢者:10.4 ± 2.5点,病変肩高齢者:8.7 ± 2.8点であり,病変肩群の得点は他の2群と比べて有意に低かった(p < 0.01).これらの知見より,肩関節の総合的な柔軟性を得点化できる尺度として,本法の信頼性と妥当性が示された.
脱臼
  • 伊藤 岳史, 岩堀 裕介, 筒井 求, 原田 洋平, 花村 浩克
    2019 年 43 巻 2 号 p. 415-418
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
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     Snyder分類TypeⅣ上方関節唇損傷は比較的稀である.若年スポーツ選手のTypeⅣ上方関節唇損傷2例に対し,上腕二頭筋長頭腱断裂の側々縫合およびスーチャーアンカーによる修復術を行った.2例ともBankart損傷と後方関節唇のバケツ柄状断裂を合併しており,Bankart修復と1例に後方関節唇切除,1例に後方関節唇修復を併せて行った.2例とも疼痛や不安定性なく,早期のスポーツ完全復帰が可能だった.
  • 馬谷 直樹, 森 大祐, 新井 隆三, 栗山 新一, 松田 秀一
    2019 年 43 巻 2 号 p. 419-422
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
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     急性期肩鎖関節脱臼に対して鏡視下1重束烏口鎖骨靭帯再建術を施行し,1年以上経過観察した9肩で,単純X線による経時的な検討を行った.
     Roockwood分類Type3が3肩,Type5が6肩で,全例Dog Bone Button TMを使用した.手術時平均年齢は47歳,平均手術待機期間は12日,平均経過観察期間は17ヵ月であった.肩鎖関節正面像で鎖骨下縁の骨孔幅(以下,TW)と烏口鎖骨間距離(以下,CCD)を計測し,CCDは健側CCDと比較したCCD(%)で評価した.
     CCD(%),TWともに術後1ヶ月と術後6ヶ月の間に有意差を認めたが,術後6ヶ月と術後12ヶ月の間には有意差を認めなかった.各時点でのCCD(%)とTWの間に関連性は認めなかった.最終観察時までに鎖骨骨孔の骨びらんとそれに伴うボタンの転位を4肩に認めた.
     本研究では,手術後1ヶ月と6ヶ月のCCD(%)とTWの間に有意な拡大を認めたが,双方に関連性を認めなかった.CCD(%)とTWは,個別に経過をみていく必要がある.
  • 田中 誠人, 林田 賢治
    2019 年 43 巻 2 号 p. 423-428
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
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     Collision/Contact Athletesの肩関節前方不安定症に対するBristow法(B法)とLatarjet法(L法)の術後成績を比較検討した.術後1年以上経過観察できたB法76肩,L法44肩を対象とした.烏口突起の骨癒合,骨吸収についてCTで評価し,再脱臼および競技復帰後の疼痛の有無について検討した.L法では術後3ヶ月で98%に骨癒合を認めたが,B法では術後6ヶ月で骨癒合80%,骨折5.3%であった.術後1年での烏口突起骨吸収はB法では軽度が5.6%あったが,L法では全例に骨吸収を認め,56.8%は高度に認めた.B法では術後3肩(3.9%)に再亜脱臼を認め,2肩に再手術を要し,1肩は保存療法で競技継続中である.L法では3肩(6.8%) 再亜脱臼を認め,1肩に再手術を要し,2肩は競技断念した.競技復帰後に疼痛のため治療を要した症例はB法で3肩(3.9%),L法で10肩(23%)であり,スポーツ復帰後の不安定感や疼痛はL法に高頻度で認めた.L法でスポーツ復帰後の疼痛が多い傾向にあった.
  • 内山 善康, 大見 博子, 今井 洸, 新福 栄治, 渡辺 雅彦
    2019 年 43 巻 2 号 p. 429-432
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
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     我々は挿入したアンカーの深度が関節窩骨形態悪化に影響している可能性を後ろ向きに検討した.当院で治療した反復性肩関節脱臼・亜脱臼(反復脱)例82例中,42例(男性28例,女性14例)を対象とし,平均年齢は23.6歳(14-66歳),平均経過観察期間は21.3ヶ月(12-36ヵ月)であった.関節唇再建時にアンカーを深く挿入したD群22例22肩(男性14例,女性8例)とアンカーを浅く挿入したS群20例20肩(男性14例,女性6例)の前方骨形態を術後6ヵ月時のCT画像で評価し比較検討した.最終経過観察時に両群に術後再脱臼は無く,術後前方不安定感にも差は見られなかった.しかし両群における術前後の骨欠損率の差や関節窩前方傾斜角度の差,さらにアンカーホールの拡大もS群に比べD群で大きかった(p < 0.05).反復脱における前方関節唇修復アンカーを関節面側から深く挿入すると臨床成績には差は無いものの,アンカーホールの拡大と関節窩前縁の骨吸収が増加し,術後前方骨形態を悪化させる可能性が示唆された.
  • 住元 康彦, 菊川 和彦, 奥平 信義
    2019 年 43 巻 2 号 p. 433-436
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
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     近年,反復性肩関節脱臼の手術数は漸増し,両肩手術例も増加していると思われるが,その特徴や成績などを論じた報告はほとんどない.そこで,当科で行った両肩手術例16例を調査した.スポーツ種目はラグビー9例,野球3例,柔道2例,バスケットボール1例,スノーボード1例であった.手術は全例鏡視下バンカート修復術を行った.主訴、術前スポーツレベルは13例が両肩で一致した.画像および鏡視所見は12例が両肩で一致した。初回側,次回側および利き手側,非利き手側で術後成績に有意差はなかった.再脱臼は初回側1例,次回側1例で認めた.スポーツはラグビー1例,柔道1例,野球2例を除く12例が受傷前レベルに復帰した.復帰不能の症例は利き手側の成績不良が原因であった.反復性肩関節脱臼の両肩手術例は両側とも同様の主訴,病変をもつものが多く,利き手側,非利き手側が治療成績と関連していた.
  • 荻本 晋作, 鶴田 敏幸
    2019 年 43 巻 2 号 p. 437-441
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
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     25%以上の関節窩骨欠損を有する反復性肩関節前方不安定症例には,関節鏡視による軟部組織修復のみではなく,骨欠損への対応が必要とされる.このような症例に対し,我々は大腿骨外側顆の自家骨軟骨移植片を使用した新しい鏡視下関節窩再建術を考案した.症例は18歳女性.18カ月前に右肩関節を脱臼.その後の1年間に10回以上脱臼を繰り返し初診した.36.9%の関節窩骨欠損を認め,反対側の大腿骨外側顆の水平断における頂点より外側の非荷重部から骨軟骨片を採取し,骨欠損部に移植後,バンカート病変の修復を行う鏡視下関節窩再建術を施行した.
     術後骨欠損率は11.4%に減少し,関節鏡所見では移植軟骨の生着を認めた.術後2年で再脱臼を認めていない.本術式は自家骨軟骨移植術であることに加え,採取部位が大腿脛骨関節面および膝蓋大腿関節面にかからない点が長所であり,採取量に限界があるため再建できる関節窩骨欠損の大きさに限界がある点が短所である.
     注)本論文は既に掲載された論文である.(Arthroscopic glenoid reconstruction for glenoid bone loss in recurrent anterior glenohumeral instability, using osteochondral autograft from the contralateral lateral femoral condyle: a new technique and case report. JSES Open Access, 2018, 2, 104-108)
  • 永井 英, 鈴木 一秀
    2019 年 43 巻 2 号 p. 442-446
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     鏡視下Bankart-Bristow変法(以下ASBB法)術後骨形態変化を詳細に3DCTで計測し,Bristow変法術後関節窩リモデリングについて調査することを目的とした.ASBB法術後,3ヵ月と1年でCT撮影を行い,計測可能であった58肩を対象とした.3ヵ月時3DCTで関節窩近似円を決め,3ヵ月,1年で同じ面積の円を使用し,円内骨欠損部面積(以下DA)と円外烏口突起面積(以下CA)を計測し,比較検討した.t検定を使用し,P < 0.05を有意差ありとした.術後3ヵ月から1年にかけDAは有意に減少し(P=0.0105),CAは有意差を認めなかった(P=0.1225).円内では骨形成が進行し,円外では変化は生じていなかった.ASBB法術後,関節窩領域内で骨形成がすすみ,リモデリングが生じていた.骨形態の改善には烏口突起は可能な限り関節窩近似円内へ設置することが重要と考えられた.
  • 大西 信三, 菅谷 啓之, 高橋 憲正, 松木 圭介, 渡海 守人, 森岡 健, 上田 祐輔, 星加 昭太, 濱田 博成, 竹内 康剛, 土 ...
    2019 年 43 巻 2 号 p. 447-450
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     てんかん発作による反復性肩関節前方脱臼は,再脱臼の危険性が高く治療に難渋する.2008年以降,てんかん発作に合併した反復性肩関節前方脱臼に対し,鏡視下remplissage法を追加してきた.同期間において術後にてんかん発作が起こった4例について報告する.全例男性,平均20.3歳,術後観察期間は平均45.3ヶ月.3例は術後1週,1ヶ月,1年で発作が起こり,1例の発作時期は不明であった.手術は3例鏡視下Bankart修復,1例鏡視下Bankart修復+腸骨移植が行われ,全例腱板疎部縫縮術とremplissage法が行われた.全例術後再脱臼を認めず,1例で経過中に健側の脱臼が起こった.てんかん発作に対する骨移植においては,骨癒合前に発作が起こると再脱臼の危険性が高い.Remplissage法はHill-Sachs損傷による骨欠損を埋めるだけでなく,力学的にも優位に働くため有効であると考えられる.
骨折
  • 増田 雄史, 伊勢福 修司
    2019 年 43 巻 2 号 p. 451-455
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     上腕骨近位部骨折は頻度が高い骨折だが,動脈損傷を伴うことはまれである.2013年4月から2018年3月までに腋窩動脈閉塞を来した3例と出血性ショックとなった1例を経験した.年齢は平均86歳で,すべて女性,転倒で受傷した.全例で骨幹端骨片が著しく内側に転位していた.腋窩動脈閉塞の1例で上腕切断を余儀なくされた.70歳以上の女性に発生した骨幹端の内側転位が大きい症例では、血管損傷を念頭に置いて診察する必要がある.
  • 土屋 篤志, 杉本 勝正, 後藤 英之, 吉田 雅人, 竹内 聡志, 武長 徹也, 鷹羽 慶之
    2019 年 43 巻 2 号 p. 456-459
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     肩関節前方(亜)脱臼に伴う関節窩骨折でIdeberg分類Type1aの2症例に対して鏡視下手術を施行した.骨片の大きさは関節窩前後径の39%と33%であった.骨片の尾側,頭側の関節唇はソフトアンカーでSingle suture固定を行い,骨片部は関節窩頚部にPDS Cord ® を装填したノットレスアンカーを挿入し,骨片の前方にPDS Cordを掛け,縫合糸がV字になるように関節面上で2か所にノットレスアンカーを挿入しブリッジング修復を行った.比較的良好な整復位が得られ,いずれも術後3か月の時点で骨癒合した.術後1年で関節症性変化はなく,良好な成績が得られた.
     ブリッジング法では関節窩骨片の軟骨上に縫合糸が存在し,摺動面にあることから,軟骨変性の原因となる可能性があり骨癒合後の抜糸が推奨されている.今回吸収糸であるPDS Cordを用いてブリッジング法を行うことで抜糸が不要であった.今後も慎重な経過観察,症例数の積み重ねが必要であるが有用な可能性があると思われた.
  • 白木 克彦, 島田 憲明, 井上 純一, 税田 和夫
    2019 年 43 巻 2 号 p. 460-462
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     骨片が関節窩後縁よりも後方へ転位していた,関節窩前縁骨折2例を経験した.2症例とも50代男性,転倒転落し受傷.前医で肩関節脱臼を徒手整復され当院受診.症例1では骨片は完全に遊離しており直視下に整復内固定した.症例2では骨片は関節唇と連続しており,鏡視下に整復し骨接合した.症例1は,整復時に骨折し骨片のみが後方へ転位したと考えた.症例2は脱臼時に骨性Bankart病変となり,整復とともに一塊に転位したと考えた.
  • 梶原 大輔, 落合 信靖, 橋本 瑛子, 秋本 浩二, 野島 大輔
    2019 年 43 巻 2 号 p. 463-466
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     今回転位の大きな肩甲骨骨折10例に対し観血的整復固定術(ORIF)を施行したので短期成績を報告する.手術時平均年齢42.1歳,術前待機期間は平均13.2日であり,骨折の分類,最終観察時の肩関節可動域,JOA・UCLA score,癒合率を検討した.骨折型はfloating shoulderの拡大外科頚骨折A型+鎖骨骨幹部骨折が3例,Ideberg-Goss分類のtype IIIが2例,type Vaが5例だった.最終経過観察時の平均可動域は前方挙上161.5°,外旋52.5°,結帯T11レベルであり,JOA・UCLA scoreはそれぞれ92.6点・32.1点で,骨癒合率は100%であった.本検討の結果,転位のある肩甲骨骨折に対するORIFは有用な治療法と考えられた.
  • 鷹羽 慶之, 武長 徹也, 後藤 英之, 土屋 篤志, 吉田 雅人, 杉本 勝正
    2019 年 43 巻 2 号 p. 467-470
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     三次救命センターを有する当院における肩甲骨骨折について調査した.2015年4月から3年間に当院で肩甲骨骨折と診断された46例48肩を対象とし,受傷機転,骨折型,合併損傷,治療法について調査した.尚,肩関節脱臼に伴う関節窩骨折は除外した.受傷機転は交通事故と転落が16例,自転車での転倒と屋内転倒が4例,落下物の下敷きと屋外転倒が2例,その他2例であった.骨折部位は重複含め体部26肩,頚部13肩,関節窩11肩,烏口突起10肩,肩峰7肩,肩甲棘5肩であり,SSSCの破綻を8肩で認めた.主な合併損傷としては肋骨骨折19例,肺損傷14例,鎖骨骨折と頭部外傷が11例,骨盤骨折が4例,肩鎖関節脱臼と腹部外傷が3例であった.治療法は保存的治療41肩,手術7肩であった.諸家の報告同様,高エネルギー外傷が多かった.保存例が多かったが,重篤な合併症により手術不能であった症例が22.2%と少なからず存在した.
  • 安井 憲司
    2019 年 43 巻 2 号 p. 471-474
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     上腕骨近位端骨折に対し髄内釘を用いて手術を行った症例の治療成績について調査し,2-part骨折と3-part骨折の間で比較した.術後6か月以上経過観察しえた58例(男性15例,女性43例,受傷時年齢平均72.0歳,経過観察期間平均13.5か月)を対象とし,2-part骨折が35例,3-part骨折が23例であった.術後合併症の有無,再手術の有無,最終調査時の肩屈曲角度を調査し,2-part骨折と3-part骨折の間で比較した.術後合併症は2-part骨折4例(11.4%),3-part骨折5例(21.7%),再手術は2-part骨折1例(2.9%),3-part骨折2例(8.7%)に認めた.最終調査時の平均肩屈曲角度は2-part骨折139°,3-part骨折121°であり,各項目で両群間に有意差は認めなかった.髄内釘を用いた上腕骨近位端骨折の治療成績は概ね良好であった.2-part骨折は髄内釘の最もよい適応と考えるが,3-part骨折でも症例によっては髄内釘のよい適応と考えられた.
  • 山﨑 博範, 藤田 耕司
    2019 年 43 巻 2 号 p. 475-479
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     当院における鎖骨遠位端骨折に対する鏡視下烏口鎖骨靭帯再建術の短期成績を報告する.
     鎖骨遠位端骨折に対しDog Bone Buttonを用いた鏡視下烏口鎖骨靭帯再建術を施行し,1年以上経過観察可能であった10例について調査した.全例男性,平均年齢は47.2歳,Craig-田久保分類でtype2bが5例,type5が3例,type6が2例であった.手術は最初にDog Bone Buttonを用いて鏡視下烏口鎖骨靭帯再建を施行し,経皮的k-wire固定も追加した.平均術後経過観察期間は12.7か月であった.最終経過観察時のJOAscore,JSS-ACJscoreとレントゲンによる骨癒合評価を行った.最終経過観察時の平均肩関節可動域は屈曲162.5°,外旋67.5°,術後JOAscoreは96.8点,JSS-ACJscoreは96.3点であった.全例骨癒合を認めた.鎖骨遠位端骨折に対する鏡視下烏口鎖骨靭帯再建術の短期成績は比較的良好であり,本術式は低侵襲で有効と考えられる.鎖骨遠位骨片が小さいものや,粉砕症例に対しても本術式は有効であった.
筋腱疾患
  • 木村 重治, 堀田 知伸
    2019 年 43 巻 2 号 p. 480-482
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     我々は腱板をDAFF法でfootprintの大結節外側端より内側に縫着しても,bone marrow vent(骨髄穿孔)を追加し,術後6か月において88%の症例において腱板がfootprint外側まで充填されることを報告した.今回,Bone marrow vent併用DAFF法を用いた腱板内側縫着例の術後2年の画像解析を行った.対象は2013年1月より2016年8月まで,鏡視下腱板縫合術を行い,術後2年以降にMRI撮像を行った72肩中,腱板をfootprintの大結節外側端より5mm以上内側に縫着した46肩である.手術はDAFF法を用い大結節部にmarrow ventを加えた.外側アンカー挿入後,腕を一度下垂位とし、糸の緊張を緩めてから結紮した.この際,腱板縫着部位と大結節外側端までの距離をGapとし,Gapが5mm以上のものを内側縫着例とした.術後2年以降にMRI撮像し,再断裂の有無を検討した.
     46肩中40肩(87.0%)で腱板欠損部も充填され,修復良好であった.
     Bone marrow vent併用DAFF法の術後6か月の修復率は88%であったが,術後2年でも87.0%であり,術後6か月と同様であった.腱板を元付着部まで引き出さずに,下垂位の位置で緊張を緩めて縫合しても良好な修復が得られた.
  • 中溝 寛之, 堀江 亮佑, 川田 明伸
    2019 年 43 巻 2 号 p. 483-486
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
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     鏡視下腱板修復(以下ARCR)術後早期における内服薬の違いによる疼痛の推移を検討した.2016年4月から2017年12月までに全身麻酔下にARCRによる一次修復(再手術例を除く)を施行した肩腱板断裂175例(男108肩,女67肩,手術時平均年齢63.0 ± 9.9歳)を対象とした.対象を消炎鎮痛剤(以下NSAIDs)群,トラマドール塩酸塩とアセトアミノフェン合剤(以下TRAM)群,TRAMにプレガバリン(以下PG)を追加したTRAM+PG群の3群に分けた.術前および術後28日目までの疼痛Visual analogue scale(以下VAS),追加消炎鎮痛処置(内服,坐薬)の回数,Complex regional pain syndrome(以下CRPS)様症状の出現について比較検討した.術前VASに有意差はなく術後は28日目まで経時的に低下したが各群間の差は認めなかった.追加鎮痛処置の回数はNSAIDs群1.2回,TRAM群0.7回,TRAM+PG群0.5回でありNSAIDs群とTRAM+PG群の間に有意差を認めた(p = .047).CRPS様症状の出現率に差は認めなかった.TRAMもしくはTRAMにPGを併用した内服薬はNSAIDsの代替治療になり得ると考えられた.
  • 上原 大志, 鈴木 一秀, 福嶺 紀明, 堀切 健士, 永井 英
    2019 年 43 巻 2 号 p. 487-491
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     一次修復不能な腱板断裂に対して棘下筋回転移行術を施行した6例(平均年齢66.7歳,平均経過観察期間23.7ヵ月)と対象とした.術前MRIでは棘上筋と棘下筋の大~広範囲断裂が存在し,棘上筋のGoutallier分類は全例grade 4であった.手術は断裂腱をmobilizationした後に,肩甲棘に沿った約5cmの皮切で棘下筋を肩甲骨体部から骨膜下に剥離し,筋腹を完全に遊離させた.棘下筋の断裂断端がsuperior facetを被覆できるように,棘上筋断裂部を支点とした棘下筋の回転移行を行った.術後可動域(術前)は屈曲146.7°(102.5),外転141.7°(102.5),外旋42.5°(28.3)と改善した.JOAスコアは術前56.3点が術後84.2点と改善した.再断裂を1例に認めたが,その他合併症はなかった.棘下筋回転移行術は手技が簡便で,術後再断裂や合併症が少なく臨床成績も安定しており,有用な術式と思われた.
  • 長谷川 彰彦, 三幡 輝久, 福西 邦素, 河上 剛, 根尾 昌志
    2019 年 43 巻 2 号 p. 492-496
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     鏡視下肩上方関節包再建術(ASCR)における大腿筋膜グラフトの状態を術後MRI画像を用いて経時的に評価した.修復困難な腱板断裂に対してASCRを行い,術後1年および2年時にMRIによる評価を行うことができた30肩を対象とした.術中に作成したグラフトのサイズは長さ5.2 ± 0.4cm,幅2.9 ± 0.5cm,厚さは内側7.5 ± 1.7mm,外側8.6 ± 1.4mmであり,全例グラフトの厚さは6mm以上であった.Graft tearは術後1年時,2年時ともに30例中1例(3.3%)であった.グラフトの厚さは術後1年時7.0 ± 1.6mm,2年時6.8 ± 1.6mmであり,術後1年時と2年時との間に統計学的有意差は認めなかった(p=0.35).Graft tearの割合,グラフトの厚さともに術後1年時と2年時との間に有意な変化は認めず,術後1年時のグラフトの状態が術後2年の時点でも保たれていた.
  • 吉岡 千佳, 末永 直樹, 大泉 尚美, 山根 慎太郎, 呉屋 五十八
    2019 年 43 巻 2 号 p. 497-500
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     小径人工骨頭置換術と腱板再建術を施行した70歳以上の腱板断裂性関節症(CTA)症例の8年以上経過した成績を調査した.対象は13例,平均年齢75.4歳で,広背筋・大円筋後方移行術3例,肩甲下筋腱部分移行術2例,大胸筋移行術,上腕二頭筋長頭腱移植を各1例に施行した.平均経過観察期間は106.9ヵ月だった.術前後JOAスコア,肩関節可動域,単純X線所見を調査した.合併症,再置換術はなかった.最終経過観察時平均JOAスコアは78.2点,平均屈曲角度は123°,平均外旋角度は20.5°だった.Glenoid wearを8例,このうち3例にglenoid erosionを認めた.Lucent lineを3例,骨吸収,骨頭上方化を7例に認めた.腱板再建術を伴う小径人工骨頭置換術は,術後8年で画像上の変化は高率に認められたが良好な肩関節機能が保たれており,高齢者のCTAに対しても有用な治療法と考えられる.
  • 五藤 和樹, 西本 竜史
    2019 年 43 巻 2 号 p. 501-504
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     鏡視下腱板断裂手術(以下ARCR)の術後疼痛に対して,関節周囲カクテルブロック(以下MI)と斜角筋間ブロック(以下ISB)を比較検討したので報告する.当院でARCRを施行した184 例を対象に,患者番号奇数にはMIを,偶数にはISBを施行した.MI群は手術終了時にレボブピバカイン,デキサメタゾンを含む薬液を関節周囲に混注し,ISB群はレボブピバカインをエコー下で注入した.術後48時間までのVASを記入し,記載不備のなかったMI群81名,ISB群103名を対象にVAS,初回鎮痛薬使用時間,使用量について検討した.結果,術後12時間までのVASはISB群が有意に低く,その後は有意差を認めなかった.初回鎮痛剤使用時間は有意差を認めたが,鎮痛薬の使用の有無,量について差は認めなかった.このことから,術直後の疼痛コントロールとして,MI単独使用はISBに効果としては及ばないことが分かった.
  • 森原 徹, 木田 圭重, 古川 龍平, 祐成 毅, 黒川 正夫, 久保 俊一
    2019 年 43 巻 2 号 p. 505-508
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     本研究の目的は,後ろ向きに腱板断裂に対する手術症例の術前画像評価と実際に選択した修復手技の関連を検討することである.対象は182例183肩である.術前MR画像で断裂端の引き込みをわれわれの考案した分類で評価し,棘上・棘下筋における脂肪浸潤をGoutallier分類で評価した.手術は腱板断端を30N未満で引き寄せられる場合一次修復を,不可の場合DebeyrePatte法に変更した.小・中断裂は145肩であった.一次修復は全例可能であった.骨頭頂部から関節窩縁まで引き込まれた大・広範囲断裂は38肩で,4肩では30N未満で一次修復を行った.全例棘上・棘下筋はgrade IIであった.34肩では引き寄せは困難であり,DebeyrePatte変法に変更した.断裂腱板筋のGoutallier分類grade IIIまでの大・広範囲断裂症例では,DebeyrePatte変法術後の再断裂は少なかった.
  • 秋本 浩二, 落合 信靖, 橋本 瑛子, 野島 大輔, 梶原 大輔, 嶋田 洋平
    2019 年 43 巻 2 号 p. 509-514
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     肩腱板断裂患者の夜間痛と肩深部体温の変化の関連について調査した.肩夜間痛あり群14例となし群14例を対象とし,疾患は肩腱板断裂26例,腱板断裂性肩関節症2例であった.手術前日の22時から6時まで肩深部体温を測定し,同時に腕時計型活動計も用い,夜間痛の発生時に増加する睡眠時体動回数を測定した.肩深部体温の患健側差(=患側-健側の肩深部体温)の推移と睡眠時体動回数を評価した.肩深部体温の患健側差は夜間痛あり群で平均0.53 ± 0.46℃であり,特に0時から4時で患健側差が大きくなった.一方,夜間痛なし群では-0.26 ± 0.45℃であった.睡眠時体動回数は肩深部体温の患健側差が増大する時間帯に一致して増加した.肩夜間痛を有する肩腱板断裂患者では,患側の夜間肩深部体温は健側より高く推移する傾向にあり,肩深部体温の上昇は夜間痛の一因である可能性が示唆された.
  • 梶山 史郎, 佐田 潔, 松尾 洋昭, 尾﨑 誠
    2019 年 43 巻 2 号 p. 515-518
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     腱板断裂手術例における腱板筋脂肪浸潤(FI)の程度と腱板断裂の重症度との関連を検討した.対象は103例106肩(男性80肩,女性26肩,平均年齢62.2歳)であった.術前MRIにおける棘上筋腱(SSP),棘下筋腱(ISP)および肩甲下筋腱(SSc)のFIをGoutallier分類にて評価した.SSP~ISP断裂の重症度を4段階,SSc損傷を永澤分類で5段階に分類し,FIとの関連を比較検討した.SSPおよびISPのFIとSSP~ISP断裂の重症度,SScのFIと永澤分類の重症度において有意な関連が認められた.さらに,SSc断裂の永澤分類は,SSPのFIとも有意に関連していた.FIの評価にあたり,SSPの筋脂肪浸潤の評価では,SSc断裂の重症度の影響も考慮に入れる必要がある.
  • 藤巻 洋, 中澤 明尋, 竹内 剛
    2019 年 43 巻 2 号 p. 519-523
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     鏡視下腱板修復術(ARCR)の術後疼痛を鏡視下前十字靭帯再建術(ACLR),人工膝関節全置換術(TKA),人工股関節全置換術(THA)と比較した.各群で手術前日~術後4日までの安静時痛と動作時痛の強さを,それぞれNumeric Rating Scale(0-10)で記録した.ARCR群はACRL群と比較し術前および術後3日目,4日目の安静時痛・動作時痛が有意に高値(p < 0.05),TKA群と比較し術後1,3日目の動作時痛および術後全期間での安静時痛が有意に高値(p < 0.05),THA群との比較では動作時痛に有意差はなく術後1~3日目での安静時痛が有意に高値(p < 0.05)であった.現在当院で行っている疼痛コントロールではARCRは他術式と比較して術後3,4目まで強い安静時痛が遷延する傾向にあり,術後早期退院の阻害因子となっていると推察された.ARCRでは術後亜急性期での安静時痛のコントロールが今後の課題であると考えられた.
  • 水城 安尋, 内村 大輝, 上田 幸輝
    2019 年 43 巻 2 号 p. 524-527
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     ARCRにおける縫合糸の汚染と術野の消毒の変更による改善が得られるかを調査した.2017年6月~12月までにARCRを行ったうち縫合糸の培養を行った60例(男34肩女26肩)を対象とした.平均年齢64.9歳,平均断裂サイズ6.01平方cm,平均アンカー数3.72本,平均手術時間82.6分であった.Suture Bridgeにて縫合を行った.最後に挿入した外側アンカーの縫合糸の切離断端から約4cmの部分の2~3本を培養した.術野の消毒を20例ずつポピドンヨード(以下P群),クロルヘキシジン(以下C群),クロルヘキシジンにドレープを追加(以下D群)の3群に分けて検討した.23例(38.3%)で菌が検出されたがSSIはなかった. 15例がアクネ菌で8例が表皮ブドウ球菌であった.男性,60歳未満が有意に多かった.P群11例(55%),C群9例(45%),D群3例(15%)であった.消毒法ではD群が最も汚染が少なく revision例など特に感染に留意するような若年男性症例ではドレープの使用は有用であると考えた.
  • 杉森 一仁
    2019 年 43 巻 2 号 p. 528-533
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     腱板断裂に対する骨孔(AT)法の臨床成績をスーチャーブリッジ(SB)法と比較検討した.ArthroTunnelerを用いて行ったAT法63肩とSB法43肩について,それぞれの年齢,性別,断裂サイズ,術後1年におけるJOAスコア,MRIにおけるcuff integrityを検討した.またさらに断裂サイズで分けて同様に検討した.平均年齢はAT法67.9 ± 9.6歳,SB法64.2 ± 8.5歳であり,AT法が有意に高齢であった.また性別はAT法は女性が39肩と多く,SB法は男性が28肩と多かった.不全あるいは小中断裂はAT法39肩,SB法29肩であり,大あるいは広範囲断裂はAT法24肩,SB法14肩であった.術後6,12ヶ月ともにJOAスコアは術式間での差を認めず改善し,断裂サイズの大小のどちらでも改善した.再断裂率は不全あるいは小中断裂においてAT法5.4%, SB法3.6%であり,大あるいは広範囲断裂においてAT法21.7%,SB法25.0%であった.AT法はSB法に比べ断裂サイズで分けてもおおむね同等に良好な臨床成績であった.
  • 桑野 洋輔, 衛藤 正雄
    2019 年 43 巻 2 号 p. 534-537
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     75歳以上の後期高齢者の肩腱板断裂に対する鏡視下腱板修復術(ARCR)の治療成績について検討した.2012年4月から2017年3月までに重層固定法によるARCRを行い,術後1年にMRIを撮像し得た194肩を対象とし,75歳以上(24肩),65歳以上75歳未満(86肩),65歳未満(84肩)の3群で比較検討した.性別,フォローアップ期間は3群間に有意差はなかった.JOAスコア(総点,疼痛),自動屈曲・外転角度,再断裂率について検討した.JOAスコア,自動屈曲・外転角度は全群術前後で有意に改善した.術後JOAスコアは3群間に有意差はなかったが,自動屈曲は75歳以上が,自動外転は65歳以上75歳未満が65歳未満に比較し低い傾向にあった.再断裂率は3群間に有意差はなかった.75歳以上の高齢者でも治療成績は術前より有意に改善し, 65歳未満と比較して可動域はやや劣るものの良好な治療成績が得られた.
  • 原田 洋平, 岩堀 裕介, 梶田 幸宏, 森下 侑亮, 横矢 晋, 望月 由, 出家 正隆
    2019 年 43 巻 2 号 p. 538-541
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     腱板断裂患者の肩筋力を評価する際,筋力は測定時の疼痛および断裂サイズに影響を受ける可能性がある.そこで腱板断裂患者に肩峰下滑液腔注射を行い,筋力測定時の疼痛と断裂サイズが筋力に与える影響を調べた.有痛性腱板断裂患者33例(平均年齢70.5歳)を対象とし,肩外転および外旋の等尺性筋力を計測しそれぞれの筋力測定時の疼痛の有無を確認した.全例超音波ガイド下に肩峰下滑液腔に局所麻酔薬を注射し,インピンジメント徴候が改善したことを確認した後,再度筋力と筋力測定時の疼痛改善度を確認した.筋力測定時の疼痛が不変であった症例では筋力は不変であり,疼痛が改善した症例では筋力が改善していた.さらに疼痛改善症例のうち中断裂以下の症例では筋力が改善していたのに対し,大断裂以上の症例では筋力が不変であった.中断裂以下の腱板断裂症例では疼痛が筋力に影響を与えるが,大断裂以上の症例では断裂そのものが筋力低下に影響を与えていると考えられた.
  • 太田 悟, 駒井 理
    2019 年 43 巻 2 号 p. 542-547
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     一次修復困難な腱板広範囲断裂に対する,上方関節包再建術(SCR)とリバース型人工肩関節置換術(RSA)の術後成績の比較および手術適応についての検討を行った.1年以上経過観察可能であったSCR(S群)とRSA(R群)を対象とした.S群は37例(男性22例女性15例),R群は32例(男性11例女性21例)であった.検討項目として術前後のJOAスコア,UCLAスコア,術前後の自動挙上角度,下垂外旋内旋角度について検討を行った.術後最終観察時のJOAスコア,UCLAスコア,自動挙上角度は両群で有意差はなかった.自動下垂外旋,内旋角度はSCR群では術後有意差をもって改善したが,R群は改善を認めなかった.今回,患者背景において年齢,性別,経過観察期間,術前の挙上角度と下垂外旋角度,偽性麻痺症例数,濱田分類,脂肪変性に差が見られ,異なる2つの術式の比較は困難であったが,一次修復困難な腱板広範囲断裂に対する術式選択の指標の一つになると思われた.
  • 幸田 仁志, 甲斐 義浩, 来田 宣幸, 山田 悠司, 三浦 雄一郎, 福島 秀晃, 竹島 稔, 森原 徹
    2019 年 43 巻 2 号 p. 548-551
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     地域在住高齢者を対象に,腱板断裂,肩痛の自覚症状,他覚症状のそれぞれの有無により健康関連QOLを比較検討した.地域在住高齢者363名を対象とした.測定項目は,超音波診断による腱板断裂,アンケートによる肩痛の自覚症状,impingement signによる他覚症状の有無,SF-8の下位尺度およびサマリースコアとした.統計解析はMann-Whitney の U 検定を用い,それぞれの陽性群と陰性群で健康関連項目を比較した.肩痛の自覚症状の陽性群は,身体機能,日常役割機能(身体),体の痛み,全体的健康感,活力,身体的健康感が有意に低値を示した.他覚症状の陽性群は,身体機能,体の痛み,全体的健康感,活力,身体的健康感が有意に低値を示した.腱板断裂の有無では,いずれの項目にも有意差は認められなかった.地域在住高齢者の健康関連QOLには,腱板断裂の有無は直接的に関与せず,肩痛の自覚症状や他覚症状によって低下することが示唆された.
  • 名倉 一成, 原田 義文, 美舩 泰, 乾 淳幸
    2019 年 43 巻 2 号 p. 552-554
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     三角筋は肩関節の前方挙上や外転動作に大きく関与し,腱板断裂症例では肩甲上腕関節運動に最も大きな影響を与えている.鏡視下腱板一次修復を行った症例の術前三角筋の複合筋活動電位(CMAP)が客観的な肩関節機能評価になりうるかを検討した.鏡視下腱板修復術を施行した28症例を対象とし、Erb点刺激にて三角筋CMAPの基線-陰性頂点間最大振幅値と陰性-陽性頂点間の積分値を算出し,MRIで計測した三角筋筋厚値,術前肩関節可動域(挙上,外転,外旋角度),UCLA,JOA,Constantの各スコアとの相関性について解析した.CMAP最大振幅値と積分値は肩関節可動域,各スコアと相関性は認めず,三角筋CMAPを肩関節の客観的評価項目とすることは困難である.
  • 新福 栄治, 内山 善康, 大見 博子, 今井 洸, 渡辺 雅彦
    2019 年 43 巻 2 号 p. 555-558
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     挙上困難で一次修復困難な腱板断裂に対して,リバース型人工肩関節(以下RS)と棘下筋移行部分修復術(以下PR)の術後短期成績を比較した.手術時平均年齢は69.9(53-86)歳.術後平均経過観察期間は22.3(12-71)ヵ月.手術法はSMR(Lima社, Italia)を使用したRS群(10例)と,mini-open法にて棘下筋腱を前方移行しスーチャーアンカーで固定したPR群(21例)を比較した.検討項目は術後3ヶ月・6ヶ月・最終経過観察時での肩関節可動域と,最終経過観察時のJOA score,外転・外旋筋力を比較した.術後3ヶ月の自動挙上可動域はRS群(120.6 ± 18.1度)に比べPR群(86.9 ± 39.7度)で低かった(p=0.04).術後6ヶ月の自動外旋可動域ではRS群(20 ± 9.6度)がPR群(42 ± 17.9度)より低かった(p=0.003).最終経過観察時の可動域・筋力・JOA scoreは両群間に差はみられなかった.一次修復不能な腱板断裂に対するRSでは早期に自動挙上が,PRでは早期に自動外旋が得られていた.
  • 結城 一声, 鶴田 大作, 鈴木 朱美, 佐竹 寛史, 高木 理彰
    2019 年 43 巻 2 号 p. 559-562
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     本研究の目的は,鏡視下腱板修復術(ARCR)後の静脈血栓塞栓症(VTE)発症例を調査し,VTE発症症例について検討することである.ARCRを行った70例(男性43例,女性27例)を対象とし,術前日,術後1日,4日,1週,2週に,フィブリン関連マーカーのD-ダイマー(DD)および可溶性フィブリンモノマー複合体(SFMC)を測定し,DDが10 μg/mlもしくはSFMCが20 μg/ml以上であった時点で,下肢静脈エコーもしくは造影CTを試行しVTEの有無を評価した.VTE評価した13例中術後VTE発症を認めたのは5例で,全例下腿に認め,そのうち無症候性肺血栓塞栓症を2例に認めた.5例の手術時平均年齢は70歳で有意に高く,術前のVTEリスク因子数,罹病期間,手術時間に差はなかった.5例の平均DDは術後4日と1週のみ,SFMCは術後1日以降2週まですべて有意に高かった.VTE発症はARCR後にも生じることがあり,特に高齢者で注意が必要である.また,術後のSFMCとDDの経時的評価はVTE発症検出に有用である可能性がある.
  • 野口 裕介, 三幡 輝久, 長谷川 彰彦, 大植 睦
    2019 年 43 巻 2 号 p. 563-566
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     症例は11歳女性.転倒後に右肩の痛みと挙上困難が出現した.初診時,右上腕骨小結節に圧痛を認め,右肩の可動域制限と筋力低下を認めた.単純X線で微小骨片を認め,CTで上腕骨小結節裂離骨折と診断した.MRIでは肩甲下筋腱完全断裂を認めた.鏡視下腱板修復術を行い,症状は改善した.学童期であっても腱板の症状を認める場合には小結節裂離骨折を伴う肩甲下筋腱断裂を念頭に置いて精査を行う必要があると思われた.
  • 夏 恒治, 望月 由
    2019 年 43 巻 2 号 p. 567-569
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     上腕二頭筋長頭腱(LHB)が関節窩と上腕骨頭の間に嵌頓している症例を経験した.著明な疼痛を伴う運動制限を認め,関節内麻酔下に他動的挙上で嵌頓解除を試みたが奏功せず,鏡視下にLHBの切腱術と腱板部分修復術を行った.2日後には疼痛消失し,術後1年2ヵ月で疼痛,ADL障害なく経過観察中である.受傷時に上腕骨頭がLHBを乗り越えて亜脱臼し,自然整復される際にLHBを後方に押し込んで嵌頓したと考えられた.
  • 松田 淑伸, 間中 智哉, 伊藤 陽一, 市川 耕一, 平川 義弘, 清水 勇人, 中澤 克優, 飯尾 亮介, 山下 竜一, 中村 博亮
    2019 年 43 巻 2 号 p. 570-572
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     腱板大断裂・広範囲断裂に対する鏡視下腱板修復術においてsuture bridge法(以下SB法)と骨孔法(以下TO法)を比較検討した.対象は42例42肩,SB法は20肩,TO法は22肩であった.手術時間,術中使用したインプラント費用,術後1年時の臨床成績及び菅谷分類を用いた腱板修復状態を2群間で比較検討した.手術時間はSB法と比較してTO法で有意に短時間であった.インプラント費用はSB法と比較してTO法で有意に低額であった.術前と比較して術後1年時の臨床成績は両群ともに有意に改善みられたが,2群間で有意差は認めなかった.腱板再断裂率はSB法では36.8%,TO法では18.2%であったが,2群間で有意差は認めなかった.腱板大断裂・広範囲断裂に対するSB法とTO法の臨床成績,腱板修復状態は同等であったが,手術時間はTO法で有意に短時間であり,術中使用したインプラント費用はTO法で有意に低額であった.
  • 塩崎 浩之, 北原 洋
    2019 年 43 巻 2 号 p. 573-575
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     Delaminationがある腱板断裂に対して深層と浅層をそれぞれ別個に修復する鏡視下double-layer修復術を行い,1年以上の経過観察ができた52肩の治療成績を検討した.男性30・女性22,右36・左16,手術時年齢44~84歳(平均65.7歳),棘上・棘下筋腱の断裂サイズは小;2,中;18,大;25,広範囲;7であり,肩甲下筋腱断裂の合併は34であった.術前と術後1年で,可動域,JOAスコア,SANE scoreを比較検討し,術後1年時のMRIで棘上・棘下筋腱の修復状態を菅谷分類で評価した.可動域は術前 / 術後で,前方拳上が133.8 / 155.2,外旋が41.3 / 40.5,内旋がTh12 / Th11であり,術前後でJOAスコアは65.7点から93.0点に,SANE scoreは34.5点から79.3点に改善した.術後1年のMRIは,type1;34,type 2;8,type 3;6,type 4;1,type 5;4で,再断裂は9.6%(5/52)であった.Double-layer法の成績はほぼ良好であった.
  • 田中 秀明, 北村 歳男, 生田 拓也, 森澤 佳三
    2019 年 43 巻 2 号 p. 576-579
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     上腕二頭筋短頭の単独の形態異常に伴う損傷の報告は稀である.明らかな外力がなく生じた筋損傷の報告はこれまでにない.繰り返す上下振動刺激が影響した筋損傷を経験した.56歳女性,道路舗装工事のため上肢は軽度伸展位の状況下で上下振動の強い重機を約1時間使用した.その後,左上腕内側部痛と5cm大の腫瘤を認めた.超音波検査およびMRIから,上腕二頭筋短頭筋腹不完全断裂と診断した.また,肩峰下滑液包炎にも炎症と考えられる水腫があった.三角巾による安静で,腫脹,疼痛は3週程度で徐々に低下し,2ヶ月で消失した.1年後には,筋損傷は自覚,他覚所見ともに改善していたが,肩関節周囲炎が残存していた.一撃的な外力ではないが,筋への長時間の連続刺激によって引き起こされた筋損傷であった可能性があった.また,上腕二頭筋に形態異常を引き起こしたこの刺激は,周囲軟部組織にも影響を与えた.一方,形態異常はないものの,肩関節周囲には長期間の炎症の残存があり,症状軽快までの経過に差異があった.
  • 寺谷 威
    2019 年 43 巻 2 号 p. 580-583
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     鏡視下腱板修復術(ARCR)後におけるカクテル療法の有効性について調査した.ARCRを施行した68肩を対象とした.方法はカクテル群(0.75%ロピバカイン20ml,モルヒネ5mg,アドレナリン0.3mg,ベタメタゾン2mg,生理食塩水= 42ml)とコントロール群(0.75%ロピバカイン20ml,生理食塩水=42ml)に分け二重盲検法にて行った.手術終了後にいずれかの薬液を肩甲上腕関節内,肩峰下滑液包内,肩甲上神経,三角筋前方,中部,後方線維にそれぞれ注入した.この2群間での術前,術後4,8,16,24,48時間のVAS,術後ジクロフェナク坐薬,ブプレノルフィン注射使用患者数,副作用を調査した.カクテル群は34肩,平均年齢62.6歳,コントロール群は34肩,平均年齢65.5歳であり2群間で有意差を認めなかった.VASは術後24時間ではカクテル群で有意に低かった.ジクロフェナク坐薬使用患者数はカクテル群で有意に少なかった.カクテル療法はARCR術後疼痛管理に有用であると思われた.
神経疾患
  • 武長 徹也, 古島 弘三, 草野 寛, 船越 忠直, 古賀 龍二, 山本 譲, 宮本 梓, 井上 彰, 村山 俊樹, 堀内 行雄, 伊藤 恵 ...
    2019 年 43 巻 2 号 p. 584-588
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     18歳以下の若年で胸郭出口症候群(TOS)に対し手術を要したオーバーヘッドスポーツ選手の特徴を明らかにするため調査を行った.TOSに対して手術を施行したオーバーヘッドスポーツ選手110例119肢を対象とし,手術時年齢で18歳以下群と19歳以上群に分け,術前臨床症状,画像所見,術中所見などを比較した.18歳以下群は82例89肢(平均15.8歳,男性78例,女性4例,野球75例),19歳以上群は28例30肢(平均20.6歳,男性26例,女性2例,野球26例)であった.臨床症状の各項目に有意差は認めず,18歳以下群の特徴として①前中斜角筋間距離が狭い,②肩関節90度外転外旋位で腋窩動脈2nd partの血流が遮断される選手の割合が高い,③挙上位血管造影3DCTによる鎖骨下動脈の圧迫所見陽性率が高いことが明らかとなった.静的,動的に肋鎖間隙が狭い選手ほど,オーバーヘッドスポーツキャリアの早期でTOSを発症し競技継続困難となり手術を要すると考えられた.
変性疾患
  • 嶋田 洋平, 菅谷 啓之, 高橋 憲正, 松木 圭介, 渡海 守人, 森岡 健, 上田 祐輔, 星加 昭太, 濱田 博成, 竹内 康剛, 土 ...
    2019 年 43 巻 2 号 p. 589-592
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
    【目的】肩鎖関節障害に対する関節鏡下鎖骨遠位端切除術(以下,鏡視下Mumford法)後のスポーツ復帰状況について調査した.
    【対象と方法】2013年7月から2018年1月までに当院で鏡視下Mumford法を施行(腱板修復,バンカート術を併用したものは除く)した49例のうち,スポーツ活動を有し,1年以上経過観察できたものが21例であった.症状発生から手術までの平均期間は12ヶ月,手術時平均年齢は48歳,術後平均経過観察期間は16ヶ月であった.手術前後のJOAスコア,JSS shoulderスポーツスコア,競技復帰状況について調査した.
    【結果】JOAスコア,JSS shoulderスポーツスコアともに術後有意に改善した.スポーツ活動に関しては全例でスポーツ復帰し,復帰時期は平均3.3ヶ月であった.またオーバーヘッドスポーツの利き手側の復帰時期は平均4.4ヶ月であった.
    【結語】肩関節障害に対する鏡視下Mumford法後のスポーツ復帰率は良好であり,保存療法が奏効しない症例では有用な手術方法と思われた.
その他
  • 古屋 貫治, 鈴木 昌, 松久 孝行, 小原 賢司, 磯崎 雄一, 大澤 一誉, 田鹿 佑太朗, 木村 亮介, 筒井 廣明, 西中 直也
    2019 年 43 巻 2 号 p. 593-597
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
    【目的】プロ野球投手のメディカルチェック(MC)でみられる,MR画像のposterosuperior impingement(PSI)と身体機能 との関係は不明である.今回,PSIと当院で重視しているゼロポジション保持機能との関連性について検討した.
    【方法】当院のMCで,2年連続でゼロポジション保持機能と投球側MR画像を調査しえたプロ野球投手8名を対象とした.ゼロポジション近似肢位での外旋筋力(Zero外旋),肘伸展筋力(Zeroリリース)を両側測定し,MR画像の経年変化でPSI不変群4例と増悪群4例を比較した.
    【結果】両群ともZero外旋,Zeroリリース,Zero外旋/リリース比は左右差がなく,投球側のZero外旋/リリース比のみPSI増悪群で有意に高かった(p=0.0209).
    【結論】PSIとZero外旋、Zeroリリースの筋力は相関がみられなかったが,投球側のZero外旋/リリース比には相関がみられた.画像でPSI所見がみられた場合は新たな障害発生のリスクとなる可能性があるため,注意深く経過を診ていく必要がある.
  • 川田 明伸, 中溝 寛之, 堀江 亮佑
    2019 年 43 巻 2 号 p. 598-600
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     オーバーヘッド動作を行うスポーツ選手の投球側に発生した外傷性肩後方不安定症に対して鏡視下後方Bankart修復術を行った症例における術前後の症状の変化及びスポーツ復帰状況について検討した.対象は明らかな外傷後に発症した投球側の肩後方不安定症に対し後方Bankart修復術を施行した6例6肩(男性4肩,女性2肩)である.手術時平均年齢は21.0歳,術後観察期間は平均24.3ヶ月であった.検討項目は術前の臨床症状,肩関節自動可動域,術前後の日本肩関節学会肩関節不安定症評価法(以下JSS-SIS)などである.術前の臨床症状として全例に挙上時もしくは動作時痛を認めた.肩関節自動可動域は術後,健側と同程度まで改善した.JSS-SISは術前平均68.8点が術後94.3点に改善した.投球側に発生した外傷性肩後方不安定症に対する鏡視下後方Bankart修復術は有用な方法と考えられた.
  • 梶田 幸宏, 岩堀 裕介, 原田 洋平, 高橋 亮介
    2019 年 43 巻 2 号 p. 601-605
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     鏡視下腱板修復術と鏡視下Bankart修復術を施行した症例におけるアクネ菌の培養陽性率について検討した.
    【対象と方法】対象は鏡視下腱板修復術を施行した105例(R群),鏡視下Bankart修復術を施行した29例(B群)とした.方法は消毒前の皮膚擦過,術中の肩甲上腕関節内の滑膜擦過(執刀後・閉創前),スーチャーアンカーの糸,術後の関節鏡先の擦過を培養した.検討項目は,糖尿病合併の有無,手術時間,術前注射回数,各部位のアクネ菌検出率を2群で比較した.
    【結果】注射回数はR群で有意に多かったが,糖尿病合併の有無と手術時間に差はなかった.アクネ菌の検出率は,皮膚擦過培養ではR群40.0%,B群44.8%,滑膜擦過(執刀後・閉創前)ではR群9.5%,B群0%,糸ではR群6.7%,B群0% 関節鏡先ではR群4.8%,B群0例0%,滑膜擦過のみR群で有意に多かった.
    【結語】腱板断裂例の滑膜擦過からアクネ菌が有意に多く検出され,術前の注射が関与している可能性が示唆された.
治療法
  • 堀江 亮佑, 中溝 寛之
    2019 年 43 巻 2 号 p. 606-609
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル 認証あり
     本研究ではセメントレスinlay typeのRSA後,上腕骨骨吸収が生じているかを経時的に調査した.術後1年以上経過観察できなかった例を除く22肩を対象とした.手術時平均年齢は78.3歳,術後平均観察期間は18ヵ月であった.疾患は腱板断裂関節症:15肩,腱板修復後再断裂:1肩,肩関節脱臼骨折:1肩,腱板広範囲断裂:4肩,上腕骨頭壊死:1肩であった.経時的に撮影したレントゲンから骨欠損やradiolucent lineの発生頻度や発生部位を調査した.TM reverse shoulder 7例中1例にGruen分類Zone1(大結節)の骨欠損を,SMR 7例中1例にZone2,6のradiolucent lineを認めた.本研究において骨吸収の発生率は9.1%であり,過去の報告と比較して多い傾向はなかった.しかし大結節が吸収された1例は前方への亜脱臼を来しており,ステムの骨吸収には注意を払うべきである.
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