肩関節
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43 巻 , 3 号
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機能
  • 守倉 礼, 三幡 輝久, 長谷川 彰彦, 渡辺 千聡, 福西 邦素, 安井 憲司, 河上 剛, 藤澤 幸隆, 内田 明宏, 根尾 昌志
    2019 年 43 巻 3 号 p. 652-656
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     野球選手における上腕骨後捻角度の左右差が肩筋力に影響を及ぼすかを検討した.野球検診を行った大学野球選手のうち肩痛を認めない36人を対象とした.上腕骨後捻角度は超音波診断装置を用いて計測した.内外旋中間位における肩外旋筋力と内旋筋力はマイクロフェットを用いて測定した.肩内外旋可動域は電子角度計を用いて計測した.上腕骨後捻角度は投球側において有意に増加しており(p < 0.001),その左右差は15.6 ± 10.2(SD)度であった.上腕骨後捻角度の左右差と肩外旋可動域(p < 0.001,r=0.59)および内旋可動域の左右差(p=0.047,r=-0.33)に有意な相関を認めたが,肩筋力の左右差(外旋:p=0.54,内旋:p=0.48)とは有意な相関を認めなかった.今回の結果から大学野球選手における上腕骨後捻角度の左右差は肩筋力に影響を及ぼさないと考えられた.
診察 • 診断
  • 横山 賢二, 武田 芳嗣, 藤井 幸治, 鈴江 直人
    2019 年 43 巻 3 号 p. 657-660
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     鏡視下腱板修復術(ARCR)後のMRIをSugaya分類で評価し,その検者間信頼性を調べるとともに,MRIの撮像時期,検者の経験および分類の簡素化が信頼性に影響を及ぼすか否かを検討した.
     ARCR後3か月と24か月にMRIを撮像した50症例100肩のMRIを対象とした.20年以上の経験を持つ肩関節外科医2名(A, B),下肢関節鏡を専門とする医師(C)および整形外科後期研修医(D)の4名が,Sugaya分類およびtype IとIIを同一のカテゴリーとした分類(Modified.1,以下Mod.1)及びIVとVも同じとした分類(Modified.2,以下Mod.2)で評価しκ係数にて検者間信頼性を評価した.
     術後3か月と24か月での平均κ係数(0.64, 0.69)はsubstantialと評価された.肩関節外科医間のκ係数(0.66, 0.74)はsubstantialであったのに対し,3ヶ月での肩関節専門医と後期研修医間のκ係数(0.53, 0.60)であり,moderateと評価された.Mod.1による平均κ係数(0.74, 0.7)とMod.2による平均κ係数(0.74, 0.71)はすべてsubstantialと評価された.
     Sugaya分類を用いた検者間測定信頼性の平均κ係数はsubstantialであり,平均κ係数は,撮像時期や検者の経験および分類の簡素化で大きく変わることはなかった.
脱臼
  • 畠山 雄二
    2019 年 43 巻 3 号 p. 661-664
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     対象は2003年1月から2015年9月までに新鮮肩鎖関節脱臼に対してフックプレートで手術した19例である.Rockwood分類のType IIIが16例,Type Vが3例である.抜釘は平均3.2か月で行い,術後観察期間は平均42.8 日である.
     菱形靭帯は全例で断裂し,円錐靭帯は2例のみで断裂していた.術後平均可動域は水平内転135.8°,外転165.0°,内旋T8,JSSスコアでは平均97.8点であった.鎖骨外側端下面と肩峰下面の距離は術前平均14.2 mm, 術直後0.3 mm, 抜釘直後0.8 mm,最終調査時1.9mmであった.合併症として関節症性変化を2例,肩峰下のosteolysisを10例に認めたが,フックの逸脱した症例はなかった.抜釘後1例で再脱臼しCadenat変法で再手術を要した.
     フックプレートを用いた術後成績は概ね良好であったが,1例で再脱臼を認め再手術を要した.
  • 尾﨑 律郎, 水野 直子
    2019 年 43 巻 3 号 p. 665-669
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     新鮮肩鎖関節脱臼に対する小径アンカーを併用したPhemister変法の治療成績を検討した.対象は4肩(男3,女1肩)で,Rockwood分類はtype 3: 1肩,type 5: 3肩であり,経過観察期間は平均18か月であった.手術では,Phemister変法に加えて,円錐靭帯と菱形靭帯の烏口突起付着部にアンカーを挿入し,アンカー糸を鎖骨にpull-outして縫合した.術後の整復状態は,単純レ線で烏口鎖骨間距離を計測し,健側に対する変化率が10%未満をE群,10-25%をG群,25-50%をF群,50%以上をP群として評価した.最終観察時の日本肩関節学会肩鎖関節スコアは平均90.8点であった.また,整復状態は術後3か月ではE群2肩,G群1肩,P群1肩であり,最終観察時ではG群3肩,P群1肩であった.本術式は,新鮮肩鎖関節脱臼に対する肩鎖関節の安定化手術法として有用であると考えられた.
  • 古川 龍平, 木田 圭重, 森原 徹, 祐成 毅, 大西 興洋, 南 昌孝, 久保 俊一
    2019 年 43 巻 3 号 p. 670-673
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     関節窩後方からドリリング可能なBristowガイドを用いた鏡視下Bankart-Bristow変法を施行し,術後CT像で烏口突起設置位置とスクリュー方向を検討した.2014年2月~2018年8月までに鏡視下Bankart-Bristow変法を施行した53例55肩に対して,フリーハンド群とガイド群に分け,術後CT像で烏口突起と関節窩縁の距離(Horizontal position),関節窩への設置角度(Vertical position),スクリュー方向を横断面(Axial angle),矢状面(Sagittal angle)について検討した.Horizontal positionはフリーハンド群で0. 2 ± 2.1(SD)mm,ガイド群で0. 1 ± 1.6(SD)mm,Vertical positionはフリーハンド群で16.7 ± 11.6(SD)度,ガイド群で11.2 ± 7.0(SD)度で有意差は認めなかった.Axial angleはフリーハンド群で8.3 ± 6.5(SD)度,ガイド群で3.8 ± 3.6(SD)度で有意差を認めた(P < 0.01).Sagittal angleはフリーハンド群で-4.7 ± 10.2(SD)度,ガイド群で-1.4 ± 7.9(SD)度で有意差は認めなかった.Axial angleはガイド群で正確に設置することが可能であった.関節窩後方よりドリリング可能なBristowガイドを用いて鏡視下Bankart-Bristow変法は,烏口突起の設置位置,スクリュー方向を正確に行うことが可能であり有用な術式である.
  • 鈴木 一秀, 永井 英
    2019 年 43 巻 3 号 p. 674-677
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     外傷性肩関節前方不安定症において術後成績が劣ると報告されている女性アスリート(WA)に対する鏡視下Bankart&Bristow変法(ASBB法)の術後成績を検討する事を目的とした.
     WA11例14肩(平均21.4才,観察期間:平均15.1ヵ月)を対象とした.検討項目は術前関節窩骨形態,術後3ヵ月での烏口突起骨癒合,合併症,スポーツ復帰の可否と復帰時期,術後評価としてJSSSISとRowe scoreを用いた.
     関節窩骨形態は正常7肩,骨性Bankart2肩,小骨片2肩,20%以上の骨欠損1肩,erosion2肩であった.骨癒合は13肩(93%)で得られた.全例が平均3.8ヵ月でスポーツ復帰可能であり再受傷例はなかった.JSSSISとRowe scoreは全肩100点であった.筋皮神経麻痺を1肩に認めた.WAの術前関節窩骨形態は約半数が正常であった.ASBB法はハイリスクWA例に対して有用な術式と考えられた.
  • 磯崎 雄一, 松久 孝行, 鈴木 昌, 小原 賢司, 大澤 一誉, 田鹿 佑太朗, 古屋 貫治, 木村 亮介, 筒井 廣明, 西中 直也
    2019 年 43 巻 3 号 p. 678-682
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     肩関節前方脱臼後拘縮を来した2例に対し,鏡視下手術を行い良好な結果を得たので報告する.対象は肩関節脱臼後に拘縮を来した2例で初診時平均年齢は34.0歳,術後経過観察期間は12.0-14.5カ月(平均13.3カ月)であった.全例に鏡視下手術を行い,術前後のJSSスコア,JOAスコア,関節可動域を比較した.術後JSSスコア・JOAスコア・関節可動域は全て改善した.必要最小限の授動術とBankart病変の修復をすることで,良好な結果を得られた.
  • 松居 祐樹, 瓜田 淳, 門間 太輔, 大泉 尚美, 末永 直樹, 岩崎 倫政
    2019 年 43 巻 3 号 p. 683-687
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     Latarjet法は若年者で良好な成績が報告されているが,中高齢者の成績は不明である.本研究の目的は,中高齢者の肩関節不安定症に対するLatarjet法の成績を調査することである.対象は当科でLatarjet法を行った40歳以上の7例7肩で,手術時平均年齢は54歳,平均経過観察期間は22.7か月であった.臨床成績をJOA スコア,Rowe スコア,肩関節可動域,再脱臼の有無で評価し,画像評価をX線による肩関節のOA変化,CTによる移植骨の骨癒合と骨吸収の有無で行なった.最終経過観察時の臨床スコアは有意に改善した.可動域は屈曲,外転は有意に改善したが,外旋,内旋は改善しなかった.再脱臼は術後2週で転倒し移植骨が脱転した1例で認め,再手術を行った.再脱臼した1例を除いた画像評価において,関節症性変化は50%に軽度の進行がみられた.全例で骨癒合が得られたが,軽度の骨吸収が84%にみられた.Latarjet法は中・高齢者においても有用な術式であることが示唆された.
  • 田澤 諒, 見目 智紀, 名倉 直重, 中脇 充章, 助川 浩士, 髙相 晶士
    2019 年 43 巻 3 号 p. 688-692
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     反復性肩関節脱臼に対し鏡視下Bankart修復術(ABR)のみ施行した7肩とABRにRemplissage法(R法)を併用した5肩の術後肩関節回旋動作をCine-MRIで撮像し比較した.撮像動作は肩関節内転位での内外旋自動運動とした.評価項目は肩甲上腕関節の回旋角,肩甲骨軸に対する上腕骨頭中心の前後変位量とした.結果,最大内旋角(ABR単独群:44°,R法併用群:41°),最大外旋角(ABR単独群:18°,R法併用群:25°)ともに両群間に有意差は認めなかった.骨頭中心は最大外旋位(ABR単独群:0.3mm,R法併用群:1.6mm),最大内旋位(ABR単独群:0.2mm,R法併用群:1.3mm)ともに肩甲骨軸の後方に位置しており,R法併用群の方がより後方に位置する傾向にあった.R法併用は回旋角に影響を与えることなく,後方関節包と棘下筋を介した前方制動効果を示す可能性が示唆された.
  • 日山 鐘浩, 吉村 英哉, 近藤 伸平, 松村 恵津子
    2019 年 43 巻 3 号 p. 693-697
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     Latarjet法,Bristow法はいずれの手技においても強固な脱臼安定性を獲得するが,いずれかの手法がよいかは議論の分かれるところである.本検討では当科における手術の変遷,2つの手技の臨床成績を比較検討した.当院にて手術を施行された53例(平均年齢22.3歳)を対象とした.Latarjet法が23例,Bristow法は30例であった.各々に関して術後1年時の臨床成績を比較した.二群において術後1年時の可動域,JSS shoulder sports score,競技復帰時期に関しては有意差を認めなかった.移植骨片の骨吸収率はLatarjet法の方が高い傾向を示した,またLatarjet群に一例術後亜脱臼を認めた.当院ではLatarjet法を施行してきたが,移植骨片の粉砕,癒合不全,スクリューのルースニングの例を経験してきたため,Bristow法に変更した.
  • 山上 直樹
    2019 年 43 巻 3 号 p. 698-701
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     鏡視下バンカート修復術を施行し2年以上経過観察可能であった20歳以下の女性31例35肩を対象として術後成績を調査した.術後JSS-SIS,Rowe scoreは有意に改善し,再発は3肩(9.0%)であった.術後5年時に転落で1肩と術後1年以内に体育中のハンドボールで2肩に再発を認めた.競技継続は15肩(45.5%),半数は学生時代に肩以外の理由で競技中止となっていた.若年女性は関節弛緩性が高い傾向にあり,弛緩性は再発の要因の一つであるが,今回の結果では術後スコア,再発率,復帰率は良好であり,長期経過で再発は多くはなかった.女性はコリジョン,コンタクトスポーツ参加率が低く,競技を学生時期で終了していた症例が多く受傷機会が少なかったためと思われた.再発は階段からの転落1肩(術後5年),学校体育ハンドボール中に2肩(術後1年以内)であり元の競技中ではなかった.学校生活指導の徹底は必須と考えられた.
  • 田鹿 佑太朗, 松久 孝行, 鈴木 昌, 磯崎 雄一, 古屋 貫治, 筒井 廣明, 西中 直也
    2019 年 43 巻 3 号 p. 702-706
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     非外傷性肩関節不安定症に対し鏡視下手術を施行した6例を経験した.関節弛緩性を有する若年者に日常動作や軽微な外力により脱臼または亜脱臼が生じ,その構造的破綻が大きくないにも関わらず強い脱臼不安感を呈していた.関節鏡所見では関節唇の隆起が低い,もしくは靱帯の弛緩を認め,修復する事で良好な短期成績が得られた.関節弛緩性を有する若年者の肩関節脱臼では,損傷が軽度であっても修復は有効な治療法の一つと考えられた.
  • 森下 侑亮, 岩堀 裕介, 梶田 幸宏, 原田 洋平, 出家 正隆
    2019 年 43 巻 3 号 p. 707-
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     比較的稀な胸鎖関節部損傷の2例を報告する.2例ともスポーツ外傷で受傷し72時間以上経過し当院を受診した.1例は胸鎖関節後方脱臼と診断し,もう1例はCTで胸鎖関節後方脱臼と思われたがMRIで鎖骨近位骨端線離開と診断した.2例とも全身麻酔下に徒手整復できず観血的整復と糸による固定を行い,術後経過良好であった.胸鎖関節後方脱臼と鎖骨近位骨端線損傷の鑑別にMRIが有用であり,観血的整復と糸による固定で良好な結果を得た.
  • 松村 惠津子, 吉村 英哉, 近藤 伸平, 日山 鐘浩, 野呂瀬 美生
    2019 年 43 巻 3 号 p. 712-715
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     高齢者の肩関節脱臼は腱板損傷と関節窩に骨欠損が生じることで肩関節前方不安定性を呈する.このような症例に対して我々の治療経験を報告する.対象は60歳以上の関節窩骨損傷と腱板損傷を認めた肩関節前方脱臼を呈した女性16名である.(1)鏡視下腱板修復術と鏡視下Bankart修復術を施行した3例は,術後1年時の日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準(Japan Orthopeadic Assosiation Score: JOAスコア)は62 ± 19点で全例に前方不安定性が残存し関節症変化を呈した.(2)鏡視下腱板修復術と烏口突起移行術を施行した7例は,JOAスコア52 ± 17点,再脱臼と亜脱臼位が残存し関節症変化を生じた.(3)全人工肩関節置換術は3例でJOAスコア56 ± 15点で再脱臼と腱板機能不全が残存した.(4)反転型肩人工関節術3例はJOAスコア86 ± 9点で特記すべき合併症を認めず良好な成績を得た.
骨折
  • 進 訓央, 松浦 恒明
    2019 年 43 巻 3 号 p. 716-719
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     症例1は84歳女性.右肩関節脱臼骨折にて腋窩に転位した骨頭を腋窩アプローチにより摘出,人工骨頭に置換した.症例2は83歳女性.右肩関節脱臼骨折で橈骨動脈の拍動が消失,手関節・手指屈曲が不能であった.小胸筋筋膜切開で骨頭を摘出,人工骨頭に置換した.肩関節脱臼骨折に対する人工骨頭置換術において上腕骨頭摘出時に血管,神経損傷に留意した2例を経験した.腋窩に転位した骨頭の摘出には腋窩アプローチが有用な場合がある.
  • 落合 信靖, 橋本 瑛子, 秋本 浩二, 野島 大輔, 梶原 大輔
    2019 年 43 巻 3 号 p. 720-723
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     近年,上腕骨近位端骨折に対する一次的(Primary)リバース型人工肩関節置換術(以下RSA)の良好な術後成績が報告されているが,上腕骨近位端骨折術後続発症に対するRSAの報告は少ない.本研究の目的は上腕骨近位端骨折に対するPrimary RSAと術後骨折続発症症例に対するSalvage RSAの術後成績を比較検討することである.対象はPrimary RSA 17 例とSalvage RSA10 例で,調査項目としてJOAスコア,UCLAスコア,Constantスコア,自動可動域として前方挙上,外旋,内旋をPrimary群は最終経過観察時,Salvage群は術前後で評価した.最終経過観察時,治療成績はPrimary群の方が有意に良好であった.本研究の結果,観血的整復術後続発症の発生が危惧される症例では,Primary RSAも考慮されるべきであると考えられた.
  • 佐藤 雅史, 高群 浩司, 田中 栄
    2019 年 43 巻 3 号 p. 724-728
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     鎖骨近位端骨折は鎖骨骨折の中でもまれな骨折であり,手術の際プレートの選択や固定性を得る工夫などが問題となる.術前計画として鎖骨3DCT画像をプレートの2Dテンプレートサイズに拡大し各プレートの適合性を確認した.また術中骨折部を整復後,鎖骨近位端に各種のテンプレートをあて鎖骨近位の形状によって使用するプレートを最終決定した.
     今回鎖骨近位端骨折3例に対して,術前計画と術式の工夫によって強固な固定が可能であった.
  • 柴山 一洋
    2019 年 43 巻 3 号 p. 729-732
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     症例は69歳女性で既往歴に重症筋無力症あり
     両肩広範囲腱板断裂の診断で両肩鏡視下腱板修復術を行った.左肩は再断裂したため術後1年でReverse型人工肩関節置換術(RSA)を行った.術後4週で左肩の激痛あり,CTで左烏口突起基部骨折の診断.保存加療で骨癒合した.
     右肩は修復良好であったが左烏口突起骨折後7週で右肩の激痛あり.CTで右烏口突起骨折の診断.保存加療で線維性癒合ではあるが前方の痛みは消失した.
  • 白石 勝範, 大前 博路, 望月 由
    2019 年 43 巻 3 号 p. 733-735
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     鎖骨遠位端骨折に対してベスト肩鎖関節プレート ®(AP)と鋼線締結法(TB)を用いた骨接合術の治療成績を比較検討することを目的とした.対象は22肩(AP群14肩,TB群8肩)で,Craig-田久保分類を用いた骨折型の内訳は,AP群ではType Iが1肩,Type IIbが9肩,Type IIIが1肩,Type Vが2肩,Type VIが1肩で,TB群ではType IIbが6肩,Type IIIが1肩,type Vが1肩であった.検討項目は骨癒合期間,最終観察時における肩鎖関節(AC)亜脱臼例の各群に占める比率(AC亜脱臼比)とAC亜脱臼率(ACDR),松島分類を用いて評価したACの関節症性変化(ACOA),術後合併症とした.両群ともに骨癒合は良好であったが,骨癒合期間はAP群と比較しTB群で有意に短かった.AC亜脱臼比とACDR,ACOA,術後合併症では両群間に有意差を認めなかった.骨癒合は両群ともに良好であったがAC亜脱臼,ACOA,合併症が両群ともに生じており長期成績の悪化が懸念される.APとTB以外の肩鎖関節に侵襲がなく強固な固定が可能である固定材料が必要である.
  • 川真田 純, 衣笠 清人, 西井 幸信
    2019 年 43 巻 3 号 p. 736-739
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     当院では主としてCraig分類5型のようなC-C ligament付着部の第3骨片を持つような症例,45度以上の斜骨折症例に対してcerclage wiringを併用したTension band wiring法を行ってきた.その術後成績を検討した.対象は2006年10月~2016年12月に上記TBW法にて加療した104例である.それらにつき術前骨折型・術後可動域,back outや肩鎖関節亜脱臼等の合併症を検討した.104例中101例で一期的な骨癒合を得る事ができ,内固定破綻2例,偽関節1例を認めた.K-wireのback outを45例,肩鎖関節亜脱臼・開大を15例で認めた.平均JOA scoreは96点(75~100点),肩関節自動屈曲163.3 ± 18.5(SD) ° と良好な結果を得た.CCL付着部骨片を含む粉砕骨折の場合,通常のTBW法では主骨片同士の接触が小さくなり固定力低下が危惧される.cerclage wireを併用すればTBW法で骨折部に働く張力が剪断力として働く事を防ぐことができ成績向上が期待できる.本法は特に粉砕のある鎖骨遠位端骨折に対して有用な手術法であると考える.
筋腱疾患
  • 堀田 知伸, 木村 重治
    2019 年 43 巻 3 号 p. 740-742
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     腱板再断裂の原因は多数あるが,後療法に対するコンプライアンスもその一つである.エゴグラムは心の5つの尺度を点数化する優れた性格分析法である.今回,再断裂群と修復群のエゴグラムの尺度別の点数を比較し,再断裂した患者の性格に共通要素がないかを検討した.DAFF法による鏡視下腱板修復術を施行し,術後8ヶ月でMRIを撮像できた205例にエゴグラムを行い,CP(critical parent: 厳しさ),NP(nursing parent: やさしさ),A(adult: 冷静さ),FC( free child: 自由さ),AC(adapted child : 従順さ)の各尺度の点数を修復群188例と再断裂群17例で比較した.再断裂群の方が,CPが有意に低かった.CPはルール守る力,責任感を表している.本研究によりその点数が低い者が再断裂しやすい可能性が示唆された.CPが低い者は手術方法や術後の生活やリハビリ指導を慎重に行う必要がある.
  • 大石 隆幸
    2019 年 43 巻 3 号 p. 743-745
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     力の伝達経路として機能的に重要である棘上筋筋内腱の走行は損傷例で後方に変位すると報告されている.本研究の目的は鏡視下腱板修復術(ARCR)後再断裂例における棘上筋筋内腱の走行と術後成績の関係を明らかにすることである.2014年4月から2017年10月の間にARCRを施行された63肩を対象とした.MRIにて菅谷分類type 3以下を再断裂なし群(53肩)とし,type 4以上の再断裂例を棘上筋筋内腱の走行により前方群(5肩)と後方群(5肩)に分類した.術後6ヵ月において前方群のJOA scoreは再断裂なし群と統計学的有意差を認めず(86.3 vs 87.7, p = 0.94),後方群は再断裂なし群より有意に劣っていた(75.3 vs 87.7, p = 0.02).同様に,術後1年において前方群のJOA scoreは再断裂なし群と統計学的有意差を認めず(88.5 vs 93.9, p = 0.18),後方群は再断裂なし群より有意に劣っていた(80.2 vs 93.9, p < 0.01).ARCR後再断裂症例で棘上筋筋内腱の後方変位を認めない場合,筋内腱が構造的にも機能的にも温存されている可能性が示唆された.
  • 石津 帆高, 門間 太輔, 瓜田 淳, 岩崎 倫政
    2019 年 43 巻 3 号 p. 746-748
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     肩腱板小・中断裂に対する肩関節鏡下腱板修復術(以下ARCR)は良好な成績が報告されている.術後合併症として再断裂があげられるが,術後の固定期間との関連性は明らかにされていない.本研究の目的はARCR術後の固定期間の違いが術後成績に及ぼす影響を明らかにすることである.当科にて腱板小・中断裂に対しARCRを施行され12か月以上経過観察可能であった70例70肩を対象とし,術後の固定期間が4週間であった19例を4週群,6週間であった51例を6週群として術後成績を比較検討した.再断裂は4週群1例(5.3%),6週群3例(5.9%)に認めた.可動域は4週群,6週群ともに有意な改善を認めたが群間に有意差は認めなかった.再断裂率に関し群間に有意差を認めず,術後臨床成績についても群間に有意差は認めないことから,固定期間は4週に短縮できる可能性が示唆された.
  • 栫 博則, 海江田 英泰, 海江田 光祥, 泉 俊彦, 廣津 匡隆, 藤井 康成, 谷口 昇
    2019 年 43 巻 3 号 p. 749-752
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
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     関節鏡下腱板修復(ARCR)において関節鏡下肩峰下除圧術(ASD)は一般的に行われている手技である.しかし烏口肩峰靱帯は烏口肩峰アーチの一部をなし,骨頭の前上方への変位を抑制しており,ARCRにおいて腱板再断裂を完全には予防できない以上,烏口肩峰靱帯はARCR後の重要な組織と考え,我々は基本的にASDを行っていない.本研究の目的はASDを併用しないARCRの臨床成績を評価することである.ARCRを行い一次修復可能であった53肩を対象とした.術前の肩関節3DCTを使用した骨棘の有無,骨棘の形態の評価及び日本整形外科学会治療判定基準を用いた臨床成績の評価を行った.ASDの有無では臨床成績に有意差を認めず,これは骨棘のある症例に限っても同様であった.また骨棘形態による臨床成績の有意差も認めなかった.ARCRにおいてASDは必ずしも全例に必要な処置ではないことが示唆された.
  • 内田 明宏, 三幡 輝久, 河上 剛, 長谷川 彰彦, 大植 睦, 根尾 昌志
    2019 年 43 巻 3 号 p. 753-756
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
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     スポーツ参加の有無によって肩上方関節包再建術の治療成績に違いがあるかを比較検討した.修復困難な腱板断裂に対して鏡視下肩上方関節包再建術を行った95例を対象とした.術前のスポーツ参加の有無により2群に分類し(あり24例,なし71例),肩自動可動域,JOAスコア,グラフトの治癒率を比較した.2群ともに肩上方関節包再建術を行うことにより肩自動可動域とJOAスコアは有意に改善した.術前の肩可動域とJOAスコアは2群間に有意差を認めなかったが,術後最大自動挙上角度はスポーツ参加症例において有意に大きかった(スポーツあり161度,なし146度).グラフト治癒率は2群間に有意差を認めなかった(スポーツあり96%,なし94%).今回の結果から術前にスポーツ参加していた症例は肩上方関節包再建術後の肩自動挙上角度が改善しやすいと思われた.また術前のスポーツ参加はグラフト治癒率に影響を及ぼさないと考えられた.
  • 森岡 健, 菅谷 啓之, 高橋 憲正, 松木 圭介, 渡海 守人, 上田 祐輔, 星加 昭太, 濱田 博成, 竹内 康剛, 土山 耕南
    2019 年 43 巻 3 号 p. 757-760
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
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    (目的)当院にて一次修復困難な腱板断裂に対して鏡視下上方関節包再建術(ASCR)を行ったので術後12ヶ月時点での治療成績を報告する.
    (対象と方法) 2014年から2017年までにASCRを行った 18例(男性10例,女性8例)を対象とした.検討項目はJOAスコア,ASESスコア,可動域,再断裂の有無,術後合併症である.
    (結果)JOAスコアが術前58点から術後76点に改善,ASESスコアが45点から77点に改善した.可動域は自動挙上角度は113度から143度に改善したが,下垂位外旋角度,内旋角度は有意な変化は認めなかった.再断裂を4例に認めた.
    (考察・結語)ASCRは再断裂を来さなければ上腕骨頭の上方化を抑制し,肩関節を求心位に保たれるので良好な成績が期待できると考えられた.
  • 廣瀬 聰明, 岡村 健司, 芝山 雄二, 道家 孝幸, 杉 憲, 水島 衣美, 中田 祐介, 中村 恭子, 齊藤 雄大, 上原 朋子
    2019 年 43 巻 3 号 p. 761-765
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     鏡視下腱板部分修復術(PR)と大腿筋膜パッチを用いた鏡視下腱板修復術(Pa)の術後臨床成績を調査した.対象は一次修復不能な腱板断裂に対して鏡視下腱板修復術を施行し,術後2年以上が経過した42例44肩で,2012年まではPR(25肩)を,2013年以降はPa(19肩)を行った.術前と術後2年時の臨床成績と再断裂率を検討した.JOAスコアは両群とも術後は有意に改善したが,術後の疼痛項目では,Pa群がPR群より有意に成績が良かった.再断裂はPR群の25%,Pa群の32%に認められた.術前MRIの棘下筋の脂肪浸潤がGoutallier分類stage 2以下の症例ではPR群の22%,Pa群の10%が再断裂したのに対してstage 3以上の再断裂率はそれぞれ38%,56%であった.いずれも両群間に有意差を認めなかった.術前MRIにて棘下筋に高度な脂肪浸潤がある症例では今後は術式の工夫や別の術式を選択することが望ましいと考えられた.
  • 田村 優典, 小西池 泰三
    2019 年 43 巻 3 号 p. 766-768
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     良好な予後が期待される筋萎縮のない症例の中にも術後に再断裂をきたす症例を経験したことから,今回ARCR後の再断裂例について,特に転院先による違いおよびリハビリ形態について検討した.対象は,2014.1~2016.12の期間,腱板断裂の初回手術で,術前MRIで棘上筋の萎縮がなく(SSP ratio > 40%)かつ棘下筋と肩甲下筋に萎縮を認めなかった肩で,鏡視下腱板修復術で一次修復可能であり,術後1年以上の経過観察を行えた全99肩である.再断裂群と非断裂群の違いについて,転院先による違いを紹介頻度【紹介頻度の高いTOP3病院 50肩 vsそれ以外の病院(計20病院)49肩】,リハビリ形態(入院81肩vs外来18肩)について検討した.再断裂を8肩に認め,転院先の病院では,紹介頻度の高いTOP3病院には再断裂が少なかった(TOP3病院:2% vsその他の病院:14.3% p < 0.05).転院後の入院リハビリ群で再断裂が少なかった(入院:2.4% vs外来:33% p < 0.01).筋萎縮のない腱板断裂において,再断裂は術後のリハビリが影響すると考えられた.
  • 岩下 哲, 橋口 宏, 大久保 敦, 米田 稔, 高井 信朗
    2019 年 43 巻 3 号 p. 769-771
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
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     スーチャーテープ付きソフトアンカーを用いたNet-like DAFF法に関して検討したので報告する.対象は本法を施行した腱板断裂28例とした.性別は男性16例,女性12例で手術時平均年齢は65.3歳であった.断裂形態は,不全断裂12例,小断裂7例,中断裂9例で術後経過観察期間は平均4.6ヵ月(3~6ヵ月)であった.評価項目として臨床成績を術前,術後の日整会肩関節疾患治療判定基準(JOA score)で評価し,術後再断裂をMRIあるいはエコーで評価した.JOA scoreは術前65.3点が術後92.5点と有意な改善が得られた.超音波またはMRIによる腱板修復状態の評価を施行した21例のうち1例において術後再断裂を認めた.複数の幅の広いテープを用いるnet-like DAFFは断裂腱板を付着部により強固に圧着させることで良好な腱板修復を可能とする有用な修復方法である.
  • 水城 安尋, 内村 大輝, 上田 幸輝
    2019 年 43 巻 3 号 p. 772-775
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     一次修復が困難な腱板大・広範囲断裂に対して我々は大腿筋膜パッチ移植術(以下,筋膜パッチ)や上方関節包再建術(以下,SCR)などの大腿筋膜移植術を行ってきたので,その成績と問題点を報告する.対象は2011年12月~2017年5月までに当院で大腿筋膜移植術を施行した 78 例で,平均年齢 66.3 歳であった. 術式は筋膜パッチが68 例で,SCRが10 例であった.術前後の JOA スコアは 60.1 点から 86.9 点に有意に改善した.可動域は術前屈曲 106.2°,外旋 40.8°から術後それぞれ151.2°,46.5°に改善した.再断裂は全体で11 例(14.1%)で,うち筋膜パッチ8例(11.8%),SCR3 例(30.0%)であった. 大腿筋膜移植術の成績は概ね良好であった.ただし,肉体労働を行う男性では筋力の改善が十分でないために不満が残る症例も存在した.
  • 福島 秀晃, 森原 徹, 三浦 雄一郎, 甲斐 義浩, 幸田 仁志, 古川 龍平, 竹島 稔, 木田 圭重
    2019 年 43 巻 3 号 p. 776-780
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     腱板広範囲断裂(Massive Rotator Cuff Tears: MRCT)における上肢自動挙上可能例と不能例の三角筋・肩甲帯周囲筋群の筋活動を比較検討した.対象は健常者12名12肩(健常群),MRCT36名を上肢自動挙上可能な21名25肩(挙上可能群)と挙上不能な15名16肩(挙上不能群)とした.被験筋は三角筋前部・中部・後部線維,僧帽筋上部・中部・下部線維,前鋸筋とした.測定課題は肩関節屈曲0°,30°位を各5秒間保持し,分析は0-30°間のR-muscle値を算出した.
     三角筋各線維のR-muscle値は,挙上可能群と挙上不能群間において有意差を認めなかった.僧帽筋上部線維のR-muscle値は,健常群と比較して挙上不能群で有意に高値を示した(p < 0.05).また僧帽筋中部線維のR-muscle値は,挙上可能群と比較して挙上不能群で有意に高値を示した(p < 0.01).
     MRCTにおける三角筋各線維の筋活動は,上肢自動挙上の可否に影響しないことが示された.一方,僧帽筋中部線維の筋活動特性がMRCTにおける上肢自動挙上の可否に影響する可能性が示された.
  • 小泉 宏太, 田中 誠人, 林田 賢治
    2019 年 43 巻 3 号 p. 781-785
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     当院で鏡視下肩腱板断裂手術を施行した101例(2016年12月-2018年3月)を,セレコキシブのみ投与した群(C群26例),セレコキシブにデュロキセチン20mg,トラマドール塩酸塩25mg,プレガバリン75mgを眠前に併用した各群(D群24例,T群25例,P群26例)にわけ,各薬剤の夜間痛と睡眠障害に対する有効性を検討した.夜間痛,睡眠障害の指標は術後 1~14 日目のVAS 値を用いた自己評価とした.各群において全症例,重症夜間痛症例(術翌日の夜間痛VAS値 53.1mm以上,C群16例,D群14例,T群15例,P群15例)で検討したが,いずれの薬も夜間痛また睡眠障害に対して統計学的有意な有効性は認めなかった.副作用の発生を危惧して比較的少量投与での検討であったため投与量についても加味したさらなる検討が必要と考える.
  • 近藤 伸平, 吉村 英哉, 日山 鐘浩, 松村 恵津子, 野呂瀬 美生
    2019 年 43 巻 3 号 p. 786-789
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     肩関節前方脱臼に腱板断裂と腕神経叢損傷を合併したTerrible triadは,治療に難渋することが多い.今回2011年から2016年までに経験し,1年以上経過観察可能であった6例の治療成績を検討した.受傷時年齢は,平均67.0歳(47-78),受傷から手術までの期間は,平均6.4週(3-11)であった.治療は全例関節鏡視下腱板修復術を行った.神経損傷に関しては全例経過観察とした.術前後の三角筋のMMT,術前後の三角筋線維の最大筋厚,術前後の臨床成績(JOAスコア)を検討し,術後MRIを撮影できた5例は,再断裂の有無も検討した.術前の三角筋のMMTは,平均1.2(0-2),最終観察時は,平均3.7(2-5)で,最終観察時のJOAスコアは,平均84.4点(68.5-100)であった.再断裂は5例中1例で認めた.今回の検討では,三角筋のMMTが低い症例で,臨床成績が不良であった.
  • 浅野 博美, 寺林 伸夫, 川島 健志, 秋山 治彦
    2019 年 43 巻 3 号 p. 790-794
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     一次修復不能な腱板断裂に対する鏡視下腱板部分修復術(PR)とリバース型人工肩関節置換術(RSA)の術後成績を比較検討した.2012年1月から2017年4月までに当科で施行し,1年以上経過観察可能であった症例を対象とした.PR群は10例10肩,RSA群は12例12肩であった.肩関節自動可動域,JOA score(X線所見・関節安定性を除く80点満点)を比較検討した.術前のHamada分類 Grade 3以上の症例は有意にRSA群で多かった.術後1年の屈曲可動域はRSA群で有意に改善していたが、PR群では有意な変化を認めず、術後可動域に関しては両群間に有意差を認めなかった。外旋可動域は両群ともに術後有意な変化を認めなかった。JOA scoreは両群ともに術後有意に改善した.PRとRSAの短期成績はいずれも良好であった.関節症性変化の少ない症例ではPRも有用な選択肢の一つである.
  • 坂井 邦臣, 渡邉 智恵
    2019 年 43 巻 3 号 p. 795-802
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     ARCRの術後理学療法プランを術中の鏡視所見による腱板断裂のサイズに従って,early・standard・lateの3つに分類し,疼痛・機能・再断裂の有無を検討した.腱板断裂サイズの横径が1cm以下かつ,修復腱板の質が良いものをearlyプラン,1cm以上だが修復腱板の質が良いものをstandardプラン,質が不良のものをlateプランとした.earlyプランは術後3週間の外転装具固定後にある程度の日常生活での使用を許可.standardプラン,lateプランはそれぞれ約3週ずつ遅らせる理学療法プランとした.earlyプランでは疼痛・機能ともに良好で腱板の再断裂率も低かった.standardプランでは疼痛・機能ともに良好であったが,再断裂率が16.7%と高かった.lateプランでは疼痛の改善は得られたが,機能の改善は得られなかった.今回の結果を元に術後理学療法や術式を再検討したい.
  • 吉冨 洋樹, 岩噌 弘志
    2019 年 43 巻 3 号 p. 803-806
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
    はじめに:Suture bridge法(SB法)による鏡視下腱板修復術の内側列の縫合に関しては賛否ある.今回,応力集中を回避するため内側列を隣のアンカーからの異なる糸を結んで腱板の前後方向に橋渡しをして抑え,外側へbridgingをする新しいSB法(T shaped Suture bridge法,TB法)を考案したためその術式と再断裂率を報告する.
    方法:2016年10月から2017年11月に行った初回手術41例を抽出した.術後6か月でMRIを撮影し,菅谷分類で再断裂率を評価した.
    結果:SB群は19例,TB群は22例で背景に有意差なし.SB群の4例(21.1%)に,TB群の1例(4.5%)に再断裂を認め,TB群に有意に少なかった.
    結論:TB法で良好な術後腱板修復を得た.dog earを作らず,内側の応力集中も抑える可能性がある有効な術式であると考える.
  • 竹田 敦, 三幡 輝久, 長谷川 彰彦, 河上 剛
    2019 年 43 巻 3 号 p. 807-810
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     肩上方関節包再建術後に肩筋力が改善するかを検討した.修復困難な腱板断裂に対して鏡視下肩上方関節包再建術を行い,術後1年以上経過観察が可能であった26人を対象とした.術前および最終経過観察時における肩等尺性筋力(外転,外旋,内旋),肩関節痛(安静時痛・運動時痛),JOA scoreを調査した.肩筋力は,鏡視下肩上方関節包再建術を行うことにより肩下垂位における外転・外旋・内旋筋力および,肩90度外転位における外転・外旋・内旋筋力はいずれも有意に増加した(p<0.001).肩関節痛のVASは安静時痛・運動時痛とも有意に減少し(p<0.001),JOA scoreも有意に増加した(p<0.001).肩上方関節包再建術を行うことにより肩上方安定性が正常化し,さらには除痛が得られたことによって三角筋および残存する外旋筋(棘下筋と小円筋),肩甲下筋による筋出力が増加し,肩筋力が改善したと考えられた.
  • 木村 岳弘, 諸岡 正明
    2019 年 43 巻 3 号 p. 811-814
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     前上方腱板断裂に対して,先に肩甲下筋腱を修復してから棘上・棘下筋腱を修復する従来法と棘上筋腱と肩甲下筋腱を同時に修復する方法との治療成績を比較検討した.前上方腱板断裂に対してsuture bridge法で修復を行った29肩を対象とし,従来法(A群)が16肩,同時修復法(B群)が13肩であった.JOA score,可動域,MRIによる再断裂率について評価した.術後のJOA score,可動域は両群間で有意差は認めなかった.MRIにおける再断裂率は,A群では棘上・棘下筋腱が31.3%,肩甲下筋腱が12.5%であり,B群では棘上・棘下筋腱が15.4%,肩甲下筋腱が0%であり,両群間に有意差は認めなかった.前上方腱板断裂の修復では必ずしも肩甲下筋腱を先に修復する必要はなく,断裂形態によっては棘上筋腱と肩甲下筋腱を同時に修復する方法は有用であると考えられた.
  • 石毛 徳之, 黒田 重史, 荻野 修平, 石井 壮郎, 三笠 元彦
    2019 年 43 巻 3 号 p. 815-817
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     前方挙上90度未満の腱板大・広範囲断裂に対する鏡視下骨孔腱板修復術(ATOS)の治療成績につき報告する.2013年4月から2017年3月までにATOSを施行した541肩中,罹病期間3カ月以上,前方挙上90度未満の10例10肩{男性4肩・女性6肩,右9肩・左1肩,平均年齢67.2歳(51-76),平均罹病期間10.4カ月(3-36)}を調査した.術前後JOA score(X線・安定性を除く80点満点),術前MRI断裂内外径・前後径,術前棘上筋・棘下筋萎縮(Occupation ratio:OR)を計測した.70歳未満を若年群,70歳以上を高齢群とすると,術前平均断裂内外径は若年群36.3mm・高齢群39.4 mm,同様に断裂前後径35.3 mm・29.9mm,棘上筋OR 36.3%・30.4%,棘下筋OR 63.5%・74.4%で有意差はなかった.再断裂は若年群1肩・高齢群0肩であった.機能項目では若年群で外転筋力,耐久性,ADLは有意に改善したが,高齢群ではADLのみ有意に改善した.平均JOA scoreは術前若年群32.9点・高齢群35.4点から術後一年でそれぞれ71.9点・62.3点と有意に改善したが群間での有意差はなく,ATOSは前方挙上90度未満の腱板大・広範囲断裂に対して有用な治療法であった.
  • 鶴田 大作, 鈴木 朱美, 結城 一声, 宇野 智洋, 高木 理彰
    2019 年 43 巻 3 号 p. 818-821
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     Speed BridgeTMによる鏡視下腱板修復術の手術成績について検討した.2015年11月から2017年4月に本法による腱板修復術を行った11例11肩を対象とした.手術時平均年齢63歳で,男性6肩,女性5肩.断裂の大きさは,平均2.1 cmで,肩甲下筋腱断裂は4例に合併した.全例鏡視下に内外側計4本のアンカーと2組のテープを用いた腱板修復と肩峰形成を行った.手術成績はJOA score, Shoulder 36(S-36), QuickDASH(Q-DASH), 肩等尺性筋力(N)を術前後で比較した.また,術後1年のMRIを菅谷分類で評価した.術後経過観察期間は平均17か月で,可動域を除くJOA scoreの各項目,S-36の各ドメイン,Q-DASH,内旋を除く肩等尺性筋力は,術後有意に改善した.術後MRIでは,全例type IかIIであった.大きさが3 cm程度までの腱板断裂に対しては,本法は有用な方法であると思われた.
  • 原田 伸哉, 石谷 栄一, 後藤 昌史, 河上 淳一, 烏山 昌起, 今井 孝樹, 志波 直人
    2019 年 43 巻 3 号 p. 822-825
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     鏡視下腱板修復術(ARCR)後再断裂例の満足度と臨床成績の関連性を調査した.
     ARCR術後1年のMRIで再断裂を認めた15例を対象とし,満足度にはWestern Ontario Rotator Cuff Index のEMOTIONカテゴリーを使用し,満足群7例・不満足群8例に分け,臨床成績と再断裂の大きさとの関連を調べた.JOA スコアは総計,疼痛,可動域(全てP > 0.05),可動域は下垂外旋角度(P > 0.01),疼痛は運動時痛・夜間痛(P > 0.01およびP > 0.05),断裂前後径(P > 0.05)で,満足群が有意に成績良好であった.再断裂例の満足度には,前後径サイズ,JOA スコア,疼痛,外旋可動域が関連することが示唆された.
  • 岩下 哲, 橋口 宏, 大久保 敦, 米田 稔, 高井 信朗
    2019 年 43 巻 3 号 p. 826-830
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     ARCR例に斜角筋ブロック,麻薬静脈投与を行い除痛効果と合併症を検討したので報告する.ARCR施行例に持続斜角筋ブロックを行った持続群,単回斜角筋ブロックを行った単回群,麻薬静脈投与を行った静脈群,いずれも行わなかった対象群に分け鎮痛薬使用量,VAS,合併症を比較検討した.さらに単回斜角筋ブロックでロピバカイン濃度の違いによる検討も行った.帰室時,帰室1,6時間のVASは他群と比較して単回群と持続群で有意に低値であった.術翌日のVASは持続群で有意に低値であった.単回斜角筋ブロックで使用濃度の違いによるVASに有意差は認められなかったが,手指の運動・感覚障害を高濃度ロピバカインで高頻度に認めた.ARCR後の除痛目的として斜角筋ブロックは有効であった.単回斜角筋ブロックで低濃度ロピバカインは合併症率が低く十分な除痛効果を獲得することが可能であった.
  • 上條 秀樹, 菅谷 啓之, 高橋 憲正, 松木 圭介, 渡海 守人, 森岡 健, 上田 祐輔, 星加 昭太, 濱田 博成, 竹内 康剛, 土 ...
    2019 年 43 巻 3 号 p. 831-834
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     肩甲下筋腱単独損傷の報告はまれであり,術前の断裂の大きさによって臨床成績を比較したものはこれまでみられないため報告する.2010年4月から2017年12月までに当院で鏡視下腱板修復術を施行した2539例のうち,肩甲下筋腱単独修復術を施行した41例を対象とした.手術時平均年齢は59歳,術前のMRIおよび鏡視所見からLafosse分類を用いて手術前後の臨床成績,術後1年のMRIでの再断裂の有無について調査した.41例の臨床成績は術後有意に改善した.断裂サイズが大きいほど術後成績は不良であり再断裂も多かった.肩甲下筋腱単独損傷に対する鏡視下手術は有用であった.大きな断裂には注意が必要である.
  • 海江田 英泰, 栫 博則, 海江田 光祥, 泉 俊彦, 廣津 匡隆, 藤井 康成, 谷口 昇
    2019 年 43 巻 3 号 p. 835-838
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     近年,鏡視下腱板修復術において上腕二頭筋長頭腱切腱術や腱固定術が行われる機会が増加している.いずれの術式も肩関節における上腕二頭筋機能には影響しないとの報告が見受けられるが,上腕二頭筋が主動力筋である前腕回外筋力を評価した報告は少ない.
     また前腕回外筋力評価には大型の測定機器が必要で日常診療では非現実的である.今回一般的に使用できる徒手筋力計を用いた前腕回外筋力測定装置を考案し,その信頼性を評価した.肩・肘関節に愁訴の無い15肩に対し,大型の多用途筋機能評価運動装置BIODEX®と我々が考案した装置での計測値を比較した.我々の装置は徒手筋力計である mobie®と計測用のハンドルを板に固定し,これらを金属プレートで連結したものである.二つの測定値の相関係数は0.89,級内相関係数は0.79でその信頼性は十分であった.前腕回外筋力は利き手側が非利き手側より有意に大きく,その比は平均1.1であった.
神経疾患
  • 桐村 憲吾
    2019 年 43 巻 3 号 p. 839-843
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     脳卒中患者54名の麻痺側肩亜脱臼に対し,座位・臥位での麻痺側と非麻痺側の上腕骨頭と関節窩の関係を評価した.座位上肢自然下垂位と,臥位上肢自然肢位のレントゲン肩正面像を麻痺側・非麻痺側で撮影し,肩峰骨頭間距離(AHI)と上方回旋角を比較検討した.座位AHIは麻痺側18.06 ± 8.03mm,非麻痺側10.55 ± 1.59mm,臥位 AHI は麻痺側11.44 ± 2.49mm, 非麻痺側9.98 ± 1.45mmであり,座位と臥位のAHI差は麻痺側6.62 ± 6.7mm, 非麻痺側0.57 ± 1.37mm(P < 0.001)で座位の方が臥位に比べ大きかった.逆に上方回旋角差は麻痺側11.25 ± 5.48°,非麻痺側6.57 ± 5.09°(p < 0.001) と臥位が座位に比べ大きかった.脳卒中の麻痺により上肢は重力に抵抗できず下方に牽引されるが,非重力下で骨頭と関節窩のアライメントは改善した.
その他
  • 山田 均志, 永井 英, 鈴木 一秀
    2019 年 43 巻 3 号 p. 844-848
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
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     小中学生の投球障害肩の身体特性と保存療法における治療成績を検討することを目的とした.投球側肩痛を主訴に受診し,復帰までの経過観察が可能であった小中学生の野球による投球障害肩15例(平均12.4才)を対象とした.検討項目は単純レ線像の異常の有無により上腕骨近位骨端線損傷無し群(Pain群)と上腕骨近位骨端線損傷群(LLS群)の2群に分類し,機能低下部位,LLS群の骨端線修復までの期間,投球禁止期間,復帰までの期間を比較検討した.機能低下部位について2群間では有意差を認めなかったが,柔軟性やバランス能力などの機能低下を両群ともに高率に認めた.投球禁止期間,復帰までの期間はLLS群では有意に長期間を要した.投球障害の治療は単なる投球禁止のみではなく,メカニカルストレスの軽減や投球フォーム改善へ向けた柔軟性の獲得や機能低下部位に対する運動療法を行うことが重要であると考える.
  • 竹島 稔, 森原 徹, 木田 圭重, 近藤 寛美, 久保 俊一
    2019 年 43 巻 3 号 p. 849-854
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     過去にわれわれはbiceps-radial MRI(BR-MRI)による上腕二頭筋腱長頭(LHBT)病変およびpulley病変の有用性について報告してきた.今回われわれはBR-MRIによるスポーツ肩障害に伴うpulley病変診断の詳細について検討した.肩関節鏡手術を施行したスポーツ肩障害症例からHabermeyer分類group1-4を示した4例4肩を抽出した.BR-MRI所見と関節鏡所見を比較して特徴的所見を検討した.BR-MRIで関節上結節から結節間溝までLHBTおよびpulleyの連続横断面を追跡できるためpulley病変を診断可能であった.pulley病変の術前診断には造影MRIが用いられるが,BR-MRIは侵襲なく同程度の正確度を有する.BR-MRIは結節間溝入口部の描出力に優れており,LHBT不安定性およびpulley病変を有するスポーツ肩障害の微細な診断に有用と考える.
  • 鈴木 昌, 磯崎 雄一, 田鹿 佑太朗, 筒井 廣明, 西中 直也
    2019 年 43 巻 3 号 p. 855-859
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
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     手術加療を行った肩関節拘縮症例について検討した.肩関節拘縮の診断のもと鏡視下手術を施行した37肩を,腱板断裂の有無で断裂あり群18肩となし群19肩に分けた.ASD施行数の調査と,2群間においてISAKOSの定義に基づく高度な拘縮症例の有無の比較を行った.また術前と最終経過観察時のJOA score,visual analog scale(VAS),肩関節可動域それぞれの比較も行った.ASDは断裂あり群17肩(94.4%),なし群17肩(89.4%)に施行された.高度な拘縮症例の有無については2群間で有意差を認めなかった.JOA score,VAS,肩関節可動域は両群ともに術後有意に改善した.両群ともにASDを高率に要し,肩峰下インピンジメント現象が動態にて確認された.高度な拘縮は全層断裂でも生じており,疼痛コントロールが得られない腱板断裂合併例では,鏡視下に腱板修復と授動術を同時に行うことで,良好な結果が得られると考えられた.
  • 木村 亮介, 鈴木 昌, 古屋 貫治, 田鹿 佑太朗, 筒井 廣明, 西中 直也
    2019 年 43 巻 3 号 p. 860-862
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル 認証あり
     肩関節拘縮に対する鏡視下授動術前後の可動域の推移と臨床成績を検討した.鏡視下授動術を施行し,術後1年以上経過観察し得た17例17肩(男性8肩,女性9肩),平均年齢57.9歳(49~70歳),平均経過観察期間16.3か月(14~23か月)を対象とした.術前と術後1年の可動域(屈曲,外転,下垂位外旋)およびJOAスコアの比較ではいずれも有意に改善したが,下垂位外旋は術直後に得られた可動域に比べ術後1年で有意に低下していた.術後4週と術後1年の外旋可動域の相関を調査すると有意な正の相関を認めた.術後1年の臨床成績はおおむね良好であったが,術後早期から良好な外旋可動域を獲得することの重要性が示唆された.
  • 望月 智之, 中川 照彦, 岡村 健司, 菊川 和彦, 菅谷 啓之, 杉本 勝正, 鈴木 一秀, 高瀬 勝巳, 名越 充, 橋口 宏
    2019 年 43 巻 3 号 p. 863-873
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/13
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     本アンケート調査は①適切な保険診療報酬の要求,②学術的なプロジェクト計画の資料作成,③肩関節手術の実態把握の目的にて行われた.2017年1月から12月の1年間に実施された肩関節手術を対象とし,日本肩関節学会員1523名に対してアンケート調査を行った.回答は1施設につき1部とした.1035施設に送付し183施設から回答があり,回収率は 17.7 %であった.総計24713件の手術のうち鏡視下手術が14467(59%)を占めた.リバース型人工肩関節置換術は1024件(4.1%)施行された.合併症発生率では腱板障害に対するリバース型人工関節置換術で14%と最も多く発生しており,肩峰・肩甲棘骨折(4.0%),上腕骨骨折(2.2%),神経損傷(1.8%)が高率に発生していた.上記目的に加えて,本調査で得られた合併症発生率はインフォームドコンセント等に有用なデータとなると考えられた.またアンケート回収率および正確性を向上させる対策が必要であると考えた.
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