風工学シンポジウム論文集
第22回 風工学シンポジウム論文集
選択された号の論文の72件中51~72を表示しています
  • 相原 知子, 寺崎 浩
    p. 299-304
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
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    ルーバーやパンチングメタルなどの通気性のある建築材料は,建築物の外装材として用いられる場合がある。しかし,通気性材料や通気性材料に覆われている外壁に作用するピーク風力係数については不明な点が多い。そこで,我々は壁面が通気性材料によって覆われている高層建築物を対象とした風洞実験を行った。ただし,模型の縮尺率は1/300であるため,通気性材料は角穴並列型の金属プレートによって再現している。この結果,我々は金属プレートの開口率と角穴の寸法および通気性材料と壁面の距離などが風圧実験の結果に与える影響について概ね把握することができた。
  • 武田 文義, 吉野 達矢, 植松 康
    p. 305-310
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
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    本研究では,構造解析とCFD解析に基づき,膜構造形式の片流れ独立上屋の設計用風力係数が論じられている。剛模型を用いた風洞実験から得られた風力係数の適用性が,荷重効果の観点から調査される。また,風力に関する屋根変形の影響と,その結果として生じる荷重効果の影響についても調査される。
  • 寺崎 浩, 植松 康
    p. 311-316
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
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    高層建物は弱風から台風などの強風時を含め、常に風外力にさらされており、風外力は地震外力に比べて継続時間が極端に長いという特徴を有するため、外装材は疲労損傷を受けやすいと考えられる。疲労損傷の適切な評価や防止は重要であり、風向の変化や外装材部位別に疲労損傷を評価している研究は少ない。本報告では、高層建物の帳壁に着目し、高層建物に作用する外力として基本角柱の変動風圧実験結果に基づき、疲労損傷を帳壁部位毎に評価することを試みた。
  • 丁 威, 中村 真奈, 田中 賢, 植松 康
    p. 317-322
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
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    近年,スポーツ施設やイベント会場などの大空間構造が盛んに建設されている。大スパン構造物は,一般に面外剛性が小さくなるために固有振動数が低下し,変動風の共振効果により動的応答が増幅する。さらに,変形により風の流場が変化し,屋根の振動に依存した風力が新たに発生する。そして,このような風力は,大スパン構造物に用いられる軽い屋根に対しては影響が大きくなるのである。よって,本研究の目的は,曲面形状を有する大スパン屋根を対象として,振動依存風力(振動によって生じる付加的な風力)の特性を把握するとともに,屋根面の振動と気流の相互作用を考慮した耐風設計手法の提案を行うことである。本研究では壁付の円弧屋根(2次元モデル)の逆対称1次モードの振動を対象とし,風洞気流中で強制加振実験を行い算出した非定常空気力の特性について評価する。また,実際の大スパン曲面屋根を想定し,実験で求めた空力剛性係数と空力減衰係数を用いて非定常空気力を考慮した動的応答特性について検討する。
  • 劉 暢達, 首藤 康之, 前田 潤滋
    p. 323-328
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
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    本論では,両径間長が異なる場合の送電線に作用する吹上風に着目し,このような状況下での鉄塔に作用する電線不平均張力が鉄塔の変形挙動に及ぼす影響を検証した。その結果、以下の所見が得られた。(1)      吹上風が両側径間に作用する場合,吹上角の大小にかかわらず,不平均張力への影響は小さい.(2)  両側径間に同じ静的水平風を作用させた状態で,吹上風を片側径間に作用させると,径間長差にかかわらず,吹上角の増加に伴う不平均張力荷重は顕著に増大する.風速変動を考慮すると,不平均張力の最大値は静的解析値より極めて大きくなり,風速増加とともに吹上風の影響は小さくなる.
  • 金 容徹, 田村 幸雄, 吉田  昭仁
    p. 329-334
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
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    周辺建物群内の低層建物に対して風洞実験を行い、変動風圧および変動風力の特性を検討した上で、風荷重の組合せを含む風荷重算定法を提案した。接近流の模型頂部風速で無次元化した場合、対象低層建物の最大・最小風圧係数は平面密度と共に小さくなるが、ローカル頂部風速で無次元化した場合、最大風圧係数は平面密度と共に大きくなった。これは模型位置でのローカル速度圧が風圧より大きく減少するためである。周辺建物群内の対象低層建物の風荷重の算定に対する2つ考え方を紹介し、interference effect approachに基づいてshielding factorを導入し異なる平面密度に対する風荷重算定法を提案した。また、単純フレームモデルの柱に生じる縁応力度より組合せ係数のshielding factorも提案した。本研究で提案したshielding factorは平面密度のみの指数関数で表すことができた。
  • -日本の設計基準値との比較-
    ガヴァンスキ 江梨
    p. 335-340
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
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    本論文では日本で用いられている外装用板ガラスの許容耐力と設計用風荷重に関して、板ガラスの破壊を支配している疲労特性を考慮し、その適性を検討した。許容耐力に関しては、外装用板ガラスの実大破壊実験結果にてその妥当性が確認されている数値シミュレーションを用いて計算し、この結果と建設省告示1458号で規定されている値の比較を行った。一方、設計用風荷重に関しては、「デザイン台風」の風圧時刻歴を作成し、これを用いて等価静的荷重を計算した。そして計算結果を建築物風荷重指針の規定値と比較した。
  • 松井 正宏, 大熊 武司, 田村 幸雄
    p. 341-346
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
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    設計風速の設定には,設計で想定する再現期間に合わせて,台風モデルを用いたモンテカルロシミュレーションや,過去の気象観測記録に基づく確率・統計的手法が用いられる。これらの手法によって代表風速が求められるが,風速の時間変化までは求められない。現在の規基準類で与えられる設計風速は,最大風速のみであるので,上記のような複雑な評価を行うことは難しい。本研究では,設計風速が台風により決まる場合に,その最大風速だけでなく,長時間に渡る風速の変化をどのように設定するかという問題を検討する。この問題に対応する方法として実観測記録をベースに台風モデルに基づくスケーリングを適用した再現性の高い台風時の風速を合成する方法が松井・大熊他(2009)により提案された。本報告ではこの手法を用い,風向の評価方法,平均化時間の考え方を明らかにしつつ,具体的な設計風速時刻歴生成例を示し,その性質を検討する。
  • 姜 詠, 野口 恭平, 奥田 慧, 倉田 直弥, 白土 博通, 八木 知己, 森下 尊久, 田中 雄三
    p. 347-352
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
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    高度経済成長期に建設された多くの既設橋梁の老朽化に伴い,それらを経済的・効率的に維持管理することが現在求められている.橋梁の老朽化には様々な要因が挙げられるが,その中でも飛来塩分は,鋼橋においては塗装の劣化や鋼材の腐食,コンクリート橋においては鉄筋腐食によるひび割れを促進するとされており,四方を海に囲まれた我が国においては,維持管理を考える上で配慮すべき重要な因子の一つであると言える.飛来塩分に関して様々な研究がなされているが,橋梁各部位に付着する塩分量を定量的に評価する手法は確立されているとはいえない.本研究は,実験と数値計算を基にした付着塩分量の計算手法を考案し,橋梁表面に付着する塩分量の定量的推定を可能にすることを目的としている.
  • 長谷部 寛, 小杉 翼, 畑元 詩音, 河合 泰斗, 中山 駿也, 野村 卓史
    p. 353-358
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
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    本研究では,橋梁まわりの飛来塩分量予測のため,可視化実験で用いられる煙の挙動を可視化画像の画像処理に基づき詳細に把握し,その知見から飛来塩分挙動を推定する方法について検討した. 正方形角柱まわりの流れ,2主桁橋まわりの流れを対象に,輝度の時系列および累積値を算出し,煙の濃度分布特性を検討したところ,剥離せん断層の内側と外側で濃度分布特性が大きく異なることが分かった.煙が供試体に到達した直後の段階では,剥離せん断層の内側には煙はほとんど入り込まない.時間が経過すると,供試体背後の流れの巻き込みに伴って徐々に後流域から剥離せん断層内に煙が入り込むが,煙を短時間だけ噴出した場合の輝度の累積値から判断して,基本的には剥離せん断層内の飛来塩分量は少ないと考えられる.
  • ファム バン フック, 野津 剛, 菊池 浩利, 日比 一喜, 田村 幸雄
    p. 359-364
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
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    セットバックした建物は屋根面や入隅部付近等に大きな局部風圧が生じており,その発生のメカニズムの解明が期待されている. 本研究では,空間解像度の異なる3種類の計算格子を用いてLES乱流モデルによる数値流体解析を行い,実験結果との比較により格子解像度による予測精度の違いを検討した.解析領域は長さ30mとして,平均風速の鉛直分布べき指数α=1/5の流入気流を発生するためにスパイヤーとラフネスブロックおよびフェンスを含めた風洞の助走路及び測定部分を忠実に再現した.入隅部付近の局部風圧を再現するには建物近傍および周辺で十分な高解像度の格子を利用する必要がある.また,建物近傍の平均流線の可視化によりその局部負圧の発生領域においては馬締形渦と円錐渦の3次元的な複雑な流れ場が生じていることを確認した.
  • 田中 英之, 大竹 和夫, 土屋 直也
    p. 365-370
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
    会議録・要旨集 フリー
    RANS系のモデルを用いたCFDは,市街地の風環境予測や風力発電予定地の風況予測に盛んに使われるようになってきており,実用化の段階に入っている。建築物に作用する風圧力の予測に関しても,風洞実験に基づく構造骨組用風荷重や外装材用風荷重を対象としてLESを用いたCFDの精度検証などが各機関で実施されており,実用化に向けた取組みがなされている。著者らもCFDによって建築物の風力を予測するため,周辺に市街地を配置しない状態での角柱や螺旋形状などを対象にLESコードの精度検証を実施してきた。本報では,より実務に近い条件で解析精度を検証するため,正方形角柱周辺に市街地を配置した風洞実験の結果と比較し,周辺市街地の影響を含めたモデルにおいてLESの予測精度を検証した。その結果,市街地がある場合であっても風力係数は実験値と良い対応を示していたが,外圧係数に関しては市街地の影響で予測精度が低下した。
  • -境界層スケール相似則を用いた高レイノルズ数流れへの変換-
    丸山 勇祐, 田村 哲郎
    p. 371-376
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
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    CFDによる風荷重算定においては、流入条件で与える気流の影響が結果に大きく寄与するため、種々の流入変動風の生成方法が提案されている。筆者らは、風洞実験のステレオPIV計測で得られる、3次元流速をLESの流入条件とする方法を提案し、PIVデータから計算用の流入変動風を作成した。しかし、PIV計測で得られる気流は低レイノルズ数のものであり、荷重の算定に当たってはより高いレイノルズ数の気流が必要とされる。ここでは、境界層スケール相似則に基づいて流入変動風のレイノルズ数を変換する方法を提案するとともに、PIV計測データから生成した流入変動風にこの手法を適用することを試みた。
  • 岡崎 純也, 丸山 敬
    p. 377-382
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では瓦に作用する空気力を6分力計によって明らかにし、その結果を用いて一様流中での瓦の6自由度の運動シミュレーションを行った。得られた計算結果と正方形平板の空気力特性を用いた同様な結果を比較しながら、瓦の飛散性状を検討した。その結果、瓦と正方形平板について落下地点の分布は風方向では大きな差は見られなかったが、風直角方向では瓦の方が少し拡がりが大きかった。地面到達時の終端並進速度には瓦と正方形平板であまり差がみられなかった。終端回転速度については、面内方向の軸まわりの回転に正方形平板では方向性が見られない一方、瓦ではある方向まわりの回転が卓越する傾向がみられた。
  • 由宇 弘樹, 大澤 輝夫, 香西 克俊, 山口 敦, 石原 孟, 中野 俊夫
    p. 383-388
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
    会議録・要旨集 フリー
    この研究は、WRF(the Weather Research and Forecasting model)を用いた台風時の強風再現計算において、四次元データ同化手法(FDDA)及び台風ボーガス手法の影響を調査することを目的とする。最近の10年以内に宮古島に風速20m/s以上をもたらした8個の台風を対象にしてWRFで全40回のシミュレーションを行い、計算された風を宮古島気象台の観測値を用いて検証した。その結果、FDDAは風の再現精度を向上させることが確認でき、特にグリッドナッジングはスペクトルナッジングよりも精度の高い風を再現することがわかった。また、台風ボーガスを用いることにより、風の再現精度が更に向上することも示された。よって、WRFを用いて台風の再現計算を行う場合には、台風ボーガスを用い、且つグリッドナッジングをかける手法が最も有効であると結論付けた。ただし、その手法でさえまだ問題が残っていることを最後に述べる。
  • 野津 剛, 田村 哲郎
    p. 389-394
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では複数の観測データのあるウインドファームを対象にLESを実施し、観測データと比較・検討することによりLESの予測精度を検証し、実地形問題への適用性を確認する。ここでは特に、地表面の粗度効果の違いが流れ場に与える影響を示す。さらに、接近流の乱れが複雑地形にどのように作用し、その結果どのように変化するかを明らかにする。
  • 木綿 隆弘, 澤出 憲昭, 小網 優理絵, 長尾 浩二, 河野 考昭, 小木曽 雄一郎
    p. 395-400
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
    会議録・要旨集 フリー
    本研究が対象とする風車は可変ピッチ式抗力型の垂直軸風車の一種であり,製作が容易で安価な平板翼を持つ.風車の回転軸と翼の回転軸がチェーンで連結されており,軸に付けられたスプロケットの歯数が1:2になっているため,ローターが一回転する間にブレードが半回転する.本研究では,平板翼のアスペクト比や翼枚数などの基本的なパラメータに対する特性を開放式回流風洞装置を用いて調べ,翼端板や翼前後縁に設置したリブによる風車出力向上についても検討を行った.その結果,(1)平板翼のアスペクト比が1の風車は見掛けの風車半径が大きいため,低周速比においてトルク係数が大きく,起動後の回転数の増加率も大きい.(2)最大出力係数はソリディティに依存し,ソリディティが0.75付近でピークを示す.(3) 出力係数は,翼に端板をつけることで増加するが,リブをつけることによる増加は見られない.(4) 尾翼角度を変化させることで風車回転数の制御が可能であるため,強風時の対策になることを明らかにした.
  • 内田 孝紀, 高橋 幸平, 大屋 裕二
    p. 401-406
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,最適周速比で運転するレンズ風車単体の後流域における気流性状,および,レンズ風車背後に形成される後流域に置かれた別のレンズ風車の発電出力の変化を数値シミュレーション(LES)により調べた.その結果,4Dの離隔距離でレンズ風車を2台配置した場合,レンズ風車の発電出力は通常風車よりも高いことが示された.
  • 髙橋 周平, 上野 祥彦, 大屋 裕二, 烏谷 隆, 内田 孝紀
    p. 407-412
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
    会議録・要旨集 フリー
    鍔付きディフューザ風車(レンズ風車)における支持構造の後流の影響を把握するため、3次元LESによる流れ場解析を行った。レンズ風車は洋上風力発電向けに大型化されるため、支持構造も大型化される。したがって、集風体無しの風車に比べてレンズ風車の方が、性能に対する支持構造の影響が大きいことに注目すべきである。これまでのレンズ風車周りの流れ場解析では支持構造を含めた例は無い。本論文では、支持構造の影響を把握するために流れ場解析を行った。その結果、支柱後流では流れが減速するが、集風体内壁近くでは減速が抑制されることが分かった。これは、集風体内壁が加速効果を有する翼の上面のように機能するためである。そのため、支柱後流における集風体近くの翼上面圧力分布は、支柱後流外の翼と同等となる。したがって、集風体近くの翼に働く空気力損失は翼根側に比べて小さい。また、翼に働くモーメントについては、主にトルクとピッチングモーメントが支持構造の後流により変動する。
  • 長井 知幸, 大屋 裕二, 烏谷 隆
    p. 413-418
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
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    九州大学の大屋等によって開発された集風体(ディフューザ)を持つ新しいタイプの風車は「レンズ風車」と呼ばれる.これは、サイクロイド断面とツバ構造を持つリング状のディフューザ後端面に積極的に渦を生成させて利用するという非流線型流体機械である.この渦によってディフューザの後流側に低圧部分を作り出し、風を引き込むことによって、従来の風車より2倍から5倍の出力が得られる.数値計算によってディフューザ周りの風の流れを解析した結果、渦の発生にディフューザ円周方向に沿った周期的な構造がみられた.この周期的構造を固定化することによって安定的な渦形成を促し風車の更なる効率増加を実現するために、我々は整流板を開発してディフューザに設置した.本報ではその風洞実験結果を報告する.
  • 中田 博精, 木綿 隆弘, 櫃田 禎大, 古路 裕子, 河野 孝昭
    p. 419-424
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
    会議録・要旨集 フリー
    防風フェンス上部にクロスフロー風車を設置し,クロスフロー風車を悪天候時と夜間に運転手に安全を喚起する誘導灯電源の風力発電用風車として利用する。本研究では,さらなる最適な風車設置位置を明らかにするために、風車とフェンスの水平位置を変化させ,各位置における風車出力特性および風車下流域の風速分布を風洞実験により調べた。その結果,フェンス上部にクロスフロー風車を設置し,フェンス上流側もしくは下流側に移動させることで風車単体の場合と比べて風車出力が増加することを示した.そして,風車の回転方向がCWの時,フェンス下流側にクロスフロー風車を設置した場合に,最大で風車単体と比べ約2.7倍の風車出力を得た.一方で,風車の回転方向がCCWの時,フェンス上流側にクロスフロー風車を設置した場合に,風車単体と比べ約2.2倍の出力を得た.さらに,風車回転方向をCWにした風車をフェンスに設置した場合には,フェンス単体の場合と比べ風車下流域の減速領域が大きくなることを明らかにした.
  • 比江島 慎二, 岡 圭人, 林 健一, 井上 浩男
    p. 425-430
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/04
    会議録・要旨集 フリー
    倒立振り子を用いた流力振動発電のエネルギー取得性能を検討するため水路実験を行った.倒立振り子は中空円柱から成り,バネの代わりに浮力が復元力として作用することで振動する.水路実験の結果,倒立振り子に生じる流力振動によって,極めて効率的に流れからエネルギーを取り出すことができた.また,細長い倒立振り子が一種の”てこ”として働くことによって,回転軸に大きなトルクが発生することが,高いエネルギー取得性能が得られる要因となっていることが明らかとなった.
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