風工学シンポジウム論文集
最新号
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  • 染川 大輔, 後藤 暁, 大塚 清敏
    セッションID: 1
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    高層建築物で問題となる風揺れを制御するために、しばしば採用される粘弾性ダンパーを対象として、設計時の初期外気温についての検討を行った。各気象台の観測記録と台風のベストトラックデータを用いて解析を行った結果、台風の強風域に入っている間の最高気温を設計値として用いる必要があり、台風通過時の気温の超過確率0.1 では各都市の年間の最高気温よりも台風通過時の最高気温が3~5℃低くなることを示した。また非台風時の強風についても調べたところ、粗度区分Ⅱ、地上高さ10m 相当の風速で15m/s 以下の風についてもダンパーの効果を期待する際には、非台風時の強風や気温も考慮に入れる必要があることを示した。設計のクライテリアの設定についてはダンパーごとの性質に依存するため一概に規定することは難しいが、ここで示した気温を用いることでより合理的な粘弾性ダンパーの設計が可能になると考えられる。

  • 藤部 文昭
    セッションID: 2
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    夏の沿岸域における風の日変化を,夕凪の特徴に重点を置いて統計的に調べた.その結果,多くの地点では夕方に海風が弱まった後,夜間を通じて弱風状態が続くことが見出された.その意味で,「海風と陸風の交代に伴う一時的な風速極小」としての夕凪は,必ずしも普遍的な存在ではない.しかし,夕方に海風が弱まった後の高温弱風状態自体は多くの沿岸地点で現れることから,この状態が夕凪の暑熱感として認知されている可能性が示唆された.

  • 守永 武史, 毛利 英明, 八木 俊政, 森 一安, 萩野谷 成徳
    セッションID: 3
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    境界層乱流の応力一定層において, 中立時では流れ方向の平均風速と流れ方向の風速変動の分散が固体面からの距離の対数の関数として記述されることが知られている。また, 受動的なスカラー濃度についても対数則の存在が知られている。本研究では, 安定成層の場合に関して, 対数則を風洞実験で調査した。流入風速と風洞床面温度を変えることによって安定領域を作成した。少なくとも良い近似として, 対数則が流れ方向の風速変動と温度変動に関して見られた。対数則のパラメータが境界層の安定度にどのように依存するのか考察する。

  • 岸田 岳士, 佐藤 歩, 瀧本 浩史, 小野 浩己
    セッションID: 4
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    ドップラーライダの計測精度に関する研究はこれまでに多く報告されている。しかしながら,同時観測により計測精度を検討した例は少なく,特に、複雑地形を対象とした検討事例はほとんどない。本研究では、複雑地形上で3種類の異なる機種のドップラーライダによる同時観測を実施し、計測精度の機種による違いについて検討した。その結果、ドップラーライダにより観測した上層風はレーザー発射角などの条件が同等であれば複雑地形上でも同じ結果になることがわかった。一方、レーザー発射角の条件が同等でない場合には,風向や観測高さにより異なる計測結果となることがわかった。周辺地形が観測点周辺の気流に与える影響を検討するために数値モデルにより予測した。周辺地形の影響で風速の変化が大きくなる場合に,ドップラーライダの計測結果が機種により異なる結果となることを示した。

  • 三浦 悠, 大橋 唯太, 名越 利幸, 那須川 徳博, 黒坂 優, 寺尾 徹
    セッションID: 5
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    愛媛県大洲市長浜地区では、寒候期に「肱川あらし」という強い地峡風が肱川に沿って発生する。この肱川の10km上流には夜間に冷気湖が形成される大洲盆地が存在している。本研究では、2017年10月25日~2018年3月25日の5か月間にわたって、肱川あらしの気象観測を実施した。その結果、以下の特徴が明らかとなった。(1)盆地の大洲と沿岸の長浜のあいだの水平気圧差(ΔP)が1hPaを超えると、肱川あらしは総観スケールの擾乱を相殺して発生することができた。(2)gap下流側にあたる大和と長浜のあいだのΔPは、上流側の大洲と大和のあいだの約6倍に相当していた。このように、gapの特徴的な地形によって、大和と長浜のあいだのΔPは強められていることがわかった。

  • 丸山 敬, 泉 知宏, 玉城 麿
    セッションID: 6
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    本研究ではWRFおよびキャノピーモデルを組み込んだLESにより地上付近の変動風速場の再現計算を試みた.LESによる計算では、キャノピーモデルにより地表面粗度として建物や植物を取り込むために必要となるパラメータをGIS上の数値データを用いて抽出する方法を提案した.観測記録のある台風1618号通過時の地上付近の変動風速場を再現し、格子解像度、地表面粗度としての建物と植物が計算結果に及ぼす影響を検討した.その結果,地表面粗度の影響を考慮しない場合よりも植物の影響のみを取り入れた場合の方が、植物の影響のみを取り入れた場合よりも建物と植物の両方の影響を取り入れた場合の方が、風速変動をより高周波数側まで再現できることが示された.さらに、今回のケースでは、平均風速だけでなく最大瞬間風速も観測値に近い値を得ることができ,本研究で提案した方法で,建物と植物の両方の影響を粗度として取り込む計算を行なえば,地面付近の変動風速場をより現実に近いものとして再現できることが示された.

  • 佐々 浩司, 西井 章, 長野 陽菜
    セッションID: 7
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    Non-supercell tornadoes frequently occur on the gust fronts of cold outflows intruding to environmental flow. It is quite difficult to predict the genesis of such tornadoes because the generations of parent cumulonimbi and cold outflows are not represented by ordinal environmental indices. Therefore, we need to establish new indices to represent non-supercell tornado genesis. The present laboratory experiment aims to clarify the environment of non- supercell tornadoes which are generated on gust front of cold outflow intruding environmental flow. We reproduced such flow situation by using a cold outflow simulator and an environmental flow simulator. In the present experiment, we set the cold outflow simulator at 30 deg. in attack angle. We made stereo dynamic PIV and measured 3-D velocity field on the horizontal plane. The results showed that the rotating direction of tornado-like vortices was changed with velocities of the cold outflow and the environmental flow. A counter-rotating vortex pair was observed to generated by tilting. The tornado-like vortices are also found to have the downdraft region partially.

  • 北野 慈和, 服部 康男, 早田 直広, 野村 光春, 橋本 篤, 石川 智已
    セッションID: 8
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    送電用鉄塔の合理的設計には、風荷重の風向特性を考慮に入れた設計が効果的と考えられる。本論文では、特に台風の影響に着目し、日本全国の風向別風速極値の挙動の調査結果を示す。地上観測の年最大風速をもとに、風速極値の風向特性および台風と観測点との位置関係を調査した。多くの風向で、過去数十年(1961-2015)の最大風速と各年の最大風速は、台風接近時に観察される場合が多いが、西・北西風の場合は、台風非接近時に多いことが分かった。日本域において、台風により生じる西・北西風は、台風の強風域である進行方向の右側半径に生じにくい。本傾向を台風の風速分布と移動速度から説明を行う。

  • 服部 康男, 北野 慈和, 橋本 篤, 平口 博丸, 野村 光春, 早田 直広, 石川 智己
    セッションID: 9
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    数値気象予測・解析システムNuWFASによる力学的ダウンスケーリングにて整備された長期高解像度気象再解析データCRIEPI-RCM-Era2に基づく風向別風速極値の推定を実行し,その空間分布性状を精査した.年最大風速に対するGumbelプロットの挙動を確認した後,台風の接近・通過時の山岳域風下側におけるおろし風にともなう局所的な強風域の発生を解像度15kmを付与したダウンスケーリングでは十分に再現できないが,水平格子解像度5kmを付与したNuWFASによるダウンスケーリングを施したCRIEPI-RCM-Era2が捕捉しうることを把握した

  • 友清 衣利子
    セッションID: 10
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    台風等の強風下では,その風速の大きさと建物の被害に関連があることが報告されているが,同程度の風速であっても被害率には大きなばらつきがある.これまでにも精確な住家被害率の推定が試みられてきたが,まだ精度改善の余地がある.推定精度が向上しない要因として,個々の建物の構造特性や周辺環境が検討されていないことが考えられる.本論では,台風9119号で被災した佐賀県内の50戸に対して実施されたアンケート調査に基づき,屋根や開口部被害拡大に及ぼす建物および宅地に関する影響因子と被害程度との関連を調べた.この地域では,建築面積,風向方向の宅地の開放度および建物の棟の向きと屋根の被害程度とに若干の相関がみられた.また,風向方向に面する開口部が雨戸等で保護されていない場合に,飛来物によって破損する事例が多く,開口部の被害は建物が隣接している場合に発生しやすいと考えられる.今後,さらに多くの事例を検討する必要がある.

  • 野田 稔, 趙 昱喬, 長尾 文明
    セッションID: 11
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    一様流中における飛散物の飛行特性を立川数が支配していることは良く知られている。しかし、竜巻のようにあるスケールを持って速度分布が与えられる流れ場においては、立川数に流れ場のスケールが含まれていないため、その流れ場の中に置ける飛散物の飛行特性は十分に説明できなかった。本研究では、そのような速度分布を持った流れ場における飛散物の飛行特性を支配するパラメータを、流れ場の代表風速と代表スケールを用いた運動方程式の正規化によって調べた。さらに、1セル型、2セル型の竜巻状流れにおける飛散物の飛行特性に対する流れ場スケールの影響を調べた。その結果、飛散物の飛行特性は、ρ?(C_D A)?m?ε と gε?(U_0^2 )の2つのパラメータによって支配されていることが明らかとなった。

  • 劉 美智, 松井 正宏
    セッションID: 12
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    本研究ではステレオPIVシステムを構築し,竜巻状発生装置を用いてスワール比を3通り変化させた竜巻状渦の速度3成分を計測した。その結果,接線方向成分は床面付近に極大値を示した。最大旋衡風速半径は50mm程度,スワール比によって46mm-59mmと変化し,スワール比が大きくなるにつれて,大きな値となった。半径方向成分は床面近くに強い収束があり,床面から遠い高さでは0に近い値となった。鉛直方向成分は,スワール比が小さいケースでは渦中心に上昇流がある1セル型の特徴示した。しかし,スワール比が比較的大きいS=0.36では中心に下降流がみられ,2セル型の特徴を表し始めた。

  • 野田 稔, 趙 昱喬, 川畑 允人, 長尾 文明
    セッションID: 13
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    竜巻被害は、猛烈な風によって生じる過大な風圧力とその風に運ばれてくる飛散物の衝突によって発生することは良く知られている。両者を支配するのは竜巻の流れ場であり、旋回流、収束~上昇下降流が組み合わさった複雑な流れであり、円筒座標系で見た場合、接線速度、動径速度、鉛直速度の分布で表現されるが、この分布を正しく評価することが非常に重要である。本研究では、移動床付マルチファン・マルチベーン式竜巻シミュレータによって生成した静止竜巻状流れ場を3D-PIVによって計測し、特に動径成分、鉛直成分の分布について近似関数による評価方法を提案する。

  • 豊田 将也, 吉野 純, 小林 智尚
    セッションID: 14
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    台風の最大風速半径は,地上風速および地上気圧の解析には必要不可欠なパラメータであるが,観測がほとんど存在せず,直接的に入手可能な情報ではない.そこで,本研究では,解析値と観測値に基づいて重回帰分析を行い,最大風速半径の推定式を提案した.解析に使用したデータは,高解像度台風モデルによってシミュレーションされた高解像度台風再解析を用いており,台風に関する観測値は,気象庁ベストトラックデータを採用した.本研究で提案した推定式は,気象庁ベストトラックから入手可能な,最大風速,暴風域半径,強風域半径,および台風の中心緯度という独立したパラメータから構成されており,既往研究において他の手法で推定された最大風速半径とも高い整合性を示した.

  • 松井 正宏
    セッションID: 15
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    近年報告される竜巻等の突風による被害調査をみると,過大な風圧力による構造骨組や部材,屋根ふき材,外装材の損傷とともに,飛来物による外装材,建具等への被害が数多く報告されている。外装材の耐衝撃性能については,ASTM E 1996-4, ISO16932等に加撃体の条件や試験方法が規定されており,日本でも災害拠点建築物に対して,河井らによる飛来物対策評価法が提案されている。これらの飛来物による影響は衝撃試験によることが多く,2×4角材等を飛来物の代表として,外装材などの対象物に高速で衝突させる衝撃実験が工夫されている。また,原子力発電施設のような重要構造物では飛来物の影響評価が求められており,衝撃試験が行われている。衝撃試験に際して,加撃体射出速度をコントロールするためには加撃体発射に用いる空気タンクの空気圧と射出速度の関係が既知である必要があるが,これまでの衝撃試験では,本試験前に予備実験を実施して,加撃体毎に経験式を求める必要があった。本研究では,衝撃試験装置を開発し,合わせガラスとアルミサッシ試験体への衝撃試験を試みた。特に,衝撃試験に先立って実施される加撃体の衝撃速度の調整に必要な予測式を導出し提案した。

  • 比江島 慎二, 伊藤 隼, 栗岡 大滋, 坂平 薪志, 花房 夕里子, 上田 剛慈
    セッションID: 16
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    VENUSブレードはギャロッピングの原理を利用した革新的なタービンブレードである.本研究では,翼端渦の抑制によってVENUSブレードのエネルギー取得性能を改善するため,VENUSブレード先端にウィングレットを与えたり,ブレード全体に楕円形状の湾曲を与える改良を行った.水槽実験の結果,ウィングレットを与えたブレードは24%,楕円湾曲を与えたブレードは28%,それぞれエネルギー取得性能が向上した.これらの性能向上はいずれもトルクの増加に起因するが,楕円湾曲ブレードの場合は,回転速度の増加も性能向上に寄与することが明らかとなった.さらに,これらの改良を行ったVENUSブレードは,NACA0015翼型ブレードよりも高い性能を示した.

  • 西野 貴文
    セッションID: 17
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    An extended theoretical approach is proposed to predict the average power of wind turbines in a large finite-size wind farm. The approach is based on the two-scale momentum theory proposed recently for the modelling of ideal very large wind farms, but the theory is now generalised by introducing the effect of additional pressure difference induced by the farm between the upstream and downstream sides of the farm, making the approach applicable to real wind farms that are large but not as large as the size of the relevant atmospheric system driving the flow over the farm. To validate the generalised theoretical model, 3D Reynolds-averaged Navier-Stokes simulations of boundary layer flow over a large array (25 x 25) of actuator (drag) discs are conducted at eight different conditions. The results suggest that the generalised model could be embedded in a regional-scale atmospheric model to predict the average power of a given wind farm effectively. This approach may also be combined with the blade element momentum (BEM) theory for coupled wind turbine/farm optimisation.

  • 本田 明弘
    セッションID: 18
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    近年,洋上風力発電に関しては発電コストの低減に伴い,特に欧州において実用化段階にあり,各種の設備投資も進行中である。 特に大規模な洋上ウィンドファームの開発において,その風況の評価はプロジェクトの採算性を大きく左右するため,洋上において風況観測が行われる場合が多い。 日本においては,昨年NEDOが公開した ‘NeoWins’などの風況マップが用いられる場合が多いが,洋上での風況観測は限られる。特に予期の計画段階においては,洋上での風況観測は観測塔を設置する費用が膨大となり,簡便な観測方法が望まれる。著者は,風況に優れているとされる,北海道と本州の間における津軽海峡において,定期的に運航されるフェリーでの観測データを用い,航路における洋上風況の推定を試みた。 なお,本検討は環境省「風力発電等に係るゾーニング導入可能性検討モデル事業」にて実施中のものであり,今年度いっぱいの計測予定のうち,冬季の半年分のデータを取りまとめたものである。

  • 渡邉 康一, 河原 信太郎, 大屋 裕二
    セッションID: 19
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    ウインドソーラータワー(以下WST)は,地表近くに高さの低い集熱部,その中央にタワー,タワー内の下部に風車をもつ発電プラントである.類似なものとしてソーラーチムニーがある.太陽光が得られるとき,日射による地面の加熱を通じて温室内の空気が暖められ,浮力によってタワー内に熱上昇風が創風される.ソーラーチムニーはこの熱上昇風により風力発電しており,WSTもこの原理を利用する.一方で,WSTはこの熱上昇風とは別種の内部上昇風も発生させることができる.それはタワー上部付近に横風が吹いたとき,上空風がタワー上部付近に低圧領域を生成することによりタワー内部の風を集めて吸い上げることによって上昇風を発生させるという,熱とは無縁の集風原理を用いることによるものであり,著者らの研究グループではこれら2つの上昇風を同時利用することによってWSTでハイブリッド発電する研究を進めてきた.効果的に内部上昇風を生成するタワー形状についても研究を続けており,過去の研究により,円筒型と比較して,ディフューザ型のタワーとした方が効率的に速い内部上昇風速が得られることが分かっている.また,上空風を利用する場合は,タワー上部に渦生成板を設置すると上空風に匹敵する内部上昇風速が得られることも分かった.本論文ではこれらの知見のもと,タワー縦横比を変化させた場合に,上空風の吸い上げ効果に与える影響についての研究結果を報告する.同じタワー高さでも,集風効率を維持したままタワーを太くできれば大きなブレード面積を確保することができ,スケール効果により発電量の増加が見込まれる.本研究では風洞実験にて縦横比の影響を検証した.

  • 山口 敦, 石原 孟
    セッションID: 20
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    In this study, a control logic of wind turbines by using fuzzy function is proposed and the effect of control logic on the power performance and the load on supporting structure is investigated. By using proposed control logic which uses fuzzy function and use the gain values calculated by loop shaping, the fluctuation of the rotor speed can be reduced. By adding additional loop from acceleration of the nacelle is introduced and it is shown that this method can effectively add additional damping and resulting damage equivalent fatigue load of the tower base moment is reduced while the other fatigue load does not increase. This indicates that the tower acceleration feedback is a effective tool to reduce tower load.

  • 北川 徹哉
    セッションID: 21
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    本研究においては,屋外イベントにおけるリスク対策のための情報提供を念頭に,気象要素と日程要素から成る複合要素が屋外イベントの入場者数の変動に及ぼす影響について分析する。具体的には,ファジィ測度とショケ積分を用いた分析手法を淡路花博および浜名湖花博の入場者数の日変動に適用し,複合的な要因を明らかにするとともに,双方の分析結果を比較する。また,基本的な要因分析手法である重回帰分析による分析結果との比較も行い,ファジィ測度・ショケ積分の手法を用いることの効果・利点について検討する。

  • 林 超, 大岡 龍三, 菊本 英紀, 佐藤 大樹
    セッションID: 22
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    単体建物周辺における高温排気ガスの拡散予測に関して、簡易圧縮性k-εモデルを用い、既往の風洞実験の再現解析および高浮力の予測解析を行なった。排出ガスの密度が環境空気の0.3倍の条件においては、非圧縮性モデルと概ね同様な結果を与え、実験値より大きな濃度予測値を与えた。しかし、実験値がない排出ガスの密度が環境空気の0.1倍の条件においては、簡易圧縮性モデルの方が浮力による加速度がより大きく働き、排出ガスの濃度がより上方に輸送されるような分布となった。両モデルによる結果の相違を浮力による加速度および乱流エネルギーと乱流エネルギー消散率の生産の傾向について考察を行った。

  • 本間 実季, 新井 千秋, 石田 泰之, 持田 灯
    セッションID: 23
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    近年、ヒートアイランド現象や気候変動によりもたらされる極端気象により、温熱快適性の悪化や熱的健康被害が問題となっている。その対策の一つとして樹木の活用が注目されている。樹木が屋外の風環境・温熱環境に及ぼす効果としては、①樹木の流体力学的影響、②樹木による短波・長波の放射減衰の効果、③樹木からの蒸発散に伴う潜熱を含む熱収支への影響、が挙げられる。放射環境の改善効果と蒸発散に伴う気温低減効果は樹木が多いほど高まるが、同時に湿度上昇や風速低減をもたらす。さらに、実都市においては植栽空間の管理・整備の手間やコスト等が増加することなどから、樹木の適切な配置間隔を見極めることが求められる。本研究では、樹木の配置間隔を段階的に変化させた4ケースを対象とした平衡状態における非定常熱収支解析及びCFDに基づく非定常流体解析を実施し、樹木の配置間隔の変更が歩行者空間のMRT、地表面温度、気温、絶対湿度、風速、乱流エネルギーの空間分布に及ぼす影響を評価した。さらに、樹木下を歩行する人間が各時刻に経験する環境条件下の各温熱環境要素及び非定常SET*の経時変化に及ぼす影響を定量的に評価した。

  • 川端 康弘, 山本 哲, 志藤 文武, 清野 直子
    セッションID: 24
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    気象庁大手町露場において,周辺環境が異なる2地点に熱電対温度計を設置し,気温の鉛直分布観測を行った.風通しの違いによる影響を調査したところ,周囲が物体に囲まれている方では風速が小さく,各高度の気温も高いことがわかった.また,気温変動の解析からは,プルームや冷気の下降の様子が捉えられた.この気温変動の乱流構造は開けた場所の方で顕著に見られた.周囲が物体に囲まれている場合,より低温な上層の空気と効率的な熱交換が行われないために,開けた場所よりも気温が高くなると考えられる.このような特徴によって両地点の気温差が生じている可能性がある.

  • 小野田 真帆, 石田 泰之, 渡辺 浩文, 山本 ミゲイル, 上田 裕洋, 持田 灯
    セッションID: 25
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    本研究では、上空の気流性状と地表付近の温湿度分布を併せた気候特性の把握を目的に、仙台市を対象に、ドップラーライダーを用いた中心市街地上空の気流性状の計測と小学校の百葉箱を利用した広域の温湿度の多点同時測定を同時に実施した。仙台管区気象台で観測された日中の主風向により、西風(内陸側からの風)の吹く日と海風(海側からの風)の日に測定日を分類し、以下の結果を得た。(1)西風日では、上空風は地表付近から上空まで概ね一様に西風であり、高さ約1000m以下で、1分から3分の間隔で上昇流と下降流が交互に発生していた。気温・絶対湿度ともに海沿いから内陸部にかけて時刻変化の傾向の差が小さく、気温は正午過ぎにかけて上昇し、絶対湿度は正午過ぎにかけて減少した。(2)海風日では、上空風は海風の層の上に西風の層が存在する構造となり、9時から11時まで海風の層の厚みが時々刻々と増加し、その後は16時まで約800mの厚みを維持した。海風が計測された高さ約800m以下で、約8分間隔で上昇流と下降流が交互に発生していた。海風の到達に伴い気温上昇の停止が海側の測定点から順に生じた。また絶対湿度は日中に上昇した。

  • 韓 梦涛, 大岡 龍三, 菊本 英紀
    セッションID: 26
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    格子ボルツマン法によるラージエディシミュレーション(LBM-LES)を用い、異なる格子解像度によるLBM-LESの精度検証及び有限体積法によるLES(FVM-LES)との精度比較を目的とした、単体建物周辺流れのシミュレーションを実行した。 さらに、それらの計算速度および並列計算性能も比較した。 主な結果は、LBM-LESが屋外流れの乱流構造を適切に再現し、FVM-LESと同様の精度が得られることを確認したが、LBM-LESはより高い格子解像度が必要であった(本検討ではLBM-LESの格子幅は概ねFVM-LESの半分程度を必要とした)。 計算時間に関しては、LBM-LESの計算アルゴリズムが単純であるために、同精度のLBM-LESはFVM-LESに比べて格子数がより多い場合でも、LBM-LESの計算時間は短くなった。 さらに、LBM-LESはFVM-LESよりも著しく高い並列計算性能を示した。

  • 坪倉 佑太, 石渡 純也, 徳増 秀俊, 白土 博通, 野口 恭平, 八木 知己
    セッションID: 27
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    飛来塩分は橋梁の腐食を促進する最重要因子の1つであるため,橋梁の建設に際しては,あらかじめ架橋地点の飛来塩分量を正確に把握しておくことが望ましい.ドライガーゼ法は,日本国内の飛来塩分量観測において一般的に使用されている観測法であるが,ドライガーゼ法捕集装置近傍では捕集装置自体が接近流を乱し,複雑な流れ場が形成されることから,塩分の捕集効率は明らかになっていない.本研究では,CFDによってドライガーゼ法捕集装置周りの非定常流れ場を算出し,得られた流れ場中で粒子飛散解析を行うことで,ドライガーゼ法の塩分捕集効率の解明を試みた.粒子飛散解析の結果,ドライガーゼ法の捕集効率は塩分粒子の粒径,および風速によって変化することが明らかとなった.

  • 堤 拓哉, 三瓶 達生, 志村 正幸, 郷司 尚之
    セッションID: 28
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    積雪地の風観測では風向風速計が雪で覆われることによる欠測が度々生じる。風観測に用いられる超音波風速計は他の風速計に比べ微風観測や高周波測定に適するなど、多くの利点を有するが、計測部に着雪すると欠測が生じるため、融雪ヒーターによる雪対策が不可欠である。このため消費電力が過大となり、商用電源の無い場所での使用が困難であることが運用上の課題となっている。筆者らは、冬期における超音波風速計の電力消費を低減することを目的に屋外実験および風洞実験により超音波風速計の雪対策の検討を行った。風洞実験において、2次元超音波風速計を天地逆向きに取り付け、防雪用のフードを取り付けることにより、着雪を軽減する効果が得られた。2次元超音波風速計に防雪フード等を適用し、融雪ヒーターを使用しないことにより、冬期の電力消費を1/50程度まで低減可能であることが分かった。

  • 松居 健人, 丸山 敬, 西村 宏昭, 野田 博
    セッションID: 29
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    台風や竜巻などの強風による建物被害は飛散物の衝突によるものが多いことが知られている。飛散物による建物被害を低減させるためには飛散物の空力特性を明らかにし建物衝突時の衝撃力を評価することが必要である。飛散物の形状は多くの場合ブラフボディであるため、本研究ではブラフボディの空力特性を直接計測することを目的とする。圧力センサー、加速度センサー、角速度センサー、マイコン、SDカード、小型電源からなる自立型計測装置を立方体、平板、棒状の3種類のブラフボディの模型に内蔵した。これらの模型を無風の環境下で地上から高さ50mから落下させ、圧力、加速度、角速度を計測することで空力特性を計測した。本研究で提案した計測手法の精度検証のために模型の落下運動を撮影した動画を用いた画像解析の結果と比較した。

  • 平田 勝哉, 井上 達哉, 近藤 正樹, 田内 徳明
    セッションID: 30
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    本研究では,フリップフロップ・ジェット・ノズルの発振周波数を実験により調べている.連結管両端の差圧を三角波としてモデル化し,連結管内の流速をルンゲ・クッタ法により計算している.噴流の発振が,連結管を通って高圧側の側壁から他方の低圧側の側壁へ輸送される運動量流れの時間積分値JMまたは,運動エネルギー流れの時間積分値JK,圧力仕事の時間積分値JPが閾値に達すると噴流は切り換わると仮定して,切り替え機構を議論している.その結果,JPが,最も合理的であること,および,JPを用いて予測したストローハル数と実験値と良好な一致を示している.

  • 若松 祐亮, 今井 賢一郎, 小園 茂平, シン B.
    セッションID: 31
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    風洞による乱流の影響に関する実験において乱れ強度とスケールを簡便に制御することは重要である.当研究では,マルチファン型風洞を使用し,隣接ダクト流出間に生成されるせん断層を利用する'ランダム位相法を考案'という運転方法を考案した.この方法は高強度(12-16%)かつ大スケール(0.6-0.7m) の近似的一様等方性乱流を生成できることを確認した.本論文では,乱流制御に支配的なパラメータを探すため,吹き出し直後における乱流圧力場の計測を行った.その結果,圧力降下は入力信号速度のrms値のu'eに依存していることが分かった.また乱れ強度はu'eと共に増加することを確認した.

  • 岩崎 弘高, 西嶋 一欽
    セッションID: 32
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
    会議録・要旨集 フリー

    Motivated by occasional difficulties to install anemometers with fixed towers, the present study aims at developing a way for measuring wind speed with anemometers attached to moving or unstable objects such as tree tops or captive balloons. The objective of this paper is to propose a way to estimate wind speed relative to ground based on the posture and motion as well as wind speed identified and measured by sensors and moving anemometers. The proposed way consists of (1) correction of anemometer output, (2) motion and posture identification by sensor fusion and (3) summation of corrected wind speed vector and motion vector as estimate of wind speed relative to ground. The performance of the proposed way is investigated through a simple case where a hotwire anemometer is attached to a frame under pendulum motion. The result of the investigation suggests that the proposed way can work well.

  • ファム バン フック, 小野 梓, 野津 剛, 菊池 浩利, 日比 浩一喜, 田村 幸雄
    セッションID: 33
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,矩形形状建物およびセットバック形状建物を対象として標準Smagorinskyモデル(SM)とCoherent Structure Smagorinskyモデル(CSM)を用いたLESの流れ場とその渦粘性係数の分布性状を調べた.建物周辺の流れ場は,矩形形状建物の場合,SMおよびCSMともPIVの結果とよく一致している.一方,セットバック形状建物の場合は,低層屋根面の前縁から形成される渦と馬蹄形渦との干渉により壁面入隅部付近に強い乱れが発生し,複数渦の干渉が生じており,CSMの方がPIV結果とよく合うことが分かった.渦粘性係数については,SMと比べて,CSMではその平均値が小さく,標準偏差が大きくなった.これは,CSMのモデル係数を通じて渦の挙動に起因する変動が寄与された効果である.特にセットバック形状建物のような複数渦の干渉による複雑な流れ場では,その効果は顕著であることが考えられる.

  • 小野 梓, 持田 灯, ファム バン フック
    セッションID: 34
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
    会議録・要旨集 フリー

    近年開発されたLESの新たなサブグリッドスケールモデルである,コヒーレント構造Smagorinskyモデル(CSM)を 2:1:1 単体角柱周辺の流れに適用し,再現される流れ場について標準Smagorinskyモデル(SM)の結果との比較を行うとともに,その差異をモデルの構造から考察した。CSMは実験の風速分布を良く再現したが,SMは地表面付近の風速を実験よりもやや過小評価した。乱流エネルギーは建物屋上面付近や側面付近でCSMの方がSMに比べ実験結果との対応が良かった。以上のことは,これらの領域における乱流拡散の性状をCSMがSMよりも正確に再現しているためであり,SGS渦動粘性係数の大小は,GS,SGSの乱流拡散性状に大きく影響すると考えられる。

  • 立花 卓巳, 野田 博, 岸田 岳士, 宮下 康一, 佐々木 亮治, 義江 龍一郎
    セッションID: 35
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    都市域の風環境をはじめとする環境影響評価等の実務では、風洞実験あるいは、CFD解析が用いられている。そのうち、CFD解析はRANSモデルが用いられることが多い。そのため、実務においてCFD解析技術は設計の検討段階で、比較的小規模な建築物を対象とした風環境の環境影響評価や大規模な建物周りの流れを確認する程度にとどまっている。こうした現状に計算負荷は大きいものの予測精度が、RANSモデルに比べて格段に向上するLarge Eddy Simulation(LES)を実務に応用していくことが期待されている。LESは流入境界条件として、目標とする風速勾配や乱れの強さなどの統計値を満たすように、時々刻々変化する風速を与える必要がある。これまで、風速変動を得るために様々な取り組みがなされてきた。しかしながら、流入変動風の作成方法によっては、流入直後の計算領域内で減衰したりすることもある。また、目標とする風速勾配や乱れの強さなどの統計値必ず満たすとは限らない。LESを実務へ応用するためには、作成方法が流れ場や拡散場にどのような影響を及ぼすのか検討することが必要であると考えられる。本報では、作成方法の異なる3種類の流入変動風による流れ場の予測精度を明らかにするため、まず解析領域内に障害物を置かずにLES解析を行い、流入変動風の性状を確認した。その流入変動風を都市街区モデルの流入境界条件として与え、それらが流れ場に与える影響を検討した。その結果、LES障害物のない、境界層流れでは三者の流入変動風で差異があった。しかしながら、それらの差異が都市街区モデルを対象とした解析においては見られなかった。

  • 大風 翼, 持田 灯
    セッションID: 36
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    近年、計算機能力の向上によって、歩行者風環境予測に代表される都市環境アセスメントに対し、Large-eddy simulation(LES)の活用が可能となりつつある。都市空間のLESを行うにあたっては、対象領域の風上側の地表面粗度の特性に応じた境界層を模擬する流入変動風が必要となる。流入変動風を生成する手法としては、1)周期境界条件を課した計算や風上側の地物を再現した計算などにより、直接、変動風を得る手法、2)乱流統計量を規定し、それを満たすよう乱数を用いて人工的に変動風を生成する手法の2つに大別される。本研究では、人工的に変動風を生成する2)の手法のひとつで、乱れの積分長さ・時間スケールを規定可能なデジタルフィルタによる方法を用い、建築物荷重指針・同解説に示される平均風速、主流方向の乱れの強さ、乱れの長さスケールを規定値として与え、変動風の生成を行った。

  • 新井 舞子, 河合 英徳, 田村 哲郎
    セッションID: 37
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
    会議録・要旨集 フリー

    近年,都市の再開発による街区形状の複雑化に伴い,都市キャノピー内に形成される乱流場・温度場も複雑化が進んでいる.また,人体の熱的快適性や熱輸送現象には気流の非定常な変動特性が瞬時的に影響すると予想され,建物間における非定常な気流に基づく熱の輸送の挙動を捉えるためにLES解析を行うことが要求される.そこで本研究では,複雑な流れ場が形成される高層建物群を対象としてLESと熱放射・伝導の連成解析を行い,都市表面近傍における詳細な乱流構造と都市キャノピー内における熱の輸送過程を明らかにした.また,複雑な乱流場における気流の非定常な変動が周囲の熱環境に瞬間的な気温変動をもたらしていることを示した.

  • 河西 昌隆, 大風 翼, 石田 泰之, 山本 ミゲイル, 持田 灯
    セッションID: 38
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
    会議録・要旨集 フリー

    都市における屋外温熱環境は、都市上空のメソ気象のみならず、建物の配置や形状、緑被率、人工排熱量といった要素も相まって形成され、都市上空のメソ気象より過酷な温熱環境である場合が多い。本研究では、メソ気象モデル、LES (Large-eddy simulation)、人体熱生理モデルを結合することで、全球スケールの気象が人間の快適性に与える影響を定量的に評価する手法を構築した。また、これを用いて、新橋駅周辺のモデル街区を対象に、全球スケールから人体スケールに至る一貫解析を実施し、2010年代及び2050年代8月の屋外温熱環境を予測し、その将来変化を定量的に評価した。

  • 丹原 千里, 小野 佳之, 飯田 有未, 田村 哲郎
    セッションID: 39
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
    会議録・要旨集 フリー

    計画建物の外装材用風荷重の設定に用いられるピーク風圧係数は、部材に設けられた風圧測定点の面平均値から算出される必要がある。しかしながら、風洞実験では移動平均されたデータを用いて風圧係数の検討が行われる。面平均と移動平均により算出されたピーク風圧係数の特性に関して様々な検討がされているが、面平均や移動平均が及ぼす局部負圧特性への影響については十分に明らかとなっていない。方次元角柱に正対する風向から風が作用する場合に前縁下部に発生する局部負圧に関しては、これまで多くの風洞実験やLES解析が行われ、詳細に調べられてきた。ただし測定点数が比較的多い実験では前縁下部以外にも隅角部近傍に幾つかの局部負圧の分布が認められているが、これらの局部負圧の性状も明らかとなっていない。そこで本研究では、従来と比べて細かい計算格子を用いたLES細密計算を実施し、風向0度・15度において三次元角柱の局部負圧特性および、移動平均や面平均が及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。

  • 中村 良平, 谷口 徹郎
    セッションID: 40
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    著者らはこれまで、平板屋根の圧力場およびその上部の3次元流速ベクトル場の変動特性をCFDおよび複素POD解析を用いてそれぞれ個別に検討してきた。しかし、本来、流速場と圧力場は相互に依存しており、これらを一つの変動場として捉えることができると考えられる。本研究では、CFDで得られた流速と圧力を同時に考慮した複素POD解析により、平板屋根上の流速場と圧力場の相関性および現象について検討した。その結果、風下への渦の移流とそれに伴う屋根面の圧力伝播などの現象を一つの組織的構造として抽出し、考察することができた。

  • 酒井 佑樹, 野津 剛, 伊藤 靖晃, 田村 哲郎
    セッションID: 41
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
    会議録・要旨集 フリー

    細密な格子によるLESでは風洞実験と同等の風圧や風速分布の結果の取得が可能であることが報告されている.しかし,建築物の耐風設計に必要となる複数の風向角に対する風荷重評価は計算コストの面で現実的ではない.そこで,建築物の隅角部で非対称な風圧係数分布となることが想定される風向角45°を対象として,総セル数が数億規模の大規模LESと総セル数が数千万規模の計算負荷を低減したLESを実施し,それらの結果を風洞実験結果と比較することで格子解像度や格子の配置等が建築物の風荷重評価に及ぼす影響について検討した.その結果,1)計算負荷を低減したLESで得られたピーク風圧の再現性が若干低い結果となった.2)風上側の隅角部では格子解像度,格子の配置および数値粘性の影響でピーク風圧の非対称性の再現性が低い結果となった.3)対象建築物近傍の格子解像度および格子の配置の影響で流れが歪められることでピーク値の再現性に差異が生じることが確認された.

  • 孟 明玉, 河合 英徳, 田村 哲郎, 陳 哲煦
    セッションID: 42
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
    会議録・要旨集 フリー

    高層建築物の風圧力予測において重要な役割を果たす複雑な地形や周囲に建つ建物の影響については、既往研究では建物のない地形の周りの流れ場に関する検討や地形の増速効果を考慮した建物の風圧力予測が行われているが、実地形上に形成される流れ場が高層建築物の風圧力に及ぼす影響は明らかにされていない。本研究では実地形の微小な凹凸が高層建築物の周りの速度場、圧力場に及ぼす影響を確認するために、高層建築物のみのモデル、実地形上の高層建築物のモデル、実地形上の高層建築物と周辺建物のモデルの3ケースのモデルがLESによって解析され、比較される。本研究ではLES解析手法の検証として、立方体周りの表面圧力分布の結果について風洞実験との比較を実施した後で、複雑地形と周辺建物が風速場・圧力場に及ぼす影響が明らかにする。

  • 飯田 有未, 浅野 和則, 植松 康
    セッションID: 43
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
    会議録・要旨集 フリー

    近年ダウンバーストや竜巻などの突風による被害や観測事例が増加している。気象学分野では突風の発生予測に関する研究が進んでいるが,突風内部の風の性状や建築物に及ぼす影響に関する研究は少ない。特にダウンバーストに関する研究の数は少なく不明な点も多い。そこで,本研究では突風のうちダウンバーストにより生じる風荷重に着目する。ダウンバーストシミュレータによる実験では,長さスケールとして1/2,000を仮定していたため,建物模型が小さく,多数の圧力測定点を設けることが困難であった。これらの問題を解決するため,本研究では数値解析を行い,ダウンバースト内の建物に作用する圧力分布を検討した 。本研究ではダウンバーストの最大風速発生高さより低い低層建物と高い高層建物を対象とし,高さの異なる2つの建物モデルに作用する風力および外圧分布について検討を行った。ピーク風力係数およびピーク風圧係数分布の性状を把握し,それらの発生メカニズムを考察した。また,ダウンバーストと境界層乱流による外圧係数分布の比較より,側面と屋根面における局所的な負圧の発生位置が異なることを明らかにした。

  • 相原 知子, 植松 康
    セッションID: 44
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
    会議録・要旨集 フリー

    高層建物の外壁や屋上に設置される通気性部材の設計用ピーク風力係数は,規基準により定められていない。これは,通気性部材を対象とした風洞実験模型の製作および風圧の測定手法が困難なためである。本論文では,数値流体解析の結果に基づき,我々がこれまでに実施した実験で得られた通気性部材のピーク風力係数の有効性を確認する。その上で,高層建物の外壁や屋上に設置される通気性部材の設計用ピーク風力係数を提案する。

  • 髙舘 祐貴, 植松 康
    セッションID: 45
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
    会議録・要旨集 フリー

    LESを用いた数値流体解析に基づき,大スパン陸屋根の空力安定性と非定常空気力特性を明らかにした。まず,陸屋根に対して,非振動時と逆対称一次モードでの強制加振時に屋根に作用する風圧分布を風洞実験結果と比較することで解析モデルの妥当性を示した。次に,屋根を逆対称一次モードで強制加振し,加振振幅と加振振動数を幅広く変化させ,それらが振動屋根に作用する風圧分布と非定常空気力に及ぼす影響を定量的に評価した。非定常空気力は変位と同位相の成分である空力剛性と速度と同位相である空力減衰を用いて評価した。そして,空力減衰の風速による変化に基づき,空力負減衰となる無次元風速を示した。最後に,周波数応答関数を用いて,空力剛性と空力減衰を考慮した動的応答の予測を行った。これらの結果より,屋根の質量が大きくなるほど動的応答倍率が小さくなることが明らかとなった。

  • 普後 良之, 佐藤 大樹, 田村 哲郎, 勝村 章
    セッションID: 46
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
    会議録・要旨集 フリー

    超高層建物の設計において、風荷重は風洞実験を用いて算定される。これまでの多くの研究で風洞試験の精度検証が行われているが、実在建物の風力を計測するのは困難なため、実在建物で計測された風力を風洞実験と直接比較した例はない。筆者らは超高高層免震建物であるJ2棟における免震層の変位、風向および風速を長期間観測している。風力は免震層における変位と剛性の積で計算され、風向風速の観測記録を用いて平均風力係数と平均捩れモーメント係数を算定することができる。風洞実験では、地形と周辺の建物を詳細に再現し、地形や周囲の建物の影響を確認した。観測値と風洞実験を比較し、比較的良好な対応関係を得た。

  • 益山 由佳, 植松 康, 中村 修, 奥田 泰雄
    セッションID: 47
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
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    屋上に設置される広告板は宣伝を目的としているため、高所かつ通行量が多い場所に設置される。強風によって屋上広告板が破損した場合、被害は広告板自身に留まらず、破損部位が広い範囲に飛散し物的・人的な2次被害をもたらす事例がある。しかし、屋上広告板の耐風設計に必要な風力係数は建築基準法や建築物荷重指針・同解説に十分に整理されているとは言えない。筆者らは、中低層建物に設置される屋上広告板について、建築物形状等をパラメータとした系統的な風洞実験を行い、その結果に基づき設計用の外装材用ピーク風力係数を提案したが、その研究においてはピーク風力の発生メカニズムの解明には至らず、全ケース中の最大・最小ピーク値に基づいて提案値を設定したため、その適用範囲は実験した形状の範囲内に留まる。より一般的かつ合理的な風荷重評価を行うためには、その現象の発生メカニズムに関連付けられたパラメータとピーク風力の関係を検討することが重要と考える。本報告では、建物屋上に建物壁面に沿って隣合う二壁面に設置された屋上広告板に対して、特異な部位である広告板端部に特に着目し、広告板外側から内側に向かって作用する風力を検討する。全風向中最大のピーク風力係数が発生する状況を整理し、流れの可視化実験によりピーク風力係数が発生するメカニズムを考察することで、現象を適切に表現するであろう無次元パラメータを提案し、ピーク風力係数との関係を検討する。

  • ガヴァンスキ 江梨, 梅口 拓也, 西村 宏昭
    セッションID: 48
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
    会議録・要旨集 フリー

    風洞実験結果に基づき、片流れ屋根と切妻屋根形状が連なった屋根であるマルチスパン屋根に作用する、外装材設計用負のピーク風圧係数を検討した。考慮したパラメータは屋根形状・勾配(5, 10, 20, 30度)、スパン数(1~5)である。屋根形状と勾配の違いは負のピーク風圧係数が屋根面に発生する位置とその大きさに、そしてスパン数に関してはシングルスパンとそれ以上では負の風圧係数分布に大きな違いを引き起こすことが分かった。スパン数2から5の間では大きな差は生じなかった。アメリカ設計標準(ASCE7)との比較も行い、ASCE7では屋根勾配の影響が正しく反映されていないこと、そして屋根勾配20度、30度においては領域分けが適切でないことを示した。

  • 本田 宏武, 栗田 剛, 吉田 昭仁
    セッションID: 49
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
    会議録・要旨集 フリー

    本論文は、風洞実験に基づき屋上目隠し壁のピーク風力係数について検討したものである。風洞実験は、建物のアスペクト比と目隠し壁の建物端部からの離隔距離をパラメータとし、実験により目隠し壁のピーク風力係数およびピーク外圧係数を求めた。その結果、1) 離隔を有する目隠し壁の場合、離隔距離が大きくなるほど最大ピーク風力係数は大きくなり、最小ピーク風力係数の絶対値は小さくなる。2) 目隠し壁頂部における乱れの強さと最大ピーク風力係数は比例関係にあった。3) 建物のアスペクト比が大きくなると最大ピーク風力係数と最小ピーク風力係数の絶対値は小さくなることがわかった。また、限られたケースではあるが、目隠し壁の外装材用ピーク風力係数を提案した。

  • 大坪 和広, 勝村 章
    セッションID: 50
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/29
    会議録・要旨集 フリー

    設計初期段階の建築物の平面形状のスタディのためのデータ蓄積を目的に,風洞実験により隅丸平面建物の平均風力特性を調査した。隅丸平面模型は角柱模型と比べ風上壁面で正圧となる範囲が狭くなり,かつ風上角部で大きな負圧が発生するため,平均抗力係数は小さくなった。風向が10度の場合,隅丸平面模型は角柱模型と反対側に強い負圧が発生し,角柱と逆方向の平均揚力を示した。

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