九州歯科学会雑誌
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74 巻, 3-4 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 中村 太志, 守下 昌輝, 冨永 和宏
    2020 年74 巻3-4 号 p. 41-47
    発行日: 2020年
    公開日: 2024/04/27
    ジャーナル フリー
    歯科治療では観血処置の頻度が高く,歯科医療従事者は患者の唾液や血液を介した感染のリスクが高い.また,歯 科における登院実習は,指導医の下で学生に治療行為をさせる臨床参加型実習にシフトしており,診療技術の未熟な 学生が針刺し事故を起こす確率は高いと考えられる.今回,今後の当院での針刺し事故対策の一助とすることを目的 に,当院における針刺し事故報告書をもとに,針刺し事故の実態調査を行った. 2012年度から2018年度の7年間に九州歯科大学附属病院にて針刺し事故報告があった68件と対象とした.受傷者 の傾向について,月別では6月,11月に,時間帯別では10:30以降に針刺し事故が多く,午前より午後に針刺し事 故が増加した.また,登院生の受傷が最も多く,次いで歯科医師の受傷が多かった.そして,患者への処置中に最も 事故が発生し,処置後の片付けや洗浄,パッキングなどの滅菌準備中の事故も多かった.受傷部位は左右の手指の受 傷が多かった. 針刺し事故を防ぐ対策として,学生の針刺し事故の発生状況について,実習前のオリエンテーションで説明し,片 付けや滅菌準備中の針刺し事故に注意するよう指導した.また,鋭利物の片付けを原則歯科医師・歯科衛生士・看護 師が行うよう変更し,針刺し事故の減少を図った.
  • 高橋 由希子, 船原 まどか, 引地 尚子
    2020 年74 巻3-4 号 p. 48-55
    発行日: 2020年
    公開日: 2024/04/27
    ジャーナル フリー
    九州歯科大学では,「本学の学生を海外協定大学へ派遣して国際交流を体験させる.一方で海外からの学生を受け 入れることによって,本学でのグローバル社会において活躍できる人材育成を図ること」を目的として,九州歯科大 学国際交流プログラム(Kyushu Dental University Global Scholarly Exchange Program: KDU-GSEプログラム)を行っている.口腔保健学科では,歯科衛生士養成機関同士のKDU-GSEプログラムを作成し,実施している.今後の 国際交流推進のためにその概要を報告し,学生の国際交流に対する意識について検討した. KDU-GSEプログラム派遣学生は現地での歯科医療機関への訪問を行い,教員,現地スタッフや学生との交流を行っ た.学生は意義のあるものであったと報告しており,滞在期間の中で充実した国際交流を体験できることが示唆され た.本プログラムを体験した学生は,大学院進学や企業就職を進路選択したことより,将来国際的に活躍する歯科衛 生士が育まれることが期待された.また,台湾からの受け入れ学生には,歯石除去の実習および障害者や高齢者に対 する口腔のケア・摂食嚥下訓練などの専門科目実習を提示することができた.その結果,台湾学生にも新しい分野に 関心を持つ機会を与えられたと思われる.さらに,国際交流に対する一般学生の質問紙調査においても,8割以上の 学生は国際交流の重要性を認識していた. 以上より,本学口腔保健学科KDU-GSEプログラムは目的に即した成果を十分に挙げていると考えられた.
  • 高橋 理, 鶴島 弘基, 吉岡 泉
    2020 年74 巻3-4 号 p. 56-60
    発行日: 2020年
    公開日: 2024/04/27
    ジャーナル フリー
    母斑細胞母斑は母斑細胞が異常増殖することによる過誤腫的増殖物とされており,口腔粘膜に発生することは比較的まれである.今回われわれは口蓋粘膜に発生し,色素沈着に乏しい母斑細胞母斑の1例を経験したのでその概要について報告する.患者は32歳の女性.近在歯科医院にて30歳頃より左側口蓋の膨隆を指摘されるも放置し,症状が消失しないため,当院を紹介された.左側上顎大臼歯の口蓋側歯肉に23×15mmの弾性軟,大部分は正常粘膜色であったが,一部に茶褐色を呈した腫瘤を認めた.CT検査で明らかな歯槽骨の吸収は認めなかった.生検を行ったところ,粘膜固有層から粘膜下層に類円形のリンパ球様の母斑細胞の増殖やSchwann細胞様の紡錘形細胞とMeissner小体様の構造物を認め,母斑細胞母斑の診断を得た.全身麻酔下に骨膜を含めて腫瘍を切除し,右側口蓋の粘膜を採取して移植を施行.術後の経過は良好であり,術後1年半が経過するも再発は認めない.
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