九州歯科学会雑誌
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最新号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 冨田 椋裕, 古田 功彦, 原田 佳和, 宮脇 有希, 冨永 和宏
    2026 年80 巻2 号 p. CR00005-
    発行日: 2026/06/25
    公開日: 2026/05/28
    ジャーナル オープンアクセス
     直接経口抗凝固薬(DOAC)服用患者は増加しており,今後も口腔内出血の増加が予想されるが,線維素性炎を呈した報告は稀である.症例は97歳の女性.右大腿骨頸部骨折術後に認めた深部静脈血栓症に対してエドキサバン投与開始後,両側口底部に難治性口内炎および出血を生じた.厚い偽膜に覆われた広範なびらんを呈し,線維素性炎の所見であった.血管外科と協議のうえエドキサバンを休薬し,速やかに改善し,治癒した.本症例ではDOACによる抗凝固作用が,線維素性炎の形成および治癒遷延を来した可能性が示唆された.DOAC服用患者の口腔内出血に対しては,血栓塞栓症リスクを評価可能な医師と連携し,慎重に休薬を検討することが重要である.
  • 7年経過観察
    塩野 康裕, 森川 和政
    2026 年80 巻2 号 p. CR00006-
    発行日: 2026/06/25
    公開日: 2026/04/28
    ジャーナル オープンアクセス
    永久歯の完全脱臼については,受傷歯の状況と再植までの経過が予後を決定する重要な要素となる.患者は17歳の女子で,外傷による上顎両側中切歯の完全脱臼と診断した.受傷歯は整復固定後に歯内治療を行ったところ,生着したが7年間の観察から著明な歯根吸収を認めた.過去の報告でも完全脱臼の症例では置換性外部性歯根吸収の発生率は高い.今後も継続して受傷歯の観察を行いながら,受傷歯が保存困難となった際は抜歯を行い最終的補綴治療へ移行する予定である.成長期の患者にとって,数年であっても受傷歯を保存する意義は大きいと考えられた.
  • 松尾 実咲, 船原 まどか, 池田 弘
    2026 年80 巻2 号 p. ER00003-
    発行日: 2026/06/25
    公開日: 2026/04/21
    ジャーナル オープンアクセス
    過去5年間における九州歯科大学口腔保健学科の大学院進学率は6%であった.一方で,口腔保健学科の学生の進学率が38%に達する歯科衛生士養成課程を有する大学も存在した.そこで,本調査は本学口腔保健学科における大学院制度の仕組み,指導教員選択制度,研究内容,修了後のキャリアパスおよび経済的支援制度に関する学生の認知状況を把握するとともに,大学院進学に関する受け入れ体制の現状を明らかにし,今後の制度充実に資することを目的とした.そのため,口腔保健学科学生に対するアンケート調査と,研究室インタビューを実施した. 学生調査では,「大学院に興味がある」と回答した学生は22%であった.しかし,口腔保健学科教員の研究内容を知らない学生は92%であり,研究の指導教員は口腔保健学科教員だけでなく歯学科教員からも選択できることを知っている学生は12%であった.一方,研究室インタビューでは,多くの研究室が修士課程92%,博士課程85%,社会人大学院92%の受け入れに対応可能であり,基礎系・臨床系・疫学系・教育系など多様な研究分野で研究が可能であることが示された. 本調査により,本学は十分な受け入れ体制を有しているにもかかわらず,学生は大学院制度や研究内容を十分に認知していないことが明らかとなった.今後は,教員の研究紹介や体系的な進学説明会を継続的に実施し,大学院に関する情報を組織的に発信する仕組みの構築が不可欠である.
  • 吉村 杏奈, 松原 琢磨, 東 泉, 竹内 弘, 古株 彰一郎
    2026 年80 巻2 号 p. RV00017-
    発行日: 2026/06/25
    公開日: 2026/04/23
    ジャーナル オープンアクセス
    近年,味覚受容体が口腔に限らず全身の多様な組織に発現していることが明らかとなり,栄養状態を検出する全身的な栄養センサーとしての役割が注目されている.一方で,こうした異所性味覚受容体がどのような受容体構成や分子機構を介して機能しているのかについては,未解明な点が多い.これまでの報告から,味覚受容体1型(TAS1R)ファミリーメンバーの1つであるTas1r3遺伝子欠損マウスに高脂肪・高糖食を与えると野生型に比べ高骨量を呈することが示されており,これは破骨細胞機能低下によるものと考えられてきた.本総説では,骨組織,中でも破骨細胞に発現する味覚受容体TAS1R3に着目し,口腔内味覚受容体との比較を通じて,その受容体構成,リガンド特異性,下流シグナル伝達機構について概説する.また骨代謝制御における異所性味覚受容体の新たな役割を整理するとともに,TAS1R3を標的とした骨代謝性疾患治療への応用について展望する.
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