九州歯科学会雑誌
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最新号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 古株 彰一郎
    2015 年 69 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/07/02
    ジャーナル フリー
    デンタルインプラントによる補綴を成功させるために質の高い骨の存在が重要である.骨を形成する骨芽細胞と骨髄の脂肪細胞は共通の前駆細胞である骨髄間葉系幹細胞から分化する.加齢や骨粗しょう症などでは骨髄間葉系幹細胞の骨芽細胞分化,脂肪細胞分化のバランスが崩れ脂肪細胞が増加し,骨芽細胞が減少することで結果として骨量が減少する.この骨髄間葉系幹細胞の脂肪細胞,骨芽細胞への運命決定メカニズムについては様々な因子の関与が考えられているが,我々はこれまでに骨形成タンパク質BMPの一つBMP3と転写共益因子の一つTLE3に着目し,それぞれが骨髄の間葉系幹細胞の脂肪分化を促進し,骨芽細胞分化を抑制するメカニズムを明らかにした.これらの結果より,もしBMP3やTLE3の発現や活性を低下させる方法が開発できれば,質の高い骨を維持したり再生したりすることが可能となるかもしれない.
  • 生田 図南
    2015 年 69 巻 1 号 p. 6-12
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/07/03
    ジャーナル フリー
    歯科医療従事者は血液やその他の感染物質に常に曝され,感染という危険性をはらんでいる.院内感染予防対策の目標は,歯科医療従事者の職業上の曝露リスクと診療を介して患者に感染させる可能性を低下させ,安心・安全な診療環境を作り出す事である.しかしながら,日本における歯科の院内感染予防対策は,十分だとは言えない.  歯科における院内感染のほとんどは予防できるものであり,感染を予防する対策の基本は,スタンダードプリコーションである.  規模の小さい歯科の開業医である当院の院内感染予防対策の取り組みを紹介する.参考になれば幸いである.
  • 鬼塚 千絵, 中村 桃子, 前田 直美, 杉山 裕香, 中 雅美, 木尾 哲朗, 千綿 かおる, 秋房 住郎, 柿木 保明, 寺下 正道
    2015 年 69 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 2015年
    公開日: 2023/07/02
    ジャーナル フリー
    臨床実習は医療人としての知識,技能,素養を実践して修得するために重要な科目と位置づけられている.4年制の口腔保健学科の学生は,3年次に歯学部附属病院で臨床実習を行う.最終学年を迎え,さらに1年間の学修期間が残っている時期に,臨床実習の経験が残りの学修行動にどのように影響したかを検討することは,カリキュラム編成のための参考となる.学生の臨床実習前後の目標の変化を分析し,臨床実習が学生の学修動機づけ,すなわち学修意欲の向上に繋がるのかを検証した.  臨床実習経験後は社会的環境への興味が増し,個人的な知的活動への興味が少なくなる傾向にあった.学生は臨床実習を経験し,自身の職業を意識することになったものと考えられる.目標を課題価値分類した結果,自律的な学修動機づけの重要な構成要素である「利用価値」が臨床実習後に増大し,臨床実習の経験が学生の学修意欲の向上につながる事が推測された.  口腔保健学科生の3年次に行われた臨床実習は学修動機づけ的側面を持つ事が示唆された.
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