過去5年間における九州歯科大学口腔保健学科の大学院進学率は6%であった.一方で,口腔保健学科の学生の進学率が38%に達する歯科衛生士養成課程を有する大学も存在した.そこで,本調査は本学口腔保健学科における大学院制度の仕組み,指導教員選択制度,研究内容,修了後のキャリアパスおよび経済的支援制度に関する学生の認知状況を把握するとともに,大学院進学に関する受け入れ体制の現状を明らかにし,今後の制度充実に資することを目的とした.そのため,口腔保健学科学生に対するアンケート調査と,研究室インタビューを実施した.
学生調査では,「大学院に興味がある」と回答した学生は22%であった.しかし,口腔保健学科教員の研究内容を知らない学生は92%であり,研究の指導教員は口腔保健学科教員だけでなく歯学科教員からも選択できることを知っている学生は12%であった.一方,研究室インタビューでは,多くの研究室が修士課程92%,博士課程85%,社会人大学院92%の受け入れに対応可能であり,基礎系・臨床系・疫学系・教育系など多様な研究分野で研究が可能であることが示された.
本調査により,本学は十分な受け入れ体制を有しているにもかかわらず,学生は大学院制度や研究内容を十分に認知していないことが明らかとなった.今後は,教員の研究紹介や体系的な進学説明会を継続的に実施し,大学院に関する情報を組織的に発信する仕組みの構築が不可欠である.
抄録全体を表示