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5 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 藤本 悦子
    2007 年 5 巻 2 号 p. 59-60
    発行日: 2007/03/22
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • ―湯温の直接的影響を受けない実験条件下での検討―
    中村 令子
    2007 年 5 巻 2 号 p. 61-67
    発行日: 2007/03/22
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    標準的な足浴の手法として湯温40~42℃で10分間が提唱されている。この根拠は、健常者を対象とした湯温42℃での足浴で足背部の皮膚温が開始後3分で湯温近くに上昇し10分で最高値に達したことによる。しかし、湯温40℃、41℃の実測直は示されていない。また、測定部を湯に浸漬していることから湯温の直接的影響を受けているとの指摘がある。本研究では、はじめに測定部を湯に浸漬した時の湯温の影響について検討した。その結果、測定部を湯に浸漬した状態では測定値が湯温の直接的な影響を受ける可能性が示唆され為そこで、次に測定部が湯に浸漬しない状態での測定方法を確立し、湯温の直接的な影響が最小限となる実験条件下で足浴中の足背部皮膚温の測定を行った。すなわち、健康な女性を対象として、新たに確立した測定方法により、湯温40℃、41℃、42℃での足背部の経時的な皮膚温度変化を検討した。その結果、皮膚温は緩やかに上昇し、最高値に達する時間は各湯温ともに10分以上を要した。測定部を湯に浸漬した時と浸漬しない時の最高値到達時間には有意な差が認められ為また、最高値はいずれの湯温でも40℃以下であっ払この結果から、測定部を湯に浸漬した状態で測定した皮膚温は、湯温の直接的影響を強く受けた可能性があることを明らかにした。
  • 江村 正一, 奥村 年彦, 陳 華岳
    2007 年 5 巻 2 号 p. 69-73
    発行日: 2007/03/22
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ニホンザルMacaca fuscataの舌乳頭の結合織芯を走査型電子顕微鏡で観察した。舌尖におけるニホンザルの糸状乳頭は多くの細長い突起の束として観察され、茸状乳頭はドーム状を呈した。上皮を剥離すると、横方向に何本もの溝が見られ、その溝と溝の問に、ほぼ円形に並んだ突起を持つ糸状乳頭の結合織芯およびサンゴ状を示す茸状乳頭の結合織芯が、一列に並んで観察された。舌体後方外側面には、よく発達した葉状乳頭が見られ、縦に裂けた数条の溝として見られた。上皮を剥離すると、深い溝とそれを取り囲む多数の突起を溝方向に出す葉状乳頭の結合織芯が観察された。舌体後方背側面において、周囲を溝で囲まれ、円形で比較的表面の起伏に乏しい有郭乳頭が観察された。上皮を剥離すると、球状で先端に多くの突起を有する結合織芯が見られた。
  • 長谷川 正哉, 金井 秀作, 清水 ミシェルアイズマン, 島谷 康司, 田中 聡, 沖 貞明, 大塚 彰
    2007 年 5 巻 2 号 p. 75-80
    発行日: 2007/03/22
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    靴着用が原因と考えられる扁平足、外反母趾等の障害が増加している。これら足部障害の予防には、靴等の環境要因の改善および足部内在筋強化等の身体要因の改善が重要である。本研究では履物着用中の歩行が足部に及ぼす影響について調査し、その中で下駄着用歩行の有効性について検討する事を目的とした。実験は裸足、靴着用、下駄着用の3条件とし、足趾MP関節運動及び内側縦アーチの動態を計測した。関節角度の計測には三次元動作解析装置であるOxford Metrics社製VICON512を用いた。結果、裸足と比較して靴着用中におけるMP関節運動範囲、Arch運動範囲が有意に減少した。また、靴着用中と比較して下駄着用時にはMP関節運動範囲、Arch運動範囲が改善する傾向が認められた。足趾の積極的な使用が足部障害発生予防に有効であると報告されており、下駄着用による歩行の有効性が示唆された。
  • ―特に杯細胞について―
    野上 龍太郎, 島田 達生
    2007 年 5 巻 2 号 p. 81-87
    発行日: 2007/03/22
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    粘血便は潰瘍性大腸炎患者に見られる重要な症状の一つである。この症状は一般的に、大腸で粘液を分泌する杯細胞の増加や、粘液の分泌が亢進したためと推測されている。しかし一方で、潰瘍性大腸炎患者の大腸病変部位では、杯細胞の減少に伴い粘液の分泌量が減少するとの報告がある。この矛盾を解決するために、潰瘍性大腸炎患者直腸の肉眼的に炎症・潰瘍のないほぼ正常な部位と炎症・潰瘍が観察される部位から粘膜を生検にて採取し、糖質組織化学、走査電子顕微鏡および透過電子顕微鏡で検索し、比較検討した。ヒト直腸粘膜上皮の杯細胞は、酸性糖を同定するためのアルシアンブルー (pH.2.5) に対して、強い陽性反応を示し鳥炎症・潰瘍のない部位では、上皮と陰窩に特に多くの杯細胞がみられた。一方、炎症・潰瘍が見られる部位では、陰窩は浅く、陰窩の杯細胞は全体的に少なかった。しかし、粘膜自由表面では代償的に杯細胞の増加が顕著にみられた。さらに、増加した杯細胞の自由表面は著しく膨隆し、粘液の過剰分泌が伺われた。陰窩での杯細胞減少に対する、粘膜自由表面での代償性の増加と、粘液の過剰分泌に伴う激しい凹凸が粘血便発生の要因であることが示唆され、杯細胞減少と粘液便の両見解に矛盾が無いことが明らかになった。
  • 北村 文月, 黒川 清, 今本 喜久子
    2007 年 5 巻 2 号 p. 89-96
    発行日: 2007/03/22
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    卵巣摘出ラットにおいて、尿中I型コラーゲン架橋N-テロペプチド (NTX) の経時的変化と腰椎の骨密度 (BMD) および組織的変化の関係に基づいて、卵摘後の骨吸収を考察した。
    尿中NTX値は、12週齢卵摘群では卵摘から2週後に、19週齢卵摘群では1週後に最高値に達し、3~5週後に健常レベルに戻る一過性上昇を示した。偽手術した対照群のNTX値は術後変動を示さず、健常ラットと近似であった。一方、12週齢時に0.242g/cm2であった腰椎BMDは、卵摘8週後には0.8%増となり、対照群の6.2%増と比べわずかな上昇を示した。しかし、19週齢時に0.25591cm2であった腰椎BMDでは、卵摘8週後には-3.9%となり、対照群の4.3%増と比べて明瞭なBMD減少を示した。
    12週齢卵摘から8週後に取材した腰椎の矢状断切片をTRAP染色し、骨端部 (4.25mm2) の画像解析を試みると、TRAP陽性の破骨細胞数と陽性の細胞質の総面積が増加し、骨梁の狭小化が示唆された。
  • 島村 きみ, 村中 美緒, 石田 陽子, 二山 未央, 森摩 由美, 紺家 千津子, 須釜 淳子, 中谷 壽男
    2007 年 5 巻 2 号 p. 97-104
    発行日: 2007/03/22
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    キトサンオリゴ糖の腹腔内投与が口腔粘膜における創傷治癒過程を促進するため、キトサンオリゴ糖の腹腔内投与が皮膚創傷治癒過程を促進するのかを検討した。マウスの背部に直径6mmの円形皮膚全層欠損創を作製した。創作製後0.2mlの生食を腹腔内投与したコントロール群と0.2mlの1%キトサンオリゴ糖を腹腔内投与した実験群の創面積を測定し、組織学的観察を行い、新生血管、膠原線維、筋線維芽細胞の肉芽組織に対する割合を求めた。創面積はコントロール群と実験群で創作製後13日目まで同じように縮小したが、ほぼ瘢痕治癒した14日目に有意差が見られ、実験群がより小さかった。両群の組織学的所見や新生血管、膠原線維の割合に差異はみられなかったが、10日目での筋線維芽細胞の肉芽組織内の分布に差異が見られ、その割合がコントロール群では実験群より有意に高かった。すなわちキトサンオリゴ糖の創傷治癒過程促進の効果はほとんどないが、14日目の創面積に有意差が見られたので、さらに検討する必要があると思われる。
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