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最新号
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総説
  • 島田 和幸, 内藤 美智子, 松川 睦, 易 勤
    2025 年23 巻2 号 p. 54-60
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/17
    ジャーナル フリー

    西 成甫先生は1885年1月6日に東京に生まれ、第一高等学校、東京帝国大学医学部と進学され、卒業後には解剖学の大澤岳太郎先生に師事された。

    1911年にはドイツのハイデルベルグ大学でM. Fübringer教授と、H. Braus教授の教室で筋学について研究され、ドイツハイデルベルグ学派のC. Gegenbaur教授の比較解剖学を我が国に移入された。西先生は固有背筋の体系化および体幹筋全般の研究を行った。さらに各器官の分化を類型的に分類する類型解剖学を提唱した。

    次に、Ludoviko L. Zamenhofが考案、整備した人工言語であるエスペラント語の我が国への普及に努められ、解剖学の論文や、日本の小説、仏典などをエスペラント語に翻訳、出版された。西先生は1978年8月17日心不全にて逝去され、死後献体されて、現在は骨格標本として東京大学医学標本館にて保存されている。

原著論文
  • 森脇 佳美, 大島 千佳, 中山 奈津紀, 栗田 操, 平井 眞理
    2025 年23 巻2 号 p. 61-66
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/17
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は、虚血性心疾患患者の日常生活における主観的睡眠状況の調査に加えて、客観的睡眠状況を調査し、身体活動との関連を明らかにすることである。対象は、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)治療した患者45名とした。PCI治療後に主観的睡眠指標として日本語版ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)、客観的睡眠指標としてアクチグラフィ、身体活動の計測として身体活動量計の評価をした。その結果、睡眠効率は生活活動エクササイズおよび3.0~3.9METsの活動強度時間に有意な正の相関があり、中途覚醒時間と4.0~4.9 METsの活動強度時間に有意な負の相関を認めた。中強度の身体活動は、虚血性心疾患患者により良い睡眠をもたらすことが示唆された。一方、主観的睡眠と身体活動の間に有意な相関は認められなかった。高齢患者においては加齢に伴う緩やかな睡眠の質の変化に適応していくため、主観的睡眠の質が比較的良い状態である可能性がある。そのため、虚血性心疾患の進行や再発の予防の観点では、自己申告による主観的睡眠指標のみで睡眠を評価するだけではなく、客観的指標で睡眠を評価し、睡眠を良好に保つための介入が重要であることが示唆された。

  • 甲斐 博美, 島田 達生
    2025 年23 巻2 号 p. 67-77
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/17
    ジャーナル フリー

    ヒトの臍帯血管は、胎児-胎盤循環の必須構造である。本研究では、血管構造と血管収縮の関係を明らかにするために、正常分娩後に得られたヒト新生児の臍帯の拡張動脈と静脈を形態学的に比較した。光学顕微鏡下での観察には、パラフィン切片をヘマトキシリン・エオシンまたはアルデヒドフクシン/ライトグリーンで染色した。またNaOH浸軟組織ブロックを用いた走査型電子顕微鏡を用いて血管構造を明らかにした。

    臍帯静脈と比較すると、臍帯動脈は中膜内層の構造が厚く、強い弾性線維染色性があった。臍帯動脈の管腔は閉鎖されていたのに対して、臍帯静脈の管腔は開存していた。動脈中膜内層の構造では、縦方向に配向した平滑筋細胞を取り囲む広範な弾性線維ネットワークがあったのに対し、臍帯静脈には内弾性板と薄い中膜内層が観察された。動脈と静脈両者で共通なのは、中膜外層が主として円形の平滑筋細胞で構成され、かなりの数の細胞が斜めに交差していることであった。

    臍帯血管の平滑筋細胞と弾性線維に特異的な超微細構造は、分娩直後の新生児の出血を阻止するために、臍帯動脈の血管壁の収縮と伸展の柔軟性に重要な役割を果たすことが示唆された。

短報
  • 治面地 学, 吉元 拓也, 星 勇人, 佐藤 史人, 宮坂卓治
    2025 年23 巻2 号 p. 78-84
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/17
    ジャーナル フリー

    肩関節の運動学的中間位から上腕軸における水平面上360°の各方向への等尺性運動を実施できる装置を作製した。2つの荷重変換器(SG-1、SG-2)とアルミ製シリンダー(内径150 mm)を材料に装置の計測部を作製した。同部を固定して0.5-16.0 kgの重錘を用い、30°毎12方向に牽引してSG-1、SG-2が出力する電圧(V1、V2)を記録し、電圧から力の方向と大きさを算出する計算式を求めた。次に計算式をコンピューターに入力し、力の方向と大きさがコンピューターのモニター上に表示されるようにした。さらに被験者1名を用いて本装置の動作確認を行った。被験者を椅子に座らせて、肩関節を運動学的中間位、内旋外旋中間位にした。この状態から5.0 kgf程度の力で上腕軸における水平面上で90°方向(肩関節屈曲方向)、270°方向(伸展方向)、0°方向(外転方向)、180°方向(内転方向)およびこれらの組み合わせによる360°方向への等尺性運動を行わせたところ、被験者はモニターの表示を見ながら指示通りの方向に力を発揮できることが分かった。

  • 田島 花菜, 廣瀬 美和, 片上 優, 齋藤 慎二
    2025 年23 巻2 号 p. 85-91
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/17
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は空腹状態の人工胃液であるFasted State Simulated Gastric Fluid(FaSSGF)と人工腸液であるFasted State Simulated Intestinal Fluid(FaSSIF)(Biorelevant社)を通過した発酵乳中のビフィズス菌の生菌数を検討することである。

    4社のビフィズス菌含有の発酵乳を人工胃液に37℃ 3時間、続いて人工腸液に37℃ 22時間暴露させた。人工胃液のpHは1.73±0.01、人工腸液のpHは6.46±0.01であった。発酵乳のpHは4.26±0.09~4.39±0.09、人工胃液との混合物は3.63±0.12~3.66±0.08、人工腸液との混合物は3.98±0.14~4.38±0.05の範囲内であった。発酵乳、人工胃液との混合物、そして人工腸液との混合物を好気培養と嫌気培養を行い、コロニー計測およびグラム染色を行った。好気培養した生菌数は、平均すると1.5×109±0.5×109 CFU/ml、人工胃液通過後は4.6×108±1.1×108 CFU / mlに、人工腸液通過後は2.4×107±4.8×107 CFU/mlに減少傾向であった。嫌気培養のうち大型コロニーを形成したビフィズス菌の生菌数は、平均すると4.0×109±8.0×109 CFU/ml、人工胃液通過後には1.0×108±0.5×108 CFU/mlに、人工腸液通過後には8.0×106±4.0×106 CFU/mlに減少傾向であった。以上より、4社の発酵乳をBiorelevant社の空腹状態の人工胃液と腸液を通過させた場合にビフィズス菌の生存を確認することができた。Biorelevant社の人工胃液と腸液は、大腸に届くビフィズス菌数を増加させるまたは大腸で増加させるような発酵乳の摂取方法の検討に有用である可能性が示唆された。

特集 コ・メディカル各領域に対応した解剖学・生理学実習の工夫(コ・メディカル形態機能学会第22回学術集会シンポジウム報告)
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