Mycobaoterium avium complexの3菌株にっいて, 抗結核剤に対する耐性発現形式を研究した。被検3株の中で, 13034株は, INHを除く抗結核剤に元来感受性が低く, 他の13008株と13016株は比較的高かった。
M. avium complexの耐性形式は, 複雑で, 13034株と他の2株は, 頻々異なった形式を示した。
(1) RFP, ASM及びSMにっいては, 13008株と13016株はtwo-step patternを示し, 13034株はobligatory single-step patternを示した。
(2) KMについては, 3株ともがobligatory single-step patternで, 原株中に高度耐性株がみっかった。
(3) EVMについては, 13008株と13016株の2株は, obligatory single-step patternで, 原株の2~4倍の耐性度を示す耐性菌しか得られなかった。
(4) EB及びINHについては, 耐性形式は, 3株3様であった。13034株からはEB耐性菌を分離できなかった。
(5)
M. avium complexにおいても, 特殊な例外を除き, 原株に突然変異に由来すると思われる耐性菌を含んでおり, 抗結核剤の使用により耐性菌集団を容易に生じ得ることが示唆された。
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